キアリス新入社員を採用 / べっぴんさん 第84話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年1月13日(金)放送
第15週 第84話「さくら」

『べっぴんさん』第15週 第84話 あらすじと見どころ解説

会社の規模が大きくなったキアリスは新入社員を採用することになりました。しかし、初めて挑む入社試験や面接をどのように行えば心を合わせて働いて行ける新人に来てもらえるのか見当がつかないすみれは、そのことで頭がいっぱいでした。

すみれがますます日々の仕事に埋没する中、さくらの寂しさは募るばかりでした。そんなさくらに、ジャズ喫茶「ヨーソロー」の店員・五月が声をかけました。一緒に洋服を買いに行こう。そしてそれを着てナイトクラブ「青い月」に行ってみないかと。

その翌日、さくらは仮病を使って学校を欠席しました。そして、両親が出勤した頃を見計らい、体調が良くなったので登校すると寄与に告げ家を出発。しかし、さくらが足を向けたのは学校ではなく五月のもとでした。

五月に選んでももらった洋服を身につけたさくらは、五月にともなわれナイトクラブ「青い月」へ。これまで経験したことがないようなはじめて目にする世界のその先には一体何があるのか。そこを見極めたいとさくらは願うのでした。

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midokoro

前回、「大人の世界を見せてやる」とヤンチャな龍一に誘われジャズ喫茶「ヨーソロー」を初めて訪れたさくら。

さくらはそこで五月という名の女性店員と出会います。

さくらより一歳年上ながらさくらよりも大人の雰囲気を漂わせる五月に誘われ、さくらはジャズ喫茶よりも更に「大人の世界」に足を踏み入れます。

『べっぴんさん』第15週 第84話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

創業から十年が経過し、キアリスは知名度も高まり規模も大きくなったことでいよいよ初の新入社員の採用へ。

すみれの事業は順風満帆ですが、その一方でさくらの寂しさは募る一方でした。

そんな中、ちょっとばかり脇道に逸れてしまうさくらの姿が描かれます。

龍一がさくらを誘った「大人の世界」であるジャズ喫茶は、大人の世界というよりは大人の世界への入り口に過ぎませんでした。

その入り口でさくらを待ち構えていたのが五月。

さくらより一歳年上ながら、お嬢様育ちのさくらと異なり酸いも甘いも知りつくているかのような大人のオーラを漂わせ、さくらを「大人の世界」にいざないます。

さくらの恋バナがスタートかと思ったその直後に、さくらはダークサイドの世界へ。

今週のサブタイトルはズバリ「さくら」ですが、さくらのちょっとばかり暗い青春の物語は今週中の回収されるのでしょうか。

『べっぴんさん』第15週 第84話 観賞後の感想

ジュニアさくらちゃん

五十八さんや長太郎さんたち大人の男たちが登場する場面のいくつかは、正直言うと「なんか、なんかな」と思わないこともありませんでした。脚本家の先生は若い女性なので、おじさんは不得手なのかも知れません。

しかし、成長後のさくらちゃん。そして、さくらちゃんを取り巻くキャラたちが妙にリアルで生き生きしていて目が離せなくなりました。

思春期の少女の不安定な心を繊細に描き切った脚本。その脚本の狙い通り(またはそれ以上?)の演技を見せるジュニアさくらちゃんが素晴らしい。

ヨーソローの入り口で五月ちゃんと遭遇したさくらちゃん。五月ちゃんに買い物に行こうと誘われて返した言葉がシンプルでリアル。

「あ、でも学校が・・・」

お嬢様育ちの女の子の考え方のクセが見事に表現された言葉にして、良い子を演じて来たさくらちゃんならではの答え方でした。

さくらちゃんがこのタイミングで返す言葉といえばこれしかない。そう言い切っても差し支えないほどの見事なチョイスだったと思います。

さくらちゃんの良い子ぶりをあまりにもリアルに表していて、この言葉に思わず吹いてしまったほどです。

さて、心に揺らぎが生じていない時期のさくらちゃんであれば、次の日はいつも通り登校していたのだと思います。

しかし、よりによってさくらちゃんは良い子を演じる自分を変えたいと切に願っていた。だから「あ、でも学校が・・・」の答えがさくらちゃんの自己嫌悪をより強いものにし、暴走の引き金になってしまったのかも知れません。

さくらちゃんらしい言葉が、自分を変えたいと願うさくらちゃんの背中を押してしまう。考え抜かれた設定だと思います。

そして翌朝。仮病を使うさくらちゃんの芝居は名演でした。

よくありがちな母娘対立ドラマだとこんな場面では娘が母を激しく拒絶するのが鉄板です。演じる側としてもその方が楽なのでしょう、分かりやすいから。

しかし、本作では安易な表現を捨て難しい芝居を選択しました。

母親を拒絶しているようには見えない。母親もまだ娘に拒絶されていることに気づかない。母親をやんわりとかわしながら、実は残酷なまでに娘は母親を拒絶している。

良い子から悪い子に脱皮しようともがいているさくらちゃんの気持ちもよく現れていたかと思います。

さて、さくらちゃんが具合が悪いと聞かされ、心配して真っ先に駆けつけて来たのはすみれちゃんだったにも関わらず、さくらちゃんはすみれちゃんと視線を合わせようともしない。

しかも、学校への欠席の電話をわざわざ紀夫くんに頼む。そして紀夫くんに頼み終わるや、さっとすみれちゃんに背を向ける。この間の取り方も絶妙でした。

ジュニアさくらちゃん。どこまで暴走してしまうのか心配な反面、リアル過ぎる心の揺らぎから目が離せません。

健ちゃんと龍ちゃん

おばあちゃん子で真面目で優しくて秀才でお金持ちのボンボンの健ちゃん。

悪く言えば真面目だけが取り柄の野性味のない男性キャラとして描かれるものとばかり思っていましたが、とんでもない誤解でした。

ひそかに想いを寄せている(らしい)さくらちゃんを危険から守るため、身体を張ってでも自分では行きたくもないナイトクラブにまで潜入してしまう行動力がすごい!(しかも学生服を着たままで)

良い子を演じる自分を変えたい今のさくらちゃんには二郎ちゃんがまぶしく見えるその気持ちも分かります。

しかし、願わくば健ちゃんの本気に一日も早く気づいて欲しいものです。また、そこに気がついた時がさくらちゃんが成長した証になるのかも知れません。

一方、龍ちゃんも不思議なキャラです。

ナイトクラブに潜入したさくらちゃん、健ちゃんはいかにも頼りない。悪い大人に簡単にだまされかねない、そんなオーラを全身から発散。

しかし、そこに龍ちゃんが登場したことで奇妙な安心感が。龍ちゃんがいればさくらちゃんと健ちゃんは変なトラブルに巻き込まれずに済むかなって。

当面は問題児キャラとして登場し続けそうですが、龍ちゃんが大人になった時、いいポジションを得ることになるかも知れません。

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コメント

  1. 笑子 より:

    『ジャズ喫茶ヨーソロー』のヨーソローって何語なんだろう?と気になり、検索してみたのですが、日本語だったので驚きました。
    漢字で『宜候』と書き、航海用語で『このまま直進』という意味だそうです。(既にどこかで説明されてたら、すみません。)

    さくらちゃんが寂しい想いをしている気持ち、明美ちゃんは気になるようですが、すみれちゃんはほとんど気づきませんね。
    ふと思ったのですが、すみれちゃんは小さい頃にお母様を亡くしていますし、紀夫さんが帰ってくるかどうかも分からずに神戸で小さなさくらを育てている間、父親である五十八さんは近江に引っ込んでいました。
    (あの頃、何故近くですみれを守ってあげないんだろ?鉄郎おじさんとは大違いだなぁ、とひそかに思ってました。)
    そういう事を文句一つ言わずに受け入れてきたすみれちゃんだから、母親が仕事で家にいない事の寂しさ、というのは想像がつかないのかなぁ、と思いました。
    実際、高校生になる女の子がお母さんが仕事で遅いからって、そんなに気になるのかなぁ、と不思議です。
    おばあちゃんがわりのキヨさんもいつもいるし、お父さんも優しいし、さくらは少し贅沢かな〜。。。
    保育園の時は、ご両親を戦争で亡くされたひろ子ちゃんの事で心を傷めていたのに、忘れちゃったのかな〜、なんて。
    ドラマだから仕方ないのは分かってますけど、ついついこの『お母さんが仕事で忙しい』=『娘はグレる』のステレオタイプは苦手です。。。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 娘はグレる

      起業家の多くは四六時中、寝ても覚めても仕事のことばかり考えている人が多いので、そんな親の元で育った子供はたとえグレなくても、自分は価値のない人間と思い込む傾向があるみたいです。さくらちゃんの今の行動はそんな気持ちの表れはじめなのかも知れません。

  2. サエモン より:

    すみれちゃんとさくらちゃん役者の関係か姉妹くらいなのになんとか
    じっくりと親子に見えてきたかな

    五月ちゃんは不思議な雰囲気がありますね
    服を着替えてずる休み
    さくらちゃんはダークサイドって言うより
    ただ周りに流されてるだけ
    恋や思春期もある意味熱病にうなされているのかな?

    ダークサイドや心の闇や葛藤は
    もう1人の父が自分のようならないように
    また彼を…初心にかえす
    きっかけに
    まさにさくらちゃんは今は
    雨や雪の季節
    つぼみは春の満開を待つ
    さくらちゃんの中のさくらが
    満開を迎えるのはまだ先か

    採用試験は面白いね
    彼らは来週には新しい風を

    二郎さんはすみれちゃん世代の役者と
    演じる林さんはちかい世代だから
    さくらちゃんの初恋の相手には不思議な感じに(笑)

    まぁ…ある意味初恋の相手とも
    なんかなんかな雰囲気似てる(笑)

    さくらちゃんは栄輔さんといい
    ああいうタイプ好きなのかな?

    キアリスはこれからはどんな風になるのか

    青い月
    1月3日の内容的に明日いよいよ
    一回出て
    来週以降
    本格的にすみれちゃんとさくらちゃんのすれ違いが色々あり
    新たな問題が出るのかな?

    子ども向け用品の総合商社には
    いつなるかな?

    今週色々な人が亡くなり
    深夜にやってたあさがきたみて

    もしかしたら…44年以降もやるのなら
    潔さんや紀夫さんは
    最終回頃には亡くなる可能性はあるのかなと?

    すみれちゃんが専務になったから
    余計にドラマがどこへ向かうか気になります

    このドラマのゴールは
    キアリスがファミリアみたいな
    事業形態になるのが
    このドラマの目指す形かな?

    勇気 信頼 愛情 希望を忘れず

    4人とそれぞれの家族が
    四つ葉のように寄り添い紡いでいくのかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > このドラマのゴール

      そろそろ物語の落とし所が気になる頃ですね。史実ではさくらちゃんに当たる女性の夫が会社を継いでいるので、そのあたりまで描かれるのかなという気がしています。というか、わずか2回ですっかりさくらちゃんのファンになってしまったので、是非ともそこまで見せて欲しいと願っています。

  3. さくらももこた より:

    すみれが面接で応募者がどんな人間か見ようとしてる一方で、肝心な娘のさくらが何を考えているかが見えなくなっているのは皮肉な話ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 娘のさくらが何を考えているか

      わかってるつもりという油断は怖いですね。すみれちゃんの姿を見ながら我が振りを反省することしきりです。

  4. 実穂 より:

    さくらちゃん役の井頭さんが、新人さんとは思えないほどの表情、セリフのない時の表情に思わず釘づけになってしまいます。
    今週は「さくら」と題されているのでもちろんさくらちゃんクローズアップですが、さくらちゃんが主役じゃないかと思ってしまうほどです。
    朝蔵さんの解説にもとても頷いてしまいます。
    「実は残酷なまでに母親を拒絶している」という解釈が、本当にそういうことだな、と思い、再び見るとまた切なくなりますね。
    とにかくさくらちゃんのオーラ、存在感、そして抱えている重たい闇がひしひしと伝わってくる週ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > さくらちゃんが主役

      今週は、他のすべてのキャラがさくらちゃんの存在感に食われてしまっている。そんな気がしてなりません。将来の朝ドラヒロインの有力候補がまた一人誕生しましたね。

  5. オカンT より:

    親に嘘をついて服も着替え、ナイトクラブに行ってしまったさくらちゃん。
    そんな彼女を心配して、制服のまま後ろから着いて行く賢太郎くん。
    大きくなったけんちゃんが初登場した時にさくらちゃんに見せた表情から「あー、こりゃけんちゃんはさくらちゃんに惚れてるな」と直感的に思ったのですが、今日の言動は間違いなく「好きな女性が自分の知らない場所に行くのが気になって仕方ない」感じでしたね。
    しかしけんちゃんがナイトクラブに行ったことが家族にバレたら、両親以上に琴子おばあちゃんが卒倒しそうです(笑)

    • オカンT より:

      あ、追記ですが、琴子さんももちろん気になりますが、さくらちゃんの問題行動を知った喜代さんが心配です…恐らく麻田さんと同年代くらいのお年だと思われますが、また入院騒ぎなんてことになりませんように。

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        コメントありがとうございます。

        > 喜代さん

        喜代さんにとってさくらちゃんは自分自身の生きる希望でもありますからね。全てを知ってしまった時の落胆はさぞかし深いかと。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > けんちゃんがナイトクラブに行ったことが家族にバレたら

      龍ちゃんは坂東家の人々と村田家の人々の二方向から責め立てられかねませんね。龍ちゃんはどれだけ責められてもケロッとしてそうですが良子ちゃんが気の毒です。

  6. きゅうぽん より:

    新年早々からヒヤヒヤしつつ、とうとう、昭和30年代がやってまいりましたね。
    良子ちゃんがしっかりしたのはいいですが、龍ちゃんにより、踏み込んではいけない大人の世界に…。
    そう言えば龍一には、健ちゃんやさくらのように母親代わりがいなかったため、ご機嫌取りでしか親子の間を取り持てなかったのか…そう思うと甘やかしていたというのは可哀想ですが、さくらには大人の世界はまだ早い〜〜〜〜〜!!!
    でも、よくある、お嬢様がちょいワルくんに惹かれる…典型的なあの頃の青春物語で済めばいいですが…怖いです。
    さくらとすみれの親子喧嘩今から観るのが怖いです。女の親子は似すぎて衝突が激しいので(^_^;)分かり合えるといいのですが…。

    新入社員採用試験が始まりましたね!
    永瀬匡くんが出ていて、びっくりしました!!
    仮面ライダービーストでうちの子にはお馴染みなので、朝から喜んでいました♪

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > さくらには大人の世界はまだ早い

      その大人の世界に龍ちゃんを放り込んでみたら、意外と安全な大人の世界なのかもと思えてしまうところが龍ちゃんのすごいところだと思いました。龍ちゃん、いずれいい仕事するのではないでしょうか。

  7. UNICORN より:

    NHK朝ドラJazz関連シーン(#2)
    .

    速報です!!

    今朝の連ドラJazz関連シーンですが、Jazz喫茶でのバックグランドLPは、Evansのソロその後マイルスのミュートでしたのでCBSの<Kind of Blue>が掛かっていたはず、TurnTabeに載っていたレーベルも超ボケでしたがCBSの6Eyesのようでした、でもやはりCartridgeは??Speakerも未登場で残念です。

    京都人さん情報(従業員の方の旦那さん登場)によるClubシーン、Ds.ソロ(2年ほど前のNHKドラマ<銀2貫>の主人公が演じています、相手役女優は松岡茉優!!)が終わった後、本当に一瞬ですが左にTp、.右前にSAX、その後ろにBs.が見えましたが、残念ながら彼らの演奏シーンはありませんでした、明日出てくるのかなあ・・・!?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      Youtubeで探してみました。当方に知識がないため、ご提供いただいた情報に対して十分な返答が出来ず申し訳ありません。

  8. よるは去った より:

    五月「何で制服やの・・・・?」さくらちゃんを誘う姿を見て、五月ちゃんは現在の生活の中で心を許せる同姓の友達はいないんじゃないかな?唯一心を許せる同姓はすずママさんだけじゃないのかな?そして前作「とと姉ちゃん」に出てきた富江ちゃんとは違った事情で「制服」と無縁の生活を送らざるを得なかったのかな?なんて勝手に想像してしまいました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 富江ちゃん

      僕も富江ちゃんのことを思い出していました。さくらちゃんの制服を見てどこの女子校に通っているのかを即座に言い当てるあたり、もしかして制服を着る世界に憧れを持っているのかなって。