銀座への出店を断念する / べっぴんさん 第141話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年3月21日(火)放送
第25週 第141話「時の魔法」

『べっぴんさん』第25週 第141話 あらすじと見どころ解説

キアリスの社内会議で銀座店の断念を宣言する紀夫に異を唱える者がいました。それはすみれたちでした。すみれ、明美、君枝、良子の四人は銀座で総合店を開店する夢を叶えることをどうしても諦められなかったのです。

しかしかつては拡大路線を進んでいた健太郎が、今度は紀夫と同意見でした。ここで無理をし過ぎるのはキアリスらしくないと主張する健太郎の意見を聞かされ、我に返ったすみれたちも銀座への出店を諦めることにしました。

数日後、すみれと紀夫はKADOSHOに足を運び古門からの資金提供の申し出を断りました。夢を自分たちの代で叶えることを断念したすみれは気づきます。キアリスの夢は健太郎たち次の世代の者たちが必ず叶えてくれると。

そんな中、すみれは引退の日が近づいていることを感じはじめました。明美、君枝、良子も同じ思いを抱いていました。すみれは早速、引退する意思があることを紀夫に告げると、紀夫もまた次の世代に道を譲るべき時が来たと応えるのでした。

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midokoro
一時期は拡大路線にまい進する健太郎に不安を抱き、キアリスらしさを失ってしまうことに懸念を抱いていたすみれ。

今回、その健太郎とすみれの立場がまさかの逆転です。

夢を自分たちの代で叶えたいと焦るすみれ。その焦りがキアリスらしさを失いかねないことにすみれは自分で気づくことができません。

そんなすみれを我に帰らせたのは、まさかの健太郎です。

健太郎がキアリスらしさを深く理解していることを際立たせることで、キアリスの大事なものが次世代にしっかりと受け継がれることを暗示するとても素敵な展開だと思います。

『べっぴんさん』第25週 第141話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

前回の本欄に引き続き、今回もドラマの中の登場人物名・会社名を用いて銀座出店物語のリアルをまとめてみました。

「すみれ」たちは「キアリス」の社内会議で銀座に出店はしないという結論を出しました。しかし、諦められない人物が一人いました。

銀座の案件を「すみれ」に持ってきた「潔」その人です。

「潔」には確信がありました。「キアリス」を銀座六丁目に出た空きビル物件に出店すれば間違いなく成功する。その成功を後方支援することも可能だと。

「潔」は改めて「すみれ」の説得に当たるものの、巨額の資金が必要となる東京進出に対して「すみれ」は慎重な姿勢をくずそうとはしません。

しかし「すみれ」が口にしたある一言を「潔」は聞き逃しませんでした。

「キアリス」を子ども用品なら何でも揃う総合店をつくるのが自分の夢だと「すみれ」が言ったのです。

その言葉に反応して「潔」は言いました。その夢を叶えることが出来るのが銀座店だ。銀座店を「すみれ」が夢にまで見た子ども用品の総合店にしてはどうかと。

自分の夢が叶うチャンスが到来した。しかも、その夢を東京の銀座の一等地で形に出来るまたとない機会が目の前にある。

「すみれ」の心は揺れ始めるのでした。

『べっぴんさん』第25週 第141話 観賞後の感想

健ちゃんが久しぶりに男前

長年の夢だった総合店を出店するためにこの上ない良い物件も出た。そこに入居し、総合店を開店するために必要な資金調達も諦めずに済んだ。

言い方は悪いですが美味しそうなエサを二つも目の前にぶら下げられたら心がゆるがないはずがありません。

すみれちゃんたち四人の心のゆらぎはこれまで何度となく描かれて来ました。特にすみれちゃんのゆらぎっぷりは、朝ドラヒロインとしては異例なほど多かったような気もします。

しかし、今回描かれたゆらぎはこれまでになくリアルだったと思います。

困難な状況に対して諦めずに果敢に挑戦する姿、というよりは諦めなければならない事柄に対していつまでも未練を引きずるその姿がリアルでした。

すみれちゃんたちにもこんな側面があったのかって。

そして、そんなすみれちゃんたちを諭す健ちゃんがいつの間にか大人になっている!

すみれちゃんたちの気持ちも丁寧に汲みながらも、銀座への出店を諦めなければならない理由を理路整然とこんこんと説く健ちゃんが頼もしい。

高校時代、ナイトクラブに入り浸るさくらちゃんの暴走を体を張って食い止めた時以来の男前ぶりを見せてくれました。

「やりたい気持ちはわかる。夢だったのもわかる。しかし今のキアリスの身の丈には合っていない。背伸びせずに地に足をつけるのがキアリス」

かつて、背伸びして身の丈に合わない急拡大を目指すという失敗を経験した健ちゃんだけに言葉に説得力がこもる。

もし、健ちゃんが失敗を経験していなければ、今回の健ちゃんの言葉は優等生に薄っぺらな言葉になっていたかもしれません。

その点で健ちゃんの失敗は意味あるものでした。

また、さくらちゃんたちの未練を思い留まらせようと説得を試みる健ちゃんが、古門氏を悪者にしなかったところにも好感が持てます。

健ちゃんは、古門氏の裏と表をキアリスの中では誰よりも理解しているはず。古門氏への理解度は、手痛い思いをした栄輔と遜色ないと言っても良いレベルです。

だからキアリスの企業理念に感動したなどという古門氏の言葉を鵜呑みにするな!と、健ちゃんは言えたはず。でも、それをしませんでした。

古門氏を悪者にしてすみれちゃんたちにストップをかける安易な道をとらず、あくまでもキアリスの問題として、説得しきった健ちゃん。また男を上げましたね。

健ちゃんの成長を確信し、すみれちゃんは引退する決断を下したようですが、一視聴者としてもキアリスの将来に対して安心感を持って最終回を迎えられそうです。

古門氏にドラマから退場してもらいたい理由

健ちゃんは古門氏を決して悪者にすることなくワンダーランド騒動の火消しに成功しましたが、ドラマそのものも古門氏が悪者にならない終わり方をしてくれたと思います。

夢を断念し、キアリスは自分が信じる道を歩むだけとすみれちゃんが宣言した時、僕はてっきり古門氏はそれを鼻で笑って嫌味や皮肉の一つも言うものとばかり思ってました。

考え方がゲスですね(反省)

しかし、古門氏はすみれちゃんの考え方を一切否定せず、自分とはまったく異なる価値観を尊重しました。この時の古門氏の言葉は口先だけのものでないと僕は信じています。

そして、願わくば古門氏の登場は今回をもって最後としてもらいたい。

古門氏が単なる悪者で終わらなければ、もう一人、古門氏に関連する人物にも救いがあるからです。その人物とは玉井氏。

出資者に対する営業報告を行いエイスの経営状況の説明責任を果たしたことで、今のところ背任者のポジションに立たされてしまっている玉井氏。

もし古門氏がこのままドラマから退場してくれれば、玉井氏の名誉回復の道が残されることになります。

そのためにも古門氏はもう出て来ないでほしいと願うばかりです。

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16 Responses to “銀座への出店を断念する / べっぴんさん 第141話”

  1. よるは去った より:

    実際のファミリアが最初、銀座出店をためらったのは「銀座ではまず子供用品は売れない。」という思い込みが強かったからだそうですね。出店を強くプッシュしたのはレナウンの尾上清社長と阪急百貨店の大島保会長と他のスレで読みました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 子供用品は売れない

      ファミリア出店前に失敗事例がいくつかあったみたいですね。それが銀座だから売れなかったのか、他の要因で売れなかったのかは定かではないのですが。

  2. たけちゃんと中西君 より:

    「地に足をつけて」
    自分は大きくクローズアップはされていないけれど、かつて武ちゃんや入社時の目立たない中西君が言っていた事が思い出されました。キアリスがずっと魅力的なのは背伸びをせずに地道にやるべき事をわくわくしながらやってきたからで、武ちゃんや中西君の成長はしてるけど、いい意味で変わってないのもキアリスの魅力を体現してると思いましたがどうでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 地に足をつけて

      思い起こせば、焦る栄輔くんに潔くんに「地に足をつけて」と諭しましたが、その潔くんも若い頃に五十八さんから焦るな「地に足をつけて」進めと諭されました。五十八さんの思いのバトンが潔くんとオライオン、すみれちゃんとキアリス、そしてキアリスの次世代社員たちに受け継がれているのだなと思います。

  3. SingSing より:

    古門さんは反省したのでしょうかね。
    頭の良い方なので世間が彼を敵視しているぐらいの事はわかっているはずです。

    きっとすみれたちの純真に感化されたと思います。


    すみれたちが常にお客さんの立場に立って商いを進めてる姿はいまの日本の諸会社に見倣って欲しいですね。不正、粉飾決算などをやめて真面目に経営に取り組めば最終的には生き残れると信じます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > お客さんの立場に立って商い

      現代にもそのような企業は無数にあるので、そんな姿も朝ドラ等で取り上げられるといいですね。来年の『半分、青い。』はそれに近い要素が含まるのかなと期待しています。

  4. うこちえす より:

    前作、『とと姉ちゃん』の主人公、常子さんは、「男の人の様に稼ぎたい」為に起業しました。
    それに対し、今作『べっぴんさん』のすみれさんからは一度も「儲け」とか「利益」という言葉は出てこなかったですね。
    とても関西人とは思えません(笑)。
    2人共、社会に対して大きな影響を与え、充実した人生を送った事は間違いありませんが、自分としては家庭を持った分だけすみれさんの方が幸せだった様な気がします。

    管理人さん、今作も詳しい解説、ありがとうございました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「儲け」とか「利益」

      ととを亡くし貧しい家で育った生い立ちと、お金持ちのご令嬢だった生い立ちの違いも大きいかも知れません。常子ちゃんは戦前、戦中を通してずっと貧乏でしたからね。

  5. 米粉 より:

    想像ではあるんですが、古門氏は自分に対する世間の評価が厳しくなっていることに、焦りを感じていたのではないかと思います。

    昨日の古門氏の言動は、なんとなく落ち着かないものに映りました。
    葉巻をやたらに吸ったり、キアリス本社でお茶を断りいきなり本題に入ったり。
    雑誌にはエイス倒産の黒幕と書き立てられてる、と君枝さんもつぶやいていましたね。
    キアリスへの支援申し出も、むしろ世間の評価を何とかしたい、という思惑があったのかなぁ、と想像しました。

    信念を貫くって、時には苦しいものですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 世間の評価を何とかしたい

      マスコミの非難を浴びる中、そんな打算は当然はたらいたかも知れませんね。この動機はまったく思いつきませんでした。

  6. エイスケの後輩 より:

    古門氏のテーマ音楽のようにジェット機の音がするので、某事件を予感させるためかと思っていましたが、
    オライオン=戦艦の名前(レナウンと同じく)=船→ゆっくりと進む(じっくり考える)→キアリスもこちら寄り
    門商=ジェット機→高速で進む(スピード重視)
    のイメージ演出なのでは?とも思えてきました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > スピード重視

      船との比較で飛行機ですか!さすがの深読みです。

  7. 流離人 より:

    それはそれで素晴らしいではなく
    それはそれで素敵だ でした
    訂正します

  8. 流離人 より:

    根っからの悪人を作らない
    古門氏の言葉を借りれば
    「それはそれで素敵だ」
    朝ドラだと思いました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 根っからの悪人を作らない

      玉井氏も同様に終わりますように。

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