キアリスガイド原稿執筆 / べっぴんさん 第68話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年12月20日(火)放送
第12週 第68話「やさしい贈りもの」

『べっぴんさん』第12週 第68話 あらすじと見どころ解説

紀夫の弁当をつくり、さくらの着ている服の手直しをする。キアリスをやめたすみれの専業主婦としての生活が始まりました。すみれの気遣いに紀夫は感謝の言葉をかけることを忘れず、二人のギクシャクしていた関係はようやくなおりはじめます。

その頃、大急百貨店との打ち合わせに出席した君枝はクリスマスセールの目玉商品を企画するよう求められました。一方、キアリスガイドの原稿執筆を進めていた明美は行き詰っていました。文章が固くて読みにくいと昭一に指摘されたのです。

一方、ゆりと潔の心のすれ違いは日を追うごとに深まっていました。ゆりの出産後、子供は誰かに預けてゆりには仕事を続けてもらうことが潔の望みでした。しかし、ゆりの考えは違いました。ゆりは自分で子育てをしたかったのです。

そんな中、すみれのもとに明美が訪ねて来ました。原稿執筆に行き詰った明美にすみれは執筆の手伝いを申し出ます。久しぶりに仕事に没頭するすみれの姿を見た紀夫は、すみれがどれほど仕事を愛しているかを改めて思い知らされるのでした。

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midokoro
専業主婦に戻ったのもつかの間、『キアリスガイド』の原稿執筆に悩む明美の求めに応じて、すみれは在宅の仕事だからと手伝いを申し出ます。

キアリスとキアリスの仕事をこよなく愛していたすみれの心に、原稿執筆という小さな仕事がどのような波紋を広げることになるのでしょうか。

『べっぴんさん』第12週 第68話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

前回、今回と劇中に登場する『キアリスガイド』は実在した『ファミリア・ガイド』をモチーフにしています。

『ファミリア・ガイド』とは妊婦や出産直後の母親のために、妊娠や育児の知識をまとめた冊子で、ファミリア店頭にて無料で配布されていたものです。

ファミリアが阪急百貨店の「阪急ファミリアグループ」を出店して一年ほどが経過した頃、百貨店で開催された子供向けイベント会場で来場者に無料で配られたのがはじまりです。

本来はファミリアの販売促進ツールとして準備された冊子でしたが、無料配布とは言いながらも充実した内容のその冊子は評判を呼びました。

販売促進ツール以上の価値を持つという評価を得た『ファミリア・ガイド』は、イベント終了後に情報の量をさらに増やして増刷。

商品だけでなく求めらる情報も提供するというこの時の発想は、その後のベビー・コンサルタント制度やファミリア・ベビー・子供研究所へと発展しました。

『べっぴんさん』第12週 第68話 観賞後の感想

ゆりちゃんと潔くんの心のすれ違い

数日前のこと。ゆりちゃんと潔くんの心のすれ違いのストーリー展開をまとめながら僕は間違った予想をしていました。

昔かたぎの潔くんは、出産後のゆりちゃんに専業主婦になって子育てに専念することを求めるに違いない。

しかし、仕事をこよなく愛するゆりちゃんは潔くんの保守的な考え方に反発。このギャップから二人の心のすれ違いが日に日に拡大するのではないかと。

しかし、実際の展開は僕の予想とは正反対の方向に歩みはじめました。

潔くんは、ゆりちゃんは出産後も仕事を当然続けるものだと思い込んでいる。しかし、ゆりちゃんは子育てに専念するのが心からの願い。

僕のストーリー展開予想は外れることの方が多いので、予想が外れたことについては今更驚いたりはしません。

しかし、見事なまでに正反対のすれ違いが生じたことには驚きを隠せません。

と同時にこれから母となる女性の心境はここまで変化するものなのかと、ゆりちゃんの騒動から初めて学ぶことが出来ました。

一方、潔くんはまだゆりちゃんの心境の変化をつかみかねている様子です。

つかみかねている上に、潔くんはゆりちゃんの言葉を聞こうとはしない。潔くんがゆりちゃんを無視しているわけではないのは承知していますが、商売に追い風が吹いている中、立ち止まってゆりちゃんの暗い表情に気づくゆとりを失っているのかも知れません。

こんな時に喜代さんが元気なら助け舟を出してくれそうなところですが、あいにく喜代さんは入院中。

二人のすれ違いはますます拡大してゆく見通しですが、すれ違いがキレイに回収されて正月を迎えることが出来るのか。

ちょっと心配になって来ました。

明美ちゃんと武くんのツーショット場面

久しぶりの明美ちゃんと武くんのツーショットに心が癒されました。

それにしても明美ちゃんの行動を観察する武くんの洞察力が若いながら素晴らしい。

本当は一人残ってでも『キアリスガイド』の原稿執筆を先に進めたい。しかし、それをやってしまうと君枝ちゃんと良子ちゃんが帰宅出来なくなる。

君枝ちゃんと良子ちゃんには夫がいて子供もいる立場です。

独り身の自分と同じ働き方はさせられない。君枝ちゃんと良子ちゃんの顔色を読みながら咄嗟にそんな判断が出来てしまう明美ちゃんの気遣いがさすがです。

そして、その気遣いを鋭く察する武くんも明美ちゃんのことを本当に良く観察しているなと思います。

一方、明美ちゃんもまた武くんのことを良く観察しているからこそ、夜遅くまで一人残って店の掃除をしている武くんに夕食の差し入れをした・・・と言うのは考えすぎでしょうか。

武くんの前では依然としてお姉さんのように振る舞いながらも武くんを見守りながら彼が一人前になるのを待っているのではなかろうか。

今回描かれた、武くんとツーショット場面の明美ちゃんの横顔を見ながらふとそんなことを考えました。

すみれちゃんのキアリスへの思いを改めて感じる紀夫くん

紀夫くんはずっと悔いているんでしょうか。

すみれちゃんがキアリスを辞めることにしたのは、すみれちゃんの頰を打った自分に原因があるのではないかと。

そしてすみれちゃんが仕事に没頭する姿を見るほどに胸の中の後悔の痛みが増してくる。

ゆりちゃんと潔くんの心のすれ違いは拡大の一途を辿り気の毒なことこの上ないですが、すみれちゃんと紀夫くんの心のすれ違いは収束に向かいつつあるような気がします。

収束の先に何が待っているのか。

困難ばかりだったすみれちゃんと潔くんにようやく明るい展望が見えて来ました。

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8 Responses to “キアリスガイド原稿執筆 / べっぴんさん 第68話”

  1. ゆき より:

    ゆりちゃん…今の働きたいな働かないとって思ってる結婚している現代女子としてならこの旦那さんの提案はとっても嬉しい事だと思うんですよね当然自分の手で自分の子を育てたいって思うのもどの時代の女の人の思いは一緒だと思うんだけどな‥もうちょっと旦那さんもこうだろうって自分の意見を押し付けないで妊娠中で気持ちが不安定な今こそしっかりゆりちゃんの希望を聞いてあげて欲しいですすみれちゃんも本当は働きたくって堪らないんだと思います楽しそうにこうしようああしようって思案している姿が私は好きでした紀夫さんも仕事でしんどいかもしれないけどそこは
    夫婦なんだから分担していかなきゃいけなかったと思います

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 旦那さんもこうだろうって自分の意見を押し付けないで

      ゆきさんの考えを第69話で麻田さんが代弁してくれましたね。しかも潔くんの意見は間違いだとまで言い切る。年齢を重ねた方の言葉は重いです。


      > 楽しそうにこうしようああしようって思案している姿

      紀夫くんも、そんなすみれちゃんの幸せそうな姿にやっと気がついたみたいですね。あと一歩で二人の気持ちは一つになりそうです。

  2. きゅうぽん より:

    ゆりちゃんが切なすぎます。
    多分、ゆりちゃんも仕事をバリバリこなして行きたかったと思います。子供を持つというのをどこか潔くんと坂東営業部の立て直しに必死で諦めているというか、遠い存在だったと思います。
    でも、子を持ちながら仕事をしている妹を見ていて、さくらの寂しさも見てきて、実際、子供を授かり、可愛いさかりを育て見てみたいと思ったのですね。
    キヨさんが復帰して、見てもらえるならいいですが、ゆりにはそんな存在が今いない。そこが当時の嫁に出た人間として一歩下がっているのかな…遠慮しなくてもいいのに。キヨさんカムバック!!

    紀夫くん、ありがとう言えるやん!と思いました。そして最後に原稿チェックしている後ろで泣いている…ちょっと可愛い。

    家のことしてやりますから…やっぱり、女が働くということは、家のことをした上でなんですよね…。キヨさんの洗濯を手伝う素振りも見せていましたが、やっぱり家事は女の仕事という状況が当時なんですかね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 可愛いさかりを育て見てみたい

      ゆりちゃんへの優しさに満ちたレビュー、何度も読み返しました。僕はゆりちゃんの今の気持ちを理解するまでずいぶん時間がかかってしまいました。潔くんと一緒です(苦笑)


      > ちょっと可愛い

      不器用なりに努力する姿がいじらしいですね、紀夫くん。

  3. もんすけ より:

    「少し手伝おうか?」「助かるわ~、ありがとう」
    キアリスガイドの執筆を巡っての、すみれちゃんと明美ちゃんの会話。
    心から心配する、できることなら助ける、それを素直に受け止め、信頼する…。
    昔の二人からは想像できなかった言葉のやり取りと、少しずつ自分に自信をもつことができるようになった明美ちゃんの変化に、不覚にも少し目頭が熱くなってしまいました。
    すみれちゃんの、静かに燃える心の熱量が、周りの人々の熱量を徐々に上げていく。遠赤外線のようにじんわりとしている熱量だからこそなのでしょうね。
    比べ、ゆりちゃんは…。マタニティーブルーもあるのでしょうか。すみれちゃんのそれに似た、喜代さんの陽だまりのような温かさに触れたときの涙が切なく。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 明美ちゃんの変化

      明美ちゃんが本当に変わりました。君枝ちゃんと良子ちゃんに仕事に責任持てないなら手伝うなとまで言っていたくらいの明美ちゃんが、今ではそれぞれの家庭の事情を察するほどの懐の深さ。おっしゃる通り、すみれちゃんが暖めてくれたのだと思います。

      > マタニティーブルー

      ゆりちゃん、それもあるかも知れません。心も身体も不安定にも関わらず、潔くんはイケイケ期。そのギャップが気の毒です。

  4. よるは去った より:

    ゆりちゃんの胸中は「私はあくまで『潔さんの妻』でいたいのに・・・・・。」という想いが強いでしょうね。紀夫君が持ってきた「愛妻弁当」を羨ましそうに見ている眼差しには「私も潔さんにあんなものを作ってあげたい・・・・・。」という想いが感じられました。菅野N 「 すみれの『キアリス』への想い・・・・・・・。」紀夫君へどういう変化を与えていくのでしょう。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 私も潔さんにあんなものを作ってあげたい

      この愛妻弁当を作ったのはよりによって自分の妹ですからね。ゆりちゃんの気持ちの揺れ方たるやかなりなものかと思います。

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