紀夫の父・五郎の気持ち / べっぴんさん 第129話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年3月7日(火)放送
第23週 第129話「あいを継ぐもの」

『べっぴんさん』第23週 第129話 あらすじと見どころ解説

さくらと健太郎が結婚するにあたり一体どちらの家の名を継ぐのか。結論を見出せない中、すみれと紀夫は、紀夫の父・五郎を家に招くことにしました。五郎が息子である紀夫を婿に出した時の気持ち聞かせてもらおうと考えたのです。

名前は変わっても想いは受け継がれてゆくものだ。五郎のその一言がすみれと紀夫の覚悟を固めました。さくらを村田家に嫁に出すと決めたのです。さくらと健太郎の結婚はようやく坂東家と村田家の両家に受け入れらることになりました。

ほどなくしてさくらと健太郎の結婚式が行われ、坂東さくらは村田さくらになりました。しかしさくらと健太郎は、家と製作所が一体となった村田家での生活を嫌い、すみれと紀夫の家で暮らすことが決まります。

それから三年が経った三年後の昭和48年(1973年)春。健太郎は開発宣伝部の部長に昇格することが決まりました。一方でさくらは健太郎との子を妊娠。大きくなりつつあるお腹を抱えながらもキアリスでの仕事を続けていました。

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midokoro
この記事を投稿した2017年3月1日の時点では、紀夫とすみれが下した結論の中身は不明です。はたして、自分の息子を婿に出した立場の五郎の気持ちを知って固めた覚悟は・・・

ちなみにすみれの実在モデルは嫁に出ています。にもかかわらずドラマの中では何故わざわざ婿を迎える設定にしたのか疑問に感じてました。

跡取りに対する親の考え方をすみれと紀夫を通して描くための、坂東家の婿取りだったのでしょうか。

『べっぴんさん』第23週 第129話 ドラマのモデルの史実解説

さくらと健太郎は結婚を宣言。しかし、そこに新たな問題が発生します。さくらの生家の坂東家と健太郎の生家の村田家のどちらを継ぐのかという問題です。

ちなみに史実ではこうした問題は発生していません。さくらの実在モデルの女性は結婚後、夫の家の岡崎姓に変わっています。

しかし、『べっぴんさん』劇中のさくらと同様にさくらの実在モデル・坂野光子さんは一人っ子でした。

では坂野家の後継はどうなったのでしょうか。

坂野光子さんは岡崎晴彦さんと結婚後、二男一女の三人の子供をもうけました。そして次男の岡崎雅さんが平成3年(1991年)に坂野家に養子に入る形で坂野家を継承しています。

ちなみに、坂野家に後継が出来たその翌年の平成4年(1992年)6月。紀夫の実在モデル・坂野通夫が死去。さらにその翌年の平成17年(2005年)9月、すみれの実在モデル・坂野惇子さんが亡くなりました。

『べっぴんさん』第23週 第129話 観賞後の感想

名前はなくなっても想いは受け継がれる

我が子を婿(嫁)に送り出す状況が五郎さんと紀夫くんとではあまりに違いすぎる。

だから僕は不安でした。

さくらちゃんを嫁に出すかどうかを迷う紀夫くんが、五郎さんの気持ちを確かめたところで問題が解決されるのだろうかって。

しかし、五郎さんの口から出た言葉。というよりも五郎さんの言葉の、すみれちゃんや紀夫くんの受け止め方がとても納得のゆくものでした。

名前はなくなっても想いは受け継がれる。

その例えとしてすみれちゃんが言ったのが、坂東営業部という名前はなくなってしまってもオライオンの中で五十八さんの中で受け継がれている。

この受け止め方になるほど!と思わず膝を打ちました。

仮に坂東営業部という社名が残っていたとしても、もしその坂東営業部が五十八さんが望んさ姿から程遠い会社になってしまったとしたら、それは価値あることなのか。

今週のサブタイトルは「あいを継ぐもの」ですが、次世代に継ぐべき一番大切なことが何なのかを改めて考える良い機会となりました。

創業数百年を数える老舗の数において日本が世界一なのも、こんなところに秘訣が隠されているのかも知れません。

想いが受け継がれてきたからこそ、屋号、社名、そして商品が変わってもブレない一貫した想いが老舗の数百年の歴史を支えているのでしょうか。

マスオさん状態の健ちゃんに想いは継がれるのか?

さくらちゃんと結婚した健ちゃんがまさかのマスオさんに!

ちょっとネタバレになりますが、その健ちゃんは開発宣伝部長に昇格しました。いよいよ次回あたりから健ちゃんの暴走が始まるのでしょうか。

たとえ名前はなくなっても想いは継いで欲しい。

それがテーマだった今回を受けてのこの先の展開は、キアリスという会社の名前だけはそのままに、別の会社になりかねないそんな騒動が描かれるようです。

ところでその騒動が始まるまで、マスオさん状態の健ちゃんはキアリスの想いの原点とも言えるすみれちゃんと同居していたはずです。

にもかかわらず暴走が始まってしまうのは、想いを継ぐことがそれほど難しいことなのか。それとも初心を忘れないということが簡単ではないということを表しているのか。

想いを継ぐというテーマが描かれた直後の、想いを継ぐどころか継ぐべき想いからの脱線騒動。マスオさん状態になってもそう簡単には受け継がれない想い。

そんな想いを、「あいを継ぐもの」と名付けられた今週のエピソードがどのようにまとめてくれるのでしょうか。

【朝ドラ関連ニュース】世田谷美術館で「花森安治の仕事」展開催中

前作朝ドラ『とと姉ちゃん』で、唐沢寿明さんが演じた天才編集長・花山伊佐次。

あの花山さんの実在モデル・花森安治の生前の仕事を紹介する展覧会が東京都世田谷区の世田谷美術館で開催中です。

ブログ主も先日、観に行ってきました。

「暮しの手帖」の表紙の原画やバックナンバー。商品試験の対象となった昭和の日用品の数々。そして戦時中の戦意高揚のコピーなどなど。

花山さんと常子ちゃんが朝っぱらから騒動を巻き起こした楽しい日々を思い出さずにはいられないアイテムがいっぱいの展覧会。

『とと姉ちゃん』劇中でも目にした日用雑貨の「本物」を見る滅多にない機会です。

花森安治の仕事 ― デザインする手、編集長の眼
会期:2017年2月11日(土・祝)~4月9日(日)
会場:世田谷美術館

http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html

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22 Responses to “紀夫の父・五郎の気持ち / べっぴんさん 第129話”

  1. エイスケの後輩 より:

    気になったので調べたところ、五郎役の役者さんは、長らく神戸にお住まいで、阪神大震災や東日本大震災の支援にも精力的に取り組んでおられるそうで、「命」について深く想い考えてこられていると思います。
    だからこそ、家を繋ぐことの話を、命の繋がりと関係して話す演技に説得力が増したのかなと思いました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 説得力

      年配の役者さんの語り口は重厚だなくらいにしか思っていませんでしたが、そんな背景があったのですね。重厚なわけです。

  2. Marmite より:

    皆さんのコメント、うなずきながら読んでます。
    サイドラインですが、紀夫さんがご両親が自分のさくらへの初恋を気付いていたことに驚いた顔に笑いました。併せて、お母様が紀夫さん出征を見送るときに泣き崩れていた(桜がバックに散っていたかと)のを思い出しました。
    親子でも何年でも言わないでいることって、在って良いというか当たり前なんですね。なんだか今はどんどん口に出して進まないと、という感じですが、そうである必要は無いんだなーとぼんやり思いました。
    自分が親としてみているんですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 親子でも何年でも言わないでいる

      知っているけれどあえて口に出さない。これが「見守る」ってやつかも知れませんね。

  3. よるは去った より:

    五郎「『想い』というのは形を変えて引き継がれて行くものではないのか。」これが解決のワードだったようですな。とは言うもののすみれ「今夜はお赤飯と鯛を食べましょね。」紀夫「そやな・・・・・。」では本当にわりきれているのかな?という感がありましたが、健太郎「家と製作所が一緒だったのが本当嫌で・・・・・。」はまさかの展開。紀夫「それやったらええぞ・・・・・。」は本当喜びを隠しきれない態でしたね。あと、昭和48年というテロップはある意味ダソクかも。足立武「♪あれは三年前~」だけで十分な気がしなくもないですな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      「あれは三年前」だからテロップは蛇足・・・吹きました(笑)

  4. 実穂 より:

    大急の大島会長から、紀夫がさくらの名前の由来を聞かれたとき、てっきり、あの出征前に紀夫が妊娠中のすみれに話した、たしか
    学生時代に、桜の木の下で立っているすみれに目を奪われた、
    女の子が産まれたらさくらと名づけて‥という内容を話すものだと思っていましたが、おばあさまの名前がはなで、ゆりとすみれになって‥という話になっていたので、大島会長の手前もあるし、娘の前でもそんな、自分がすみれに恋心を抱いたきっかけなどを話すことになってしまうのがとても憚られたのか、私としてはちょっと予想が外れてしまいました(笑)
    マスオさん展開には私も驚きましたね。
    君ちゃんの心遣いという見方も出ていますが、
    もうちょっと‥それだったら
    村田姓を名乗るけれど、坂東家で同居、とか
    話を詰めるタイミングはあったんじゃないかなぁと思うと‥
    さほどではないですがモヤ、ぐらいでしたね。
    健太郎とさくらの若さゆえの段取りのドタバタ、で済ませられると言えば済ませられますし、
    物語がもうそんなに手間暇かけている回数がないというのもありますしね‥苦笑
    しかしさくらちゃんの結婚式が省略は寂しかったです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 桜の木の下で立っているすみれ

      五郎さんに、初恋の思い出を娘の名前に付けたんだろうと突っ込ませ、大島会長の前ではそれらしい名前の由来を話すことでお茶を濁す。そんな風にしてたら紀夫くんの可愛いらしさが際立って楽しめたかも知れませんね。

  5. さや より:

    坂野惇子さんは、2005年までご存命だったと記憶していますが、違いましたか?

    坂野光子さん(劇中では坂東さくら)の結婚相手も、もう亡くなられているんですよね……。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご指摘ありがとうございます。
      訂正しました。

      > 坂野光子さんの結婚相手

      はい、平成28年(2008年)に亡くなっています。

  6. 米粉 より:

    こんばんは。

    さくらちゃん・健太郎君の結婚。
    めでたい…はずなのに、どうもおめでたくない空気を感じました。
    健太郎君は順風満帆。怖いものなし。
    目指すは事業拡大。

    結婚式がスキップされたのは、そんな若さ故の暴走ぶりを際立たせる演出意図なのでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 結婚式がスキップ

      ずいぶんと大胆なスキップでしたね。主要キャラの結婚式は朝ドラの見せ場の一つなので、それを思いっきり省略したのが新鮮でした。演出意図がどこにあるのか、明日以降じっくりと観察しようと思います。

  7. jan より:

    私も健ちゃんがマスオさん状態だなあと思いました。

    君ちゃんは、さくらを嫁に出すというすみれ夫婦の気持ちがうれしかった、
    村田さくらになってもらったから、
    住むのは坂東家がいいのではないか、
    という君ちゃんの気持ちだった、
    健ちゃんも同じ思いだったのではないかな
    と思いました。
    職場と家が一緒は嫌だ、ということもありますけどね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 村田さくらになってもらったから

      バランスを取るため、ということですね。キャラたちへの優しさに満ちた洞察です。そして君枝ちゃんならそんな気遣いしそうです。

  8. きゅうぽん より:

    私も結婚式当日に、やっぱりこっちに…って、新婚旅行にでも行くような手荷物だけで帰ってくるなんて…と思いました。
    戦後焼け出されたとはいえ、大きなエエトコロのお嬢様ですし、当時は嫁入り道具とかすごく良いもの、それこそべっぴんさんを揃えたと思います(五十八さん世代ほどでもなくても)。進駐軍から本家が戻ってきたとしたら入るでしょうし…。
    それを戻すのか…しかも、運ぶ時、戻ってはいけないとかトラックの運転手さんは苦労されていたと思うし、おいおいその苦労をムダにするのか〜と突っ込んでしまいました!

    そして、坂東家の軸となる精神を引き継ぐものを感じ取って、感動したはずなのに、健ちゃんはその後3年で何があったのか、私もヒヤヒヤしてしまいました。武ちゃんが取締役では頼りなくあかん!とかあるのかい?とか色々勘ぐってしまします(^_^;)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 進駐軍から本家

      昭和40年代ならまず間違いなく接収された母屋は返還されているかと思います。返還された形跡がないのをいつも不思議に思っています。

  9. ひるたま より:

    紀夫くんのお父様=田中五郎さんは、さくらちゃんにとっても「祖父」に当たる筈ですけれど…五郎さんがせっかく来て下さったにも関わらず、歓待したのは両親(紀夫&すみれ夫妻)だけでさくらちゃんが同席していなかった点が些か残念でした。
    (五郎さんも、孫娘であるさくらちゃんに会いたかったのではないでしょうか)

    そして…結婚式直後にいきなり「こっち(坂東家)に住みたい」と、いきなり若夫婦2人で押しかけた場面にも「何かな…」と感じざるを得ませんでした。
    普通ならば、結婚式前に話し合って決めておくべき事柄でしょう。

    (余談ながら、特にここ最近では嫁に出た筈の女性が結婚後も自分の実家とベッタリのままでいる風潮が目につくように感じられます。その点を皮肉って今回の脚本が書かれているのか?
    少なくとも昭和40年代辺りでは、まだ今の様に女性が自身の実家に頻繁に入り浸る(?)傾向はさほど強くなかったのでは?と感じるのですが…)

    今日の放送分に関しては、つい突っ込みたくなってしまう点が多かったように感じてしまいましたね。(^^;

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 女性が自身の実家に

      僕はマスオさんを思い出していました(笑)。(『サザエさん』の時代背景が昭和30年代から40年代くらいのはずです)マスオさんになってしまった健ちゃんの坂東家の中での振る舞いがちょっと楽しみだったりします。

      • ひるたま より:

        訂正です。
        田中五郎さんは、さくらちゃんにとっても「孫」に当たる

        「祖父」に当たる

        でした。大変失礼しました。

      • エイスケの後輩 より:

        横入り失礼します。
        さくらちゃんがいなかったのは、単に結婚の話で揉めていて両親と顔をあわせたくなくて、日中自宅にいなかっただけなんじゃないかなと思いました。
        行く宛は沢山ありますしね。
        レリビィしかり、ヨーソローしかり。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。

          > 両親と顔をあわせたくなくて

          それはありますね。しかも、あのタイミングで五郎さんが訪ねてきたら、さくらちゃんは祖父から結婚を反対されるかもって思ったのかも知れません。

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