すずふり亭の店主・鈴子 / ひよっこ 第4話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年4月6日(木)放送
第1週 第4話「お父ちゃんが帰ってくる!」

『ひよっこ』第1週 第4話 あらすじと見どころ解説

実が稲刈りのため奥茨城に帰省する日を迎えました。東京を発つ前に東京の街並みを見物しようと考えた実は、赤坂に足を運びました。赤坂の商店街で偶然見つけた洋食屋「すずふり亭」。店主の鈴子に誘われるまま、実はその店で昼食をとることにしました。

洋食を食べるのはこれがはじめてであること。自分は茨城から出稼ぎに来ていることを語る実に、鈴子は手土産を持たせてくれました。それは実はもちろん実の家族もそれまで見たこともないカツサンドでした。

一方、みね子、ちよ子、進の三人は実が帰ってくるのを今か今かと待ちわびていました。そしてついに実を乗せたバスが奥茨城のバス停に到着。実は三人の子供たちに迎えられながら懐かしい我が家に向かいます。

ようやく実が家に着いたとき、すでに日が暮れていたにもかかわらず実は畑の土いじりを始めました。茨城の土の匂いに喜ぶ実の姿を見てみね子は思いました。実がどれほど故郷を愛しているか。そして実が大好きな農業をできるようにしたいと。

<<前回3話 | 次回5話>>

midokoro
おそらくヒロインのみね子ちゃんが母親のように慕うであろう洋食屋「すずふり亭」のオーナー・鈴子さん。そしてその店で働く愉快な面々。

『ひよっこ』前半の主要登場人物と思われる人々が第1週にして早くも登場です。

鈴子さんを演じるのは宮本信子さん。みね子ちゃんもいつか鈴子さんと会う展開が準備されていますので、その時は『あまちゃん』の「天野母娘」の感動の再会です。

『ひよっこ』第1週 第4話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

茨城の家族へのお土産にと実お父ちゃんが鈴子さんから持たされたカツサンド。実お父ちゃんも、そして谷田部家の家族もカツサンドを食べるのはこれが初めての経験です。

では一体、カツサンドはいつ頃出来たものなのでしょうか。

調べてみるとその歴史は想像していたよりも古く、日本初のカツサンドが誕生したのは昭和10年(1935年)。発祥の地は東京の上野広小路で今も営業を続ける「井泉 本店」。

昭和5年(1930年)「お箸で切れるやわらかいトンカツ」で創業した「井泉(いせん)」の初代女将が芸者さんたちの口が汚れないようにと、トンカツをパンではさんだのがカツサンドの始まりだそうです。

話がそれますが『ごちそうさん』の中で竹元教授が牛カツサンドを地下鉄の工事現場に差し入れしたのが昭和7年(1932年)。カツサンド誕生の二年後のことです。

このことからも竹元教授が時代の先端を行く人物だったことがよくわかります。

追伸:トンカツ屋「井泉(いせん)」の物語は映画化され、今回のドラマの前年に当たる昭和38年(1963年)に東宝系で公開されています。タイトルは『喜劇 とんかつ一代』。

『ひよっこ』第1週 第4話 観賞後の感想

泣かせる場面ではないはずの何気ない描写がいちいち涙腺を攻撃してくる。『ひよっこ』は観ていて油断できません。

実お父ちゃんの純朴

実お父ちゃんの純朴っぷりに何故か泣けます。

「マカロ・ニグラタン?」と、どこで発音を区切ったら良いものなのかわからない得体の知れない食べ物をはじめて口にして「なんですかこれは?!うまいもんですね!」と子供みたいに素直に感激したり。

「国立競技場の現場にもいたことがある、自慢にもなんねえけど」と謙遜しながらも、そんな現場で働いていたことがちょっぴり自慢だったり。

マッチ箱みたいなささやかなモノをもらっただけでも頭を下げ、カツサンドをもらった日にはもう返す言葉も見当たらない。

僕がまだ子供だった頃。今回のドラマの中で描かれた時代よりはもうちょっとだけ後の時代にはなりますが、あの頃は子供はもちろん大人たちも喜びや感激を素直に表現していた記憶があります。

実際、当時の記録写真などを見ると大人たちがみんないい顔をしている。いい顔とはもちろん容姿のことでなく、喜びや感激を素直に表現している顔のことです。

実お父ちゃんの純朴っぷりに泣かされるのは、わずかに残る記憶の中の素直な時代へのノスタルジーなのか。自分も失っていたものを見つけた嬉しさなのか。

もっともっと純朴な実お父ちゃんを見ていたいけれど、間もなく実お父ちゃんはドラマの中から姿を消す見通しです。

その別れの予感が余計に涙を誘うのかな?

「東京、嫌いにならないでくださいね」

前回、朝ドラ定番の変なおじさんこと宗男叔父さんが東京のことを「行ったことなくても人が暮らしてるところは絶対いいところだよ」と言いましたが、宗男おじさんの言ったことは当たっていました。

鈴子さんみたいに優しくて粋な人が暮らしていて、しかもそんな鈴子さんがこよなく愛する東京はやっぱりいいところでした。

ドラマや映画の中で郷土愛を描く場合、一歩間違えると東京などの都会を冷たくて無味乾燥な街として描きがちです。

都会に悪印象を持たせたほうが故郷の良さが際立つからなのでしょうが、東京に長らく暮らす一人としてこの手の安直な印象操作がどうしても好きになれませんでした。

しかし『ひよっこ』は違いました。

みね子ちゃんと実お父ちゃんは茨城が好き。でも、それと同じように鈴子さんも自分が長年暮らしている東京が好き。

故郷の郷土愛。都会の地域愛。両方とも同じようにしっかりと描いてくれるのが嬉しい!

また、都会の地域愛が描かれていたとしても、ともすればただの都会自慢にしかなっていないケースも少なくありません。

都会はこんなにすごい!でも田舎は・・・みたいな。

その点でも鈴子さんの口にした言葉は心に沁みました。もし帰り際の実さんに対して鈴子さんがかけた言葉が「東京っていいところでしょ」だったら単なる田舎から来た人への東京自慢に過ぎなくなる。

でも鈴子さんは「東京、嫌いにならないでくださいね」と言いました。

鈴子さんは東京を自慢に思っているのでなく、東京を大事に思っている。その違いがこの鈴子さんの一言に込められていました。

故郷と都会が対立するものでなく仲良いものとして描かれるのを見るのは、僕はこれがはじめてのことかも知れません。

「自分が総理大臣になって・・・」

茨城県の農村で育った少女が、一念発起して総理大臣になるドラマ・・・という展開には間違いなくならないと思いますが、みね子ちゃんの将来を暗示するような言葉がひどく気になります。

「お父ちゃんに畑や田んぼをやらせてあげたい」

今回から土曜日の回あたりまで描かれる谷田部家が全員揃う場面が、最後の幸福の時間になってしまうような気がします。

そして、この幸福な時間を取り戻すことがみね子ちゃんのこれからのテーマとなるのでしょうか。

幸福なひと時のその向こう側に怒涛の展開が見え隠れしてきました。

<<前回3話 | 次回5話>>

Sponsored Link
Sponsored Link
いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。


14 Responses to “すずふり亭の店主・鈴子 / ひよっこ 第4話”

  1. ひるたま より:

    実は昨日午後~今日にかけて東京都内に行って来ました。
    ちょうど今日の午前にNHKスタジオパークに立ち寄り、朝ドラ関連の展示も見て来た所です。
    展示コーナーには『すずふり亭』のメニュー表やサンプル等も展示されていましたが、ちゃんとメニューやお値段もしっかりと記載されていたメニュー表でなかなか芸が細かいな~と感心しました。(^^)

    店主の鈴子さんお薦めの「ビーフシチュー」は500円。
    ビーフシチューのお値段に恐れをなして(?)実お父さんが頼んだメニュー「ハヤシライス」は220円でした。
    1円でも多く切り詰めて、家族への仕送り等に充てている事は想像に難くありません…家族思いのお父さんですね。
    この先で「音信不通=行方不明」になってしまう展開ですが…再登場があるとしたら(きっとあると個人的には確信しています)、一体どのような容姿&性格になるのでしょう?
    まさかの「ブラック実お父さん」??
    (先日聴いていた岡田さんのラジオ番組で、岡田さん御自身が「この先えぐい場面もある」という内容の事を仰っていたように記憶しています。今から引っ掛かりますね…)

    『あまちゃん』を未だ見ていない私にとって宮本信子さんは、個人的には『どんど晴れ』の女将=環さんのイメージが強いです。
    鈴子さんも環さん同様に「しっかり者の女性」なのでしょうね、きっと。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      スタジオパークで「ひよっこ」展なんてやってるんですね!はじめて知りました。ありがとうございます。渋谷にはよく行きますので必ず行ってみます。

      ところで「この先えぐい場面もある」・・・恐ろしい発言ですね。えぐさを乗り越えた頃、涙腺が干上がるかも知れません。

  2. 安ママ より:

    いやぁ、いいですねー。
    ホントいいですねー。

    第一回目から大好きな朝ドラだと確信しましたが、出てくる人、一人一人がとても魅力的で、大好き度がますますアップしています。

    これから先、幸せいっぱい仲良しこよしがずっと続く訳には行きませんが、着地点は
    今日のみんなの笑顔になって欲しいと願わずにはいられません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕もこのドラマ大好きです。まだ一週しか経っていませんが、半年と言わず一年間見続けたいほどです。

  3. まーちゃん より:

    実お父さんがいい人であればあるほど純真であればあるほど心がざわつきます(汗)こんなに茨城を田畑を土を家族を愛しているのに…恐ろしいほどのフラグの立てっぷりですね(泣)

    宮本信子さんの安定感は流石です。夏ばっばのイメージを払拭していますね。佐々木蔵之介さんといえば朝ドラでは「オードリー」を思い出します。故市川雷蔵さんを彷彿とさせる翳りのある時代劇役者を好演しておられました。「オードリー」は今をときめく堺雅人さんも出演しておられたのですがヒロインが誰ともくっつかないという新しさ故か^^お茶の間には受け入れられなかったようです。私は独特の暗さが結構好きでした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      実お父ちゃんがこの先で蒸発してしまうなんてことを微塵も感じさせないところが怖いほどですね。ここまでパーフェクトなお父ちゃんがいなくなった時の衝撃たるや・・・

      宮本信子さん、中盤以降から出番が増えるみたいですが、その頃には「夏ばっぱ」と呼ぶ人はいなくなるかも知れませんね。鈴子さんはそれほどの別人になりきってます。

  4. ゆうのしん より:

    おはようございます。  佐々木蔵之介さんと宮本信子さんの起用に 拍手をおくりたいです 絶妙ですよね 蔵之介さんは 好きな俳優さんの1人です 宮本さんも どんど晴れ あまちゃん と 朝ドラの常連 堅実な演技をされますよね 洋食屋をストーリーに絡めるのも 上手いと思います この洋食屋 先々に みね子と深く関係するんですよね? 今から楽しみです ではまた!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      おはようございます。
      いかにも洗練された都会的な空気感がありながら、それが鼻につくこなく東京人を演じきってしまう『ひよっこ』の中の宮本信子さん。素敵すぎますね。

      追伸:この洋食屋さんはみね子ちゃんにとってとても大事な場所になりそうですよ。

  5. SingSong より:

    恥ずかしい話ですが私はまだカツサンドを食べたことがないです。
    カロリーを気にして食わず嫌いです。でもこれを機に一回トライしてみたいと思います。

    以前マッサンを観て人生初のウイスキーに挑戦しました。

    宮本信子さんを見たら何だか心がホットする気持ちになります。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕も『ごちそうさん』の時にはじめて牛カツサンドというものの存在を知りました。そしてその二年後、牛カツサンドに初トライしました。

  6. さや より:

    宮本信子さんがお目見えしましたね♪ あまちゃんのように親子ではないけれど、絡みはあるんでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。東京のお母ちゃんとして擬似親子みたいになりそうですよ。

  7. よるは去った より:

    カツサンドというと「まい泉」が真っ先に頭に浮かんでしまうもんで朝蔵さんの間違いかなと勝手に思い込みネットで調べたら「井泉」の流れを汲んでいるのが「まい泉」なんですな。いやはやこんなことも知らなかったとは赤面の至りです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > まい泉

      僕もこの事実を知った時には驚きました。まい泉の方が知名度は圧倒的に高いですからね。

コメントを残す

サブコンテンツ

ページトップへ