ひよっこ 第9週 小さな星の、小さな光

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月29日 〜 6月3日放送
第9週「小さな星の、小さな光」

『ひよっこ』第9週「小さな星の、小さな光」あらすじ

冬が近づいてきたある日、向島電機の倒産がみね子たちに告げられました。工場はその年の暮れまでにすべての業務を終え、みね子たちは年明けには乙女寮から出て行かなければならなくなったのです。

突然、仕事を失うことになりみね子たちは激しく動揺します。しかし、向島電機の人事部員の奔走の甲斐あって、その年の暮れのうちにみね子たち工員たちの再就職先は一人また一人と決まってゆきました。

一方、三男は勤め先の安倍米店の娘・さおりに惚れられていました。さおりの父の善三にも三男を婿養子にとろうとする魂胆がその態度が見え隠れします。しかし、どこかの家に婿養子に入るような生き方を三男は拒んでいました。

年の瀬が近づくにしたがい、みね子と苦楽をともにした仲間たちが乙女寮から去って行きました。そして迎えた時子との別れの日。乙女寮での最後の日を迎えた時子は、みね子との再会を約束し涙ながらに思い出の詰まった乙女寮を出て行くのでした。

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『ひよっこ』第9週 各回あらすじとレビュー

第49話 5月29日(月) 向島電機の倒産が決まる
第50話 5月30日(火) みね子たちの新しい仕事
第51話 5月31日(水) 乙女たちの最後の夜遊び
第52話 6月1日(木) 乙女寮の最後のコーラス
第53話 6月2日(金) 豊子が工場の閉鎖に抵抗
第54話 6月3日(土) 乙女寮の仲間達との別れ

『ひよっこ』第9週 今週の時代背景解説と事前発表あらすじとレビュー

向島電機がまさかの倒産!

前週のいくつかのエピソードで嫌な予感はしていました。そしてその嫌な予感は当たってしまいました。向島電機の倒産です。

向島電機の受注量が激減しみね子ちゃんたちの給料を減らされるというのは、とてもわかりやすいフラグなのでこれについては嫌な予感はしませんでした。

嫌な予感がしたのは、給料が減らされ始める直前の夏の場面。

みね子ちゃんの記憶に強く刻み込まれる思い出の夏!みたいな描写が、その後に生じる嵐の前の静けさ。悲劇の直前に描かれる幸福の絶頂期みたいで怖いなと思っていました。

しかし残念ながら嫌な予感は的中し、あの夏の場面は名実ともに「思い出の夏」になってしまいそうです。

願わくば後々になって、しばらくは切ない思い出になりそうな夏の思い出が、幸福な夏の思い出となって回収されますように。

そんな展開でなければ切なすぎて耐えられないレベルです。

余談ですが本作の主題歌を歌う桑田佳祐さんが1990年に監督をつとめた映画『稲村ジェーン』の時代背景は昭和40年(1965年)の夏の終わりです。

みね子ちゃんたちの「思い出の夏」とほぼ同時期です。

あの映画に出てきた海岸は鎌倉の稲村ヶ崎でしたが、みね子ちゃんたちが行った海岸はどこになるのでしょうか。

向島電機、倒産の背景

ドラマの中で向島電機が倒産したのは昭和40年(1965年)の年の瀬が押し詰まった頃。当時の日本はオリンピックの反動不況に陥っていました。

以下に記す東京オリンピックの開催年をはさんだ前後三年の企業の倒産件数が、オリンピックの反動不況の衝撃の大きさを物語っています。

昭和38年(1963年):1,738件
昭和39年(1964年):4,212件
昭和40年(1965年):6,141件

みね子ちゃんたちが勤めていた向島電機が倒産した昭和40年は、東京オリンピックの開催年の前年に当たる昭和38年の3倍強もの数の企業が倒産。

それまで財政法という法律で禁じられていた赤字国債発行が戦後になって初めて閣議決定されたのがこの年の秋。昭和40年11月19日のことでした。

『ひよっこ』第9週 一週間のエピソード観賞後の感想

今週はつらく切ない一週間になることを覚悟していたのですが、想像していた以上に悲しみに彩られた一週間でした。しかし、そんな中にも希望がありました。

優子ちゃんの希望

工場の最後の日まで残ることができなかった優子ちゃん。これまで苦楽を共にした乙女ちゃんたちに見送られながらお母ちゃんと一緒に去ってゆくその後ろ姿は悲しかった。

しかし、ドラマの中で初めて登場する優しそうなお母ちゃんを見て安心しました。

故郷の秋田に戻っても、あのお母ちゃんがいるならば優子ちゃんは家族にうとまれることなく幸せに暮らせるでしょう。

そして、仲間たちと別れる際の「また会おうね」という言葉がドラマの中で実現することを願ってやみません。

澄子ちゃんの希望

澄子ちゃんについてはこれまで二つの点で心配でした。

一つは生活態度。仕事ぶりもあやしいですが、それ以上に生活態度があやしそう。昔の大人(明治生まれの人)はそういった点を厳しくチェックしてましたからね。

でも、やれば出来るんですね、澄子ちゃんは。

もう一つは人間関係。澄子ちゃんは人懐っこいけれど、人をどこまで信頼しているのかちょっと見えないところがありました。

でも、工場内に立てこもった豊子ちゃんとの抱擁場面でその心配は消えてなくなりました。澄子ちゃんは人を心から愛せる人だと確信できました。

時子ちゃんの希望

テレビドラマのオーディションに失格した直後、時子ちゃんは深く落ち込んでいました。人を元気にするために女優を目指したのに、人から心配される立場になってしまったと。

でも、時子ちゃんの言葉が豊子ちゃんの人生に大きなインパクトを与えました。

もしかすると豊子ちゃんの一生を変えてしまうほどの影響力を行使したかもしれない時子ちゃん。人に元気を与える女優としてのポテンシャルをそこに見たような気がします。

豊子ちゃんの希望

優等生の豊子ちゃんは幼い頃から「良い子」であることを強く求められて育ったに違いありません。そして、その求めに応じて成長しました。

しかし、そのことが自分で自分を縛り付けることになりました。

いやなことをいやと言えない。理不尽さを耐えることしかできない。そのことが豊子ちゃんの性格をちょっとだけゆがめてしまったようです。

でも、最後に「いや」と言えたことで豊子ちゃんはこの先、もう自分を自分で縛ることはないでしょう。

みね子ちゃんの希望

豊子ちゃん騒動のことを、後になって大笑いしながら話せるようになりたい。この時のみね子ちゃんの言葉は希望に満ちていました。

せっかく心が通じ合ったにもかかわらず、離ればなれにならざるを得ない乙女ちゃんたち。お別れは悲しいけれど、その先でみんな幸福になった状態での嬉しい再会を暗示しているかのようなみね子ちゃんの言葉。

その日が来ることを信じて、あと一週間残されているはずの乙女寮のエピソードを楽しもうと思います。

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コメント

  1. ひるたま より:

    「閉鎖してもらって助かったよ…アッハッハ~!」
    一体誰のセリフなのか?…気になります。
    実はすでに登場済みの人物なのか?はてまた初登場の人物なのか…?

    「絶対やだ(嫌だ)~!」
    …豊子ちゃんの悲痛な叫び(&表情)が心から離れません。

    いよいよ、東京編第二部(?)に向けて物語が動きますね!
    せめて、乙女寮の仲間達同士の再会シーンが見られる事を期待したいものですが。

    豊子ちゃん(そして澄子ちゃんも?)、綿引くんに対して満更でもなさそう?と今日の放送分を見て感じたのですが…考え過ぎでしょうか?(*^m^*)

    一般論として、自分の父親と似たタイプの男性を何処かで求め、選ぶ女性は少なくないと聞きます。
    (裏を返せば…男性が相手となる女性に「母親」を求める心理と殆ど一緒ではないか?と個人的には考えているのですが)
    私見では、綿引くんと実さんは結構似ているタイプかな?と個人的には見做しています。みね子ちゃんが綿引くんに気持ちが傾いても不思議は無いかな?
    もっとも、これから本格的に登場して来る男性達(『すずふり亭』の見習いコックの前田くん、そして大学生の島谷くん)全員のキャラクターを見てみないと総合的に判断する事は難しいですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      実お父ちゃんと綿引くんの二人の男。僕もどこか似ているところがあるなと思って観てました。ドラマの中で茨城の男性は3つのタイプで描かれているような気がします。

      1、茂じいちゃんや太郎くんみたいな頑固&寡黙タイプ
      2、宗男おじさんや三男くんみたいな1とは反対に向かったタイプ
      3、そして朴訥で実直な実お父ちゃんと綿引くん

  2. 1013 より:

    >みね子ちゃんたちが行った海岸
    稲毛と思いますがどうでしょう。
    向島なら荒川駅(現:八広駅)から京成線で一本ですよね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      稲毛だと確かに行きやすいですね。桑田佳祐さんが頭にあったせいか湘南方面ばかり想像していました。

  3. ザリグ より:

    そういえばあの山一証券が一度倒産した年が1965年でしたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      1965年にも破綻してるんですか!?1997年の破綻はよく覚えてます。