ついにさくらが家出する / べっぴんさん 第91話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年1月21日(土)放送
第16週 第91話「届かぬ心」

『べっぴんさん』第16週 第91話 あらすじと見どころ解説

家出してしまったさくらの居場所はすぐにわかりました。さくらはゆりと潔の家に身を寄せていたのです。すみれは早速さくらを迎えに行くものの、さくらには母親との話し合いに応じる気持ちはまったくありませんでした。

ゆりもさくらをすみれに会わせようとはせず、すみれに一旦帰るように告げました。すみれに対して心を開こうとはしないさくらでしたが、ゆりには本心を打ち明けました。ゆりはさくらの寂しさに理解を示し、さくらを家で預かることにします。

一方、さくらと話すことすら出来ず深く落ち込むすみれを明美が励まします。その夜、明美はすみれを飲みに誘いました。明美に案内されたその店は、すみれにとっては意外な店でした。すみれが案内されたのはジャズ喫茶ヨーソローでした。

すみれの事情を知ったすずがすみれに語って聞かせました。親が再婚したことで家の中で自分の居場所を失ってしまったような子もいること。五月のような子が幸福をつかめるよう応援したいこと。そして親の想いはいつか必ず子供に伝わると言うことを。

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midokoro
家出をしたさくらが向かった先はゆりと潔の家でした。

かつて家庭のぬくもりがないことを理由にゆりは家出をしたことがあります。だからゆりにはさくらの気持ちがよくわかるのでしょうか。

同じような理由で家出して来たさくらの寂しい気持ちが。

『べっぴんさん』第16週 第91話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

ゆりが家出・・・正しくは家出ではないのかも知れません。ゆりが「家出」した時、ゆりと潔は家ではなく会社で寝泊まりしていたわけですから。

ゆりがかつて坂東本家に逃げ込んだ時、ゆりは家庭のぬくもりに飢えていました。

ゆりの言葉によれば、あの頃のゆりと潔は家を持たず借りもせず坂東営業部の事務所で寝泊まりしていました。

あの頃の潔の人生にとって会社はすべてでした。そして、ゆりもそれを喜んで受け入れていました。ただし、ゆりが妊娠するまでは。

妊娠によって自分より大事な存在がお腹の中に宿ったことでゆりの価値観は変わったのでしょう。自分は会社がすべてでも構わない。しかし我が子にそれを押し付けてもいいのかと。

そんな心境の変化がゆりの心の中に家庭のぬくもりを求める感情を芽生えさせました。

しかし自分には家族(夫)はいても家庭すなわち家族が心を許せる環境がない。その頃のゆりの状況と、今のさくらの状況はそっくりです。

だからさくらの気持ちがゆりには痛いほどよくわかるのかも知れません。一方で、妊娠する前は仕事一筋だったゆりにはすみれの気持ちもよくわかる。

すみれとさくら、両者の気持ちを理解できるゆりが母娘の対立を解決してくれるのでしょうか。

『べっぴんさん』第16週 第91話 観賞後の感想

身近にママみたいな人がいてくれたら・・・

自分の身の回りにこんな素敵な人がいてくれたらどれほどいいだろう。そんな心優しき脇キャラも魅力の一つの朝ドラですが、そんな脇キャラが登場しました。

ジャズ喫茶ヨーソローのママ、すずさんです。

当時の価値観では不良の溜まり場として近隣の住宅街の父兄からは煙たがられていたに違いないジャズ喫茶ヨーソロー。

自分の居場所を探し求めて店に集まって来る若者たちの父兄からの激しいクレームは一度や二度ではないはずです。

ナイトクラブ青い月でのすみれちゃんとさくらちゃんが演じたような親子の修羅場がジャズ喫茶ヨーソローの中でも繰り返されて来たことは容易に想像がつきます。

だからこそママは頭に血がのぼった父兄の扱いに慣れてるのでしょう。

今週は空回りを続けるすみれちゃんの姿が描かれ続けて来ましたが、今回描かれたママを目の前にしたすみれちゃんの空回りぶりは痛々しいばかり。

ママが冷静であればあるほど、すみれちゃんの空回りぶりが際立つ。

ママがすみれちゃんをちょっとばかり挑発することで、すみれちゃんの空回りの背中を押していたことも否めませんが・・・

ちなみにすみれちゃんの空回りとは、自分だけが正しいと信じてさくらちゃんの気持ちを考える余裕を完全に失った状態を指します。

そしてこんな空回りを続ける親たちを、これまでママは数限りなく見て来たに違いありません。残念な親の扱い方の巧みさに豊富な経験がにじみ出ていました。

すみれちゃんを挑発しさらに空回りさせながら、すみれちゃんの怒りや反発には決して乗らないママの大人の対応。

そして頭に血がのぼったすみれちゃんに冷静さを取り戻させる巧みな話術。

実に頼もしいキャラが登場しました。すっかりママのファンになってしまいました。そしてつくづく思います。こんな人が身近にいてくれたらどれほど素敵だろうって。

追記:ドラマの中で観ている分には楽しいけれど、自分の身の回りには出来たらいて欲しくないなと言うキャラが出て来るのもまた朝ドラの魅力でしょうか。

『ごちそうさん』の竹元教授、『とと姉ちゃん』の花山伊左次。こんな人が身近にいたら毎日毎日がかなり厄介なことになりそうです(笑)

「世の中、いろんな人がおる」

今週のすみれちゃんはずっと浮き足立ってました。そしてそんな浮き足立った不安定な姿と心か今回ピークを迎えました。

浮き足立った姿がピークを迎えたというよりは、あくまでも冷静で全てをお見通しのママの前に出ることで、それまでも浮き足立っていた姿があぶり出されただけかも知れません。

すみれちゃんは極論すれば自分だけが正しいと信じ込んでいました。だから、子は親の言うことに従って当然とも考えていました。

そして自分は正しいと信じて疑わなかったすみれちゃんは、さくらちゃんとの親子関係の築き方においてに自分に落ち度があるなどとは夢にも思ってはいませんでした。

親は子供のことを思うに決まっている。だから親の考えることは正義だ。

このすみれちゃんの確信をはじめに打ち砕いたのは、親に心配をかけるなとすみれちゃんに言われた五月ちゃんの反論の一言だったかも知れません。

「子供より大事なものがある親もいる」

すみれちゃんは五月ちゃんのこの反論を素直に受け取らなかったような気もします。自分が正しいと確信しているすみれちゃんのこと。子供のことを思わない親など想像も出来なかったかと。

しかし、親の思いを「子供より大事なものがある親もいる」と受け止めている子供がこの世に存在するのは間違いない事実。目の前に当人がいるわけですから。

ここですみれちゃんの自信がぐらついたような気がします。さくらちゃんは、親心をどのように受け止めているんだろうって。

「世の中、いろんな人がおる」

そうママに諭され、自分だけが正しいと信じていたすみれちゃんの眼に、それまで想像したこともなかった様々な人間模様が移り始めてきました。

次週、すみれちゃんの親子についての考え方はどのように変化してゆくのでしょうか。

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10 Responses to “ついにさくらが家出する / べっぴんさん 第91話”

  1. A より:

    いつも楽しませてもらっています。初めて書かせていただきます。

    すみれ達手芸組、明美、店の人たち、ゆり。私はさくらの決断への反応を、この4組に大別して味わいました。ついつい、「もしこの人が親だったら、どうしてたかな」と想像してしまいます。
    最後の1分、BGMが「子守唄」だったところに、なにかメッセージがあったのかな、と思い返しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      初コメントを頂戴しありがとうございます。

      > 4組に大別

      反応の違いから観てゆくこの視点面白いですね。

      この四者四様の反応の相違を観察することですみれちゃんも「世の中、いろんな人がおる」ことを学習するのかも知れませんね。

  2. つるびっち より:

    江波杏子さんの説得力ってなんでしょうね。ほんとにすばらしい。ちりとてちんのおばあちゃんの役も大好きでした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 江波杏子さん

      本当に惚れ惚れします。そして『ちりとてちん』の時から約10年経っているにも関わらずお変わりないところがまた素晴らしいです。

  3. 実穂 より:

    確かに‥。今日のすみれは、さくらと分かり合おうと言うよりは、さくらに分からせようという気持ちで突っ走っていたようにも見えました。
    そして、家庭とはこういうもの、親とはこういうものっていうすみれなりの形が出来あがっているからこそ、五月に対しても
    ご両親は?とか心配しているに決まってるやないとか、
    すこし一歩引いて冷静に考えれば、すずさんのおっしゃるように
    誰もが親が子供を一番に考えている、という固定概念が当てはまると限らない、ということにもまったく考えが及んでいないのでしょう。

    商売を始めようとしたころに、明美ちゃんからよく「お嬢さん」と嫌みを言われていましたが、育ちがよかったゆえに、その世界しか知らなかったともいえると思います。
    まだまだ、自分の想像もつかないような環境に置かれている人も居るってことに少しずつ気づいて視野が広がっていくのでしょうかね。

    そして、さくらの反抗が、けっしてさくらだけによるものではなくて、すみれにも一因が大きくあるっていうこと、それから修復の道が出来てくるのかなとも思います。

    家族そろっての温かい食卓というものに飢えていたさくらにとっては、潔の家でゆりが手料理を振舞い、家族そろって、
    正確には自分は潔たちの子供ではないけれど、
    自分の子供同然に思ってくれる環境で家庭というものに触れていたい、そういう気持ちもあるのでしょうね。

    すみれちゃんが「わかるときが来るのかな」と言って
    明美ちゃんが「わからなね、」と返した言葉が
    淡々としていましたが厳しさのある一言だと思いました。
    母親なんだから、修復の糸口は母親がつかまなね、
    とも言っているような気がして。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > お嬢さん

      自分には子供がいないのに状況をシビアに見ている明美ちゃん。自分の子供の問題なのに「わかるときが来るのかな」とどこか他人事のすみれちゃん。この認識の差はどこから来るんだろうと思いながら観ていましたが、これを読み解く鍵は「お嬢さん」ですね。明美ちゃんが繰り返し指摘した「お嬢さん」の甘さがすみれちゃんにはまだ残っている。一方「お嬢さん」へのシビアな視線が残っているからこそ明美ちゃんはシビアなのかなと。

  4. よるは去った より:

    明美「そういう子は強くなって自分で幸せを掴むしかないな・・・・。」五月ちゃんはどこでどうやって自分の居場所、自分なりの幸せを掴んでいくのかな。すず「痛みを知っているから優しくなれることもあるのよ。」明美ちゃんが今まさしくそうだね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 明美ちゃんが今まさしくそうだね

      麻田さんに支えられ明美ちゃんが痛みを乗り越え優しくなれたように、五月ちゃんもママに応援されながら明美ちゃんのような大人になってほしいものですね。

  5. みか より:

    「すみれ」「さくら」「ゆり」の名前が混同しているようですが…

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 混同

      早速訂正しました。ご指摘くださって感謝申し上げます。

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