高校をやめたがるさくら / べっぴんさん 第95話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年1月26日(木)放送
第17週 第95話「明日への旅」

『べっぴんさん』第17週 第95話 あらすじと見どころ解説

大急百貨店でのエイスの十日間限定出店を目前に控えたある日。大急百貨店の店内ですみれは栄輔に会いました。栄輔はすみれに告げました。ゆりの家でさくらに会ったこと。家族がバラバラに生活していることが意外だったことを。

その頃、キアリスの新入社員・西城は仕事への不満を募らせていました。紀夫から工場の新規開拓という大仕事を任せられたものの、連日田舎道を歩きまわるばかりの単調な仕事は自分が望むものではないと西城は考えていました。

そんな中、男会の食事に誘われた西城は泥酔して会社への不満を爆発させました。昭一や勝二が説得をこころみても西城は聞く耳を持ちません。その翌朝、ついに西城は会社を辞めるとすみれたちの前で宣言するのでした。

一方、さくらは自分は何がしたいのかよくわからないまま迷いの日々を送っていました。同じ頃、すみれも思いつめていました。さくらが少女漫画が好きだということを初めて知ったすみれは、娘のことを知らな過ぎる自分を責めていたのです。

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midokoro

自分の夢を独力で切り開こうとする二郎の生き様に大いに刺激を受けたさくらが高校を辞めて東京に行くことを希望し始めます。

二郎をどこまでも追いかけて行こうとするさくら。

母親に似て大人しい女の子とばかり思い込んでいましたが、こんな熱い想いを胸に秘めていたとは驚きです。

『べっぴんさん』第17週 第95話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

高校を中退し二郎と駆け落ちしかねない勢いのさくら。そのさくらの心の中が理解できず翻弄されっぱなしのすみれと紀夫。

そんな中、あの二人が再会します。あの二人とはすみれと栄輔です。

ジャズ喫茶ヨーソローですみれのことを思い出した栄輔は、まだまだすみれのことを忘れられずにいる様子でした。

そのすみれとついに再会を果たすことになる栄輔。

すみれはあの時も今も、栄輔のことを自分の話を聞いてくれる優しい男性としか思っていないのでしょう。

その一方で栄輔はすみれに想いを寄せていました。

戻ってきた栄輔がすみれに対して抱いている気持ちは今のところ不明です。しかし、栄輔はかつての優しいだけの男性ではないようです。

この先、ややこしい展開となりそうな予感がします。

そしてもう一つの騒動が勃発。

キアリスの面々の満場一致で採用された期待の新人・西城が早くも「こんな会社辞めてやる」と騒ぎ出す。

彼はキアリスが二社目のはずですが、前の勤め先でもこんな騒ぎを起こしたのでしょうか。

『べっぴんさん』第17週 第95話 観賞後の感想

「こういう人って決めつけんほうがええで」

ママがさくらちゃんに言いました。

「お母さんのこと、こういう人って決めつけんほうがええで」

確か似たようなセリフをママはすみれちゃんにも言ったはずです。娘のやっていることを頭ごなしに悪いと決めつけるなと。

すみれちゃんとさくらちゃんのすれ違いの最大の原因は、ママが言うところの「こういう人って決めつけ」ることをお互いにしていることにあるようです。

さくらちゃんが決めつける母親の「こういう人」像は、母親の嫌いな面だけで出来上がっています。嫌いな側面ばかりに注目していたら相手を正しく理解できるわけがない。

一方で、すみれちゃんが決めつける娘の「こういう人」像は借り物の価値観で出来上がっています。

娘はこうあるべき。ジャズ喫茶やナイトクラブは不良の行くところ。世間一般の価値観や偏見を鵜呑みにしてさくらちゃんに当てはめているに過ぎない。

ジャズ喫茶やナイトクラブに行ってしまうその理由を想像すらせず、しかも借り物の価値観で頭ごなしに悪いと決めつける。

相手をしっかりと見極めようとはせずに、自分都合で相手に貼ったレッテルを通してしか相手を見ようとしない。だから相手を正しく理解出来ず、歩み寄りも出来ない。

ママの言葉で人間関係の一番大事なことを学ばせてもらいました。

「少女漫画好きやって知ってた?」

新入社員採用時に誰もが推した西城くんが辞め、すみれちゃんが強く推したものの異論が続出した中西くんが残る。

良子ちゃんがすみれちゃんの人を見抜く目がすごいと感嘆していましたが、すみれちゃんの新人を見抜く力が際立つほどに、あぶり出されてくるのが娘のことをまるで知らなかったという事実です。

もし仮にすみれちゃんが強く推した中西くんが残念な新人だったとしたら、すみれちゃんは人を見る目がないことになる。人を見る目がないから、娘のことも正しく観察出来ない。それで終わりです。

でも、すみれちゃんには人を見る目がある。他の誰よりも。にも関わらず娘の趣味や特技すらまったく知らずにいたままだった。

これはすみれちゃんが娘のことを気にかけていなかった何よりの証拠。

さくらちゃんが「少女漫画」を好きなことを初めて知ったすみれちゃんも、娘への心配りのなさを直視させられ打ちのめされたものと思います。

その点を喜代さんが上手にフォローしてくれました。

娘のことを知らなくてもいい。五十八さんだってすみれちゃんやゆりちゃんの全てを知っているわけではない。しかし、五十八さんは娘たちをいつも見守っていてくれていた。

娘の趣味や特技を知らずにいたすみれちゃんのショックを優しい言葉で吸収しつつも、娘を見守るという視点が欠けていたことをさりげなく伝える喜代さんの言葉の選び方、細やかな気づいが心に沁みます。

話をさくらちゃんの「少女漫画」に戻します。

さくらちゃんの数学のノートの片隅に落書きされた少女漫画。そんな趣味がさくらちゃんにあることを初めて知ったすみれちゃんは愕然としていました。

しかも、その落書きは実によく描かている。趣味というより特技に近い。

こんな特技があることをさくらちゃん自身もまだ気がついていません。自分は何をしたいのか。どこに向かって進んだらいいのか。ただただ迷うばかりで答えが出ない。

この「少女漫画」恐らく今後の新展開の重要なフラグとして登場させたのでしょう。さくらちゃんが娘を理解し、さくらちゃんが自分自身を理解するきっかけをつかむフラグです。

しっかりと記憶に刻みつけておきたいと思います。

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コメント

  1. とん より:

    西城くんが辞めた後の初めての男会で、タケちゃんが最後「紀夫さん、タノシカナです!」
    って言った後、紀夫くんが満面の笑みで一緒に「タノシカナ!」を連呼した後の表情w
    あれはどういう心境だったんでしょうね?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > どういう心境

      武くんは自分のポジションが脅かされて、西城くんのことを煙たがってましたからね。言葉通り楽しかったのかと思います。

      • とん より:

        あ、いやタケちゃんじゃなくて紀夫くんの表情です。
        紀夫くん、満面の笑みで「タノシカナ!」を連呼して大笑いした後、いきなり苦虫を噛み潰したようなふて腐れた表情したんです。
        明日の週間再放送をチェックしてみてください。
        西城くんによっぽど期待しててやるせなかったのかなぁ……

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          すみません。コメントを読み違えてました。

          心から期待していた新人に辞められてしまい紀夫くんの立場としてはかなりつらいものがあったはずです。「タノシカナ!」と強がってはみたものの、やっぱり強がりきれなかったんですね。

  2. えびすこ より:

    飲み屋での昭一さんのセリフに「若い頃は~」のフレーズがありましたが、昭一さん、まだそんなに年を食ってないのになと思いました。時代状況や人にもよりますが、早くに結婚して子供をもうけた人は気分的に老け込みやすいのかな?どうも昭和30年代後半になってから主人公の世代の人はいま一つ気力がないような。

    途中で出た歌は石原裕次郎さんの歌では?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 老け込みやすい

      第96回で栄輔くんが言いましたが、青春を戦争で奪われた世代と、豊かな社会で青春を謳歌する世代のギャップなのかも知れませんね。

  3. ぷん より:

    今日、すみれちゃんが「家族で解決しないとね」と言った時、
    先日 紀夫くんが「すみれから聞きました」と言った時
    栄輔くんの表情が 微妙に動いたのが、心の屈折を表しているように見えました
    この表情が これからのキアリスへの仕打ちの伏線のような気がしてなりません

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 心の屈折

      大事な家族を戦争で失い、やっと心を許せる家族を持つことが出来ると喜んだのもつかの間。その「家族」を再び一瞬で失ってしまった心の傷はかなり深いのかも知れませんね。

  4. よるは去った より:

    勝二「食いもんがある・・・・何よりも明日がある。」終戦直後なかなか職が見つからず屋台でコップ酒を片手に溜め息をついていた勝二君の姿を思い出しました。二郎「親があるだけ幸せや・・・・・。」 このお二人の台詞はいつの時代も自分の現状に不満を感じた時思い出してみるべきかも知れませんな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > お二人の台詞

      ないものに気持ちをフォーカスせず、あるものに気持ちをフォーカスする。ストレスなく生きる知恵ですね。

  5. つまぴょん より:

    キアリスをやめた西条くん、
    生地工場回りをしてたってことは…

    このあとエイスに入って、
    キアリスの息のかかった工場乗っ取りに関わるんじゃないかな?

    そんな気がしてなりません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 工場乗っ取り

      そんな展開になるかも知れませんね。端役にも関わらず、不満を爆発させる場面をわざわざここまで繰り返し描くにはそれなりの理由があるはずです。

  6. たこやき より:

    栄輔もさくらも、ヒリヒリするような表情で。でも毎日、翌日が楽しみです。ところで、「二郎」くん、「ゆう」をつけたら、あの大スターと同じ名前なんですね!それでジローなのか!と、今わかりました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > あの大スター

      二郎くんの初登場を告知する予告篇映像は、あの大スターが主演した青春映画の往年の名作の予告編そのまんまでしたからね。