奥茨城で聖火リレー提案 / ひよっこ 第7話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年4月10日(月)放送
第2週 第7話「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」

『ひよっこ』第2週 第7話 あらすじと見どころ解説

谷田部家の稲刈りは終わり、実が東京に戻る朝を迎えました。しずまり返る朝食の席を明るくしようとつとめるみね子でしたが、重苦しい空気を破ることは出来ませんでした。それでもみね子は明るく振る舞い登校しました。

一方、前の晩に泣くなと釘を刺されていたちよ子と進でしたが、笑顔をたもちきれずに泣く泣く実を送り出します。そして実は、奥茨城を出発しました。みね子たち谷田部家の家族が次に実に会えるのは正月です。

みね子は授業中も上の空でした。実は東京に戻ってしまい、時子と三男も来年には奥茨城を出て東京に行ってしまうことに寂しさを募らせていたのです。そんな中、三男は東京オリンピックの聖火リレーが茨城県を通過するニュースに夢中になっていました。

その日の午後、東京に到着した実が真っ先に足を運んだ先はカツサンドの手土産を持たせてくれた赤坂の洋食屋「すずふり亭」でした。実はカツサンドのお返しに重箱に詰めた美代子の手料理を鈴子に渡すと足早に去って行くのでした。

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midokoro

実が東京に戻ることになり、実との別れを惜しむ子供たちの姿が涙を誘うかもしれません。

しかし、別れとは言っても正月までの三、四ヶ月の間の別れ・・・のはずでした。

実と家族との「しばしの別れ」の場面、実に不審な点はないか。今後の展開を暗示するようなフラグが隠されていないか。目を皿のようにして観たいと思います。

『ひよっこ』第2週 第7話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

三男が提案した奥茨城村が独自に開催する聖火リレーは史実をモチーフにしているのだそうです。と言うかこの史実が発展して茨城が物語の舞台に選ばれたのだとか。

茨城県の北端に位置する旧里美村(さとみむら)。現在は他の市町村との合併によって常陸太田市里美地区になっています。

昭和39年(1964年)に開催された東京オリンピックの聖火リレーは茨城県を通過したものの旧里美村はそのルートから外れていました。

そこで住民たちが独自の聖火リレーを企画したそうで、それがヒントになったのが三男くんが提案する奥茨城村の聖火リレーです。

三男くんの提案は実現し、今週中には聖火リレーの場面がドラマの中に登場します。

ちなみにその奥茨城村の聖火リレー場面。ロケを行ったのは茨城県常陸太田市。市内にある小瀬高校の生徒たち約40名が、みね子ちゃんたちが通う高校の生徒役として出演しました。

撮影が行われたのは昨年の11月。

ただし地図で見る限り、小瀬高校は旧里美村のエリア外にあるので、ロケ地となった場所も旧里美村とは別の場所であると思われます。

『ひよっこ』第2週 第7話 観賞後の感想

わずか15分の間に笑いあり、涙あり、そしてちょっとだけ恐怖もあり。朝っぱらから濃すぎるひとときでした。

ちよ子ちゃんと進くんの名演

ちよ子ちゃんと進くんに泣かされました。二人はきっとお父ちゃんとの別れの場面で涙腺を狙ってくるに違いないと覚悟して観てはいたものの、予想を超える名演でした。

沈みがちな朝食の席を沈黙を破ろうとするみね子ちゃん。そんなお姉ちゃんの努力を察して無理やり浮かべるちよ子ちゃんと進くんの笑顔が笑えるけれど切ない。

二人に本当は笑顔をつくる心の余裕なんてまったくないはず。でも前の晩にお姉ちゃんと約束したから、その約束は守らなければいけない。

約束を律儀に守り抜こうとするちよ子ちゃんと進くん、幼いながらに立派です。

親たちがみんな忙しく働いているから、親には頼らず姉・妹・弟の三人の社会の中で育って来たらしいたくましさが心強い。

とは言っても、やっぱりあの年頃の子供たちには自分の感情を封印するのは無理があったかな。茂じいちゃんに泣くのか笑うのかどっちかにしろと言われ、感情のままに泣くことを許され安心して涙を流すちよ子ちゃんと進くん、本当に可愛い。

そして別れ際まで泣くのを我慢し続け、せきをきったように泣き出す姿が観る者の涙を誘います。二人がはじめから泣いていたら、ここまで涙腺は攻撃されなかったかと思います。

また、そんな涙の別れの場面ながらも、巧みに笑いをとって明るさをキープした演出もみごとでした。本当によく出来ています。

恋人のような初々しさ:実さんと美代子さん

子供たちが学校に行ったあと、茂じいちゃんのはからいでバス停まで実さんを見送る美代子さん。夫婦が手を繋いで里の道を歩く姿にも涙腺をやられました。

長女・みね子ちゃんの年齢からして、少なく見積もっても結婚して20年近く経っているはずなのにまるで恋人のような初々しさ。

でも、こんな至福のひとときは間もなく涙なしには思い出せない懐かしい思い出になってしまうとは。

この先からしばらくつらく悲しいことが起こりますが、願わくば今回描かれたような里の道の光景を再び観ることができますように。

田神先生がいい味わいを出している

茨城編の登場人物の中で、僕が最も気になっている脇キャラの一人がみね子ちゃんたちが通っている高校の学級担任・田神先生。

今回、教室の場面で笑わせてくれた先生です。

もう少し先の話ですが、この田神先生が自分の受け持った生徒の将来をどれだけ真剣に考えているかが泣けるほど伝わってくる場面が用意されているらしいのですが、今回の初登場場面でもなかなか小粋なところを見せてくれました。

お父ちゃんが東京に戻ってしまい、時子ちゃんと三男くんも来春には東京に行ってしまう。大事な人たちが奥茨城から去ってしまい、途方にくれるあまり授業に集中できないみね子ちゃんに放つ言葉が実にいい。

「俺はおめえのそばにずっといっからよ」

ユーモアでみね子ちゃんの気持ちをふんわりと受け止めつつも、授業しっかり聞け!と遠回しに釘をさす、円満な人間関係の構築術。

大阪局制作の朝ドラでは、言葉を巧みに選んで人間関係が損なわれぬよう気をつかう大阪人たちの円満な人間関係の構築術に繰り返し感心させられて来ましたが、大阪人にも勝るとも劣らない茨城人の気づかいが朝から心に沁みました。

追記:田神先生が授業中に生徒たちに聞かせていた言葉「『近松物語』の香川京子は美しかった!」。僕もこの映画が大好きです。田神先生と趣味が合うかも(笑)

本格的な悲劇のフラグ?

ついに本格的な悲劇のフラグが立ちました。

「あんたも給料もらって郵便局ゆくとき気をつけた方がいいぞ」

本日は、見るからに純朴で悪い奴らのカモになりそうな実さんへの警告。しかし、悪い奴ほど善人そうな仮面をかぶって近寄ってくるものです。

気をつけた方がいいぞなんて優しそうな口を聞きながら近寄ってくる人物が一番臭い。

以下、ちょっとネタバレ入ります。

これほど純朴で実直な実さんが何故この先で蒸発してしまうのか。ずっと理解に苦しんでいましたが、純朴で実直な性格だからこそ、カモにされてしまったのかも知れません。

実さん、宿舎で同室のうさんくさそうなおじさんにロックオンされてしまったんでしょうか。このおじさんが登場するまで、腹に一物をかかえてそうなキャラが一人も出てこなかったので、宿舎のおじさんの怖さが際立ちます。

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コメント

  1. ひるたま より:

    「東京には、私なんかよりとてもきれいな女の人沢山いんじゃねぇの」
    「…いねぇとは言わねんだね」
    個人的には先ず、美代子さんのセリフが引っ掛かりました。
    まさかWで(スリに加えて女性問題も絡む)…などという「まさかの展開」になっちゃうのかな?とも一瞬思いました。(;^_^A
    せめてどちらか片方であって欲しいですけれども。

    今日の田神先生のシーン(「俺はおめぇの傍にずっと…」)、私もTVの前で大笑いしてしまいました~!(^0^)

    • ひるたま より:

      続きです。
      行方市(香川京子さんがここの出身でいらっしゃる事は今朝初めて知りました…f^^;)繋がりで…女優の永作博美さんも同じ行方市(旧:行方郡麻生町)のご出身でいらっしゃいます。(^^)

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        香川京子さんの件、僕も初耳です。ちなみに田神先生が絶賛していた『近松物語』は僕の大好きな映画の一本です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      女性問題もからんでくるのか、または美代子さんが女性問題を疑い苦しむのか、おっしゃる通り「…いねぇとは言わねんだね」は不吉な言葉でした。

  2. まーちゃん より:

    実お父さんの行方不明(蒸発)の理由としては女か金かあるいは両方と予想していましたがわかりやすく「金」だったようですね。チンチロリンやりながらカモをねらっている悪そうなおじさんたちにロックオンされた無防備な実お父さんが不憫です。『ざわ…ざわ…』「カイジ」の効果音が聞こえそうな不穏なシーンで怖すぎました(泣)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      悪そうなおじさん、それまで描かれたキャラクターが明るくて裏表なさそうな人たちばかりだっただけにそのリアルな怖さが迫ってきましたね。良い人に囲まれていた実さんだからこそ、簡単に信じてだまされそうです。

  3. あみ より:

    悪い人にお金を盗られて失踪…という構図で決まりっぽいですね。
    鈴子さんが言った、東京嫌いにならないでくださいね、という言葉は、初対面の人に対して言うセリフとしては少し違和感があったのですが、このあと起きる事件への布石だったのでしょう。
    あのような純粋な人が騙されるのはとても胸が痛いですが、ハッピーエンドを願って見続けたいと思います。

    今日のエンディングの昭和の写真は、トラヒゲに乗った女の子の写真でした。ストーリーにひょうたん島が出てきたのでぴったりでしたね(*^^*)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      実さんみたいな人がまさかの失踪でなく、実さんみたいな人だからこそ失踪を余儀なくされる。一番つらい展開ですね。胸が痛みます。

  4. 長沢由美子 より:

    戦後10年以上は経っている「ひよっこ」のスタ-ト時の時代背景。田舎とは言え、破れた靴を繕って使うと言うような事があったのでしょうか。無理に貧乏を強調しているようで違和感でした。ちなみに私は東京オリンピック時14才。母は高萩市が実家だったので幼少時は良く訪れていました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      靴の修理は、谷田部家が貧乏だからではなく、靴が壊れたことを子供たちが親に隠すためにやったのだと思いますよ。

  5. えびすこ より:

    ところで増田さんがひよっこで演者の1人としても出るらしいですが、今週の聖火リレーの際の指導もしたのかも?

    来年春からの「半分、青い。」も撮影開始前、あるいは放送開始前に主人公の経歴設定などに若干の変更があるかもしれないですね。
    事前告知された初期概要の中で、「主人公が扇風機を開発」と聞いたんですが、どういったきっかけで?と思いました。
    もし工業高校出身ならば電機企業に入社して、扇風機を作ることは設定上オーソドックスな展開ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『半分、青い。』はヒロインの相手役が技術者という設定らしいので、彼の働きが扇風機に関わってくるかもしれませんね。

  6. ゆうのしん より:

    おはようございます。 今日のラストのスリの話 実さんの失踪に関係しているのでは? 洋食店に名前も伝えているので ああ谷田部さんの娘さんか!と 先行きみね子ちゃんがなりそうですね ではまた!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      スリに気をつけろという警告。この先の失踪と絡んで来そうですね。嫌な予感がします。

  7. よるは去った より:

    田神「安心しろ。俺はおめえのそばにずっといっからよ。」 先生以外と粋ですな。「ひょっこりひょうたん島」私は親がテレビを常にNHK に会わせていてその流れで視ている感じでしたので、ただどういう内容のドラマか正しく知らずにいましたね。だいぶ後になってネットでどんな内容だったかを読んで、そしてあれは実は現世の話ではなかったということも知りましたが。その当時の子供たちはそんな意識はゼロで視ていたでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      田神先生、本当に粋な方です。宗男おじさんが、茨城の男は無口でたまにしゃべると口が悪いと言ってましたが、それとは正反対ですね。