美大進学を目指すさくら / べっぴんさん 第110話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年2月13日(月)放送
第20週 第110話「旅立ちの時」

『べっぴんさん』第20週 第110話 あらすじと見どころ解説

昭和37年(1962年)6月。デザインの道をこころざすと決めたさくらは、東京の美術大学に進路を定め受験のためのデッサンのレッスンにはげんでいました。一方の健太郎は京都大学を目指していました。

その頃、健太郎は自分の進路に迷いを持っていました。健太郎が自宅から京都大学に通学することは家族の望みでした。しかし、家族の望みを受け入れてしまっていいものなのか健太郎は悩んでいたのです。

一方、すでに大学生の龍一は学生運動に参加しつつキアリスでアルバイトをしていました。そんな中、若い冒険家が単独でサンプランシスへの渡航に成功したニュースに触発された龍一は世界旅行を夢見るものの勝二はそれを認めようとはしません。

同じ頃、五十八とはなのように子供も会社も残さずに終わる自分の人生を喜代は思いつめていました。そんなある日、喜代を訪ねてきた忠一郎の言葉が喜代を驚かせます。忠一郎は喜代に言いました。残りの人生、一緒に冒険旅行しないかと。

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midokoro
高校一年生の時に反抗期を迎えたさくらも高校三年生になりました。大学受験の勉強に余念がありません。

同い年の健太郎も受験生。

家族は健太郎が京都大学に入学することを希望していましたが、健太郎は東京大学に進学することを希望。しかし健太郎はそのことを家族に言い出せません。

『べっぴんさん』第20週 第110話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

さくらが志望する美術大学は関西地区ではなく東京にある大学です。

健太郎が家族の希望に反して、自宅から通える京都大学ではなくわざわざ遠方の東京大学への進学を望んだのは、もしかするとさくらが東京にある大学を志望したことにその理由があるのかも知れません。

何故、さくらの志望に健太郎は自分の志望を合わせたのか。その理由は今週の後半に明らかになりますので本欄では省略します。

さて、今週から時代は昭和37年です。

史実ではこの年に大阪で開催された国際見本市にファミリアは出展。

ファミリア創業者夫妻とその長女・光子さんは、展示場で知り合った米国人婦人と懇意になり、翌年の昭和38年に光子さんは米国人婦人の邸宅にホームステイし米国留学しています。

また、この米国人婦人との出会いによりファミリアは米国のベビー用品メーカー各社との取引拡大に成功しました。

さらに、数年後にファミリアはスヌーピーの日本国内販売ライセンスを取得し、販売を開始するやたちまちのうちに大ヒット商品に。

このスヌーピーの存在をファミリア創業者夫妻に伝えたのは、米国留学から帰ったばかりの光子さんでした。

『べっぴんさん』第20週 第110話 観賞後の感想

安定キャラ・健ちゃんの迷いと、安定してあやうい龍ちゃんの本気

前週まで一番の不安定キャラだったさくらちゃんが一転、誰もが認める安定キャラに。

そんな中、さくらちゃんの不安定さをずっと支えてきた、トップレベルの安定キャラ健ちゃんの不安定エピソードが始まりました。

進路に迷いがあるとまでは言ったけれど、とりわけ龍ちゃんに対してはそれ以上のことは口を閉ざす健ちゃん。

龍ちゃんに悩みを打ち明けたところで何の解決にも繋がらないと思ってるのでしょう。さすが健ちゃん、頭がいい。

しかし、さくらちゃんには本心の一部を吐露しました。

家族の中では、自分が関西の大学に行くことは当たり前のようになっていると。

さて、健ちゃんの家族の中では健ちゃんの進路についてどのような会話が交わされていたのかを想像してみました。

おそらく関西の大学への進学を当たり前にしたのは琴子さん?

健ちゃんの京大入学式に一緒に行くことが夢だと語る琴子さん。この琴子さんの夢が、知らず知らずのうちに家族にも「感染」したような気がします。

琴子さんの夢が発端となり、自分の知らないところで関西の大学に進学すると言う家族の「世論」が形成されてしまった。

でも自分としては・・・

この「自分としては」の後に健ちゃんの悩みがありそうですね。そしてその悩みを読み解くヒントが健ちゃんの口から出ていました。

健ちゃんがさくらちゃんに言いました。

「本当に東京の大学に行くのか?」

健ちゃんはさくらちゃんと離れ離れになりたくない。家族は勝手に自分が関西の大学に行くことを期待しているが、さくらちゃんと一緒に東京に行きたい。でもそれが言えない。

安定キャラだったが故に、周囲の安定を損ねることが出来ない健ちゃんの不安定な迷い。

その一方で、安定してあぶなげなキャラ龍ちゃんは相変わらず安定したポジションをキープしながらも、今回生じた不安定はこれまでになく本気みたいです。

堀江謙一のサンフランシスコへの単独渡航に触発されたものの勝二さんから一蹴。

これまで龍ちゃんがやっていることを両親が否定するのは一度や二度ではありませんでしたが、どれほど否定されても龍ちゃんは安定して明るかった。

否定を否定と思わない鈍感力が龍ちゃんにはありました。

しかし今回、世界旅行の夢を一蹴された直後の龍ちゃんの、あれほど真剣に思いつめた表情は劇中では初登場。

もっとも、ヨーソローで苦悩の叫びをあげた直後に女性客から一喝され、すぐに大人しくなるところは相変わらずの龍ちゃん式。やっぱりこの子は安定してます(笑)

喜代さんもまさかの不安定エピソード

迷いが生じているのは若者ばかりではありませんでした。

『べっぴんさん』の初週以来、ずっと安定キャラを貫き通して来た喜代さんも迷う。

五十八さんやはなさんのように自分は子供も会社も残せなかった。未来につながるものが何一つ残せなかった。自分の人生は何だったのか。

そんなタイミングでの忠さんからの旅の誘い。

忠さんは喜代さん同様に未来につながるものが何も残っていません。喜代さんと同じ迷いを心の中に抱えているのでしょうか。

そして、迷いの末に冒険旅行に出ることを決めたとしたら、冒険旅行が自分の迷いをどのように解決すると考えたのか。

僕自身の○十年後の迷いの参考のためにも、これから描かれる忠さんと喜代さんの教えをしっかりと学び、胸に刻みつけておきたいと思います。

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18 Responses to “美大進学を目指すさくら / べっぴんさん 第110話”

  1. エイスケの後輩 より:

    「結婚しない、子供を持たない」女性の役割は、明美ちゃんかと思っていたのですが、喜代さんだったということなんですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 結婚しない、子供を持たない

      明美ちゃんはどうするんでしょうね。栄輔くんともどもこの二人は先がまったく読めません。

  2. たこやき より:

    この時代の空気感…。
    画面も明るいですし、龍ちゃんのみならず忠さんにも冒険を奮い起たせる、この前向きな世の中の空気、ドラマとはいえすごいなあと思います。

    「龍ちゃんはA大学かな?」「『京都でもいい』って、健太郎くんはN高やね」と主人と笑いながら観ています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > この時代の空気感

      終戦直後の閉塞感や暗い画面が続いたのは、今の明るさを際立たせるためのものだったのかな。そんな気がしています。何もかもが明るくてワクワクしますね。

  3. 米粉 より:

    こんばんは!

    先週まで大荒れだったさくらちゃんが安定したかと思いきや、
    健ちゃん、龍ちゃん、喜代さんが心の揺らぎを表してきましたね。
    今日は特に、喜代さんの寂しそうな佇まいからの~忠さんの突然の訪問、そして旅へのお誘いのシーンがよかった。
    「あさが来た」の雁助さん・うめさんみたいな純情さで、思わず「かいらしいなぁ」とつぶやいてしまいました。

    それにしても、龍ちゃん…。
    学生運動ヘルメットでキアリス出入りはどうよ…。
    店のイメージのこと、考えてるのかなぁ、ねえ。
    まぁ、周囲も今は<ままごと>みたいなもの、と捉えているんでしょうが、私はこのシーンを見ながら、先週木曜日に登場した、二郎君の弟君のことをちょっと思い出しました。

    弟君、このまま成長したら、あの大学紛争の頃には18、9歳ぐらいじゃないでしょうかね?
    もしかしたら、大学紛争の当事者として、二郎君を苦しめるような存在に…?
    考えすぎでしょうか(^_^;)
    ついでに野上家の正太くんも同じくらいの年齢。
    そちらも気になります。

    娘のことで、温かいメッセージありがとうございます。
    まだまだ気は抜けないですが、娘は周囲の配慮もあり、きちんと自活の道を歩んでいます。
    私も折に触れて娘のゆっくりとした成長を見守っていきます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 雁助さん・うめさん

      きっとこの二人を意識しての忠さん・喜代さんでしょうか。今回は切なすぎる場面もなく安心して観ていられましたね。

  4. きゅうぽん より:

    また、健ちゃんや〜!!とおばちゃん達に囲まれるのと琴子さんのお祖母様の夢はね〜!!って、押し付けてくるシーンかつてありましたよね(^_^;)

    キヨさんが自分の夢、今までの成果とはみたいなものを振り返った時、洗濯機がみえましたが、その時代を示すためもあるでしょうが、なんだかトト姉ちゃんへのオマージュのような気がしました。

    ここ数作、戦争前後や高度成長期など書かれてきましたが、朝ドラで「大学紛争」とかは初めてではないでしょうか?(あったらすみません)

    大学紛争・赤軍とか…昨日、NHKで「洞窟おじさん」というドラマで、ちょうどその時代が出ていましたので、同じ頃、片や裕福、片や洞窟から抜けたけれどイノシシとか野生で生きていたので普通の生活の仕方がわからない…、すごく対照的です。

    ちなみに、正直ファミリアの服は庶民には、というか我が家ではなかなか手がでませんね…。なにか結婚式に呼ばれて着せるというならですが、どろんこになったり、成長の早い子がいると、質より量がいるので…もらえたら、めっちゃうれしいですが(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > トト姉ちゃんへのオマージュ

      今回登場した洗濯機のメーカーロゴが赤くて、アカバネ電器のロゴとよく似ているなと思いました。きっとオマージュですね。


      > 「大学紛争」とかは初めて

      僕はそれほどたくさん観ているわけではないのですが、龍ちゃんのキャラがあってのこの場面でしょうね。健ちゃんがあれやったらリアル過ぎます。

      • ひるたま より:

        すみません。横入り失礼します

        昨日の洗濯機を見て、前作『とと姉ちゃん』を思い浮かべたのは私だけではなかったのですね!
        何だか嬉しくなっちゃいました。(^^)
        坂東家でも『あなたの暮らし』を見てチェックして購入したのでしょうか?(^^;)

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。

          > 『あなたの暮らし』を見て

          だといいのですが、洗濯機のメーカーのロゴがあのアカバネ電気にそっくりだったのが気になっています。

  5. ひるたま より:

    本日の『スタジオパークからこんにちは』ゲストが「喜代さん」こと宮田圭子さんでしたね。ちょうど休日だったので見る事が出来ました。
    素の宮田さん、喜代さんと同じくフンワリした雰囲気がとても素敵な方でした。(^^)
    (実は知らなかったのですが…朝ドラ『だんだん』にも出演されていたのですね。ちょうど1シーンだけ紹介されたのですが…酔って椅子から転げ落ちるという場面で、思わずTVの前で笑ってしまいました。「喜代さん」のイメージが……^o^;)

    さくらちゃんに変わり、今週は男の子2人(健太郎くん&龍一くん)の「見せ場」となりますね。
    龍ちゃんの「持ち物」今度はテニスラケットからギターに変わったようです。

    そして龍ちゃんと異なりどうしても自分の気持ちを自ら言い出せないでいる健ちゃん…特に琴子おばあちゃんは「難敵」でしょうね。(演じるいしのようこさんのメイクが以前の出演時とほとんど変わってないな~老けていないな…と、個人的には感じたものですが^m^;)
    健ちゃんがどのような言葉&態度で自分の気持ちを表すのか…読みにくいだけに楽しみでもありますね。
    まぁ、さくらのように「暴走」する事は考えにくいですけれど。(^^;)
    もしかしたら、健ちゃんは自分の気持ちをストレートに表せる龍ちゃんを内心では羨ましく思っているのかな?などとも思ったりしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 健太郎くん&龍一くんの見せ場

      健ちゃんはカゲがあったので行き詰まりのエピソードが予想出来ましたが、まさか龍ちゃんまでもがハードルにぶち当たるとは!

      世界の旅に出ることが出来たら、龍ちゃんは案外大化けして男前キャラになるかも知れませんね。『とと姉ちゃん』の鉄郎叔父さんが最後は男前キャラとなったように。

  6. えびすこ より:

    しんたろうは「慎太郎」の字体でしょうか?
    石原慎太郎氏にあやかっての命名と思われますが、いま渦中の人ですが当時は若手作家で文壇のホープでしたね。

    「ヨットで太平洋横断」は堀江謙一さんのことですね。
    「大阪出身の若者の偉業」と聞いて龍一が触発されたのは無理ないかな?
    堀江さんは70歳の時にも航海しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > しんたろう

      五月ちゃんと二郎ちゃんの若い二人だったら間違いなくあやってるでしょうね。どんな漢字表記なのか、うっかりクレジットを確かめるのを忘れていました。

  7. もんすけ より:

    「俺の人生、この先~♪」

    おそらく今日一日寝るまで、龍ちゃんの歌が頭の中をエンドレスに駆け巡りそう…。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 龍ちゃんの歌

      案外、これが彼の才能かも知れませんね。
      二郎くんを出し抜いてまさかのプロデビュー?

  8. よるは去った より:

    棚に飾られた数々の遺影が時の流れを感じさせずにいられませんね。それにしても、いきなり龍一「大学やめて、冒険に出たい!」じゃ勝二「寝言は寝てから言え!」だろうね。「ちゃんと自分を持て!」と勝二父ちゃんから言われたことへの答えだろうけど。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 自分を持て!

      加えて国語ももっと勉強しないとですね。「反体生」って・・・

      でも世界旅行が夢なら国語はさほど必要とはされないのかな。あの明るさがあれば十分に生きて行けるかも知れませんね。

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