昭和59年、小学六年の藍 / べっぴんさん 第146話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2017年3月27日(月)放送
最終週/第26週 第146話「エバーグリーン」

『べっぴんさん』最終週/第26週 第146話 あらすじと見どころ解説

昭和59年(1984年)3月。4月から小学六年生になる藍は、春休みの間だけすみれと紀夫の家に預けられることになりました。その頃、さくらと健太郎はすでに新居を構え独立していたため、すみれと紀夫は二人きりで暮らしていました。

藍は読書が大好きな少女に成長していました。読書に夢中になると夜を徹してでも最後まで読ん通してしまうほどの読書好きでしたが、その一方で春休みに通うことになった進学塾の春期講習にはあまり乗り気ではありませんでした。

一方、明美と一緒に暮らしていた栄輔が体調の異変を訴えはじめます。胃の調子が良くないと言うのです。栄輔は早速、病院に検査を受けに行くものの、大切な人を失うことを誰よりも恐れる明美は不安を募らせていました。

その頃、キアリスは創業35周年を迎えようとしていました。銀座店のオープンも翌年にひかえ、武はそれを機に社長の座を健太郎に譲るつもりでいました。そんな中、ジャスミン・モリスという米国人女性から、すみれたちの元にエアメールが届くのでした。

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midokoro

前回から十年以上の歳月がスキップし、さくらと健太郎の長女・藍はすでに小学六年生。翌年の春に私立中学の受験を控える、幼少時のすみれにそっくりな少女に成長しています。

さて、幼少時のすみれにそっくりな藍を演じるのは、幼少時のすみれを演じた渡邉このみちゃん。そっくりなはずです。

しかし、そっくりなのは顔だけではありません。性格もそっくりな少女として登場する藍が、昔のすみれ同様のつかみどころのない性格で母親を困らせるのです。

『べっぴんさん』最終週/第26週 第146話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

さくらと健太郎が結婚し、その夫婦の姿はまるで君枝と昭一の若い頃の姿を再現したようで大いに楽しませてもらいました。

さて、今度はさくらと健太郎の間に生まれた子供・藍が、祖母であるすみれの少女時代と顔も性格もそっくりに、最終週となる今週に登場します。

ただし、今回披露されるのはすみれと顔が似ているというその点だけの模様です。

性格もかつてのすみれとそっくりで、昔のすみれ同様の本心のよく見えないその性格が騒動を巻き起こすことになるのは次回以降でしょうか。

一方で、キアリスからの引退を決めたそのタイミングで同居をはじめた明美のちょっと気がかりなエピソードが最終週のこのタイミングでスタートします。

自分を女手一つで育ててくれた母親を早くに亡くし、大事な人を失うことの恐怖から結婚を避けていた明美がようやく大事な人として選ぶことができた栄輔。

その栄輔が体調の異変を訴えます。最近、胃が痛む。念のために検査を受けてくると、いつになく思いつめた様子の栄輔の様子に、明美は不安を募らせます。

『べっぴんさん』前半。薄幸の少女として描かれ、成長してからも「春」とは縁がなかった、というより「春」が怖くて避けて通っていた明美。

その明美が、物語結末近くでようやくつかむことが出来た幸せを、この後に及んで失うような展開だけは避けてほしいものです。

明美がハッピーなエンディングを迎えられますように。

そして「ジャスミン・モリス」という初登場する外国人の名前。この人物については次回の本欄でレビューしますね。

『べっぴんさん』最終週/第26週 第146話 観賞後の感想

先週の後半、まるで「最終回」のような展開が積み重ねられたせいもあるのか、まるで『べっぴんさん』の続編か、主人公たちの老後を描いたスピンオフを観ているような錯覚にとらわれたのは僕だけでしょうか?(笑)

と言うわけで『べっぴんさん』の「その後を描いたスピンオフ」の登場人物たちそれぞれの変化をレビューしてみました。

ヒロイン世代の老いた姿

すみれちゃんと紀夫くんのおばあちゃん・おじいちゃん姿に目を見張りました。ぜんざいを藍ちゃんに出す姿はかつての喜代さんそのもの。遠目に見る紀夫くんの背中の曲がり具合など非の打ち所がない老人姿。とてもお芝居とは思えないレベルです。

すっかり年老いた二人ですが、夫婦の間に流れるまったりゆったりとした空気感は昔と変わらないまま。この癒しの空気もあと5回で終わると思うと寂しくなります。

坂東老夫妻に比べると、君枝ちゃんと昭一くん夫妻、そして良子ちゃんはまだ「老」の字を使うのがはばかられる若さを保っているような気がします。良子ちゃんは現役で毎日仕事をしているので老けないのかな?一方、村田夫妻がそれほど老けないのは何故?

そんな中で勝二さんの老いた姿はヒロイン世代の中で突き抜けてます(笑)。ネコちゃんと一緒に「置き物」になっている姿はしばらく忘れられそうもありません。もっとも、ヒロイン世代の中で年齢も突き抜けていますが。

明美ちゃんもさほど代わり映えはしないかな?事実婚状態とはいえ、自分は独身でもあるという気持ちが若さの秘訣でしょうか。ただし身体の動きがこれまでよりも緩慢になってきた気がします。見た目の若さは保てても身体の若さを保つのは困難。リアルですね。

一方、栄輔くんが今なお若い!大阪万博の頃の飛ぶ鳥を落とす勢いだった栄輔くんが、年老いた仲間たちの中にタイムスリップしてやってきたような若さです。

しかし仲間たちの中で圧倒的な若さを保ちながらも、誰よりも先に、置き物と化した勝二さんよりも先に体調の異変を訴えはじめる姿が切ない。そして、明美ちゃんがこれほど動揺する姿を見せるのは、終戦間際に看護婦をクビになって以来のことでしょうか。

大切な人を失うことを人一倍恐れている明美ちゃんです。彼女の胸の内をあらわす言葉が見つかりません。

次世代の変化

時代は昭和59年。ヒロイン世代の子供たちは戦時中生まれ。昭和19年以前に生まれているので揃って四十路に突入しました。一言で言うと中年です。当時、アラフォーなんていう気の利いた言葉は存在しませんでした。

さくらちゃんと健ちゃんはさほどの変化が感じられません。中年と呼んだら怒られそうな若さを保っています。その一方で、龍ちゃんは口ヒゲをたくわえたことも手伝ってか見事に中年に見える。さすが勝二さんのせがれです(笑)

ところでレリビィで働いている春香ちゃんという名の女の子。龍ちゃんが商店街の人気者だとよく知っているのは、春香ちゃんが龍ちゃんをしっかりと観察していることをさりげなく暗示しているのでしょうか。

龍ちゃんは40代。一方の春香ちゃんは20歳。ずいぶん年齢差がありますが、そもそも龍ちゃんの両親も年の差婚でした。良子ちゃんの嬉し涙を見る日が近づいてきました。

そしてリトルすみれちゃんの生まれ変わり・藍ちゃん。

紀夫くんが藍ちゃんのことを「とらえどころがない。何を考えているかわからないところがある」と不安を口にするその一方で、すみれちゃんは無条件に「いい子」だと言う。

とらえどころがないすみれちゃんに困惑する五十八さんと、すみれちゃんの本質をしっかりと理解していたはなさんの対比を思い出さずにはいられません。

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コメント

  1. エイスケの後輩 より:

    脚本家はラジオで、主役達の第二の人生を描きたかったから、子供を産むところまでは一気に進めたと話したそうです。
    最初のスピーディーさは、この最終週のためにあったようです。
    最終週がスピンオフなら、皆が知りたい過去の出来事も明らかにされたりするのかな…
    悦子さまも、伝説の売り子(シンデレラガールになったのも含めて)として、また現れないかな…

    しかし明美ちゃん、確かに看護師でしたね。
    もはやベビーコンサルタントのイメージが強すぎて忘れていました(^_^;)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 第二の人生

      今週のテーマが第二の人生ということは、前週の「毎日が最終回」は第一の人生の最終回だったんですね。

  2. ひろちゃん より:

    明美ちゃんが勝二さんのことを『置物かと思った』
    明美ちゃん節、健在ですね~

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 明美ちゃん節

      冗談でなく本気で言うところが笑えます。

      あと、体調不良を訴えた栄輔くんに、会話の中にさりげなくそんな話を入れるな!みたいなツッコミもいかにも明美ちゃんでした。

  3. つまぴょん より:

    藍ちゃん、春休みのこの時期10歳ということは、
    次6年生じゃなく5年生のはずです。

    紀夫君のおじいちゃんっぷり、かわいらしすぎです。

  4. ひるたま より:

    今日のラストでジャスミンからの手紙を読み上げる場面で、健太郎くんが英語の原文を読み上げ、明美ちゃんが傍で逐語通訳して行くやり方でしたが…健ちゃんが本社か何処かで翻訳して持って行ってあげても良かったのでは?とふと思ってしまいました。
    おそらく、演じる古川雄輝さんの英語力を活かす演出に拘ったのかな?
    (逐語通訳する明美ちゃんが、ゆりちゃんに教わったこれまでの勉強の成果を披露する(?)意味合いも込められていたかもしれません)
    海外生活が長かった古川雄輝さんの英語は本当に流暢でしたね。(^^)

    『レリビィ』の店員春香ちゃんがやっと登場、しかも年齢は二十歳…龍一くんも両親と同様に「年の差婚」になるようで、なかなか心にくい脚本&演出ですね。
    そして父親である勝二さんが杖をついて登場…個人的にはややショックを感ぜずにいられませんでした。すみれちゃん達世代よりもやや年上という設定とはいえ、時の流れの怖さを感じさせらました。
    最後の方で、猫と一緒に「置物」(?^^;)と化していた場面が印象的でした。

    (猫といえば…以前、武ちゃんが酔い潰れて中西くんに介抱してもらいながら、『ヨーソロー』から当時はまだ商店街にあったキアリス本社に戻って来た場面、そして別の日に武ちゃんが本社前で夜空を見ながら一人でお酒を飲んでいた場面で、いずれも猫が印象的に「起用」されていましたね。猫好きとしては嬉しかったですが^^)

    • ひるたま より:

      続きです。
      今日登場した藍ちゃん用のお弁当箱、蓋に描かれていたイラストがリスの家族でしたね。(素材はおそらく樹脂製かな?)
      大昔、大急百貨店出店の際に目玉商品として作られたアルマイト製お弁当箱のイラストに描かれていたリスは1匹でした。
      公私両面で「家族が増えた」象徴のように思われましたが…考え過ぎでしょうか?

      あと、『レリビィ』のお客さんとして来ていた3人組の生徒さん(高校生かな?)…結構強烈で、且つ懐かしい服装でしたね~。
      (…と書くと年齢がバレますがf^^;)
      髪型はリーゼント、学ランの下に赤シャツ、そしてブカブカの学生ズボンの男子。
      そして髪を染めてロングスカートを引きずる(?)女子。
      ペタンコの学生鞄。
      …さすがに、現在の高校生では見かけませんね。(^^;)

      3人がちゃんと学校に行っているのか否かは???ですが、龍ちゃんはそのような子達にも優しい大人になりましたね。

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        コメントありがとうございます。

        > リスの家族

        それは気が付きませんでした。でもご高察の通り家族が増えたことを表したのだと思います。キアリス関係者もそうですが、キアリスの初代お客さんたちも家族が増えているはずですから。

        > リーゼント

        本当に懐かしかったです。僕の友人でも一人こんな髪型していたのがいましたが、今は髪の毛がすっかり寂しくなっています(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 時の流れの怖さ

      勝二さんはリアルの年齢も仲間たちより突き抜けているので老いた姿がよけいにリアル。時の経過を感じずにはいられませんでした。

      > 猫

      今回の猫が座ったまま全然動かないので置き物感が増幅されてました(笑)

  5. よるは去った より:

    藍「寝てしもうた・・・・・。」紀夫「塾どうやった?」 ん~「友達が行っているから自分も行く。」といったところですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 友達が行っているから

      自分が好きなこととそうでないことのメリハリがはっきりした子ですね。