忠一郎と喜代旅立つ決断 / べっぴんさん 第111話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年2月14日(火)放送
第20週 第111話「旅立ちの時」

『べっぴんさん』第20週 第111話 あらすじと見どころ解説

忠一郎が喜代に告げました。一緒に冒険旅行に出ないかと。長年仕えてきた五十八が亡くなりこの先の人生のことを考えていた忠一郎は、堀江謙一という名の青年が単独でアメリカに渡ったニュースに心を動かされていたのです。

自分も冒険の旅に出よう。忠一郎がそう心に決めた時、思い出しのが喜代の存在でした。その頃、喜代も自分の将来のことを案じていました。娘のように育ててきたゆりとすみれが大人になり、寂しさを募らせていたのです。

一方、龍一の冒険旅行の夢は本気でした。龍一は再び両親を説得。世界を見て自分のやりたいことを見つけたいと訴える龍一を、その場に居合わせた忠一郎が応援。勝二と良子も隆一の思いを知り心を動かされるのでした。

喜代は忠一郎と旅に出る決意を固め、すみれと紀夫もそれを受け入れました。同じ頃、武の心は揺れていました。武は相変わらず明美に想いを寄せ続けていたのですが、当の明美は栄輔との距離を縮めはじめていたのです。

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midokoro
昭和37年(1962年)、20代前半の青年が「マーメイド号」と名付けられた小型ヨットで西宮から出航しサンフランシスコに到着。単独による太平洋横断航海に成功しました。

その青年の名は堀江謙一(ほりえ けんいち)。

「密出国」の扱いを受け世間を騒がせたこの青年の快挙に、大いに発奮した一人の劇中キャラクターがいました。・・・龍一です。

『べっぴんさん』第20週 第111話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

流行や目新しいものに敏感な龍一が、堀江青年の快挙に心をわしづかみにされました。龍一は早速、冒険旅行を夢見るものの勝二はその夢を許しませんでした。

そんな龍一にまさかの援軍が登場。長年、五十八に仕え続けて来た忠一郎です。

人生は冒険。安全な道を選んでも危険な目に遭わないとは限らない。そんな忠一郎の深く重い言葉が勝二と良子の心を動かします。

ところで、主人を失った忠一郎は旅に出ることを考えていました。しかもその旅は一人旅ではありません。忠一郎の初恋の相手です。

初恋の相手は、坂東家の女中頭を経てすみれに仕え続けた喜代です。

忠一郎が喜代に恋をしたのがいつのことなのか本記事投稿の時点では定かではありません。しかし想像するに坂東家に奉公に上がった少年時代かと思います。

もしそうだとすれば何十年越しで実った恋。最晩年に迎えた忠一郎と喜代の春。

二人の出会いの物語がどのようなものであったのか。『べっぴんさん』劇中でしっかりと説明してくれるのでしょうか。

話を、龍一がハマった堀江謙一に戻します。

ヨットでの日本からの出国を認められていなかった当時、密出国者として犯罪者扱いされていた堀江謙一ですが、当時のサンフランシスコ市長の粋な名言が状況を覆しました。

「コロンブスもパスポートは省略した」

サンフランシスコ市長が堀江謙一を名誉市民としてサンフランシスコ市に迎い入れたことで、それまで犯罪者扱いだった堀江謙一は一転、時のヒーローとなるのでした。

『べっぴんさん』第20週 第111話 観賞後の感想

忠さんまでもが堀江謙一に夢中!(驚)

忠さんが冒険旅行を思い立ったその動機までもが堀江謙一の快挙にあったとは驚きです。

龍ちゃんみたいな若い世代はもちろんのこと、忠さんみたいな最晩年を迎えようとしている世代までもがこんな気持ちになれるとは。

もちろんこれはドラマの中の世界ではありますが、そこに違和感がまったく感じられないのは明るい時代を背景にしているからでしょうか。

それとも忠さんのキャラによるもの?

話変わって、亡くなる間際の五十八さんと忠さんの会話を聞いて『とと姉ちゃん』で描かれた常子ちゃんと花山さんの二人のことを思い出しました。

花山さんは後悔していました。常子ちゃんに雑誌の編集一筋の人生を送らせてしまったが、結婚して幸せな家庭を築くようなもっと別の人生もあったのではないかと。

花山さんはこの本心を常子ちゃんの母・君子さんに伝えたと記憶しています。

君子さんは、常子ちゃんに後悔はないはずだと答えました。実際、常子ちゃんに後悔はなかったのでしょう。

しかし、僕の中にはどこか心残りがありました。

その心残りの正体が今回の忠さんを見てやっとわかりました。

忠さんにはもっと別の人生があったのではないかと悔やむ五十八さんに応えて忠さんが言いました。後悔などまったくない。言葉に力があります。

忠さんの悔いなしという言葉に説得力があるのは、最晩年を迎えた忠さんがこれまでの人生のすべてを振り返った上でそう言い切るところにあるのたと思います。

ところが常子ちゃんの最晩年の気持ちは劇中では語られていない。だから、最晩年を迎えた常子ちゃんも後悔はないと考えていたのかな?・・・これが心残りの正体です。

ただ、心の空に雲ひとつないような澄み切った笑顔で後悔はないと言い切った今回の忠さんを見て、最晩年の常子ちゃんも同じ気持ちでいたに違いないと確信出来ました。

僕の心の中で今回『とと姉ちゃん』がやっと完結しました。

忠さんのレビューのはずなのに話がそれてしまい申し訳ありませんでした。

龍ちゃんの本気が熱い!

まさかあの龍ちゃんに涙腺を攻撃されることになるとは夢にも思いませんでした。

龍ちゃんがいつになく本気です。いつになくというより生まれて初めて本気です。でも龍ちゃんのその本気の言葉を聞いて思ったのは、実は龍ちゃんはこれまでも本気で生きてきたということです。

「お母ちゃんが型紙を切っている姿がかっこいい」

母親の働く姿をかっこいいと思っていたなんて。しかも龍ちゃんが言うかっこいいとは姿形のことではなく、自分のやるべきことを見つけた母親の生き様をかっこいいと言う。

これまで上辺のかっこよさばかり追いかけてきたかに見えた龍ちゃんでしたが、実はかっこよさのその本質を理解していたとは驚きです。

また、龍ちゃんが夢中になっている冒険旅行の動機も堀江謙一でなく実は母親にあったというところが龍ちゃんの本気を物語っています。

浮ついた暮らしをしているようで、実は龍ちゃんは自分の居場所や自分のやるべきことを模索していたんでしょうね。

そんな中で見つけたのがいつも身近にいる母親の生き様でした。

そして、自分もかっこいいお母ちゃんみたいな生き方を送るにはどうしたらいいのだろう。そう考える中で見つけた龍ちゃんにとっての「キアリス」が堀江謙一であり冒険旅行。

良子ちゃんも勝二さんも息子の本気を知り、龍ちゃんの夢を認めてしまいかねない空気が流れてきました。

龍ちゃんがもし冒険旅行に旅立ち見聞を広めて帰ってきたら、彼はこれまでの残念キャラから大化けしているかも知れませんね。

龍ちゃんへの注目度、急上昇回でした。

そしてタケちゃんの恋バナが再びはじまる

長らく棚上げ状態になったタケちゃんの恋バナが、今回の最後の最後に再開。

しかし・・・

栄輔くんがじわりじわりと明美ちゃんとの距離を縮め続けているらしい遠回しな描写が秀逸です。明美ちゃんの好みを知り抜いている栄輔くん、明美ちゃんを注意深く観察しているらしい。

そして、明美ちゃんが注文する前に明美ちゃんと同じものを!と注文したのは、明美ちゃんのことを見つめているよ、と言う明美ちゃんに向けてのメッセージ?

そのメッセージを明美ちゃんに気付かせるために、明美ちゃんの先手を打って注文を入れ、明美ちゃんの注意を向ける巧みさ。

終戦間もなくの頃の素朴な青年だった栄輔くんからは想像も出来ないようなしたたかさ。

こんな点を見ても栄輔くん、ずいぶん変わってしまったなと思いました。

話が栄輔くんに逸れてしまいました。

今週はタケちゃんの恋バナ再開。しかし、この恋敵は手強い。タケちゃんには強すぎる。タケちゃんがキアリスに入社した頃のことを思い出すと胸が痛みます。

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6 Responses to “忠一郎と喜代旅立つ決断 / べっぴんさん 第111話”

  1. きゅうぽん より:

    うるうると来た場面はいくつかありましたが、龍ちゃんが、あの龍ちゃんが、一生懸命に仕事に向き合い、型紙を切っている姿が好き、誇りに思う、自分も何か打ち込めるものを本気で見つけるために冒険という道を選びたいと言ったあのシーン、子供の前でボロボロ泣けて来て、うちのアカバネ社長好きからキアリスがどうしたこうしたまで言う、幼稚園児♂がびっくりしていました。

    ホンマにこんな事言ってもらえたら、母ちゃん本望に尽きますね!!言ってくれるか、結局私にかかっていますが(^_^;)

    この前、栄輔くんがあさイチに出ていましたが、キアリス前のキャッチボール少年達のシーンで起こるあれこれはアドリブらしいですね。最初は戦後間もないころ、少年達はいなくて、花を売る子、近所の子らが集まりキャッチボールし始める、玉井が少年達に優しい声かけをしたり、すみれがストライク違うのに真似して言ってみたり、そして、忠さん、旅に出る前に怪我したら元も子もないですが、やっぱりそこが何かを語っている、示している感じがしますね。幅広くいうと、玄関先でクリスマスの時に夫婦&親子の愛情の確認、すみれが栄輔にお門違いの問いかけ、武ちゃんが奮起???…色々小ドラマですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > あの龍ちゃんが

      龍ちゃん、幼い頃から今に至るまで問題がない時はなかった!くらいの問題児だったので、その龍ちゃんがあんな粋なことを言うなんて感激もひとしおでした。良子ちゃんも子供のことについては苦労ばかりでしたが、それでも負けずに子育てと向き合った甲斐がありましたね。これまでの良子ちゃんの苦労のすべてが報われた瞬間でした。

  2. エイスケの後輩 より:

    前から、龍ちゃんとけんちゃんがグレずにさくらだけグレた理由について、けんちゃんは自宅にキアリスの作業場が有って、それを見て育ったので、母の仕事の社会的な意義を自然と知っていたから、龍ちゃんについては、祖父母やお手伝いさんがおらずに母親が一人で頑張る姿を見ていたからではないかと思っていました。
    小澤家については、家庭を任せる人がいないので、良子ちゃんは仕事が終わらなかったら家事をしに帰宅せねばならず、やむを得ず自宅に持ち帰っていたんですね。
    喜代さんの存在は、喜代さんが1回腰を痛めて入院したときに、すみれは仕事と家庭が回らず、その大切さに気づいてはいましたが、結局喜代さん復帰後はおんぶにだっこになってしまった事も、さくらの子育て失敗に繋がったんだと、改めて浮き彫りになった回だったと思います。
    現代のワーキングママの子育てについて、深い示唆を与えているなと感じます。

    さくらとの亀裂が埋まらない段階でこのエピソードを持ってきたら、より分かりやすかったかもしれませんが、喜代さんのイメージが悪くなっていたかもしれないので、ちょうど良かったのかなと思いますね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 龍ちゃん

      龍ちゃんが実は一番まっすぐに育っているという事実。この理由をよく考えるのですが、龍ちゃん幼少期の良子ちゃんの子育ての失敗が良かったのかなと思っていました。一度失敗したことで子供と真剣に向き合う必要を心から理解出来たのだと、そんなことを考えていました。

  3. ひるたま より:

    「そん時は俺が忠さんの墓建てるわ」
    取り方次第では不謹慎なセリフともなり兼ねないけれど、言ったのが龍ちゃんなので何だか憎めないなぁ~って感じちゃいました。(^^;

    ところで。
    子供が突拍子も無い事を言い出し、親が子供につかみかかって周囲の人達が止める…というのはドラマに普通にある場面ですが、小沢家だと何故かしっくり来ますね。
    (今日も勝二さんが龍一につかみかかる場面がありましたが)
    村田家や坂東家ではちょっと想像出来ません…(;^_^A

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 小沢家だと何故かしっくり

      手芸倶楽部三人組の中で、良子ちゃんの家庭にいちばん親近感を感じています。そう言えば良子ちゃん・勝二さんの住まいが登場してませんね。終戦直後のバラックにまだ住んでいるわけはないだろうし。

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