すみれがヨーソロー訪問 / べっぴんさん 第94話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年1月25日(水)放送
第17週 第94話「明日への旅」

『べっぴんさん』第17週 第94話 あらすじと見どころ解説

潔と栄輔が大急百貨店の中で十年ぶりに再会しました。二人が再会したその日、潔は栄輔が経営するエイスを大急百貨店の大島に推薦し、エイスは10日間の期間限定で大急百貨店に出店することが決まりました。

エイスの大急百貨店への出店が決まったその日、栄輔の成功を祝福しようと潔は栄輔を家に連れて帰りました。ゆりも栄輔と再会。しかし、十年前と異なり潔とゆりに対して栄輔は他人行儀に振舞っていました。

その頃、さくらは高校をやめて東京に行きたいと考え始めていました。その話を聞かされたゆりは、さくらのことをすみれに報告。さくらを案じる紀夫は、さくらに会いにゆりのもとに足を運びましたが依然としてすみれはさくらには会おうとはしませんでした。

一方、明美に誘われジャズ喫茶・ヨーソローに足を運んだすみれは、ママのすずからヨーソローを始めるまでの日々の話を聞かされました。すずの亡き家族の話を聞かされたすみれは、「女の一生」には様々な生き様があることを思い知るのでした。

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midokoro

神戸の若者たちの間で大人気となっていたエイスがついに大急百貨店の期間限定出店のチャンスをつかみ取りました。

それを機に潔と栄輔は再会。

しかし、かつて潔を兄のように慕っていた栄輔に過去の面影はありませんでした。栄輔はこれから潔のライバルとしてかつての兄貴と火花を散らす関係になって行くようです。

『べっぴんさん』第17週 第94話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

潔のライバルとして立ちはだかる栄輔は、梅田の闇市時代の登場当初は実在モデルやモチーフとなった実在の人物が存在しない創作キャラクターとばかり思っていました。

しかし栄輔にもモチーフとなった人物が存在したようです。

その人物とは若者向けメンズファッションの草分け的な存在である石津謙介氏。アイビーファッションで一世を風靡したブランド「VAN」の創業者です。

石津謙介氏はもとはレナウンの社員でした。レナウン、すなわち坂東営業部=オライオンの社員として潔の実在モデルの人物の下で働いていたのです。

レナウンの社員としてファッション業界の基礎を学んだ後に独立した石津謙介氏が立ち上げたブランド「VAN」は、劇中に登場する栄輔が立ち上げたブランド「エイス」の実在モデルと思われます。

ところでレナウンの前身・佐々木営業は卸売業でありながら、いっとき小売業に進出。同業者のバッシングを受けてすぐに撤退を余儀なくされました。

この時に小売店舗を出店したのが神戸三宮センター街。そして撤退した後の空き店舗に入居したのがベビーショップ・モトヤでした。

ベビーショップ・モトヤは空き店舗に移転し店舗スペースが広くなったのを機に組織を株式会社化し、屋号をファミリアに改めました。

『べっぴんさん』第17週 第94話 観賞後の感想

「さくらに親にしてもらいながら大人になった」

ジャズ喫茶ヨーソローですみれちゃんが明美ちゃんに言いました。

「早くに結婚して子供を産んで、さくらに親にしてもらいながら大人になった」

無自覚のまま大人になってしまったことに気がついたすみれちゃん、確かにこれまで自分が大人になったと自覚出来る機会に恵まれていなかったかも知れません。

自分が大人になったと自覚出来る瞬間のひとつは、青春時代を一緒に過ごした友人たちが別々の人生を歩み始めることにあるかと思います。

ある時期まで自分の時間の大部分を一緒に過ごし価値観も共有していたはずの友人たちが、まったく違う世界に行き価値観や考え方も自分のそれとは変わってくる。

そして自分自身も、異なる世代や異なる考え方の人たちと多くの時間を費やすことになる中で、過去の友人たちとの心の距離が拡大する。

そんなすれ違いが大人の階段の入り口だったりするわけですが、よくよく考えてみるとすみれちゃんにはそれがありませんでした。

青春時代を一緒に過ごした手芸倶楽部の仲良し三人組は、女学校卒業後も同じようなタイミングで結婚し出産し、夫の出征など仲良したちと同じ苦労を重ねながら同じ職場で働き続けていました。

女学校時代にちょっとだけ接点があった悦子さまも当時はすみれちゃんとはまったく別世界の人でした。ベビーショップ創業後の明美ちゃんとも、すみれちゃんは今回ほど心を開き合ったことはなかったと記憶しています。

これまでのすみれちゃんには、友人たちとのすれ違いがあるようでなかったので、他人の生き方や考え方が自分とは違うなどと想像できなかったのかも知れません。

だから他人の生き様に関心を持つようなこともありませんでした。

いみじくもすみれちゃんは「さくらに親にしてもらいながら大人になった」と語りましたが、さくらちゃんとのすれ違いにより初めて他人の生き様に関心を持った=大人になったことを自覚し始めたのでしょうか。

実際に前回今回と、すみれちゃんがこれほどまでに他人の生き様に真剣に耳を傾けた姿を観た記憶がありません。

前回描かれた、娘の気持ちを最大限に尊重しながら再婚を決断した悦子さまの、娘に自分の都合を押し付けない母娘関係のあり方。

これまでずっとそう遠くないところにいた悦子さまは、すみれちゃんが想像していた以上に大人でした。

そして今回描かれた、無自覚に大人になった自分とは対照的に子供の頃から大人になりたいと強く自覚していた明美ちゃんの強い意志を持った生き方。

明美ちゃんもまた年齢が自分よりも年上である以上に大人でした。

夫を早くに亡くし一人息子も戦争で失ったすずママ。すずママが家族に見捨てられた五月ちゃんを応援する理由も、すみれちゃんは心から納得することが出来たようです。

人はそれぞれ生き方も考え方も異なるとようやくすみれちゃんは悟りました。しかし、同じ頃さくらちゃんは高校をやめて東京に行きたいと考え始める。

すみれちゃんの理解のさらに先を突っ走るさくらちゃん。この娘の問題を、すみれちゃんはどうやって回収するのでしょうか。

「さくらに親にしてもらいながら大人になった」

すみれちゃんがさらに大人になるための試練ふたたび・・・。

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コメント

  1. きゅうぽん より:

    さくらは目の前の二郎をただ追いかけたい…で口走ってみたけれど、栄輔に、五月に言われて(無言の紀夫もやってきたけどまた自分を追い詰めにきたと思ったかも)、あぁ…私どうしたらいいの?って、そこがお嬢様育ちで「お子ちゃま」なんでしょうね。
    ドラマはどんどん、五月と二郎が付き合っているフラグが立っていますが、さくらは気づいていないようで…。五月ちゃんはここで働いて将来どうしたい?とか五月ちゃんの彼氏はどんな人?とか言う余裕もないのか…(それではドラマになりませんが(笑))

    すみれは、育児は育自だったと分かってきましたね。でもまだ答えが打開策が見えてこないし、行けなかった。紀夫も分かってそうで、結局今行けば天岩戸状態なのですが、分かってない…。
    まだ時間かかりますが、すずママが本当に麻田さん亡き後、すみれや明美ちゃんなど仲間や子供まで見守ってくれる大事な存在になって来ましたね。

    女の一生をどうアレンジし直すのか気になります。

    そして、実在のVANはこの頃から10数年後破産ですよね?
    その辺を絡ませるのか気になりました。劇中の栄輔が飛ぶ鳥を落とす勢い経営で浮かれたりはなさそうですが、散々オライオンやキアリスを痛めつけますが、どこか失脚してまた、潔達に和解というか、助けてもらうのか、心通わせて一から出直します的な事になるのかを想像してしまい、ちょっと可哀想ですが、それででも最後は前のような仲間意識に戻って欲しいところです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 破産

      栄輔の前のめり気味の姿勢の行き着く先は、史実通り破産かも知れませんね。そこまで行ってはじめて栄輔が梅田を去ってからのことや玉井との出会いなどが明らかにされ、栄輔の心の救済の物語が始まる。そんな展開になるような気がして来ました。

  2. よるは去った より:

    栄輔「色んな壁ぶち破ってあたらしい物が生まれたり、途が開けたりするのやないでしょうか・・・・・。」さくら「・・・・・おやすみなさい・・・・・・。」 明らかに栄輔君が歩んだ道でしょうね。でもそうやそうやって背中を押されても現在のさくらちゃんには戸惑いばかりでしょう。東京に行きたい目的は明らかにあの「彼」のことでしょうけど。結局はさくら「言ってみただけ・・・・・。」これもその場しのぎかもしれないけど、ある意味では栄輔君、gj と言っても良いのかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 色んな壁

      さくらちゃん、壁までは想定していなかったでしょうね。栄輔くんのさりげない一言はさくらちゃんには重く響いたかも知れません。でも、壁なんて簡単に乗り越えられると考えてしまうのもさくらちゃんの年代の特徴です。