坂東本家に家出するゆり / べっぴんさん 第69話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年12月21日(水)放送
第12週 第69話「やさしい贈りもの」

『べっぴんさん』第12週 第69話 あらすじと見どころ解説

ある朝、血相を変えた潔がすみれのもとに駆けつけて来ました。ゆりが家出したと言うのです。その時ゆりは近江の坂東本家にいました。潔が坂東本家に電話をしても、ゆり本人は電話口には出ず、五十八を通じて自分は戻るつもりはないことを伝えるだけでした。

その日の夜、泥酔した潔はゆりが相談したことを訪ねに麻田のもとに足を運びました。ともに坂東営業部の復活を夢見ていたはずのゆりの行動が理解出来ないと嘆く潔。そんな潔の誤りを麻田は指摘します。人は皆、自分が幸福になるために生きているのだと。

一方でキアリスの面々は、大急百貨店のクリスマスセールの目玉商品を準備出来ず困り果てていました。君枝たちがどれほど知恵をしぼっても良いアイディアを思いつくことが出来ずにいたのです。キアリスにやって来たすみれに君枝はそのことを相談しました。

その頃、さくらへのクリスマスプレゼントを考え続けていた紀夫があるアイディアを思いついていました。紀夫のアイディアをもとに、すみれと紀夫はクリスマスの飾りを施したブリキの缶にキャンディーを詰めたプレゼントを完成するのでした。

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midokoro

ゆりの妊娠が判明。しかしお祝いムードに酔うひまもなくゆりと潔は対立。

家庭と仕事への考え方をめぐって二人の間にはギャップが生じ、激しい対立の末にゆりはついに家出をしてしまいます。

『べっぴんさん』第12週 第69話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

事前に発表された情報を読む限りでは、ゆりと潔の間で生じた家庭と仕事への考え方のギャップがどのようなことなのか、詳しいことはまだわかりません。

よって、以下はブログ主の憶測をもとに書き進めて行きます。

ゆりの妊娠が明らかになり、昔気質の潔としてはゆりに専業主婦になることを求めたのではないか。そんな気がしています。

坂東営業部の仕事を辞め、育児に専念してほしい。家を守ってほしい。

加えてゆりを思いやる気持ちもあったのかも知れません。仕事と家事・育児の両立はあまりにも負担が大き過ぎるだろうと。

さて、もし潔がそんなことを言ったらゆりがどんな反応を示すかは容易に想像がつきます。

坂東営業部を継ぐことは独身の頃からのゆりの夢でした。

戦争で一度は失われた坂東営業部をここまで再興してきたゆりにとって、坂東営業部は独身の頃よりも愛着のある存在になっているに違いありません。

また、坂東営業部復活の仕事に携わることを許されなかった闇市時代のゆりの暗い顔を思い出す時、ゆりに専業主婦という選択肢はあり得ません。

昔気質の潔が、夢を追い求め時代の先を行きたいと願うゆりの地雷を踏んでしまう。

今回描かれるゆりの家出騒動はそんなところに原因があるような気がします。

『べっぴんさん』第12週 第69話 観賞後の感想

ゆりちゃんと潔くんのギャップ拡大

家庭をかえりみず仕事一筋の生き様を粋に感じていた潔くんと、妊娠を機に家庭のない根無し草のような生き方に疑問を感じはじめたゆりちゃんの間で生じ始めたギャップ。

そのギャップがゆりちゃんの家出によっていよいよ鮮明になりました。

潔くんの家庭をかえりみない働きぶりを際立たせる演出なのか、これまで潔くんの住まいは一度も登場していません。

一方のゆりちゃんは、戦前の神戸の坂東家のお屋敷。戦中戦後の近江の坂東本家などゆりちゃんの住まいは登場するものの、そのゆりちゃんが潔くんと一緒の場面になった途端に画面から生活臭の一切が消し去られる。

今回もそのゆりちゃんと潔くんの対比が際立ちました。

ゆりちゃんが坂東本家で家族や親戚に囲まれているその一方で、ゆりちゃんの安否を確認する潔くんが電話をかけたのは坂東営業部の事務所。自宅ではありません。

しかも坂東本家のゆりちゃんにご飯を食べさせることで生活臭を強調し、他に誰もいない事務所から電話する潔くんの会社がすべての生き方の無機質さをあぶり出す。

潔くんの浮きっぷりが痛々しいくらいでした。

そんな潔くんに追い打ちをかけるような麻田さんの言葉がまた厳しい。

ゆりちゃんに出て行かれた潔くんは珍しく泥酔しながら心の父親・麻田さんに愚痴をこぼしました。会社のため、坂東営業部のために頑張って来たのにと。

そんな潔くんに、それが間違いだと麻田さんが痛烈に斬り込む。

「みんな自分が幸せになるために生きているんです」

この麻田さんの珠玉の言葉、泥酔していた潔くんの心に響いたのでしょうか。

ところでさくらちゃんの保育所でのお友達が描いた家族の絵。

お父さんとお母さんの顔がないのは、ゆりちゃんと潔くんが生き方を変えずにこのまま突っ走ってしまった時の、二人の子供の将来の孤独感を暗示しているようで怖かった。

追記:朝っぱらからすみれちゃんの家に駆けつけゆりちゃんの家出を告げに来た潔くん。

その潔くんの発した「いえで」という言葉の意味がわからず、「いえでってなに?」と繰り返し聞きまくるさくらちゃんが可愛い。

この時のさくらちゃん、芝居なんでしょうか。アドリブ(自然体)なんでしょうか。

さくらちゃんが妙にツボにはまりました。

すみれちゃんと紀夫くんの蜜月期

心のすれ違いが日に日に大きくなるゆりちゃんと潔くん。

それとは対照的に、すみれちゃんと紀夫くんの息の合い方は戦後最良と言って差し支えないレベルで微笑ましいことこの上ありません。

すみれちゃんが朝帰りした時の紀夫くんの反応の数々には問題も多々ありました。

しかし、あの時の大人気ない反応があったからこそ紀夫くんの反省が促され、すみれちゃんの気持ちを真正面から見据えることが出来るようになったのかも知れません。

そしてすみれちゃんの気持ちに真摯に耳を傾けることで初めて理解できたすみれちゃんの仕事への愛情、キアリスへの想い。

さらに、すみれちゃんが家庭に対して真剣になっていることも今の紀夫くんにはよくわかるのでしょう。

幼い頃から自分の殻に閉じこもりがちだったあの紀夫くんが初めて他者への深い関心。男会の中で一番危なっかしい紀夫くんでしたが、今回は一番頼もしく見えました。(男会の面々は今回は出て来ませんでしたが)

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コメント

  1. つまぴょん より:

    今日の紀夫くん、本当にいい表情してましたね。

    さくらちゃんが出来たとわかった時以来の本当にいい表情。

    ほっこりしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 本当にいい表情

      すみれちゃん朝帰り騒動の時の反応は大きな疑問符が付きましたが、それ以降の紀夫くんの成長はまぶしいほどですね。

  2. まいまい より:

    いつも楽しく読ませていただいています。

    先週から今週にかけてのテーマはまさに
    「お母さんの仕事と家事&育児の両立」ですね。

    先週、あさいちでも特集されていましたが、どの時代でも
    専業主婦と兼業主婦の選択や家族の理解・協力は
    女性の大きな悩みの一つなんだと、見ていて思います。

    結婚するのかしないのか、子供を持つのか持たないのか、
    仕事をするのかしないのか、どれかを選べば何かをあきらめなければならない。そんな選択をした自分と後悔しない生き方を続けなければならない。難しいです女性の一生というのは。

    例え仕事のスキルがあって、望んで仕事を続けても、家族の理解がなければ、どんなに仕事で成果をあげても家族は評価してくれないし、家庭内でトラブルがあったり、子供がおかしな行動をとれば「お母さんが家にいないから(働いていて子供に手をかけていないから)」と短絡的に、責任を負わされてしまう。
    いつもお母さんは、家事に子育てに仕事にと、精一杯がんばっているのに・・・

    また同じような家庭であっても、旦那さんの家事や育児の協力があるのとないのとでも、本当にお母さんの大変さは変わります。この人と結婚したいと思っても、その人が家事や育児に協力的な人であるかどうかを、結婚前に判断できるでしょうか?残念ながら、はずれな旦那を持ってしまったお母さんが世の中にはゴマンといることでしょう。イクメン、カジメンが増えては着ていますが・・・

    一方、専業主婦になって家事と子育てを頑張っていても「どうして働かないの?」と心ない質問をされる。
    不妊治療で辛い思いをしていても「お子さんは?」と聞かれる。
    生涯独身を決めて働いていても「結婚しないの?」と聞かれる。

    どのような選択をしても、ないものねだりというか、なかなか一人の女性として認めてもらえず、もんもんとしてしまう。友人や同僚と比べたりしてしまって・・・

    だから、他人と比べることなく、自分の選択に誇りを持って、自分に合った生き方をし続けるしかないのだと思いますし、そう再認識しながら朝ドラを見ています。兼業主婦のぼやきでした。失礼しました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      女性が自分の人生を選択しようとする時に立ちはだかるハードルがこれほど多いものなのかと心底驚かされました。結婚、出産、育児が常に評価の基準となりそこをパスしなければ他のいかなる成果も認めてはもらえない。そんなしがらみを突き抜けることが出来たあさちゃんや常子ちゃんの偉大さが今さらながら理解出来た気がします。すみれちゃんやゆりちゃんも突き抜けることが出来るのでしょうか。

      • まいまい より:

        お返事ありがとうございます。

        あさちゃんが子育てを姑さんにゆだねると決めたとき。
        また、常子ちゃんが星野さんと二度目の別れを決めたとき。
        本当に葛藤したと思います。

        仕事を取れば、十分な子育てができない。
        子育てを取れば、十分な仕事ができない。

        自分にとって、何が得意で、何をしているときが幸せなのか。
        一ヶ月先、一年先、十年先、30年先を見据えたとき
        自分が何をしていけば後悔しないのか。
        一人で考える必要もありますし、パートナーの意見も尊重しなければならない。バランス感覚というのも必要です。

        ゆりちゃんがどのようなお母さんになるのか。
        すみれちゃんがキアリスに復帰後、どのような子育ての困難に立ち向かって解決していくのか。楽しみです。

        それから、今朝の、さくらちゃんの「いえでってなぁに?」の三連発は癒されました~(笑)お子さんの関西弁も相まって、ほほえましいシーンでした。

  3. よるは去った より:

    さくらちゃん役の粟野咲莉ちゃん、ひろ子ちゃん役の中野芽愛ちゃんは自然体で演技できている子役ちゃんですね。すみれちゃん一家があれだけ笑顔に包まれるのも初めてかも。紀夫君がさくらちゃんへのクリスマスプレゼントに着色している時の楽しそうな表情といったらなかっですね。ひょっとしてあの菓子の詰め合わせがキアリスのクリスマス目玉商品に・・・・・?としたらごみ取り用のバケツからあのプレゼントのスタイルを思い付いた紀夫君はキアリスに貢献したという展開に・・・・・?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 楽しそうな表情

      紀夫くんもまた、すみれちゃんと同じく「べっぴん」をつくることに生きがいを感じられるタイプなのかも知れませんね。経理マンよりものづくりが向いているのかな?

  4. 笑み より:

    どうでもいいことを申し訳ありません。
    第67話 意を唱える→異を唱える

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご指摘ありがとうございました。
      調べてみたところ他にも誤変換が見つかりました。