さくらが失恋を確信する / べっぴんさん 第104話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年2月6日(月)放送
第19週 第104話「希望」

『べっぴんさん』第19週 第104話 あらすじと見どころ解説

高校をやめて親には無断で東京に向かおうと考えていたさくらを、すみれと紀夫は必死の説得により思いとどまらせることが出来ました。すみれと紀夫は、五月に会わせるため二郎を自宅に案内します。さくらも久しぶりに我が家に戻りました。

五月が妊娠していることを知った二郎は五月と話すことを望むもの、五月は二郎と会うことを拒みました。二郎が夢を叶える邪魔をしたくない。子供は一人で育てるから自分のことは忘れて欲しい。五月の訴えに二郎は何も言い返すことができませんでした。

五月は二郎の夢を心から応援し、二郎もまた五月の身を案じる。その二郎と五月のやり取りをそばで聞いていたさくらは自分が失恋してしまったことを確信しました。落ち込むさくらをすみれと紀夫は精一杯励まします。

そんな中、五十八が倒れたという知らせが入りました。知らせを受け、すみれ一家とゆり一家が近江の坂東本家に到着した時、五十八は深い眠りについていました。五十八は以前より心臓を患っていたことをすみれとゆりは初めて知らされるのでした。

<<前回103話 | 次回105話>>

midokoro
さくらの失恋が確定しました。

二郎と五月の二人のやり取りを目の当たりにしたさくらは自分の恋を断念。

実らぬ恋に涙するさくらですが、次週あたりにはさくらの新しい恋バナのフラグが立つ見通しです。

『べっぴんさん』第19週 第104話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

五月が置き手紙だけを残して二郎の前から忽然と姿を消したとき、二郎には五月が行方をくらました理由がわかりませんでした。

五月は、二郎の子供をお腹の中に宿した事実を二郎には隠していました。

何故なら、二郎が夢を叶える妨げになりたくないから。五月はそれほど二郎の夢を大事に考えていたのです。

妊娠の事実が二郎の知れた後も、五月は二郎の前には姿をあらわそうとはしませんでした。五月は子供を一人で産み一人で育てる覚悟を固めていました。

それもこれもすべては二郎の夢の邪魔になりたくない。その一心からのことです。

その五月の真剣な想いに応えようと二郎も自分の想いを五月に伝えるものの・・・

こんな場面を目撃してしまっては、さくらとしても初めての恋を諦めるしか他に道は残されていません。

若かりし日の母親同様、あまりにもあっけなく初恋が終わるさくらでした。

『べっぴんさん』第19週 第104話 観賞後の感想

祖母と孫みたいな喜代さんと五月ちゃん

喜代さんの慈愛に満ちた言葉を聞けて朝から心が癒されました。五月ちゃんに編み物を教える喜代さんの姿はまるで祖母のよう。

思えば、喜代さんとさくらちゃんの祖母と孫みたいな姿。さくらちゃんが幼い頃は繰り返し登場していましたが、さくらちゃんが成長してからはお目にかかる機会が減ったような気がします。

祖母と孫の姿どころか、さくらちゃんの家出直前には喜代さんを半ばだました形で学校を休んだりして、あれほど可愛がってくれた喜代さんにそれはないだろうと思わずにいられない場面すらあり、喜代さんが気の毒でなりませんでした。

昔はすみれちゃんに、そしてしばらく前まではさくらちゃんに愛情を注ぎ続けてきた喜代さんは、誰かに愛情を注ぐことが生き甲斐と思っているような気がします。

そんな生き甲斐を久しぶりに取り戻したということもあるのでしょうか。

しばらく誰にも注ぐ機会を得られなかったあふれるばかりの愛情を、ここぞとばかりに五月ちゃんに対して注ぐ喜代さん。

その喜代さんの愛情を素直に全身で受け止めようとする五月ちゃんもまた優しい。

孫を思いやる祖母。孫もまた祖母を思いやる。日々忙しい暮らしの中で乾いた心が潤うとても素敵な場面を朝から見せてもらいました。

追記:「言わなくても大丈夫なんだろうと思わないで(愛情を)伝えてあげてください」

この喜代さんの言葉は、これまでのすみれちゃんの失敗を見てきたことから出た言葉でしょうか。

今なら喜代さんのこの言葉をすみれちゃんも受け入れることができるはず。五月ちゃんにかけたのと同じ言葉をすみれちゃんにもかけて欲しい。

そう願わずにはいられません。

紀夫くんの父親の威厳

父親になり社長になってからすっかり頼もしい紀夫くんが、今回はまた一段と頼もしい!

駄々をこねるさくらちゃんを一喝して黙らせた時の父親の威厳はまばゆいほど。スカウトマンたちへの気遣いを忘れないところも実ににくい。

ようやく五月ちゃんと再会できたものの、部屋に閉じこもってしまった五月ちゃんに自分のことは忘れて欲しいとまで言われ深く落ち込む二郎くん。

その二郎くんへの紀夫くんの言葉がまた深い。

「物事の答えは考え続けていれば見つかる」

戦場から帰ってきた直後、先の見えない困難な日々の中で苦労を重ね、答えを探し続けるような毎日を送っていた紀夫くんだけに言葉の重みが違います。

そして自分が失恋したことをようやく理解し悲嘆にくれるさくらちゃんに対して紀夫くんが間髪入れずに言いました。

「大丈夫や」

このタイミングでの父親からの強い励まし。さくらちゃんはどれほどの安心感を得ることが出来たことか。

しかも「大丈夫や」を二度までも言い、さくらちゃんの失意をしっかりと払拭。紀夫くん、いつの間にか本当に立派な父親になりました。

さくらちゃんもそろそろ、自分を愛してくれている親がいることの有り難みがわかって来たでしょうか。

聖女・五月ちゃん

かつて五月ちゃんは二郎くんにこんなことを言ったらしい。

「お父ちゃんが生きていれば自分の人生は変わっていたかも」

五月ちゃんのこれまでの孤独の深さにこちらの胸までもがヒリヒリ痛んで来るような言葉。泣く場面でもないのに、不覚にも五月ちゃんのこの言葉に涙腺を攻撃されました。

そこまで孤独に苦しんだ過去を持ちながら、二郎くんの夢を守るために二郎くんのことを諦め、再び孤独と戦う決意を固めた五月ちゃん。

劇中に登場した頃は、世の中を斜に構えて見ている薄幸の少女にしか見えませんでしたが、ママが心から応援していただけの女の子だけのことはあります。

子供を一人で育てる覚悟を固めたとは言っても、将来を考えたら怖くないわけがない。

にもかかわらず、心配しなくていい。音楽で人に希望を与える夢を叶えて欲しい。そんな夢があることはすごいことだと二郎くんを励ます五月ちゃんが美しすぎました。

「もう私のことは忘れて」

この五月ちゃんの悲痛な叫び声が耳について離れません。

<<前回103話 | 次回105話>>

Sponsored Link
Sponsored Link
いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。


10 Responses to “さくらが失恋を確信する / べっぴんさん 第104話”

  1. ぽんた より:

    今の五月を見て、かつての明美を思い出しました。明美はすみれの父に母親を解雇され、母親はその後いい仕事もなく窮乏のままに亡くなり、子供の時から苦労の人生を送ります。五月も母親だけに育てられ、新しい父親との間に子供ができて家庭に居場所がなくなり、家出してヨーソローにたどり着きます。苦労人ならどうしても境遇から他人の心に敏感にならざるを得ず、それが五月の二郎への深い思いやりと自己犠牲、そして成熟した態度に現れたのだと思います。「苦労は買ってでもしろ」とはこういう事を言うのでしょう。

    明美は幸運にもキアリスに加わり、女4人組のビジネスの中で自分の仕事を見つけ、謙虚に役割を果たし続けます。かつて自分の運命を呪い、すみれを恨んでいた明美は成長して、今ではとても冷静で謙虚で成熟した女性。今回も苦境にあって自分を見失いそうなすみれをさり気なく救います。いま時点での明美の役は地味ですが、しっかりとしたいぶし銀の役どころです。

    これに対し、さくらは良家のお嬢様。今まで人の心をろくに意識する必要もありません。ようやく自我の目覚めの入り口に立って、目覚めつつある自我をどのように向けていいかわからない時点で、母親と思いがすれ違って家出、さらに周りが見えないまま二郎に横恋慕して突っ走り、ようやくどん詰まりまで来て自分の位置を理解することになりました。周りも見ずにただ自分の心だけで突っ走るのはすみれ譲りの気性でしょう。物怖じするお嬢様も多い中、自分の心に任せて突っ走るさくらの精神力は抜群、心が幼いだけに、苦労人で成熟した五月との心のコントラストは秀抜です。今後、さくらの心の成長が描かれてゆくのでしょうが、今日のさくらの涙の価値は、さくらの長い人生に値千金です。転んでもただでは起きないさくらの成長を祈るばかりです。 ぽんた拝

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 物怖じするお嬢様も多い中

      ぽんたさんのこのレビューを読んで、さくらちゃんが学校で友達ができない理由がようやく納得できました。まだまだ幼いところはありながらも同級生たちとはまったく異なる気性を持つために馴染むことが出来ない。だから浮いてしまうのですね。

      • ぽんた より:

        返信、ありがとうございます。

        今までのこのドラマのストーリーに少し疑問があります。

        なぜすみれは、女の人生はひとつではない、という単純なことをすずに出会って話すまで気づかなかったのでしょうか? あのキアリス4人組には明美というもう一人の苦労人がいて、残りの「お針チクチク」だった女学校のお嬢様3人組とは違う人生を歩んできたのに、そこにはすみれの目がいかない。明美の役柄が現在では地味で、この段階ではもう女学校3人組と十分溶け込んでおり、もう格別にすみれが新たに思いを致す存在ではないのかも知れません。

        明美は確かにすみれとすずの橋渡しをする役として登場し、すみれにとっては「人生が謎、考え方も謎」だったすずとの会話を促すことを通じて、すみれの気づきにさり気なく貢献します。しかし、考えてみれば、すみれはヨーソロー以外の場所で明美とじっくり話すだけで、すず無しに「女の人生は多様」という同じ結論に達したのではないか、とも思うのです。

        このあたりの場面では、すずがヨーソローをめぐるすべての人物の中心という役割を果たしています。すずの考えを当初はよく理解できなかったすみれをすずと固く結びつけるには、独身であるということも含めて、すみれたち3人とは違う背景を持つ明美の仲介が必要だったという点も理解できます。ということは、この場面の肝は、すみれが女の人生は多様であり、一つの価値観では切りきれないということに気づいた事以上に、すみれがすずの人生を知り、すずへの理解を深めたこと、そしてそれは、すずにとっても、すみれへの理解が深まったことの方が大事、ということでしょう。

        ただ、そうなると、明美がすみれをヨーソローに連れて行ったのは、さくらがヨーソローに通い始めていることを知らず、そして、すずとすみれの考え方がお互い理解できずにすれ違っていたことさえ知らなかった「単なる偶然」によってである、という点が気になります。確かに、明美にとってすずは、明美と同様に女手で育てられ、現在は天涯孤独でありながら、自分の生きる道を切り開いている人であり、共感できやすい人です。だから、明美が人生の多様性についてすみれに話すとき、ヨーソローを話す場所に選んだのは自然でしょう。すずは、明美の友達であることを初めて知って驚いたすみれに、自分の人生を話すことになります。これがすれ違っていたすみれとすずの相互理解に自然と貢献することにつながります。勿論、すみれには女の人生の多様性への気づきにもなります。

        あ、先に疑問があると言っておきながら、書いているうちにとうとう自分で答えを出してしまいましたね。一旦疑問が湧くとねちねちと考え、最後まで止まらない性分なもので、誠に失礼いたしました。 m(_ _)m

        もう一つついでに。

        さくらが学校で友人ができない件。

        さくらと同じくお嬢さん学校にいたすみれは、刺繍の同好者3人で結びついて仲間を作りました。しかし、その後に描かれるように、他の2人と性格が違うすみれは、他の2人と色々衝突を繰り返すことになりますが、結局、最後には心の絆を築けました。さくらの趣味であるマンガやイラストは、当時ではあまり一般的すぎて、雑談相手はできても、親友を作るには役に立ちにくいかも知れませんね。

        それ以上に、入学してすぐに人生や家庭問題そして恋に悩み、いつも憂い顔のままで過ごすさくらには、他の生徒はきっと近寄りにくいでしょう。問題がすべて解決した暁には、きっとさくらにも親友ができると思いますよ! ぽんた拝

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          明美ちゃんを軸にしたすみれちゃんとママの関係への考察。興味深く拝見しました。人の生き様の多様性を、すみれちゃんは明美ちゃんから学べなかったのかなということは僕も気になっていました。

          僕の場合、こんな風に考えてました。すみれちゃんは明美ちゃんと毎日一緒に過ごすうちにあまりにも身近になり過ぎた。そして明美ちゃんが自分とはまったく異なる人生を歩んで来たことをすみれちゃんは忘れてしまったのかも知れないと。

          また、すみれちゃんと明美ちゃんが再会した頃は、お互いに貧窮にあえいで似た者同士みたいなところもありましたからね。すみれちゃんも苦労していることを知って、明美ちゃんのお嬢様アレルギーがおさまったくらいでしたから。

  2. えびすこ より:

    終盤に入りましたね。今月後半からは昭和40年代に入るみたいで、大阪万博が終盤の山場の1つになりそうです。40年代になるとさくらの世代も年齢的に大人になりますね。
    今は昭和36年の夏ですが家に電気扇風機があるのに白黒テレビが出る場面がないですね。野上家はどこかにもうあると思いますが、坂東家もあれだけの店舗を経営しているならテレビを購入できると思いますが…。

    ところで昨日のおんな城主直虎の5回目ですが、マッサンの1週目の展開にどことなく似ていましたね。次回の展開も含めるとマッサンの1週目を丸々扱う感じかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 大阪万博

      大阪万博を機に栄輔くんがアクセルを一気に踏み込む展開となるようですが、その先に栄輔くんの大きな転機が待ち構えているような気がしてなりません。

  3. もんすけ より:

    久々に帰宅したさくらちゃんと五月ちゃんの対面。
    つい忘れていましたが、学校で友達もいなく、居場所がなかったさくらちゃんと、親からの見捨てられ感をもち、ヨーソローでバイトをしながら居場所を探していた五月ちゃんは、互いにとって「友達」だったのですよね(さくらちゃんの昔書いていたイラストは、さくらちゃんと五月ちゃんが並んで描かれていたものでしたね)。

    五月ちゃんはもちろんさくらちゃんの二郎君への、今の気持ちは知らないけれど、久々に会った二人は微笑み合っていました。
    あくまでも私的な感想なのですが、二郎君に東京行きを強く勧めるさくらちゃんの気持ちの中には、なんとしても二郎君に夢を叶えて欲しいという五月ちゃんの想いや覚悟も陰ながら影響していたのかも…と。
    「大丈夫。さくらは、日本一かわいい女の子だ」
    紀夫さんの親ばか炸裂の言葉。うん、でも、いいですよね。家族が、親子が辛い時ならば許される、温かい言葉です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 五月ちゃんの想いや覚悟も陰ながら影響

      五月ちゃんの想いに共感するところがあったからこそ、あっさりと失恋を認めることが出来たのかも知れませんね。かつては友達でありながらはからずも恋敵になってしまったさくらちゃんと五月ちゃん。二人の関係修復も見えてきました。

  4. よるは去った より:

    節子「行ったらいかんてお医者様には言われてはったんや。」五十八お父様にとってはやはり、先日の神戸行きは最後の力を振り絞ってだったんですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 最後の力

      かなり無理をしていたんでしょうね。近江に戻った直後の五十八さんの憔悴ぶりが今もって忘れることが出来ません。

コメントを残す

サブコンテンツ

ページトップへ