東京行きを断念する二郎 / べっぴんさん 第107話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年2月9日(木)放送
第19週 第107話「希望」

『べっぴんさん』第19週 第107話 あらすじと見どころ解説

エイスとオライオンの提携を、栄輔が潔に持ちかけているという話が大急百貨店の大島の耳に入りました。大島は早速、潔と栄輔を呼び出すとエイスとオライオンの今後のことについて話し合う場を持ちました。

栄輔からの申し出を受け入れるか否か考え続けていた潔は、その席で自分の下した結論を述べました。潔は提携を断りました。提携を断られたことに玉井は落胆していましたが、意外にも栄輔は目先の利益より自分の理想を貫く潔の生き様を讃えます。

そんな中、五月が妊娠していることを知った栄輔がキアリスを訪ねて来ました。五月の身体を案じる栄輔は五月を休ませたいと考えていました。しかし、自活する必要に迫られている五月はそれに応じず栄輔は困り果てていたのです。

栄輔が五月のことですみれに相談しているのを横で聞いていたさくらが提案します。五月をキアリスで雇ってあげて欲しいと。失恋の痛手を乗り越え五月を気遣うさくらに感激したすみれは、五月を雇い入れることに決めるのでした。

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心を閉ざしていた五月が二郎への想いを素直に口に出せるようになったその時、二郎はすでに東京行きを決意し神戸を去る間際でした。

しかし、二郎が東京行きを断念せざるを得ない状況が発生します。

『べっぴんさん』第19週 第107話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

二郎が夢に向かって旅立とうとしたその時、二郎の夢をはばむまさかの事態が発生します。

二郎には両親と弟がいました。

二郎の父親はいわゆるダメンズ。真面目に働こうとはしない残念な男です。そのため二郎の母親は貧窮の中で歯を食いしばりながら二郎と二郎の弟を育てて来ました。

しかし、ダメンズの父親がここに来て失踪。

ダメンズながらも母と弟をかろうじて食べさせていた父親がその姿をくらましたことで、母と弟の暮らしへの責任が二郎の肩に重くのしかかって来ます。

ようやくつかみかけた夢があっという間に幻になってしまった二郎。

そんな自分の運命を嘆く二郎を一喝したのはさくらでした。二郎の夢を叶えるために涙をのんだ五月の気持ちを考えろとさくらが二郎に迫ります。

それはさくらが失恋から完全に立ち直り、大人の女性へと成長を遂げた瞬間でした。

自分の目指す進路を見出したさくらの成長した姿は、今週の最大の見どころです。

『べっぴんさん』第19週 第107話 観賞後の感想

昔の気持ちを失っていなかった栄輔くん(嬉)

今週に入ってからさくらちゃんの成長と失恋からの立ち直りの物語にフォーカスされていましたが、久しぶりに栄輔くんにスポットライトが当たりました。

しかも栄輔くんの本心がさらに見えにくくなるような、でもかつての好青年だった栄輔くんがまだ健在だったことを暗示するようなちょっと嬉しいスポットライトの当たり方です。

大島社長を中心にした、大急・オライオン・エイスの三者面談の場で、その差が際立った潔くんと栄輔くんのそれぞれの成功の定義。

栄輔くんの成功の定義は「自分がどうなりたいか」という自分が中心のものでした。しかし潔くんの成功の定義は社員や家族などの「周りの人々にどうなって欲しいか」。その視線は周りに向けられていました。

しかも潔くんは一足跳びの実感のない前進など前進とは言えない。苦労しただけ成功の喜びも大きくなるとまで言い切る。

おそらく一足どころか二足も三足も跳び越えてここまで来たに違いない栄輔くんは、この成功の喜びを実感出来ていないのでしょう。

またわずかに感じる喜びも今の栄輔くんと共有出来るのは玉井氏ひとり。

実際、これだけの成功を収めながらもまったく嬉しそうに見えない。たくさんの若者たちが自社製品に夢中になっているにもかかわらずその喜びが伝わって来ませんでした。

実感のない前進、社員や家族の幸せという言葉を聞かされ、栄輔くんは初めてこれまでの自分に足りていなかったことに気づいたのかも知れませんね。

そして前進していることの実感を大勢の仲間たちと共有しながら進んでいる潔くんがまぶしく見えたに違いない。

それが今回の「やっぱり潔さんはカッコいいな」につながったのだと思います。

さて、部下の玉井氏から提携断念をなじられても、栄輔くんは潔くんの価値観をもって玉井氏を諭す。焦るな。今まで通りかっこいい服を作っとたら客はなんぼでも来る。

栄輔くんはまだ潔くんへの尊敬の念を失ってはいませんでした。闇市時代の気持ちを栄輔くんはまだ失ってはいない。そう確信出来た瞬間でした。

一方、かつての弟分の成功を心から喜び、今の状態を寂しくないと言う潔くんはやっぱり人物が大きい。

商売の上では今のところ優位に立っているはずの栄輔くんが、今もなお尊敬する気持ちを失わないだけのことはあります。

かつての兄貴分と弟分の絆。時間はかかるかも知れませんが、いつか必ず復活する日が来ると信じることが出来た大急・オライオン・エイスの三者面談の場面でした。

追記1:五月ちゃんが妊娠している事実を明美ちゃんから聞かされた直後、大急百貨店で重そうな箱を運ぶ五月ちゃんをさりげなく手伝う栄輔くんの姿にも、かつての好青年の頃の栄輔くんの面影が見え隠れしました。

そしてキアリスのもとに足を運び五月ちゃんの事をすみれちゃんに相談する栄輔くんの優しさが心に沁みます。

大事な人を雨から守る傘のような男になりたい。そう語った栄輔くんの理想もまだ完全には失われてはいないようです。安心しました。

追記2:栄輔くんに仕えることに徹していたかに見えた玉井氏が、はじめて見せる栄輔くんへの反抗的な姿。

今回、エイスの親分子分の間にはじめて生じた小さな亀裂がこれ以上広がりませんように。ここまで立ち直った玉井氏が再び悪の道に転落して欲しくない。そう切に願っています。

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コメント

  1. ひるたま より:

    朝蔵さんも書かれている通り、本日の放送分で、潔くん(オライオン)と栄輔くん(エイス)の考え方がはっきりと表されましたね。
    自分のみならず、社員やその家族の事まで考えている潔くん…
    「みんな幸せになるために生きるているんです」
    以前麻田さんに諭された内容を心に刻んで、会社経営にも活かしているのでしょうね。
    そしてここまで「成長」し、成功を収めたかつての弟分に対して賛辞を惜しまない…潔くん(演じている高良健吾さんもですけど^^)は本当に「男前」だな!と今日の放送分でも感じました。

    思えば、大昔「お嬢さんのままではだめだ。これからは働いて食べて行かなければならない時代だ」と、すみれを諭したのも潔くんでしたね。故に、姪のさくらにキアリスでのアルバイトを薦めた事もごく自然な流れだったのかもしれません。
    (父親である紀夫くんが言わなかったのは、もしかして自分の会社には身内(娘)を入れたくないという考えがあったのかもしれないかな?と個人的には感じました。
    …もっとも龍ちゃん・健ちゃんも広い意味で創業者の「身内」である訳ですが、小沢家や村田家にはそこまで拘りが無かったのかな?)

    そして今日も…「覚えてないか~」と言いつつもさくらに話しかけ、フォローする父親=紀夫くんが微笑ましかったです。
    正に「親バカ」全開ですが^^;…このような紀夫くんの姿を今までもっと沢山入れて欲しかったというのが本音です。
    影が濃い分光が際立つように感じさせる脚本&演出ですね。

    二郎くんのエピソードに関しては、明日以降の放送分になりそうですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > すみれを諭したのも潔くん

      このことをすっかり忘れてました。すみれとさくら、親子二代にわたって働くきっかけを作ったのは潔くんになったというわけですね。

      > 親バカ

      本当に紀夫くんの親バカが可愛くてなりません。もっと親バカを炸裂していればさくらちゃんもここまで暴走しなかったのかな・・・これだとドラマが成り立ちませんね。

  2. Marmite より:

    さくらちゃんがデザインしたリボン、昔つんつるてんになったカーディガンをほどいて新しく編みなおす時にすみれお母さんにリボンがいい、とリクエストしてたさくらちゃんを思い出しました(記憶ちがいかも・・・)

    いずれにしてもセンス、あったんですよね。すみれちゃんからのDNA。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > リボン

      僕も記憶が不確かなんですが、そんな場面があったような気がしています。ただ、このさくらちゃんの自分の才能の発見が、自分の居場所発見につながりそうですね。

  3. S.O.X. より:

    >玉井氏が再び悪の道に転落してほしくない

    同感です。
    もしもスピンオフがあるのであれば、エイス親分子分の出会い(再開か)を希望です(笑)。あ、あと悦子様と小山さんのナレソメも。。。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > ナレソメ

      劇中でここを完全にスルーしていますので、スピンオフのネタとして取ってあるのかも知れませんね。

      > 親分子分

      こちらは本編で語られるような気がします。スピンオフにするには地味で華がなさ過ぎですからね(笑)

  4. 米粉 より:

    はじめまして。

    今日の話にはあまり関係のない感想になります。

    すみれ・さくら母娘のバトル中心のドラマ展開を評価しない人もいるようですが、離婚時に娘(当時6歳)の親権を手放してしまった私は、あのとき自分が母親としてどうすべきだったのか、また、これからどうすべきか、と深く考えるきっかけになりました。

    私事になりますが…。
    離婚を前夫から突き付けられた当時、すみれさんほどではないですが、フルタイム勤務の仕事をしていました。
    ただ、不器用で残業ばかりする私に、前夫の不満が爆発してしまい、娘を連れて出て行ってしまいました。

    その後、「母親が親権をとらないなんておかしい」といった同僚等の声に傷つき、結局私はその仕事を辞めました。

    前夫からは面会を拒否され、もう娘とは会うことはないだろうと思っていましたが、数年前のある日、突然娘が会いにきました。
    憎しみ半分抱えながら、成人になったのを機に行動に移したようです。

    嬉しかったのですが、同時に娘が心の病に苦しんでいることも知りました。
    過去を悔やむ気持ちとともに、これからどう向き合えばいいのか。
    娘との再会は、トンネルの入り口でもありました。
    詳しくは書けませんが、
    会うたび、電話するたび、心がかみ合っていない感じがしていました。

    でも、かけがえのない娘。
    私がひどいことをした分、心の底から救いたい娘。
    では、どうすればいいのか。

    という状況の中、「べっぴんさん」の世界にひきこまれていき、現在も見続けているという次第です。

    「物事には正解はない 考え続けることだ」
    二郎君に言った紀夫さんのセリフ、こんな感じでしたかね?
    あれは、私にとっては沁みた言葉です。
    娘との今後には正解はないのかもしれません。
    ただ、時々会ったときの顔色、電話の声の調子、そういうものから感じ取って、よい方向をアドバイスできれば、トンネルから完全に抜け出せると思いました。

    ところで、今日の実際の話とネタバレとが合っていませんね。
    直前で脚本変更したのでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      はじめまして!

      コメントありがとうございます。

      すみれちゃん・さくらちゃんの母娘の確執。そして、その二人への喜代さんの教え:たとえ身近な人であっても伝えるべきことはしっかり伝えなければならないという言葉は、すべての親子にとっての珠玉の言葉でしたね。米粉さんが一日も早く「正解」を見つけることができますように。

      > 脚本変更

      たまに大きくズレることがあるんです。特に後半に入るとよくズレます。

  5. つまぴょん より:

    4行目の最初、「潔」ではなく、「栄輔」では?

    栄輔くん、やっぱり「あの栄輔くん」でしたね。
    再登場してから、今日の姿が一番あの頃の栄輔くんらしくて
    ほっとしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > あの頃の栄輔くん

      今でも潔くんを心から尊敬しているのかと知ってグッときました。ブラック栄輔くんにガッカリしていた人も安心したのではないでしょうか。

      > 4行目の最初

      ご指摘ありがとうございました!

  6. こんにちは より:

    こんにちは

    今日は栄輔君をすこし見直しました。

    きっと地道な道を否定してしまうような何か大きな不幸なことがあって今に至ってしまったんだろうけれど、まさにそのせいで足元をすくわれるようなことになる、

    というストーリー展開になるのでは、と想像していましたが、そうならなくて済むかもと思ってしまいました。

    でも
    守るべき家族がいない、仲間が少ないというのは弱いところですよね。玉井氏もまだまだ心配です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > そうならなくて済む

      僕も落ちるところまで落ちてそこから再起する。そんな展開を予想していたのですが、そこまで行く前にかつての気持ちを取り戻してくれそうですね。

  7. きゅうぽん より:

    ようやくさくらが前向きに、母親と向き合い、失恋から恋敵(何倍も経験値が高い五月ですが)にも配慮ができるようになりホッとしました。クリスマス会のかつての思い出がここでよみがえりましたね!

    玉井の過去がちょっとでましたね。栄輔が五月の身籠った話を聞いて、わざわざ身の振るい方を考えたり、すみれを否定しておきながら、展示に関してさくらに母親がしていたことを教えたり(工場乗っ取りから提供なども)…そうなると、酷いことはしてきましたが、復讐とか蹴落としてのし上がるというより、自分を拾ってくれた潔から一人前の男として認めてもらいたかった、自分なりのやり方で片腕?になれる位の男になりたかった、一変調(栄輔には見える)のおばさま方の服より儲けられ潔に恩返しができるのに〜という、根本があったのかなとふと思いました。玉井の意見を交わして受け入れたのはそうなのかな…なんて本当にあるかはわかりませんが、今まで這いつくばってやってきた意地もあってわざとやっていたのか…???

    ママが知ってそうですが(^_^;)なんか…なんか…思いました。

    二郎、それでも行きますかー!!五月は何を言ってもムダって、そもそもあなた父親の自覚ないし、すみれは一歩踏み出しましたが、二郎は年は上なのにこの時点お子ちゃまですね。優しいけど、これも五月がいるのに、そういうつもりはなかったとしても恋心を抱かせてしまった。すみれ的なところがありますね。
    五月は坂東家で家庭の温かみがわかって良かったです。かなり擦れていたし、そのまま子供を産んでいたとしたら…確実歴史は繰り返すみたいになってしまうと思います。けれど、本当に愛情を血の繋がりはなくても、自分がここにいても良いんだ、見守ってくれる人や場所があると思える心が獲得、実感できて良かったです。

    脚本に関してはここ数週間のダラダラ重い雰囲気で、そこまで親子関係のこじれとかが続いて、あまり良く書かれていないサイトもありますが、まぁ、ここまで見てきて、ハラハラいやイライラもしましたが(笑)、でも、主人公と母親、周りの人の恋愛とかだけでなく、色々な生き様考え方が対照的にでも最後に繋がるのは納得というか良いなと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 一人前の男として

      実はいまだに潔くんに心のどこかで心酔していることがわかり、きゅうぽんさんのご高察の通りかも知れない。そうであって欲しいと思いました。

      > 家庭の温かみ

      感極まって泣きだす五月ちゃんの姿を見て不覚にももらい泣きしてしまいました。

  8. よるは去った より:

    大島「闇市では君の弟分だったんだろ?さみしくないのか?」栄輔君には「闇市」の時の「兄貴と俺」に戻って共に仕事したいという気持ちがあったのかな?玉井「せやから、今のうちなんです。」玉井氏の本心も栄輔君の力を借りて潔君に復讐姿態というところでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 兄貴と俺

      表向きは激しく戦うライバル同士でありながら、心のどこかでは兄貴は弟を思い弟は兄貴を思う。泣かせてくれるシチュエーションでした。