クリスマス目玉商品企画 / べっぴんさん 第70話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年12月22日(木)放送
第12週 第70話「やさしい贈りもの」

『べっぴんさん』第12週 第70話 あらすじと見どころ解説

紀夫がさくらのために作ったクリスマスプレゼントと同じものを、保育所の子供たち全員に贈ることになりました。その話はキアリスの面々の耳にも入り、紀夫のアイディアはキアリス大急支店のクリスマスセールの目玉商品にもなりました。

その頃、家出をしたゆりを迎えに潔が近江の坂東本家に足を運びます。潔が到着した時、あいにくゆりは留守でした。潔の応対に出た五十八は坂東営業部を潔に任せきりにしたことを詫び、これからは自分のために生きて欲しいと告げました。

ほどなくしてゆりが本家に戻りました。潔と久しぶりに向き合ったゆりは、はじめて自分の思いを打ち明けます。坂東営業部の復活が夢だったはずだが、自分にとって大事なものが変わったような気がすると。

一方、キアリスの売り上げは日を追うごとに増え経理処理が男会だけでは追いつかないまでになっていました。そんな中で迎えた大急のクリスマスセール。紀夫のアイディアから生まれたクリスマスの目玉商品は人気商品となるのでした。

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midokoro

紀夫がさくらのために手作りしたクリスマスプレゼント。このアイテムは、実在したファミリアの商品から着想を得たものかと思います。

以下に、ファミリアが実際に販売したクリスマスアイテムの史実をまとめました。

『べっぴんさん』第12週 第70話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

劇中ではブリキ製(金属製)の缶にキャンディーを詰めた形で登場するクリスマスアイテムは、実際にはブリキ製(金属製)のベルの中にキャンディーを詰め、それを見た目もキレイにラップしたものでした。

かつて実際に販売された、ベルの中にキャンディーを詰めたクリスマスアイテムが取り扱われたのはファミリアの前身であるベビーショップ・モトヤ時代のことです。

劇中で登場したベビーショップあさやは、絶えず売り上げ不振で苦しんでいましたが、実在したベビーショップ・モトヤは、いつもモノが売れ過ぎて困っていました。

商品が飛ぶように売れるその一方で商品の補充が追いつかず、商品の陳列ケースはいつも空きスペースばかり目立っていたと伝えられています。

そんな空きスペースを埋めるべく、ある時はおもちゃ問屋から仕入れた商品を並べたり、急ごしらえの商品を販売するなど工夫に工夫を重ねたのだそうです。

そんな急ごしらえの商品の一つがブリキ製(金属製)のベルの中にキャンディーを詰めたクリスマス・アイテムでした。

当時としては秀逸なアイディアだったこのクリスマス・アイテムも陳列ケースに並べるや飛ぶように売れ、靴屋を作業スペースにした商品づくりが行われたのだそうです。

『べっぴんさん』第12週 第70話 観賞後の感想

ゆりちゃんに「大事なもの」と言うセリフを語らせ、その「大事なもの」をすみれちゃん・紀夫くん夫妻の姿を通して表現した『べっぴんさん』第70話。

これまでのふた組の夫婦を覆っていた霧は晴れ始めるような回となりました。

夫婦の姿:ゆりちゃんと潔くん

久しぶりに正面から向き合うゆりちゃんと潔くんのお互いを気遣い尊重しあう夫婦の姿が優しさに満ちていて癒されました。

家出されたにも関わらず、そのことを一切責め立てない潔くん。ゆりちゃんもまた、潔くんは正しいと夫の立場を立てた上で自分の本心を打ち明ける。

潔くんが坂東本家に乗り込んで来たことで夫婦のバトルが始まるものとばかり思って身構えていたので、二人の思いやりに満ち溢れた大人の会話は嬉しい誤算でした。

坂東営業部を復活させたい。社会で活躍したい。そんなゆりちゃんの気持ちを最大限尊重して来た潔くんの気持ちをゆりちゃんはしっかりと理解していたいようです。

理解していたからこそ言い出せなかったのかも知れません。

それまで自分が大事だと思って来た坂東営業部や仕事のことよりも、もっと大事なことが自分の中に出来てしまったことを。

ところで、ここ数回のゆりちゃんの描写にある通り多くの女性は妊娠したその瞬間から母親になりますが、残念ながら男性の大半が父親になるのは生まれて来た子供を自分の目で確認してからのタイミングです。

ゆりちゃんはもう母親です。心の面でも身体の面でも母親です。一方、潔くんはまだ父親になっていません。

ゆりちゃんと潔くんの心のすれ違いはこのあたりから生じたのかなと思います。

ゆりちゃんが出産し、潔くんが晴れて「父親」になれた時、ゆりちゃんと潔くんの心のすれ違いははじめて解消されるのかも知れません。

また、その時になって潔くんの心に沁みてくるのかも知れません。自分のために生きろと潔くんに告げた麻田さんや五十八さんの言葉の重みが。

夫婦の姿:すみれちゃんと紀夫くん

ゆりちゃんと潔くんが久しぶりに向き合う中で語られた夫婦が大事にしたい価値。

その価値とはどんなことなのかが、すみれちゃんと紀夫くんが心を通わせる姿を通して描写されました。

不得手な仕事のプレッシャーに押しつぶされ自分を見失っていた紀夫くん。すみれちゃんもまた忙しすぎる日々の中で大事にすべきことの優先順位を見失っていたのだと思います。

二人揃って混乱を極めついに衝突してしまいましたが、その衝突が自分たちのあり方を見つめ直す絶好の機会になったようです。

さくらちゃんが赤ちゃんの頃を見ることができなかったことが心残り。紀夫くんの口からこんな言葉を聞くのは初めてのことですが、すみれちゃんが紀夫くんに真剣に向き合ったからこそ紀夫くんも本心を口にしたのでしょうか。

そしてすみれちゃんの気持ちを受け止めた紀夫くんもまた、すみれちゃんの心からの望みがどこにあるのかを理解しようとつとめる姿が頼もしい。

キアリス大急支店の目玉商品を企画し、昭一くんが悲鳴をあげた経理の仕事も笑顔で黙々とこなす紀夫くん。男会の中で一番頼りなげだった紀夫くんが、いつの間にか男会の中で一番男前の存在になった瞬間でした。

そして、キアリス大急支店のクリスマスセールの盛況ぶりを嬉しそうに見守るすみれちゃんと紀夫くんの笑顔。こちらは夫婦のベクトルが一致した記念すべき瞬間です。

朝からいいものを見せてもらいました。

追記:すみれちゃんと紀夫くんの「デート」の場面にも癒されました。

あまり無理をしないでと紀夫くんを心から気遣うすみれちゃん。弁当は毎日つくらなくてもいいと紀夫くんもまたすみれちゃんを気遣う。

そんな気遣いをしながら、二人して焼き芋を頬張る姿。心から嬉しそうに二人並んで買い物をする姿。僕の中ではいつまでも忘れられそうもないひとコマとなりました。

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コメント

  1. もんすけ より:

    「なんか食べていくか?」とすみれちゃんを誘う紀夫さん。

    (なに? なに? オムライスとか食べちゃうのかな~。とと姉ちゃんでは、お汁粉デートだったよね」と家族と話していたら、よもやの<焼き芋>!
    焼き芋を頬張る二人がかいらしくて、かいらしくて。また、「なにか食べる」との台詞から、すぐに豪華で素敵なランチ…などと想像してしまった自分が少し恥ずかしくなりました。
    大切なさくらちゃんには内緒の、小さな焼き芋デート。考えてみれば焼き芋は、当時であれば和製ファーストフードでもあり、立派なスイーツでもあったのですよね。本当にほっこりとしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > オムライス

      僕も似たようなことを考えていました。夫婦共働きでお金はそこそこあるはずだし、貧しい時代なりにこぎれいなお店に入るのかなと。想定外の焼き芋、可愛らしすぎて悶絶しました。

  2. まーちゃん より:

    またまたお久しぶりにコメントします。

    今日のラストシーンですみれちゃんが紀夫君に寄り添うシーンが初々しく美しくキュンとしました。可愛い夫婦だけれどままごとみたいな夫婦じゃない・・・芳根ちゃんと永山さんの醸し出す空気感がとても素敵でした*^^*

    「マッサン」のとき玉山さんとシャーロットがいつも本当の夫婦のように見えると驚嘆したものですが芳根ちゃんと永山さんも期待大です。このお二人ならではの新しい夫婦像を見せてほしいですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > ままごとみたいな夫婦

      焼き芋の場面も可愛らしかったですね。戦後の貧しい時代のお金のない若いカップルみたいでした。

  3. エイスケの後輩 より:

    ここ最近の回を見ての感想です。
    ①紀夫くん落ち着いて来てはいますが、やはり本業での営業の仕事はしんどいのではと思います。だからこそ、キアリスでの経理業務が息抜きになってるように見えます。
    女性の生き方の問題が指摘されますが、実は男性も「前に立って頑張るのは本当は嫌だけど、家族も養わねばならず、頑張らざるを得ない」問題で病むケースが近年取り沙汰されており、紀夫くんもその手のタイプではと思っていました。妻であるすみれちゃんも働いていたら、紀夫くん一人の肩にのしかからなくなるので、その意味でもこの夫婦は実はぴったりなのではと思っていますし、今後の展開は理想的なのかなと感じます。

    ②男会は恐らく無給で経理業務をしてくれてますよね。
    それに対して、女性陣があまりにも感謝の気遣いが無いように見えて気になります。
    今冬大人気だった他局のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で問題定義された、「労働力の搾取」をしているように感じられます。恐らく大したトラブルも起こらず、今後紀夫くんが…の流れになるかと思うのですが、個人的には経理のトラブルが発生して、男会の有難みを女性陣が認識するエピソードが有って欲しいものです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 男会の有難み

      リアルの女性創業者たちは創業期に間借りしていた靴屋の接客室までも占拠してしまうほどの天然ぶりを発揮されていたそうなので、それくらいの豪快な天然キャラとして描けば男会をアゴで使うみたいな演出になって楽しめたかも知れませんね。

  4. よるは去った より:

    菅野N 「 紀夫君の心に一つの想いが芽生えてました。」 一つの想いとは、紀夫「ああ、楽しいなあ。」の時の屈託のない笑顔、勝二「誰か経理を雇ったらどうや!?」・・・・・このへんがフラグかな。 ゆり「私、気づいたの。大事なものに・・・・・。」大事なもの・・・・・それは自分の妹夫婦を満面の笑顔に包んでいるものに違いないでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 大事なもの

      ようやく心を通い合わせるすみれ夫婦を描きつつ、ゆりちゃんに「大事なもの」と言うセリフを語らせることで、大事なものとは何かを暗示するストーリーテリングが秀逸でした。

  5. ねね より:

    お弁当箱セットを、百貨店の目玉商品として、販売してたけど、アルミの弁当箱に絵の具で描いた絵、お弁当箱は洗って使う物なのに、大丈夫?と思った。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 大丈夫?

      使い込んだら絵の具ははげると思います。
      でも、実際にああやって作ったんでしょうね。