女性社員達と紀夫が対立 / べっぴんさん 第74話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年12月27日(火)放送
第13週 第74話「いつものように」

『べっぴんさん』第13週 第74話 あらすじと見どころ解説

株式会社になったキアリスにふさわしい働き方を紀夫はすみれたちに求めて来ました。紀夫は朝礼の実施や社員間の名前の呼び方のルールなどを定めるものの、それがキアリスで元から働く女性たちには苦痛でした。

そんな中、出産の日が近づいて来たゆりがすみれのもとにやって来ました。出産までにどんなものを揃えておいたら良いのかをすみれに相談するためです。ゆりとの会話に着想を得たすみれは、子供用品がすべて揃う総合店をキアリスは目指すべきと面々に提案します。

キアリスの四人は手始めに子供用の食器セットを準備することにしました。すみれたちは早速、食器の大きさ見本の試作やイラストの制作に着手。そして食器セットを製造してくれる陶器メーカー探しに奔走し始めます。

しかし、そんなすみれたちの動きを紀夫は一切聞かされていませんでした。何の相談もなしに店を空け工場まわりをするすみれたちに怒り心頭の紀夫。その紀夫をさらに怒らせる事態が発生しました。すみれはすでに五千個もの食器セットを発注しまっていたのです。

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midokoro

覚えておいででしょうか。戦前の坂東営業部に誰よりも早く出社し、机まわりを整理整頓してから仕事をはじめていた紀夫の几帳面な姿を。

今回、その紀夫の度を越して真面目過ぎる性格がキアリスの面々のストレスの原因になってしまいます。

一方、リアルの「紀夫」が「キアリス」に入社した頃の様子は『べっぴんさん』劇中で描かれたそれとは異なるようです。

『べっぴんさん』第13週 第74話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

本欄では劇中のキャラ名・団体名を用いて史実を解説しています。

「キアリス」が株式会社となったタイミングでは「紀夫」はまだ「キアリス」には入社せず「坂東営業部」で勤務していました。

「株式会社キアリス」発足当時の経理責任者は「紀夫」ではなく別の人物でした。

この別の人物が不正な経理を行っていました。不正が発覚後、ただちに元の経理責任者は解雇され、騒動の責任を取って「麻田」は社長を辞任します。

しかし「麻田」を継ぐ社長の席はなかなか埋まりませんでした。

「キアリス」の社長には「男会」の3人のうちの誰かが引き受けるべきだという意見が登場し、最終的に「紀夫」が「キアリス」の社長を引き受ける決断を下すものの、それは条件付きのものでした。

「紀夫」は「キアリス」の事業の全貌を把握してからの社長就任を切望し、「坂東営業部」からの出向という形で「キアリス」の取締役に就任。

しかし仕入れの管理も行われず、借入金の返済を二重に行うなどずさんな経営実態を知った「紀夫」は「すみれ」たちを厳しく指導。

劇中では「紀夫」は堅苦しいことばかり言う偏屈な嫌われ者として描かれますが、リアルの「紀夫」の行動は厳しいながらも適切なものであったようです。

『べっぴんさん』第13週 第74話 観賞後の感想

リアルの食器注文のエピソード

今回描かれた、すみれちゃんが子供用食器セットのための陶器を注文するエピソード。

史実をモチーフにした今回描かれた場面は、リアルではファミリア創業者たちのものづくりへの強いこだわりを感じさせる職人魂と職人魂が触れ合う瞬間でした。

劇中で発注エピソードはサラリと描かれて終わってしまいましたが、僕はこの食器発注のリアルのエピソードが大好きなので本欄で今回のエピソードを補足しますね。

ファミリア創業者たちと陶器メーカー「日本陶器(現・ノリタケカンパニー)」との出会いは偶然によるものでした。

ファミリア創業者たちは陶器メーカーを探していたわけではなく、阪急百貨店で開催される子供向けイベントに出品するための教育玩具を探しに名古屋に出張。

その時の出張で遭遇したのが「日本陶器(現・ノリタケカンパニー)」でした。

陶器の注文ではなく、ただ単に見学のために入った「日本陶器(現・ノリタケカンパニー)」の工場内でファミリア創業者たちはある光景を目撃します。

その光景とは、工員が焼き上げた陶器を割っている姿でした。

今回の『べっぴんさん』で、工場の男性が陶器を地面に叩きつけて次々と割っている場面が登場しましたが、ここは史実のエピソードがモチーフとなっています。

さて、工場の工員が陶器を割っていたのは、素人の目にはまったく判別がつかないほどの微細な傷やゆがみが生じた製品を市場には出せないと言うことが理由でした。

『べっぴんさん』の中では陶器を廃棄する基準は「2mmの誤差」でしたが、リアルでは「2mmの誤差」では済まなかったようです。

ところでファミリア創業者たちは自社の製品の品質やブランドの価値を守り抜くために阪急百貨店のような圧倒的に強い相手に対してすらも「NO」と言ってのける人たちです。

そんなものづくりへの強烈なこだわりを持った人たちが「日本陶器(現・ノリタケカンパニー)」の品質への異常と言えるほどのこだわりに心を動かされないはずがありません。

陶器など発注するつもりなどなかったファミリア創業者たちですが、「日本陶器(現・ノリタケカンパニー)」のストイックな姿勢に感動するあまりその場で陶器を発注。

『べっぴんさん』劇中では、初めに足を運んだ工場で最小ロットが1万と言われて引き下がり、次の工場で発注したのは5千個でした。

しかし、リアルではファミリア創業者たちに食器を売るプランなどないままその場での感動に身を委ね、勢いで発注した陶器の数はなんと2万。

「日本陶器(現・ノリタケカンパニー)」のものづくりへの厳しい姿勢にファミリア創業者たちはどれほど感動したのか。

そして自社の製品の品質と価値を守り抜く「日本陶器(現・ノリタケカンパニー)」の企業としての姿勢にファミリア創業者たちは何を見出したのか。

そのあたりを再現して欲しかった。と言うのが今回の正直な感想です。

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コメント

  1. つまぴょん より:

    う~ん、5000個ではなく、20000個で発注してほしかった・・・

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 20000個

      最初の工場で1万もとても発注出来ないとぼやいた直後にまさかの2万発注だったらさぞかしインパクトが強かったかと思います。

  2. さくらももこた より:

    初めまして。
    共感したのでコメントさせていただきました。

    確かに陶器工場で何を見出したか描いて欲しかったですね。割っていく陶器を手にとってじっくり観察し感動のあまり、目をキラキラさせながら思わず「なんか、なんかな!」が飛び出るくらいに。今日はそこで終わっても良いくらいだと思いました。

    そろそろモノづくりの奥深さをじっくり描いて欲しいですね。麻田さんの靴作りは描いてた気がしますが、脚本家さんはそこらへんはあまり興味ないのかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > そろそろモノづくりの奥深さ

      今回の陶器のエピソードはモノづくりの奥深さを表現する絶好のチャンスでしたが逃してしまいましたね。「べっぴん」へのこだわりに満ちたこのエピソード、どこかで回収されると嬉しいです。

  3. よるは去った より:

    すみれ「5000個・・・・・。」紀夫・勝二・昭一「5000個!?」 ん~紀夫君の表情と来たら・・・・・明日は彼の怒号から始まりそうな予感・・・・・。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 彼の怒号

      紀夫くんには気の毒ですが紀夫くんがいて良かった。キアリス4だけだったら陶器の仕入れ代金の支払いが滞っていたかも知れません。