五十八が紀夫の決意促す / べっぴんさん 第62話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年12月13日(火)放送
第11週 第62話「やるべきこと」

『べっぴんさん』第11週 第62話 あらすじと見どころ解説

寝込んでしまった紀夫を見舞うために潔とゆりがやってきました。二人がやって来たと知って大あわてて布団に潜り込み寝ているフリをする紀夫。その紀夫の姿を見た喜代は、紀夫が仮病を使っていることは察します。

その頃、すみれたちはキアリス大急支店を開店させる準備をはじめました。新しく始める支店が期間限定の営業ではなく、この先何年も何十年も営業し続けることを知った悦子はキャバレーを辞める決意を固めます。

そんな中、すみれと紀夫、ゆりと潔は近江の坂東本家に足を運びました。トク子が体調を損ねたため五十八が四人呼び出したのです。すみれとゆりは、久しぶりに会った五十八にそれぞれの商売の進み具合などを報告します。

一方、喜代から事情を聞かされていた五十八は紀夫に告げました。男は強くなるために変わらなければいけない時があるのだと。五十八の言葉に奮起した紀夫は、決意を新たにして出社するのでした。

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期間限定の出店で成功したキアリスが、今度は期限なしの出店決定。悦子が専属の店員になる決意を固めるなど、すみれ周辺の動きがあわただしくなってきます。

その一方で戦地より戻って来てから一進一退を繰り返す紀夫が再び小さな一進。しかしまたしても一退しそうな予感がします。

『べっぴんさん』第11週 第62話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

大急キアリスグループという名で期間限定の営業でない支店が決まったキアリス。この支店名はリアルの阪急ファミリアグループから着想を得たものです。

ところで、すみれたちが大急キアリスグループというポジションを勝ち取るまで何度となくゴネにゴネましたが、これら「ゴネ」もリアルのエピソードがもとになっています。

ところでドラマならともかく、リアルであそこまでゴネたらまとまるはずの話もまとまらなくなりそうなものですが、話をまとめざるを得ない事情が阪急側にはあったのです。

ファミリアの阪急百貨店への誘致は社長の命令によるものでした。

だからファミリア誘致の実務を担当した者はどのような手を使ってでもファミリア誘致を成功させなければならなかったのです。

もしこの時、実務担当者がファミリア誘致の可否を自分の裁量で決めることが出来ていたならもしかすると阪急ファミリアグループは幻に終わり、ファミリアも飛躍を遂げる大きなきっかけを失っていたかも知れません。

『べっぴんさん』第11週 第62話 観賞後の感想

すみれちゃんと紀夫くんは「婦唱夫随」の関係

「男の人生というものは背負うものが増えてくる」
「強くなるために大きくなるために変わらなあかん」

五十八さんの力強い言葉に励まされついに紀夫くんが覚醒しました。苦手なこともやり続けてみると再び立ち上がる紀夫くんの静かな決意。

そして、これまでの回想場面を見せながらエンディングで主題歌を流すレアな演出。

この演出はもしかして物語に一つの区切りがつき、新展開が始まる予告なのでしょうか。

ところで朝ドラ『べっぴんさん』の制作が発表されたのは2016年1月13日。制作発表時、すみれちゃんと紀夫くんは「婦唱夫随」の関係と説明されていました。

「夫唱随」ではなく「唱夫随」の関係です。

昔からある「夫唱婦随」という言葉は「夫が言い出し妻がそれに従う」ことを意味します。

無条件に夫に「従う」ことを求められる「夫唱婦随」という言葉は女性の意思を尊重しないものであるという考え方があり、それには一理あります。

しかし誤解を恐れずに言えば「従う」ことが意思のない行為かと言えばそうとも言い切れないと僕は考えています。

良い例がかつての五十八さんと正蔵さんの関係です。

五十八さんと正蔵さん、坂東家と野上家の主従関係も「夫唱婦随」に近い、言い出した者に逆らわずに従うという考え方が基本です。

正蔵さんは五十八さんと坂東家に「従う」生き方に徹し、その息子の潔くんもまた正蔵さんの生き様を引き継ぎました。

しかし、正蔵さんや潔くんは「従う」ことしか出来ない意志薄弱な男なのか。

決してそんなことはありません。坂東家と野上家の主従関係を何よりも大切にし「従う」ことへの覚悟を決めているのが、生前の正蔵さんでありその息子の潔くんです。

「従う」ことには強い覚悟が必要です。

さて、話を戻すと『べっぴんさん』はすみれちゃんと紀夫くんの「婦唱夫随」の物語です。だから紀夫くんに求められるのは「従う」覚悟です。

生前の正蔵さんや潔くんのようなブレない覚悟が求められます。

でも、これまでの紀夫くんにはすみれちゃんの言い出したことに従う以前に、強くなろうとする覚悟のようなものが不足していたかと思います。

今回、五十八さんの言葉で目覚めた紀夫くんの基礎の覚悟にスイッチが入った。そんな気がしています。

間もなくすみれちゃんに「従う」覚悟も固めることになるのでしょうか。

「婦唱夫随」の物語が始まるフラグがついに立ちました。

坂東本家の「夫唱婦随」

近江の旧家である坂東本家は「夫唱婦随」という昔ながらの価値観を大切に守り続けている家なのでしょう。

しかし今回の坂東本家の様子を見て気になる点が一点。

「夫唱婦随」の「夫」のポジションがいつの間にか長太郎さんから五十八さんに移っているような気がしたのは僕だけでしょうか。

坂東本家の長男であるハジメくんは、長太郎さんをすっ飛ばして五十八さんに商売上の相談をし、そんな「夫」の勢力図が書き換えられた状況を長太郎さんがもはや諦めているようにも見える。

しかし『ごちそうさん』の西門家のような陰険な陣取り合戦の末の「夫」のポジション交代でなく、とっても明るい「夫」のポジション交代劇みたいなのでこれはこれで良しとしましょう。

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6 Responses to “五十八が紀夫の決意促す / べっぴんさん 第62話”

  1. えびすこ より:

    このところあまり出番がなかった生瀬さんふんする五十八さん。
    珍しく生家の上座にあたる場所に座ってましたね。
    今年の朝ドラで触れた静岡・遠州地区と滋賀県。
    来年の大河ドラマでもそのまま主人公のゆかりの地(滋賀は間接的)になりますね。

    ところでゆりさんの夫婦には子供がいないまま後半に入るんでしょうか?昭和23年夏時点では子供がいません。
    先日発表された新キャストには「主人公の甥・姪」役という人がいなかったような?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 生家の上座にあたる場所

      この位置がこの先のトラブルのフラグのような気がしてなりません。

  2. よるは去った より:

    五十八「野上がいてくれたらなあ。」やはり一人の人間が大きくなるには知恵袋というか軍師は必要なんでしょうね。大島社長や潔君はそれぞれの細君がうまいこと立ち回ってくれているようですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 軍師

      紀夫くんに求めらるのはこの役割かも知れませんね。すみれちゃんの軍師。それが彼の生き方かもです。

  3. よるは去った より:

    五十八「大きく変わらないかん時がある。」 紀夫君は最初から坂東営業部の次期社長という重荷を負わされているのが大きなプレッシャーになっているのでしょうけど。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 次期社長

      戦前の平和な頃であれば安泰だったのでしょう。紀夫くんが婿入りした時はすでに戦争に突入していましたが、戦争はさっさと終わってすぐに平和が戻るくらいの感覚だったのかなと今回の五十八さんを観て思いました。

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