栄輔率いるエイスの躍進 / べっぴんさん 第96話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年1月27日(金)放送
第17週 第96話「明日への旅」

『べっぴんさん』第17週 第96話 あらすじと見どころ解説

大急百貨店でのエイスの十日間限定の出店は大盛況のうちに終わりました。エイスの集客の力で百貨店の売り上げまでもが伸びたのです。エイスの実力は大急百貨店の大島の認めるところとなり、エイスの正式出店がまたたく間に決定しました。

エイスの躍進を目の当たりにした潔は、オライオンの若い女性向け商品を大急百貨店で扱わせてもらいたいと大島に提案。しかし大島は潔の提案に簡単には乗っては来ませんでした。栄輔はすでに大島に同様の提案をしていたのです。

エイスの正式出店を祝福する潔に栄輔は言いました。オライオンの若い女性向け商品は大急百貨店で売らない方がいいと。時代遅れのオライオンの商品でエイスに勝てるわけがない。栄輔は潔に言い放ちました。

一方、二郎と五月が同棲している事実をはじめて知ったさくらは深く落ち込んでいました。同じ頃、すみれたちキアリスの面々は百貨店での展示の準備を着々と進めていました。そして展示の初日を迎えるのでした。

<<前回95話 | 次回97話>>

midokoro
成功を手中に収めた弟分に気を許していた潔ですが、油断しているその間に弟分は自社をおびやかす手強いライバルになっていました。

その弟分に対抗すべき新企画を打ち出すものの時すでに遅し。

潔が大島に提案した若い女性向けファッションの企画は、すでに栄輔がまったく同じ提案を大島に試みた直後でした。

『べっぴんさん』第17週 第96話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

大急百貨店への正式出店に成功した栄輔率いるブランド「エイス(AIS)」の実在モデルは「ヴァン(VAN)」です。

「ヴァン(VAN)」の史実を以下に簡単にまとめてみます。

米国東海岸の名門大学(アイビーリーグ)の学生たちが好んで着用していたスタイルを取り入れたことから「アイビー」という呼ばれて一世を風靡した「ヴァン(VAN)」。

後に「アイビーの神様」と呼ばれることになる創業者の石津謙介氏は明治44年(1911年)岡山県岡山市に生まれました。

家業の紙問屋での勤務を経て昭和20年(1945年)レナウンに入社。

約六年間の勤務の後、昭和26年(1951年)「ヴァン(VAN)」の前身にあたる石津商店を創業。創業と同時にアイビーファッションを世に問い始めました。

その年のうちに石津商店を改め有限会社ヴァンヂャケットを起業。その翌年の昭和27年(1952年)には大阪の阪急百貨店への出店に成功。

昭和29年(1954年)に「ヴァン(VAN)」ブランドを立ち上げました。

プロ野球サンケイ・アトムズ(現、ヤクルト・スワローズ)や、国鉄、警視庁、日本航空等のユニフォームを手がけたことでも知られています。

『べっぴんさん』第17週 第96話 観賞後の感想

「うちと戦おても・・・」

潔くんと栄輔くんの熾烈な戦いがはじまりました。しかも栄輔くんの狙いは不戦勝。

「少なくとも大急への出店はやめておいた方がいい」
「うちと戦おても・・・」

栄輔くんはこう続けるつもりだったのでしょう。うちと戦おてもオライオンに勝ち目などあるわけがない。負け戦ははじめから撤退するべきだと。

不戦勝の宣戦布告。

そんなことが出来たのは、やっぱりいつぞや栄輔くんが部下の玉井氏に命じてまとめさせたオライオンの若者向け婦人服への進出計画の調査報告書あってのことなのでしょう。

あの報告書を分析しながら栄輔くんは潔くんとの戦いに勝ち抜く手立てを考えていたに違いない。オライオンの弱点をしっかりと見抜き、そこを巧みに突いてくる栄輔くんの緻密な仕事ぶりが怖いほど。

オライオンの弱点を徹底分析し、反論の余地がないほどにオライオンの弱点をこれでもかと言うくらいにたたみかける。

「今の若者たちのことをどれだけ勉強しましたか?」
「若者は吉田美代なんて知らない」
「そんな人に丸投げしたものは売れない」

そして、その弱点を集中攻撃。

「エイスのデザイナーは皆二十歳前後」
「名前は通っていなくても豊かな感性を持っている」
「若者向けと婦人服は全く違う」

相手の戦意を喪失させて戦いを不戦勝に導いてゆこうとするこの戦い方。この冷徹さはアメリカ仕込みなのでしょうか。

冷徹ですが、かつての兄貴への温情も見え隠れします。

今のオライオンの商品ラインのままエイスと戦えばオライオンに損害が出る。戦いに敗れたという汚点も付く。

でも、戦いから撤退すれば損害を出さずに済み敗戦の汚点からも免れることが出来る・・・というのは考え過ぎでしょうか。

いずれにせよ、お人好しでちょっと脇が甘そうに見えたあの栄輔くんがこれほどの狡猾さを発揮することに驚きました。

裏社会を渡り歩いてきたあの玉井氏が、栄輔くんに素直に従う気持ちもわかるような気がします。玉井氏みたいな人物からすれば、栄輔くんはたまらない親分なのでしょう。

それにしてもダークサイドの栄輔くん、どこまで行ってしまうつもりなんでしょうか。

ちょっとネタバレになりますが、栄輔くん率いるエイスはこの先で大手商社の出資を受ける展開が明らかになっています。

おそらくはその出資によって店舗網と生産体制の拡大をするのでしょう。

ちなみに、エイスが大手商社からの出資を受けるのは大阪で万国博覧会が開催された昭和45年(1970年)頃。

そして史実では万国博覧会の8年後の昭和53年(1978年)。エイスの実在モデルであるヴァンヂャケットは東京地方裁判所より破産宣告を受けています。

栄輔くんの栄光のその先にある挫折まで劇中で描かれることになるのでしょうか。栄輔くんが心配ですが、この挫折が栄輔くんのダークサイドからの復活の契機になる。

そんな展開をブログ主は予想しています。(はずれたらごめんなさい)

さくらちゃん失恋のフラグ

ついにさくらちゃんの失恋のフラグが立ってしまいましたが、その一方でさくらちゃんの明るい未来を暗示するフラグがさりげなくいくつも立ちはじていることが救いです。

「やりたいことがなければただ流されて生きてゆくだけ」

ママの言葉がさくらちゃんの心に突き刺さったのと同時に、さくらちゃんの気づかぬところで立ちはじめるフラグの数々。

さくらちゃんが少女漫画が好きであることや絵が上手であることにすみれちゃんが気づく。これもさくらちゃんの将来を暗示するものかと思います。

二郎くんと五月ちゃんの同棲の事実をさくらちゃんが知ってしまったその瞬間、健太郎くんが姿をあらわすのもさくらちゃんの将来を暗示しているような気がしてなりません。

そして「女の一生」の展示の準備を始める中で、女性の人生の選択肢の豊かさにすみれちゃんが目覚めるのは、さくらちゃんの人生の選択を母親が認めることの暗示でしょうか。

今のさくらちゃんはお先真っ暗かも知れません。でも、本人が気づかないところで夜明けがはじまりつつあるようです。

<<前回95話 | 次回97話>>

Sponsored Link
Sponsored Link
いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。


12 Responses to “栄輔率いるエイスの躍進 / べっぴんさん 第96話”

  1. ぱんちゃん より:

    ふと思ったのですが、、
    栄輔さん、大急百貨店に出向く時とか、玉井氏と行動を共にしてますけど、潔くんは何も気づいてないのかな?、という、いち視聴者目線の素朴な疑問です…(^^;

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 潔くんは何も気づいてないのかな?

      明美ちゃんも大急百貨店には出入りしているはず。しかも明美ちゃんは玉井氏につきまとわれた経験があるので他の誰よりも玉井氏の顔を記憶しているはず。そのあたりも今のところスルーされてますね。栄輔くんと玉井氏が親分子分の関係になった理由が明かされる頃に誰かに気づかせるのかも知れません。

  2. よるは去った より:

    以前、玉井氏が路上でキャッチボールをしている男の子たちを暖かい眼差しで見守っている場面は何のフラグかと問いかけたことがありましたが、朝蔵さんの解説を読んで、将来的にプロ球団のY S (当時はSAだったんですね)とビジネス上、大きく関わって行くことへのフラグだったのかな?なんて勝手に考えてしまったのですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > プロ球団

      情報通の玉井氏ならそんな案件をどっかから引っ張って気そうですね。いずれにせよ玉井氏の今後が気になります。栄輔の将来は朝ドラの定石通りに進めば落ち着くところに落ち着きそうですが、玉井氏がまったく見えません。

  3. とん より:

    いつも字幕で見てるんですが、今日は字幕が間違ってましたね。
    潔が大急で若い女性向けの店を出したいと社長に提案するシーン、「大急さんには競合もおりません」のはずが「大急さんには強豪もおりません」になってたw 社長のセリフも「君がいないという強豪、実はいるんだよ」
    字幕担当の人、よっぽどこれからエイスに苦しめられるというイメージが強すぎたのかなw

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 強豪

      二度までも間違えるなんて。誤変換が残ったままだったんでしょうが、ご高察の通りエイスが競合ならぬ強豪に見えたんでしょうね。

  4. きゅうぽん より:

    今日の栄輔の言っている事もっともだと思います。というか、潔してこなかったん?と言いたいですが。
    まぁ、当時ならとりあえず、流行り廃りを追わないもの、一流のデザイナーに作らせていれば、名前で売れるだったと思うので、ある程度自分たちが仕掛けたら売れたわけで…。
    若者の流行りや感心などリサーチして、生の声というか、それを持ったデザイナーを雇い、まさに「会社が売れる商品を作る」「消費者の若者がほしい服がある」をしてきた自信を含めて、栄輔は潔に見せつけたなと思います。
    ただ、栄輔はさくらの事を含めて、多分キアリスもそうだろうと思っているかも知れませんね。こちらは生の声、実際の育児を取り入れて、何が必要か、リサーチして編み出してきたので、栄輔寄りの企業ですが、まぁ、栄輔からすると、自分は断ち切ってこんなに頑張ってきたのに、さくらに寂しい思いをさせておいて、きちんと仕事もしてないのかー!と思っているかもしれませんが。

    とうとう、さくらノックアウトのゴングがなりましたね。
    龍ちゃんはそもそも学校行っているのでしょうか…プラプラ遊んでいるなら、本当に「良子ちゃん!」ですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 名前で売れる

      日本はモノをつくれば売れる時代が長く続いた一方で、米国はそれだけでは競争に勝てなかったので栄輔くんのような努力を積み重ねてきた。その結果、日米間の競争力にこんなに差がついてしまったと指摘する人が少なくありません。でも自動車産業だけは反対ですね。

  5. よるは去った より:

    潔君とさくらちゃんの胸中は違った事情で「出し抜かれた・・・・・裏切られた。」という思いでいっぱいでしょうね。栄輔「うちのデザイナーは皆二十歳代・・・・・。」 栄輔君が出入りしていたのは「青い月」「ヨーソロー」ばかりじゃないでしょうね。神戸中、ひょっとしたら大阪、東京、横浜あたりの若者達の集う店にも出入りしていたかもね。若き才能の発掘のために。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 大阪、東京、横浜

      栄輔くんなら間違いなく頻繁に通っていたでしょうね。渡米して勉強していたくらいなので栄輔くんにとっては東京も決して遠い街ではなかったかと思います。

  6. ※※忠美 より:

    石津謙介氏の生年月日がおかしいです。1911年生まれは、明治44年です。確認をお願いします。

コメントを残す

サブコンテンツ

ページトップへ