昭和44年キアリス20周年 / べっぴんさん 第116話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年2月20日(月)放送
第21週 第116話「新世界へ、ようこそ」

『べっぴんさん』第21週 第116話 あらすじと見どころ解説

昭和44年(1969年)4月。キアリスは株式会社となって創業20周年を迎えました。すみれたちは20周年を祝うパーティーを開催。その頃もキアリスは順調に成長を続け、本社は三ノ宮に移転。社員は3桁を超え、キアリスの創業期を支えた面々は重職を担っていました。

その頃もすみれはキアリスの専務、紀夫は社長を続けていました。一方、君枝と良子はデザイン部、明美は育児相談部、武は開発宣伝部、そして中西は人事部をそれぞれ率い、様々な分野のスペシャリストの社員も加わっていました。

そんな中、日本の大学を卒業後に米国留学していたさくらと健太郎も一時帰国しパーティー会場に駆けつけて来ます。その頃、二人は交際中でしたが、さくらと健太郎はそのことをそれぞれの両親に言い出せず、一時帰国を終えて米国に戻って行きました。

昭和44年(1969年)秋。すみれたちはキアリスの翌年の新入社員の採用活動を開始しました。そして迎えた一次面接の日。志願者の顔ぶれを見たすみれ、紀夫、そして君枝は我が目を疑いました。志願者の中にさくらと健太郎の姿があったのです。

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midokoro

前週より7年間スキップ。さくらと健太郎の二人はすでに、それぞれが進学した東京の大学を卒業し、その後は米国留学。

キアリス創立20周年のタイミングに二人は帰国。

一旦は離れ離れになった家族が再び集まるところから物語が始まります。

『べっぴんさん』第21週 第116話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

前週から7年ほど経過した昭和44年(1969年)。『べっぴんさん』第1回で描かれたキアリス創業20周年のパーティーの場面に戻ってきました。

昭和30年代から昭和40年代に時代が移った『べっぴんさん』第21週、本欄では昭和40年代の劇中のエピソードと史実の比較を行おうと思います。

劇中のキアリスでは東京出がセリフの上で語られても東京出は描かれていません。一方リアルのファミリアの東京出店が集中したのが昭和40年代前半です。

ファミリアが東京銀座の数寄屋橋阪急に支店を出店したのが昭和31年(1956年)。

それから10年ほどは東京の新規出店はありませんでした。数寄屋橋阪急に次ぐ東京出店は昭和42年(1967年)。東京渋谷の東急東横店への出店です。

東京出店はこの後、翌年の昭和43年(1968年)に2店、昭和44年(1969年)にも2店を相次いで出店。ちなみに昭和43年(1968年)には神奈川県横浜市にも出店しています。

そんな新規出店の追い風となったのは、好景気です。

前週までの時代背景だった昭和30年半ば、時の池田内閣は「所得倍増計画」を打ち出し、その目標が達成したのは昭和42年(1967年)。

その翌年昭和43年(1968年)には、資本主義国の中でのGNP世界ランキングが第二位に浮上。今週描かれる昭和44年(1969年)とはそんな時代でした。

『べっぴんさん』第21週 第116話 観賞後の感想

「人は所を得る」

キアリス創立20周年記念パーティー。

『べっぴんさん』第一回冒頭でも登場した、潔くんが祝辞を述べるパーティー場面が再び出て来たことは『べっぴんさん』が最終章に入ったことの合図なのでしょうか。

さて、そのパーティーで潔くんが「人は所を得る」と祝辞を述べました。

この時の潔くんの祝辞は、『べっぴんさん』のその後のストーリー展開を予告するような内容でしたが、その時の予告通り、今回までの『べっぴんさん』の物語は登場人物たちがそれぞれの「所を得る」までの物語であったかと思います。

ちなみに「所を得る」という言葉は、自分に最適な仕事を得てそこで自分の力を最大限に発揮するといった意味です。

ところでこの物語の主人公は言うまでもなくすみれちゃんですが、数多い登場人物たちの中で最も所を得ることが出来たのは紀夫くんだったような気がしています。

戦地から戻って来たばかりの紀夫くんは「所」を完全に失っていました。

出征するまで勤めていた坂東営業部は、潔くんとゆりちゃん、そして当時はまだ潔くんの弟分だった栄輔くんがその復活に尽力しており自分には出る幕がない。

さりとてどれほど職探しをしても仕事は見つからない。

その挙句に五十八さんに勘違いするな!と一喝され、ようやく坂東営業部に戻る決意を固めても、またもや始まる受難の日々。

潔くんからは次期社長になって欲しいと期待され、帝王学を学ぶべくありとあらゆる職種を経験させられるものの、その頃経理しか出来なかった紀夫くんには針のむしろ状態。

とりわけ苦手な大勢の人前に出る仕事を任され、ついにストレスから倒れてしまう。

その後、キアリスに移ってからも自分の思い込みの強さと、キアリスでもとから働く女性たちとの間で生じるギャップの数々。

一方、プライベートでもさくらちゃんになついてもらえない。しかも、そのさくらちゃんは栄輔くんをお父さんと呼ぶ始末。

泣きっ面にハチと言うか、傷口に塩を塗り込むと言うか、紀夫くん、本当にいろいろなことがありました。

それが今となっては、中堅会社の押しも押されもせぬ社長となり、さくらちゃんが道に迷った時にも安定した父親ぶりを発揮する。

見事なまでの「所を得る」までの紀夫くんヒストリー。

明美ちゃんと悦子さまの二人も、紀夫くんについで最も「所を得る」ことが出来た登場人物と言えるかも知れませんね。

明美ちゃんは戦後間もなく失業し、自分の道を見失いました。しかし、その失業も今となっては人生の大事な転機でした。それがあったからこそ今がある。

また明美ちゃんは得た「所」によって、幼少期からの屈折した心も癒され、心の奥底に眠っていたまっすぐな優しさによって「所を得る」価値が大いに増したかと思います。

悦子さまは善因善果で「所を得る」ことが出来たのだと思います。

キャバレーの求人チラシを見つめるすみれちゃんに対して、ここはあなたの「所」ではないと諭したからこそ、すみれちゃんも「所を得る」が出来、その「所」がめぐりめぐって悦子さまのところに戻って来ました。

そして、すみれちゃん。

すみれちゃんの場合「所を得る」というよりも、「所をつくる」と言った方がふさわしいのかも知れません。(「所をつくる」なんていう言葉はありませんが)

君枝ちゃん、良子ちゃん、そしてタケちゃんたちも、それぞれに「所を得る」ことが出来たのは言うまでもありません。

さて、今回は新たに加わったキアリスの社員たち。そしてキアリスの採用試験に応募するさくらちゃんと健ちゃんが描かれましたが、最終章はキアリス次世代の「所を得る」物語となるのかな?

また、すでに「所を得る」ことが出来ているすみれちゃんたちはこれからどこに向かって歩んでゆくのでしょうか。

いよいよ結末が近づいて来た予感のする『べっぴんさん』第116話でした

さくらちゃんと健ちゃん

今週の終わり近くにさくらちゃんと健ちゃんのまさかの発表により、それぞれの両親が驚かされるという場面が用意されています。

両親が驚くまで、視聴者にも二人の秘密は明かされないものとばかり思っていましたが、意外にも秘密は秘密でなくなり、しかも勝二さんに「チュー」の現場を目撃される。

恋がすでに始まっている。そんな状態からスタートしたさくらちゃんと健ちゃんの恋バナ。

二人の将来は確定、健ちゃんの将来も見えて来ました。

大人の対応

身内同然のキアリスの創業メンバーたちが書類選考に携わりながらも、一次面接会場でさくらちゃんと健ちゃんが応募していることにはじめて気づく・・・

と、ツッコミを入れたいところではありますが、勝二さんを見習って僕も大人の対応をすることにします。

さくらちゃんと健ちゃんの「チュー」を見なかったことにした勝二さんのように、僕も気づかなかったことにします、大人として(笑)

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コメント

  1. エイスケの後輩 より:

    冒頭の「世界の国からこんにちわ」の「さくらの国へ」の歌詞に、ドラマのさくらがアメリカに行っていて、日本がさくらのふるさとであるという所まで繋がってるように感じました。

    あと、健ちゃんのモデルの岡崎氏の一族が経営していた神戸銀行は、後に「さくら銀行(現三井住友銀行)」になるので、健ちゃんの奥さんになる(であろう)女性であるさくらの名前はそこともひっかけたのか?と今更ながら感じました(考えすぎですかね)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > さくら銀行

      ここにも繋がってきますね!さくら銀行になる直前は太陽神戸三井銀行でしたっけ?あさちゃんの実家も入ってるんですね。

  2. メロディ より:

    1970年…ですか。わたしが生まれる10年前です。

    さくらと健ちゃん、付き合うことになったんですね。長かった冬が終わって良かったです。保護者的な存在から恋人に格上げできて…。
    キアリスの元事務所でのシーン、最高でした。光の入り具合がいい雰囲気出ていて。思わず息を飲んでしまいました。

    後は紀夫さんと君ちゃんにどう言うか…ですね。あの反応だと言いづらそう(汗)。
    すみれと昭一さんは応援してくれそうですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > すみれと昭一さんは応援

      勝二さんが一足先に秘密を知ってしまったので、いい働きしてくれるかも知れませんね。忠さんが勝二さんを説き伏せ龍ちゃんの旅を認めさせたように。

  3. えびすこ より:

    40年代突入。キアリスも大きなビルに入る企業に成長しました。
    靴屋の店内で起業した時代から比べると隔世の感。

    ところですみれは中年になったというのもあるんですが、終戦直後の頃に比べるとやや恰幅が出たように見えます。役つくりでしょうか。
    会話の内容を聞いても男性陣は加齢が目立つようになりました。いまの50歳前後の人と比べると「おじさん然」としていますね。
    成長した正太はいつ出るか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 男性陣は加齢が目立つ

      とりわけ潔くんは白髪が随分増えましたね。もっとも実在モデルの方は晩年は頭が真っ白でした。

  4. サエモン より:

    昭和44年
    キアリスが株式会社になって
    20周年

    すみれちゃんのスピーチ
    潔君のスピーチ

    そしてキアリスの面々が立場が変わりましたね
    中西君人事部長か
    悦子さまは販売員指導係か
    開発商品部にデザイン部に
    育児相談部か

    明日香さんは急にさくらちゃんの
    先輩として出てきましたね
    なら五月ちゃんともう1人
    昔からいた方が自然だったな♪

    さくらちゃん髪形が変だな
    実年齢15には似合わないな

    すみれちゃんはなんかこの髪形は
    初回のインパクトよりは似合うかな

    さくらちゃんは健ちゃん選んだかよかったね

    勝二さんはなにかやりたいみたいだね何かは知ってるけど

    さくらちゃんと健ちゃんの仲は
    幼馴染みだとそうは…両親は思わないしな
    2人の仲はかなり進展してから知らせるかな?

    まさか五月ちゃんみたいに妊娠は無いよねwww

    書類選考は…中西君か武ちゃんか
    良子ちゃん辺りが
    なにかやったな多分
    ラストもよかったwww

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 書類選考は…中西君か武ちゃんか

      誰かが何かをやらかしましたね。そのことが第三者によって暴露されるのか、本人が白状するのか。楽しみになってきました。

  5. おどん より:

    初めて投稿します。
    さくらちゃんとけんちゃんの関係を勘繰る双方の両親の反応に笑いました。
    娘を持つ父親と、息子を持つ母親。
    娘を持つ母親と、息子を持つ父親。
    前者は冷静を装いつつ否定する言葉を、後者は笑顔を見せ、嬉しそうともとれる表情で肯定の言葉を待っていた気がします。

    かまをかけて二人を動揺さつつ、粋な(?)計らいを見せる勝二さん。大好きです(笑)。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      はじめまして!コメントありがとうございます。

      > 両親の反応

      特に紀夫くんに至っては打ち消そうと必死でしたね。紀夫くんのそれまでの満面の笑みとも対照的で笑わせてもらいました。

      > 勝二さん

      年長者の貫禄と余裕を楽しく見せてくれました。

  6. ニコレット より:

    お疲れ様です

    しかし、さくらちゃんも、健ちゃんも、よくキアリスに入ると思いましたね。。。
    僕も、実家が商売してるので、家業に入るのは抵抗がありました。。後々、健ちゃん苦労するみたいですが。。
    普通なら、他所の会社で経験してきて、それからキアリスいうのが一番良いはずなんですが。。それがドラマですからね。。そうなると面白くないし。あんまりハラハラしたくないんで。。

    ヨーソーローは、どうなるんですかね?二郎ちゃん五月ちゃん夫妻の6年後も見たいですね。。ポスターには名前残ってるから、登場あるんでしょうけど。。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 健ちゃん

      彼はMBAで習得したことを活かしたかったんでしょうね。キアリスは規模が大きくなってきているので、健ちゃんが学んできたことは大いに役立つのではないでしょうか。

  7. ひるたま より:

    今日の冒頭で流れた『世界の国からこんにちは』の歌詞の中に「♪さくらの国へ~」というフレーズがあるのですね!(実は今回初めて知りました)単なる偶然でしょうけれど。
    歌といえば…開発宣伝部長となったタケちゃん、「歌い出す」のは変わっていませんね。もしかしたら仕事中だったような?(^^;)

    書類選考のシーン、私も含めて見ていたかなりの人達が突っ込みを入れたがりそうですね。
    強いて言えば、ですが…あの段階でさくら&健太郎の履歴書を手にしたのが中西くん、もしくは明美ちゃんだったのかなって個人的には感じました。(それでも偶然にしては出来過ぎた設定ですが)
    中西くんや明美ちゃんならばポーカーフェイスで履歴書を「合格」の箱に入れそうなイメージを抱いています。他のメンバーならば驚いてすぐに表情&言葉に出してしまったでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > ポーカーフェイスで履歴書を「合格」

      後になって、実は私の仕業ですって、中西くんか明美ちゃんが白状するかも知れませんね。そこでつじつまを合わせるような気がします。

  8. まいまい より:

    いつも楽しく読ませていただいています。

    今回の新入社員選考に、さくらちゃんと健ちゃんが入っていたことに
    なぜ、すみれちゃん達重役が事前に知らなかったのでしょうか?
    事前に書類選考があったんでしょ?書類選考をすっ飛ばして、一時面接に臨めたってこと?

    ・・・う~ん・・・

    中西君の計らいなのか!と気づきました。

    人事部長にまで出世した中西君は
    きっと、重役達の身内採用を望まないことを予想していて
    二人の応募書類を、人事部長決裁で、通していたとしたら
    つじつまは合うかな?
    なんて、深読みしすぎかもしれませんが
    一人で想像し、納得していました。

    それから、勝二さんの「あるよ!」、私も期待しています^^

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 中西君の計らい

      これはあるかも知れませんね。今後の展開を考えると。もしそんな展開だと、さくらちゃんと健ちゃんは中西くんに足を向けて眠れませんね。

  9. よるは去った より:

    ♪こんにちは~こんにちは~世界の国から~ これもこれで懐かしかった→年齢バレバレ(汗) ドラマで口ずさんでいたのは武ちゃんだったかなあ。♪あああ~長崎は今日も雨だった~ もこの時代の歌だったんですな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > こんにちは~

      僕はナンデスカマンを思い出していました。こちらも年齢バレバレです(笑)

  10. さや より:

    さくらと健太郎くんは、留学していたんですね♪ スヌーピーのエピソードは、出てきますかね? ファミリアがスヌーピーを日本で売り始めたんですよね?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > スヌーピー

      スヌーピーそのものは出て来ないかも知れませんが、スヌーピーをモデルにしたキャラクターが出てくると楽しいですね。

      > 日本で売り始めた

      はい。ファミリアが日本で売り始めました。

      • さや より:

        確かにスヌーピーそのものは使えないですね……。可愛らしいキャラクターが出てきて欲しいです(*´ω`*)

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          ネコのキャラクター期待してます。

          • もっちー より:

            はじめまして!かわいいリスのキャラクターがいいと思います。「キアリス」だけに。

          • 朝蔵(あさぞう) より:

            はじめまして!コメントありがとうございます。

            > リス

            リスだとニューヨークの公園などにいっぱいいるのでアメリカの人気キャラとして違和感ないですね。