すみれの夢叶えると約束 / べっぴんさん 第145話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年3月25日(土)放送
第25週 第145話「時の魔法」

『べっぴんさん』第25週 第145話 あらすじと見どころ解説

ある日、健太郎が神戸の新聞社の記者からの取材を受けました。健太郎が語った美幸と小雪の一件はその新聞の記事となり、その記事が評判を読んで大量の子供服の直しの依頼がキアリスに舞い込みました。

キアリスを引退した女性の面々はその直しを喜んで引き受け、武は早速「直し部」という部署を社内に設置。古い子供服を仕立て直し、次世代に受け継いでゆくことがすみれたちの新しい生きがいになりました。

第二の人生でも好きなことを仕事にできたすみれたちの様子を見て、紀夫も自分の好きなことを見つけることにしました。そして紀夫がついに見つけた自分の好きなこと。それはカメラでした。高価なカメラを買った紀夫は写真撮影に没頭しはじめます。

一方、健太郎はすみれたちから引き継いだ夢であるワンダーランドを実現したいと切に願っていました。そんな中、健太郎はリトルワンダーランドを本店に再現し、ビッグワンダーランドの夢を必ず叶えてみせるとすみれたちに約束するのでした。

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美幸がすみれたちに「お直し」をお願いしたことで、引退したものの暇を持て余していたすみれや君枝は新たな生きがいを「お直し」に見出します。

美幸のとった行動は、期せずしてすみれたちキアリスの面々への恩返しとなります。

一方、新たな生きがいを見出したすみれたちに、健太郎が未来への希望をプレゼントします。

感謝と夢の二つのバトンタッチ、見どころがいっぱいの今回を経て『べっぴんさん』も残すところ一週間です。

『べっぴんさん』第25週 第145話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

健太郎が、すみれたちが夢見ていた銀座店の「完成模型」とでも言うべき店舗を、神戸のキアリス本店内につくりました。

そして、この「完成模型」を必ずや完成させてみせるとすみれたちに宣言する健太郎。

銀座店の夢をすみれたちの代で完結させず、次世代にその夢を託すことでキアリスの明るい未来を暗示するこのストーリー展開が僕は大好きです。

ところでリアルではドラマの中のタイミングで「夢」は完成しています。

「夢」はどのようにして叶い、その「夢」は成功したのでしょうか。ドラマの中の登場人物名・会社名を用いながらリアルの銀座の夢をまとめてみます。

「潔」から銀座への出店オファーを受けながらも断り続けていた「すみれ」でしたが「大急百貨店」の「大島」からの説得を受けて銀座への出店を決意します。

しかし「すみれ」が心配する通り、銀座への出店はあまりにもリスクの大きな案件でした。

そこで万が一銀座店が失敗に終わっても「キアリス」に影響が及ばないよう「紀夫」は「キアリス」とは別の会社となる「銀座キアリス」を東京に設立。

「銀座キアリス」の社長には「すみれ」が就任。そして売り場を実際に取り仕切る取締役店長として「健太郎」が抜擢されました。

経営経験の浅い「健太郎」を支えるために「紀夫」が監査役、「潔」が相談役に就任。強力な布陣のもと「銀座キアリス」を大成功に導くのでした。

『べっぴんさん』第25週 第145話 観賞後の感想

好きなことを仕事にする喜び

第二の人生の中でも好きなことを仕事にする喜びを見出すことが出来たすみれちゃんの幸せそうな表情を見て思い出したのは『とと姉ちゃん』の花山伊左次です。

『とと姉ちゃん』をご覧になっていない方のためにちょっとだけ解説します。『とと姉ちゃん』は生活総合誌「暮しの手帖」をモチーフにした前作朝ドラです。

その朝ドラのヒロインはその雑誌の出版を手がける会社の創業者。そして、その雑誌の編集長で希代の天才編集者と呼ばれた人物が花山伊左次です。

さて、ドラマの中で晩年に健康を損ねた花山伊左次がこんなことを言いました。自分は死ぬまで編集者であり続けたい、編集を続けていたいと。

この花山伊左次の晩年の言葉を、『べっぴんさん』のすみれちゃん風に言い直したらこんな言葉になるはずです。

「死ぬまで好きなことを仕事にする自分であり続けたい」

ところで、好きなことを仕事にするとは現代でも多くの人が望んでいるテーマですが、これについていつも思うことがあります。

好きなことを仕事に出来た人は幸運で、好きなことを仕事に選べないのが現実だ。よくこんなことが言われますが、それは本当なのかなって。

先日、雑誌である女性の取材記事を読みました。

記憶が不確かな点もあるのですが、その女性は中国人。日本に定住したものの言葉も不自由な彼女に仕事の選択肢は多くはありません。

しかし働かなければ食べて行けない。彼女が選んだ仕事は羽田空港の清掃員でした。決して清掃員が天職だと思って就いた仕事ではありません。

ところが彼女は空港内を清掃した後の、そこを使う人の笑顔を想像しながら仕事を積み重ねるうちにその想像の中の笑顔が喜びになりました。

その笑顔を追い求めるうちにいつしか彼女はカリスマ清掃員となってメディアでも取り上げられる人物に。

彼女は好きなことを仕事に出来たわけではありませんが、仕事のその先にある「笑顔」をひたすら追い求めるうちに仕事が好きなことになり、好きなことが仕事になりました。

そもそも仕事って、誰かに求められたり喜んでもらえたりして初めて仕事が仕事として成り立つもの。健ちゃん流におかたく言えば需要があって成立するということです。

逆の言い方をすれば、人から求められなければ仕事にはならない。いくらそれが好きなことであっても人から喜ばれなければ趣味にしかならない。

そして花山伊左次が死ぬまでやりたかったことは編集という仕事ではなく、仕事という人に求められる何かをし続けること。人に喜ばれ続けること。

すみれちゃんが喜びを見出したのも、好きなことを仕事出来たことでなく、人から求められたことが好きなことだったところにあったと思います。

花山伊左次も、すみれちゃんも、求め続けていたのは人から求められること、人に喜ばれることだった。そんな気がします。

僕もドラマの中のすみれちゃんや紀夫くんよりは若いですが(若いくせに「ちゃん」とか「くん」とかで呼ぶなよ)、第二の人生を真剣に設計する必要に迫られた年齢です。

第二の人生を設計する指針として、花山伊左次とすみれちゃんの言葉。そして朝ドラの中で数多く紹介される示唆に富んだ知恵を活かしたい。そう感じた『べっぴんさん』、いよいよ次週は最終週ですね。

追伸:紀夫くんのカメラの趣味も確かに人に喜ばれていましたが、これまで積み重ねてきた仕事のクオリティとバランスが取れる、人から心から感謝される道を準備してあげてほしかったなと思います。

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15 Responses to “すみれの夢叶えると約束 / べっぴんさん 第145話”

  1. えびすこ より:

    今週の内容を振り返るとテーマパーク的な施設を設けるかどうかでしたね。
    たしかサンリオには似たような施設があったような?
    サンリオも創業者が女性だと思います。

    ひよっこは叔父さんを入れて7人ですか。
    そうなると兄弟は本人入れて3人と言う事ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 兄弟

      制作発表時の資料を改めて確認したら「兄」の存在がそこには明記されていました。変更されたか叔父に書き換えられたしたのかも知れません。

  2. エイスケの後輩 より:

    連投失礼します。

    社交ダンスのくだりですが、実は社交ダンスは男女ペアのうち男性が女性をリードして踊るそうで、これって武ちゃんの社長就任の挨拶をしに大島会長の所へ行った時に、会長からかけられた板東夫妻の例えの真逆なんですよね。
    男側の紀夫君がしないかと持ちかけて、女側のすみれちゃんがあまり乗り気にならず流れたということについて、色々考察できそうですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 板東夫妻の例えの真逆

      大島会長の言葉を聞きながら頭に浮かんだ二つの四字熟語。「夫唱婦随」と「婦唱夫随」。前者は古くからある熟語で後者は造語ですが、大島会長はこのことを言いたかったのかなと思いました。そして「婦唱夫随」なので紀夫くんの提案は通らなかったということでしょうか。

  3. えびすこ より:

    最終週の予告を見ると昭和59年から始まりますね。
    昭和末期まで進むのは予想外。
    いよいよべっぴんさんも大詰めですね。

    BSの今週のべっぴんさん1週間の次に放送した「ひよっこ」予告特番で主人公の家族について「6人」と触れていました。
    主人公、両親、祖父、弟、妹です。兄もいるとは触れていません。
    最初7人と聞いていましたが撮影開始後に家族構成が変わったのでしょうか?
    序盤のうちは主人公の兄にふれないものの、途中から物語に合流の展開になるんでしょうか?
    家族構成に変化がなく序盤に出ないとなると、先に上京して1人だけどこかで離れて暮らしている設定かな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 7人

      7人目は叔父の宗男さんかと思います。公式サイトを見ると谷田部家のくくりの中に含まれていますので。

  4. エイスケの後輩 より:

    朝蔵さんのご高察を、興味深く拝読しました。

    好きなことを仕事にするのは、実は危険もはらんでいます。
    仕事で辛いことが有った時、ストレスを発散する逃げ場が無くなるからです。
    本作は当人の得意な事を仕事にしたケースですが、これはかなり精神的に強くないと難しく、戦後の貧しさの中必要に迫られたことと、仲間がいたからこそ続いたのかなと思います(リアルでも)
    前作はたまたま出版の仕事に従事した経験からの起業なので、違ってますよね。後々に、好きなことになったのだと思いますが。

    紀夫君については、彼の存在意義は「板東家を継ぐ」事であって、キアリスでも経営者でしたし、主人公達四人の様な職人的立場ではなかったので、これまでとは切り離した余生でも良いのかなと思いました。
    そんなキャラクターもいないと、視聴者も入り込みづらいかもしれませんので。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 板東家を継ぐ

      そうでしたね。彼はそのためのキャラでした。すみれちゃんが起業したのは紀夫くんにとっても、婿を取った五十八さんにとっても想定外の出来事でした。

  5. SingSong より:

    お直し部いいですね!

    大量生産、大量消費は経済的にはいいけど、物を大事にしなくなったり、環境に悪い影響を及ぼすと思っていました。
    だから今日のお直し部には特に共感、共鳴しました。
    Reuse,recycleは大賛成です。時には新品を買うよりお金がかかるけどやはりいいと思います。

    キアリスはワンダーランドのような楽しい夢だけではなく、物を大切にする、と言うバランスの取れた会社ですね。

    明美さんと栄輔さんが他の三組みの夫婦に加わるシーンがとても好きです。紅白のお土産話し、受けますね。
    紀夫さんももう’普通’にしてますね。良かったです。笑う。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 紀夫さん

      社交ダンスに未練たっぷりなふてくされぶりも笑えました。カメラを見つけて立ち直れて良かったです。

      • かふぇくま より:

        ちらっとでもいいから、踊るシーンがほしいですwww
        しつこいですが、、(笑)

  6. ニコレット より:

    今週も、なんか安心する内容で、幸せな感じでしたね。。
    レリビで集まって、談笑するも、なんか、なんかね。。エエ感じでした。。4人の関西のおばちゃん言う感じがまた素敵で。。

    すみれちゃんとのりおくんの、引退決めるいう時の、二人の会話のシーンで、健ちゃんとさくらちゃんが、台所で、こっそり聞いてたのも素敵でした。。

    前の話になりますが、さくらちゃんと結婚の時、坂東か村田か?ってなった時、ゆりさんが、”自由に好き勝手してごめん”とすみれちゃんに謝るシーンは、なんか良かったです。。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 幸せな感じ

      朝ドラの最後の一ヶ月は悲壮な場面が定番ですが、癒される場面が最後まで続く本作は本当に珍しいですね。

  7. よるは去った より:

    「リトルワンダーランド」のような空間は「西〇屋」でも見かけますね。ああいう子供たちの良き憩いの場は「ファミリア」が元祖だったのかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「ファミリア」が元祖

      ファミリアは子供まわりの様々な元祖なので、それは考えられますね。

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