紀夫が映画監督に初挑戦 / べっぴんさん 第136話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年3月15日(水)放送
第24週 第136話「光の射す方へ」

『べっぴんさん』第24週 第136話 あらすじと見どころ解説

すみれや明美に協力を求められ、栄輔も映画の撮影に立ち会うことになりました。テレビコマーシャルの映像に出演経験のある栄輔は混乱する撮影現場を取り仕切り、その段取りの良さに亀田も一目置くようになりました。

一方、これまでに映画の監督の経験などしたことがない紀夫は、張り切れば張り切るほどに周囲を混乱させていました。紀夫が撮影現場を混乱させればさせるほど栄輔の働きぶりが注目されてしまい、紀夫は肩身の狭い思いをしていました。

その頃、潔はある構想を練っていました。潔は栄輔の志とこれまで成し遂げてきた仕事を高く評価していました。そんな栄輔を再び世に出すために練り上げたアイディアを、潔はゆりに相談しました。

潔は、戦後になって一度は途絶えさせたオライオンの紳士服ラインを復活させることを考えていました。そして栄輔をその任に当たらせるつもりでいたのです。すでに大人になったエイス世代に着てもらう紳士服。それが潔の構想でした。

<<前回135話 | 次回137話>>

midokoro
エイスを失い抜け殻になっていたような栄輔が、映画撮影を通して気力を取り戻しはじめる様が描かれます。

そんな栄輔の価値を再び世間に問おうと、かつてのアニキが立ち上がります。

アニキとはもちろん潔。終戦間際の頃に培われた「兄弟の絆」の記念すべき復活です。

『べっぴんさん』第24週 第136話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

キアリスの原点を記録に残すたて目の映画製作に没頭するすみれの姿を目の当たりにした健太郎はようやく気がつきます。

キアリスが大切にすべき価値、そしてすみれのものづくりへのこだわりと愛情に。

ところでキアリスの実在モデルであるファミリアが大切に守り続けてきた「愛情品質」という価値は具体的にどのようなものだったのでしょう。

ファミリアの子供服づくりへの姿勢や、子供服に積み重ねた小さな工夫の数々をまとめてみました。

  • 子供服は大人の服を小さくしたものではない。子供独自の身体の動きをしっかりと理解し、あくまでも子供の立場にたった商品開発を目指す。
  • 良質な睡眠をさまたげないように寝巻きの背中には襟をつけない。
  • 遊び盛りの男の子のズボンは股の内側を二度縫いし強度を高める。
  • 赤ちゃん用の肌着はタグと縫い目を外側につけることで、肌への負担をなくす。
  • また、木綿生地はみずに浸してから天日干しを行いアイロンをあてることで洗濯しても縮まない工夫は劇中でも描かれたと記憶しています。

また、今ではUT(ユニクロのTシャツ)など、プリントTシャツをアウターとして着用するのは当たり前ですが、日本国内でTシャツをアウターにするという発想もそのはじまりはファミリアだったのだそうです。

それまで肌着としか認識されていなかったTシャツに可愛いプリントを施しアウターとして売り出したところが大ヒット。

このアイディアを思いついたのは、もちろんすみれの実在モデル・坂野惇子さんです。

『べっぴんさん』第24週 第136話 観賞後の感想

潔くんと栄輔くんの兄弟の絆

いつぞや栄輔くんは潔くんにこう言いました。

オライオンは時代遅れだ。いくら有名だからと言っても、昔の世代にもてはやされたデザイナーを起用したところで、若い世代にそれが支持されるとは限らない。

それどころか時代遅れだと敬遠される恐れすらある。

だからエイスでは、無名ながらも若い世代に支持される感性を持ったデザイナーを起用しているのだと。

そして自分がそう考えるのは、若い世代のことを自分は徹底して勉強してきたからこそ自分には若い世代の好みが分かるのだ。

オライオンはそこまで研究しましたかと。

あの時点での潔くんは、時代に乗り遅れていた上に若い世代に対する理解も浅かったに違いありません。

なぜならあの時、栄輔くんが持参したデザインのスケッチを見せられた潔くんはあっさりと完敗を認め、オライオンの若者向けラインを即座に断念したからです。

あの頃の潔くんと同じように、エイスの拡大路線に忙しすぎた栄輔くんはエイスを愛した顧客よりも若い世代の好みをつかみそこねたのかも知れません。

KADOSHOの古門社長は、エイスの流行は本物ではなかったと言いましたが、本物か偽物かではなく流行に乗り遅れたというのが本当のところのような気がします。

そんなことを今回の潔くんの言葉を聞いて考えました。

潔くんの言葉とは、こんなセリフです。

エイスによって育てられた若者たちは大人になり、そろそろ大半がサラリーマンになる。

かつてエイスを愛した大人になった彼らに、今後は栄輔くんが手がけるオライオンの紳士服を着てもらおうと。

潔くんは見抜いていたのでしょう。時代の寵児ともてはやされた栄輔くんも、すでに時代遅れになってしまったことを。

別の言い方をすると、エイスを好み栄輔くんについて来るのは、かつてのエイス世代しかいなくなったということです。

ところで、かつて栄輔くんから勉強不足を指摘され、潔くんもあれから勉強に励んだのでしょう。そしてかつての栄輔くん以上に時代を読む目を養って着たものと思います。

その磨き抜かれた目で観察した栄輔くんには、若い世代から取り残されているように映ったのかも知れません。

今さら、栄輔くんが今の若い世代にアプローチするのは困難だ。ファッション業界はそんなに甘い世界ではない。

しかし、栄輔くんの志に憧れエイスを愛してやまない世代なら、大人になってもエイスと栄輔くんを支持するはずだ。

無理に若い世代の流行を追うのではなく、大人になったエイス世代を栄輔くんにリードさせよう。それが「日本の男をお洒落にする」という栄輔くんの志を果たすことが出来るただ一つの道なのだと。

さて、栄輔くんは今の状況では自分自身を客観視するのは難しいかと思います。

そんな栄輔くんに代わって、潔くんは考えに考え抜いたのでしょう。栄輔くんが再び輝くには何をすれば良いのかを。

そかも真剣に栄輔くんの将来のことを考える、昔と変わらぬ弟分思いの潔くんが男前すぎて泣かせてくれます。

今回のドラマの中では少ししか描かれませんでしたが潔くんによる「栄輔くん再生構想」に心が震えました。

映画撮影場面をあと5分ほど削って、潔くんと栄輔くんの兄弟の絆の太さをもっとたくさん見せてもらいたかったと思うのは僕だけでしょうか。

追記:さらに欲を言えば明美ちゃんと栄輔くんの接近も、もう少し時間をかけて見せてもらいたかったと思います。

明美ちゃんと栄輔くんが再びお互いを意識し合う、そんな場面が欲しかったです。

<<前回135話 | 次回137話>>

Sponsored Link
Sponsored Link
いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。


24 Responses to “紀夫が映画監督に初挑戦 / べっぴんさん 第136話”

  1. こぶた より:

    いつも楽しく読ませていただいております。

    >さらに欲を言えば明美ちゃんと栄輔くんの接近も、もう少し時間をかけて見せてもらいたかったと思います。
    同感です。
    今週は明美ちゃんの方が「ほの字やな」と思う場面が多かったです。
    すみれちゃんが「栄輔さんにも手伝ってもらおか」と言ったときに、
    (4人の)一番最後に「そ、そやな」というところ。
    明美ちゃんらしくぶっきらぼうながら嬉さが隠せない感じがしました。

    撮影中の栄輔くんと紀夫さんの関係ですが、
    みなさんおっしゃっているように紀夫君がまた拗ねてますね。

    栄輔くんの活躍は嬉しいので、例えば「紀夫監督、〇〇にしたら
    よろしいと思いますけど監督のお考えはどないですやろ」
    というような、紀夫君を立てるような一言が
    栄輔くんから発せられると、苦労をして成長したな~
    と思えるのですけどね~。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 紀夫君を立てるような一言

      確かにそうですね。こんな小さな気遣いがあれば、紀夫くんがいたずらに立場を失うこともなく、一方で栄輔くんの大人の行動に賞賛が集まっていたと思います。

      • ひるたま より:

        こんにちは。(横入り失礼します)

        「小さな気遣いがあれば」
        そのような気遣いが出来ていれば、エイスは(仮にオイルショックによる不景気の影響をもろ被りしたとしても)経営破綻にまでは至らずに済んでいたのでは?と一瞬思ってしまいましたが…考え過ぎでしょうか?

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。

          > 経営破綻にまでは至らず

          仮に破綻しても、古門氏に代わって応援してくれる人が現れたかも知れませんね。気遣いが出来るキャラであれば・・・残念です。

  2. 実穂 より:

    私事でドタバタしていて久しぶりに本日鑑賞しました。
    (見れなかった回はこちらで拝見し)
    明美ちゃんと栄輔が、ホントに淡い感じではありますが
    以前よりは接点が増えてきたかな、という段階ですね。

    ただ、栄輔も事業の失敗と言う失意の中、映画作りに参加して、
    藍ちゃんさくらちゃんを見ると、以前のすみれへの恋心も思い起こされる‥ような描写もあり、
    明美ちゃんとはっきり意識し合う関係になる?までにはもう少しお互いに時間がかかるのかもしれませんね。
    見ているほうとしては、もう残り回数が少ないので
    もう少しはっきりとした進展シーンが欲しいとは思いますが(笑)

    それと最後に、これは個人的な想像でしかないのですが、
    明美ちゃんはもしかするともっと昔から栄輔のことは
    憎からず想っていたのではないかと推測しています。
    ただその頃は栄輔は完全にすみれに想いを寄せていて、
    それを目の当たりにして無意識に気持ちを我慢して
    押しこめていたのではないかな‥と。
    その後再会してヨーソローで今度は自分に対して距離を
    詰めようとしてきていることに気づいたものの、
    やはり一時はすみれに想いを寄せていて、
    こんどはうちかい、みたいな
    自分に向けられている気持ちを真正面からは受け止められなった
    のではないかな‥なんて。
    あくまでも完全なる憶測です。
    そもそも意識はしていて、でも再会した時には
    自分に向けられているであろう好意が、いわゆる
    すみれの二番手かのような気持ちで気分良く受け取れなかっただけで、まんざらでもなかったんじゃないかな‥なんて。
    こんな感じで見てました。
    だとすると、武ちゃんの最初の告白をさらっと断ったのも分かるような‥。
    結婚は怖いけれど、恋愛する気持ちはあったと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 憎からず想っていたのではないかと

      栄輔くんに気持ちを寄せていたからこそ、戦後間もない頃のこと、栄輔くんがすみれに「ほの字」だと誰よりも早く気づいたのかも知れませんね。タケちゃんの長年の恋心を最後まで受け入れなかったこともこれで納得ができます。

  3. 米粉 より:

    栄輔さん復活は嬉しいのですが、
    代わりに紀夫さんが残念なポジションに。
    どうしてこうなっちゃうんでしょうか(^_^;)
    個人的には紀夫さん派なので、今日の流れは少々悲しかったです。
    「新ちゃん友ちゃん」の仲…せめて最後くらいそんな関係になってほしいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 残念なポジション

      もし二人が「紀ちゃん、栄ちゃん」の仲になっていれば、栄輔くんがどれほど活躍しても紀夫くんが残念なポジションに立つこともなく、安心して見ていられますよね。

  4. きゅうぽん より:

    紀夫は、今の孫の藍ちゃんに、自分ができなかった子育てを学んでいるのでしょうね。可愛い盛りを知らないゆえに、もどかしいのと、わしが社長や!そして、藍ちゃんのおじいちゃんや!と言いたいのがよくわかります。けど、空回りさがなんともいじらしい。
    栄輔が闇市で必死だった頃の活気が戻ってきた(志)のがうれしいです!
    潔が言ったように時代に乗り遅れた…というか、自分が広告等だったから、自分が歳を取って行くに連れて、提供する紳士服を変えて行っていたら長く続いていたかもですね。
    でも、本当の栄輔の居場所があったかは微妙ですが。

    かつては恋敵どうしても今は同じ映画を完成させたい仲間の一人。もっとイキイキしてほしいです。

    ただ、健ちゃんのあのしんどうそうな顔…オイルショックとか大変な時に、一家総出で…。一人で切り盛り状態、よけいにプレッシャーですよね…。さらにさくらから愚痴聞かされたら、イーってなるのもわからなくはない…(^_^;)

    後半に向けて、紀夫とすみれがお茶したり、食べるシーン、なんかホッとします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 自分ができなかった子育て

      そうでしたね。紀夫くんはさくらちゃんの一番可愛いさかりを見ることが出来なかったということをすっかり忘れていました。失われた時間を取り返そうと必死なのであそこまで肩に力が入るのかと、やっと得心できました。

  5. amo より:

    私が当時勤務していた会社の大阪本社の近くの大きなお寺で石津氏の葬儀が営まれました。その時の私の上司は、新卒でVANジャケットに入社し、石津に仕えたことがあったそうです。しかし、彼が20代のときに、VANジャケットは倒産し、残務整理に追われたと聞きました。葬儀に参列する前に、「逝ってしまった」と遠い目をして呟いていたのを思い出します。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 20代のとき

      入社して早々の倒産だったんですね。きっと憧れて入社した会社だったのでしょう。その若さで落胆もさぞかし大きかったかと思います。

  6. ぷち より:

    紀夫さんも可愛いけど、「全部背負わないで頼ってよ私たちに」と鼻をツンツンしながら言うすみれちゃんも可愛かったです。
    板東家での夫婦2人のシーンは毎回可愛くてほっこりしますね。
    スピンオフはヨーソローが舞台だそうですが、そちらでの騒動をよそに2人で「みんな大変ですねぇ」「そうやなぁ」とお茶してるシーンを入れてほしいなぁと思ってしまいました(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 夫婦2人のシーン

      戦後間もなくの頃の「焼き芋デート」以来、この夫婦の二人だけの場面はどれもこれもいちいち可愛くて癒されます。

  7. ひるたま より:

    今日放送された映画撮影シーンを見て、あのままでは紀夫くんが気の毒だな…率直に感じてしまいました。
    栄輔くん本人には「しゃしゃり出る」という気持ちは決して無いのでしょうけれど(実際問題として紀夫監督を始めとするキアリスの面々だけでは、段取りに関しては心許ない事は確かですし^^;)、少なくともあれでは紀夫監督の面目丸潰れですね。

    そういえば紀夫くんと栄輔んの2人が腹を割って話し合う場面さえ未だ登場していませんね。この先どうなるのやら???(^^;)

    • ひるたま より:

      続きです。
      会社経営に関しては、紀夫くん > 栄輔くん
      企画力に関しては、栄輔くん > 紀夫くん

      それぞれに得意分野がある訳ですね。
      紀夫くんと栄輔くん、両者が自分自身に欠けている物を知り、且つお互いを認め合える間柄になって行ければ良いな…と視聴者の1人としても願っています。

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        コメントありがとうございます。

        > 得意分野

        なるほど!二人合わせると最強のタッグですね。ますます「信ちゃん・友ちゃん」関係が望まれます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 腹を割って話し合う場面

      この二人はいつまで経っても他人行儀ですね。『あさが来た』の信ちゃん・友ちゃんみたいな間柄になってほしいと密かに願ってます。

  8. もんすけ より:

    (監督はワシやぞ)と、栄輔さんにお株取られて内心焦る紀夫さん。
    張り切り過ぎて空回り。しょんぼりする紀夫さん。
    次回こそはと、予習の読書に余念のない紀夫さん。
    今までコツコツ積み上げる経理が天職と思っていたはずの紀夫さんが、初めて何かを作り上げる喜びを感じる姿が、いちいち、かいらしい!
    ゆりちゃんも潔さんからの相談に、生き生きした笑顔がいっぱいで素敵。
    一人蚊帳の外のような、憂いの健ちゃんが少々心配ですが、藍ちゃん役の赤ちゃんの名演技に心温かくなります。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 空回り

      戦地から戻って来た時も、紀夫くんは父親のお株を栄輔くんに奪われてしまいましたが、歴史は繰り返す。でも、焦りながらも勉強して挽回しようとする生真面目さも、昔から変わらず本当にけなげで愛らしい男性です。

  9. つまぴょん より:

    今日の放送時点では、健ちゃん、まだキアリスが大事にしてきたもの、これからも大事にするものがまだわかってないようでしたね。

    反対に龍ちゃん、いいタイミングでのお弁当配達だったわ~。
    演出なんだろうけど、今までのタイミングの悪さは何だったんだろうっていうくらい、ナイスタイミングでしたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > タイミングの悪さ

      前回も、寝落ちした明美ちゃんと栄輔くんの姿を見てあわてて店を出て行く場面がありましたが、空気を上手に読めるようになりましたね。

  10. よるは去った より:

    龍一「♪あの素晴らしい愛をもう一度~。」と店の戸を開けてビックリ。栄輔君と明美ちゃんの距離が・・・・・。「ようこそ赤ちゃん」。梓みちよさんの「こんにちは赤ちゃん」はこの何年前だったでしょうね?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > こんにちは赤ちゃん

      11年前のようです。さくらちゃんが東京の美大に進学した昭和38年ですね。

コメントを残す

サブコンテンツ

ページトップへ