昭和34年キアリス十周年 / べっぴんさん 第82話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年1月11日(水)放送
第15週 第82話「さくら」

『べっぴんさん』第15週 第82話 あらすじと見どころ解説

昭和34年(1959年)。創立十周年を迎えたキアリスは宮内庁御用達ブランドとなったことがきっかけで、神戸だけでなく日本全国にその名が知られるまでになっていました。そんな中、専務のすみれと社長の紀夫は多忙を極めた日々を送っていました。

ますます忙しくなったすみれが仕事に追われる日々を送るその一方で、さくらは寂しさを募らせていました。両親ともに多忙の中、家族で過ごす時間が失われつつあったからです。その頃さくらは15歳。君枝の長男の健太郎とともに高校受験を目前に控えていました。

年が明け昭和35年(1960年)。さくらはすみれも通っていた栄心女学院を受験し晴れて合格しました。しかし合格発表会場で、他の受験生たちが家族らに合格を祝福される中にあって、さくらは一人ぼっちでした。

その日の夜、すみれと紀夫は久しぶりに早めに帰宅しさくらの志望校合格を祝うつもりでいました。そんな中で配送トラブルが発生。すみれと紀夫は自宅には戻らずそのまま東京に出向くことになるのでした。

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midokoro
物語冒頭、時代のスキップに次ぐスキップを繰り返した本作は、その後はまったりした時間の流れの中でストーリーが展開されていました。

今回、久しぶりに大きな時間のスキップ。

前回から8年の歳月が経過し、多忙を極めるすみれと思春期に入ったさくらの間の母と娘のすれ違いが描かれます。

『べっぴんさん』第15週 第82話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

前々作『あさが来た』でも仕事で忙しすぎる母と、母になかなかかまってもらえず寂しさを募らせる娘の母と子の気持ちのすれ違いが描かれましたが、坂東親子にも同様の事態が発生しはじめます。

ちなみに『あさが来た』で描かれた母と娘の対立は、母親の仕事の忙しさだけが原因ではありませんでした。

娘の千代が憧れの眼差しで見つめる当時としては珍しかった洋装を、母のあさは頭ごなしに否定。それでいながら誰よりも早く洋装に身を包む母親の無神経さに娘の千代は深く傷ついていました。

単純に比較できるものではありませんが、『あさが来た』の加野家の親子に対して葛藤の原因が母親の忙しさだけにある(はずの)『べっぴんさん』の坂東家の親子関係は『あさが来た』の時よりも修復されるのも早いかも知れません

ちなみに史実では、すみれに当たる創業者の女性と長女との間にこうしたトラブルが起こった記録はありません。

また、長女の米国留学時。当時の米国で大流行していたスヌーピーに惚れ込んだ長女の勧めもありファミリアが日本国内でのスヌーピーのキャラクター商品の販売を開始。

さらに長女の結婚相手がファミリアの社長に就任するなど、間接的ながらも母親の事業に関わりを持っていました。

『べっぴんさん』第15週 第82話 観賞後の感想

さくらちゃんの受難

昭和30年代。物語はさくらちゃんの受難の日々からの始まりました。

15歳になったさくらちゃんの登場初回。想像していた以上にさくらちゃんの試練の描写が積み重ねられました。

・すみれちゃんの帰宅が連日遅くなりがちで親子の時間を持つことが出来ない
・一人ぼっちの合格発表、合格を祝福してくれる人がそばに誰もいない孤独
・ゆりちゃんの元に足を運ぶのは家庭のぬくもりを求める行動?

寂しさを募らせながらも自分の気持ちを外に出さないところは、顔を似せたのと同様にキャラクターを母親に似せているのでしょうか。

自分の本当の気持ちを胸底深く封印するさくらちゃん。しかしそんな良い子の芝居も限界寸前まで来ているようです。

高校受験の日。答案用紙を白紙で提出し不合格になれば、忙しい母親も少しは自分に注目してくれるかも知れない。

そんなささやかな抵抗を試みるものの、結局出来ずに終わる小心さ。どうしても良い子を装ってしまう、そんな自分が大嫌い。

さて、高校の合格発表会場では寂しい思いをしてしまったさくらちゃんでしたが、今晩はケーキを買って家族でお祝いしようと紀夫くんが約束。その時のさくらちゃんの嬉しそうな顔と言ったら・・・

しかし満ち足りた時間になるはずだった合格のお祝いは幻に終わりました。さくらちゃんの期待も大きかっただけに今回の落胆は深いはず。

麻田さんの遺影と最後の別品を見つめるさくらちゃんの横顔が切ない。

麻田さんがいた頃のゆったりまったりとした時間は、さくらちゃんにとって大事な心の宝。そんな宝を見失ったさくらちゃん。再び宝を取り戻すことが出来るのでしょうか。

追伸:言うまでもないことですがさくらちゃん役の女の子がすみれちゃんにそっくり過ぎて判別が難しいレベルです。よくこんな子を見つけてきたものです。

皇室御用達ブランドのエピソード

『べっぴんさん』が始まる前から注目していた、ファミリアが皇室御用達ブランドになる時のエピソードの描写。

もしかすると今回の小山さんからの電話で終わってしまうのでしょうか?

テレビドラマで描写するには取り扱いが難しい題材なので完全にスルーされて終わるよりはまだマシだったのかも知れません。

でもこれで終わりではあまりにも残念です。

そこで、史実のファミリア皇室御用達ブランドのエピソードを劇中登場人物名を用いながらまとめてみました。

すみれちゃんたち『べっぴんさん』の登場人物の活躍を想像しながら読んでみてください。

今回の時代背景でもある昭和34年(1959年)8月。

多くの国民が熱狂した皇太子殿下の成婚パレードの4ヶ月が経った頃。東京の「松島屋デパート」から「すみれ」のもとに一本の電話がかかって来ました。

その電話の内容は「すみれ」たちを驚かせるには十分でした。

ご懐妊された皇太子妃殿下に「松島屋デパート」が出産準備の品を納めることが決定。「松島屋デパート」は皇室に納める品に「キアリス」を選定したのです。

東京の「松島屋デパート」は「キアリス」製品が品薄だったため、「すみれ」たちは東京銀座の「大急百貨店」の「キアリス」支店で皇室を納める品を調達。

「キアリス」は皇室御用達ブランドのはじめの一歩を踏み出すのでした。

余談ですが、「すみれ」はご成婚前の美智子妃と面識があったそうです。昭和31年(1956年)、友人たちと関西地方を旅行された美智子妃は「すみれ」が六甲に所有していた別荘を訪問。「すみれ」は美智子妃にお茶を出すなどの接待をしたのだそうです。

このあたりのエピソードもドラマ化されるのを期待していたのですが、残念ながらその願いは叶いませんでした。

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13 Responses to “昭和34年キアリス十周年 / べっぴんさん 第82話”

  1. すかんぴんさん より:

    今日から登場した坂東さくら役の井頭愛海さんはドラマのヒロインで母親役の芳根京子さんと雰囲気が似ていると思うのは私だけでしょうか。
    似ていることでこのキャスティングになったのかなあ。
    もちろん演技力など他の要素のほうが大きいのでしょうけど。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 雰囲気が似ていると

      顔も雰囲気も明らかに似ている。顔が似ているのは演技力がなくてもカバーできますが、雰囲気を似せるのは演技力が求められます。演技力が評価された上での抜擢かと思います。

  2. サエモン より:

    麻田さんとの別れは昨日でしっかりやったし
    トク子さんも不思議は

    キアリスのみんな肩書き変わりましたね
    まぁ…デザイナーの君ちゃんや
    製作所所長のパタンナー良子ちゃんは
    あの頃から定着した呼び方か

    輸入班の海外事業担当の
    明美さんだけただの取締役なのは
    なんかなんかな
    部長か常務とかに
    まぁ…いいか

    34年まず9年
    35年2月だから

    15歳になってるし

    すみれちゃんたち34だから

    昨日までの昭和26年から
    入学したら9年近くですね

    確かにあの正月からは10年
    喜代さんはご健在

    忠さんも多分

    健ちゃんの史実的に叶わぬさくらちゃんへの初恋

    オライオンに名を変えた潔さんは
    相変わらずだね
    ゆりちゃんも

    龍ちゃんは明日かな?

    昭和35年新キャストと
    新たな話どうなるかな?

    宮内庁御用達はやんわりとがいいかもね
    しかし今我々の世界では
    皇室が大変なことになってますから
    余計に下手にはお話にしにくいかも
    知れませんね

    すみれちゃんとさくらちゃんのすれ違いといい子を演じる気だるさ

    いい子とか勝手なイメージでしたね
    まぁ…怒られたいわけでもなく
    荒れたいわけでもなく
    思春期は難しい
    親は子どもと同い年
    16年目の母親の日々が始まる

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 思春期は難しい

      難しい思春期の女の子の揺れる心がとても良く描かれていると思います。戦時中に思春期の戸惑いを感じる暇がなかったすみれちゃんにとって、さくらちゃんの心の揺らぎは理解を超えているのかも知れません。

  3. 流離人 より:

    トク子さんはナレ死、麻田さんは写真だけでナレ死もない
    なんな、なんかなあ

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 麻田さん

      麻田さんの遺影が2回。最後の別品も2回。そして懐かしいあさや靴店の看板が1回。麻田さんを暗示するアイテムの登場回数は圧倒的に多かったのでそれでバランスを取ったのかも知れません。

      • あじやま より:

        まあ、このドラマでは、登場人物の死去を描かないという方針だろうと思っていました。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。

          > 死去を描かないという方針

          ある人物の死去のインパクトを最大化にするための作戦かなとも思っています。

          • あじやま より:

            >ある人物の死去のインパクトを最大化

            あああ、そのような構想とか、あるものですかね。

            うちでは もういらないと思ってしまった某連続もの作品では、主人公の父が一話目で死去。三分の一あたりでは、母も死去。そのあと 四分の三あたりで、主人公の身近にいる年配の人の息子(長らく行方不明になっていた)が死去していたという報せが届くという・・・ 。まあ その作品 全体としては暗くはないけど、軽いものでは なかったですね。

            ・・・・

            麻田さん

            公式サイトを見まして、81話までとありました。
            まだ そんなに長生きでなかった時代
            やるべきことをやり尽したというあたりでの退場というようなふうにも
            思います。

  4. よるは去った より:

    さくら「合格した・・・・・。」 にも関わらずどこか淋しげなさくらちゃん。この態が今後のフラグ・・・・・?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 今後のフラグ

      しばらくトラブルが続きそうです。

  5. よるは去った より:

    麻田「偽物の話ですか・・・・・?」麻田さんがさくらちゃんの靴を精神込めて作る姿が答えになってましたね。「キリスア」の「ボロ」は笑っちゃうくらいあっさりでした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「キリスア」の「ボロ」は笑っちゃうくらいあっさり

      偽物騒動をどう回収するのか。とても気になっていたのですがこの手があったかと納得の落着のさせ方でした。

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