銀座店のすみれたちの夢 / べっぴんさん 第140話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年3月20日(月)放送
第25週 第140話「時の魔法」

『べっぴんさん』第25週 第140話 あらすじと見どころ解説

銀座の一等地に空きビルが出た。潔から紹介された東京の物件を見に行ったすみれたちは、銀座出店に大いに乗り気になり、夢だった子ども用品の総合店「ワンダーランド」の構想を練ることに夢中になっていました。

そんなすみれたちの夢を叶えようと、紀夫は銀座出店のための資金調達の方法を検討。昭一が勤めている銀行に融資を頼むことになりました。しかし、銀行からの融資は断られすみれたちは深く落胆します。

そんな中、資金提供を申し出る助け舟が現れました。KADOSHOの古門です。古門は無条件で銀座の開店資金を提供すると申し出ます。しかしエイスが倒産したのは古門に見捨てられたからだと知ったすみれたちは申し出を受けるべきか決めることが出来ません。

そんな中、潔がすみれたちにある知らせを持ってきました。銀座の空きビルに新たな借り手があらわれたので、早く決めなければ物件が取られてしまうと言うのです。「ワンダーランド」の夢を諦めきれないすみれたちの迷いは一層深まるのでした。

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midokoro

銀座にまたと出ないような空きビル物件が出たことで、ようやく自分たちの長年の夢を形にすることができる!

すみれたちが喜んだのもつかの間、夢を叶えるために先立つもの、すなわち開店資金がすみれたちには不足していました。

オイルショックの不景気下で、銀行もキアリスへの融資を却下。

そんなところに現れた「助け舟」は、栄輔を踊らせるだけ踊らせておいて、いざという時にはいち早く逃げ出した古門という展開が皮肉すぎます。

『べっぴんさん』第25週 第140話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

キアリスの銀座店がらみのエピソードは史実を参考にしたものです。

では、史実では一体何が起こっていたのでしょうか。ドラマの中の登場人物名を用いながら、リアルの銀座店物語を以下にまとめてみました。

昭和51年(1976年)「潔」が「すみれ」に電話をかけてきました。それは銀座6丁目に空きビル物件が出たとの知らせでした。

現在、GINZA SIX(GSIX、ギンザシックス)が建つあたりに出た空きビルは8階建て。そのうちの1階から3階がひとまとめに空いたのだそうです。

3フロアで約400坪。「オライオン」が出店するにはやや手狭だったものの滅多にない物件ということで「潔」は「すみれ」に紹介しました。

しかしドラマの中とは異なり「すみれ」は銀座への出店に前向きにはなれませんでした。

まず何よりも銀座は家賃が高い。とりわけ子供服の商売をするには家賃が高すぎました。それに加えてそれまで子供服メーカー数社が銀座で失敗したという悪しき前例もある。

「すみれ」は「キアリス」を子ども用品の総合店にしたいという夢は持っていたものの、少なくとも銀座でそれを実現するには無理があると判断。

銀座出店は「キアリス」の社内会議で却下されるのでした。

『べっぴんさん』第25週 第140話 観賞後の感想

ジェットコースターに乗せられた夢

すれみちゃんたちの長年の夢だった子供用品の総合店をついに開店するチャンスが目の前に到来しました。しかもその夢を叶える舞台は東京の銀座です。

きっとキアリスの四人はこれまでも妄想をふくらませて来たのでしょう。

仲良し四人組で長年あたため続けてきたその妄想がいよいよ叶う日が目の前に見えて来て、ふくらむ妄想はもうふくらみ過ぎて爆発する勢いです。

銀座の現地を見てその妄想はさら加速しました。東京で食べた天ぷらの味も、本来の味以上に美味しく感じたに違いありません。

四人がここまで何かに夢中になる姿を見せるのは、万博のファッションショーで栄輔くんから子供服の提供を求められたとき以来でしょうか。

さて、そこまで大きくなってしまった妄想は、夢が叶うとはっきり見えて来たその直前で一瞬にして消えてしまいました。文字通りの雲散霧消です。

その後の四人の失望ぶりといったら・・・四人が揃ってここまで深く落ち込む姿は初めてかも知れません。

しかも四人はまた、夢をあきらめきれないとまで言う。

何か一つのことにここまで執着心を見せるのも初めてのはず。その心の底からの執着心は見ていて怖いほどでした。

一回分の放送の中で、ここまで激しいジェットコースター並みのアップダウンを描いたのは第1週、第2週以来のような気がします。

その効果もあるでしょう。失意に沈む四人の姿の痛々しが際立ち、そんな四人の心の中を表す言葉が見つからないほどです。

さて、ここまでの描写だけでも十分過ぎるのアップダウンですが、そこにさらなる衝撃がななめ横の方向から加わりました。

KADOSHOの社長、古門氏の資金提供の申し出です。しかも無条件で提供するとまで言う。よほどの聖人君子でない限り、心が揺るがないはずがありません。

しかし、古門氏はきっと同じセリフを栄輔くんにも言ったはず。

日本の男をオシャレにするという君の企業理念に惚れた。店舗拡大に必要な資金は無条件に提供すると。ところが、その資金は雲行きが変わるとあっけなく引き上げられました。

お金は欲しい。しかしそれを受け取った後が怖い。

迷うすみれちゃんたちにもう一つの衝撃が・・・新たな借り手が見つかった。早く決めなければ夢の舞台は人にとられてしまう。

以上、わずか15分の間でよくぞここまで人の心を揺さぶることができるものです。とってももごたえのある回でした。

余談ですが、史実通りであればかなりいい場所です。『花子とアン』に登場したカフェドミンゴのモデルと言われたお店の近くです。

追記『ひよっこ』の予告

昨晩放送された次回作朝ドラ『ひよっこ』の予告番組を観ました!

その予告番組の中で紹介された映像の中心は第1週でしょうか。舞台は昭和39年(1964年)東京オリンピックが開催された年の春です。

ヒロインの幼少期は描かれないみたいですね。子役で登場するのはヒロインの弟と妹のみ。ヒロインのみね子ちゃんを演じるは最初から有村架純ちゃんのようです。

予告番組はわずか10分。

しかし短い映像から伝わってくる間もなく東京オリンピックが開催されるという頃の、当時の高揚した空気感が心地よい。朝から元気がもらえそうです。

そしてニヤリとさせられたのは『あまちゃん』へのオマージュ。ヒロイン一家が稲刈りする場面で、面々が『いつでも夢を』を口ずさむ遊び心が素敵です。

またその当時の上野駅を再現したセット、ちょっと懐かしさを感じました。・・・ところで上野駅と有村架純ちゃん。こちらもまた『あまちゃん』へのオマージュでしょうか。

「夏バッパ」は、今度はお洒落な東京人となって登場です。

『ちりとてちん』で朝ドラ史上最笑のお母ちゃんを演じた和久井映見さんも、またしても怪しげなオーラを発して登場。

春にスタートする朝ドラらしい明るさに満ち溢れた作品になりそうです。

追記:桑田佳祐氏の新曲はまだ非公開です。

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コメント

  1. mizutamari より:

    いつも、楽しく拝見しています。
    コカドさん、怪しすぎます。
    誰かに、ビルを欲しいと言わせたのではと思うのは、考え過ぎでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 誰かに、ビルを欲しいと言わせた

      そこまで手を回していたら本当に面白い展開になりますね。あの潔くんまでもが古門氏に踊らせていたとなったら大騒動になりかねません。

  2. ひるたま より:

    「何よりも魅力的なのはキアリスさんの企業理念だ」
    「君は何故、子供服屋などやっておるのかね?」

    …いずれも同一人物の口から発せられた言葉(セリフ)です。
    両方を聞いたのは健太郎くんと西城くんだけですね。
    それぞれに、何を思っているのでしょうか?
    (西城くんの方は気にも留めていないでしょうけれど、少なくとも健ちゃんの方には何か思う所があるのでは?)

    昨日までに他の皆様方からもご指摘があった通り、KADOSHO(古門社長)の登場シーンでジェット音が鳴っていましたね。
    古門社長…明らかに胡散臭そうですね。(演じている西岡徳馬さんも、良い意味で「胡散臭さ」全開(?^^;)ですね)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 両方を聞いたのは健太郎くんと西城くん

      健ちゃんは頭がいいので、言動の矛盾にすぐに気づき古門氏の人と成りを理解したことでしょう。古門氏へのリスペクトが終わった瞬間だったのかもしれません。

  3. のんだくれ より:

    物語とは関係ないのですが、喫茶店に
    「幸福の鳥」がありましたね!とても懐かしかった!
    主様はご存じでしょうか?
    うちには赤色のものがありましたが、
    テレビの横に置いていたので、大橋巨泉さんのイメージと重なるのです。
    スタッフは、よくあのような小物を思いつかれたなあ、と感心します。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 幸福の鳥

      気がついてました。たしか万博の頃から置いてあったと記憶しています。よくこんなモノ見つけて来たなと思ってましたが、今もなお販売されてるんですね。Amazonに出てました。

  4. もんすけ より:

    夢、希望、ワンダーランド…。

    赤ちゃんを真正面から見、赤ちゃんファーストでここまでやってきたすみれちゃん達の純粋な志が、物質的や金銭的な大人の事情で自分たちの夢への(悪い意味ではない)執着や欲へと転じていく。
    商売優先ではなくとも、膨らみ過ぎた希望や期待は、栄輔さんのエイス拡大の時のそれと、その差紙一重なのでしょうね。
    今まで仕事には優等生だったすみれちゃんが、本編最後に「人間臭い普通の人の面」をようやく見せてくれたようで、少しホッとしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 人間臭い普通の人の面

      この面をしっかり描いたことで栄輔くんがダークサイドに堕ちた気持ちが痛いほど伝わって来ました。すみれちゃんですらこんな状態。まして心に闇を抱えた栄輔くんであれば・・・