美代子がすずふり亭訪問 / ひよっこ 第12話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年4月15日(土)放送
第2週 第12話「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」

『ひよっこ』第2週 第12話 あらすじと見どころ解説

実の捜索願を涙ながらに懇願する美代子に救いの手を差し伸べる警察官が現れました。茨城出身の警察官・綿引は、非番の時に捜索を協力すると美代子に約束します。綿引は同じ茨城県人として美代子を放っておくことができなかったのです。

美代子は、実が持ち帰ったマッチ箱の住所をたよりに赤坂の洋食屋・すずふり亭にも足を運びました。すずふり亭の鈴子と省吾は、閉店後に突然訪ねて来た谷田部姓を名乗る美代子が実の妻であることにすぐに気がつきました。

美代子から事情を聞かされた鈴子と省吾は、実は失踪したわけではないと美代子を励ますものの、すずふり亭でも実の足取りをつかむことはできませんでした。失意の中、上野駅で始発列車を待つ美代子を、鈴子と省吾が寄り添い励まします。

その翌日の夕方。みね子が高校から帰宅するとすでに東京から奥茨城に戻った美代子は茂とともに畑で働いていました。母のもとに駆け寄るみね子に、美代子はついにすべてのことを打ち明けるのでした。

<<前回11話 | 次回13話>>

midokoro
今回の見どころ。それは、すずふり亭の店主・鈴子さんの優しさです。

茨城に帰る始発列車が出発を深夜の一人で待つ美代子さんに、寄り添いながら朝まで話の相手になる気遣いは言うに及ばず、すずふり亭を訪ねて来た美代子さんとのやりとりにも粋な優しさが満ち溢れているのです。

詳しくは見てのお楽しみとします。

『ひよっこ』第2週 第12話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

東京・赤坂にある洋食屋さん「すずふり亭」の登場人物については、当ブログでは店主の鈴子さんばかりをとりあげていますが、このお店にはまだ他にもスタッフがいます。

鈴子さんも含めて、すずふり亭での担当と名前、簡単なプロフィールを以下にまとめます。

【店主】牧野鈴子(まきの すずこ)
すずふり亭を開業したのは鈴子の父。戦前まで夫と息子、そして鈴子さんの三人ですずふり亭を切り盛りしていたものの空襲により店舗は消失。その際に夫も亡くす。

【料理長】牧野省吾(まきの しょうご)
鈴子の息子。妻に先立たれる。家出した一人娘がいるという設定なので、父と娘の和解のドラマがいつか描かれるかもしれません。また、鈴子さんが再婚を願っているということなので、母の願いが叶う展開もあるかも知れませんね。

【コック】井川元治(いがわ げんじ)
料理長の省吾に次ぐポジションに立つ料理人ながら仕事への意識はゆるい残念キャラ。

【コック見習い】前田秀俊(まえだ ひでとし)
元治とは真逆で向上心に富んだキャラ。独立して自分の店を持つことが夢。

【ホール担当】朝倉高子(あさくら たかこ)
接客係にして無愛想という性格。すずふり亭に入店したのには深い事情があるそうで、どこかのタイミングで彼女のドラマが繰り広げられるかも知れません。

『ひよっこ』第2週 第12話 観賞後の感想

「お重、まだお預かりしていてよろしいですか?」

実お父ちゃんが初めて赤坂の洋食屋・すずふり亭にやってきた時の、鈴子さんが実お父ちゃんにかけた一言がいまだに忘れられません。

「東京を嫌いにならないでくださいね」

鈴子さん、きっと東京生まれの東京育ちなのでしょう。だから当然生まれ故郷の東京が大好きに違いありません。

でも東京は昔も今も特別な場所です。だからよその土地から来た人に「お国自慢」を始めたらその人は萎縮してしまうことを鈴子さんはよくご存知のようです。

だから決して「東京はいいところでしょ?」とは言わない。「東京を嫌いにならないでくださいね」と一歩引いたポジションで、相手にストレスを与えないように気遣いながら故郷への愛情を表現する鈴子さん、素敵だなと思いました。

さて今回、そんな鈴子さんの素敵な心づかいを再び見ることが出来ました。

実お父ちゃんが「今はいそがしそうだから次の機会に取りに来る」と言って、すずふり亭に預けてあった谷田部家のお重。

そのお重を美代子さんに一度は返そうとしながらも、返すのを思いとどまった上で鈴子さんは美代子さんに言いました。

「お重、まだお預かりしていてよろしいですか?」

実お父ちゃんは「いつか取りに来る」と言った。だからその言葉を信じて「その時までお預かりしていてよろしいですか?」と美代子さんに尋ねる鈴子さん。

この鈴子さんの提案。これは言うまでもなく「実お父ちゃんは必ず帰って来る」という励ましですが、これ以上心強い励ましの言葉は考えられない。そんなレベルの励ましです。

そして鈴子さんの血を引いた省吾さんの心遣いがまた繊細で泣かせてくれます。

すずふり亭で食事するのは実お父ちゃんが戻って来て家族が揃った時にしたい。その気持ちを大事にする省吾さんが上野駅に持ってきた差し入れはすずふり亭のメニューにはないものでした。

「これ店のじゃないからいいでしょ」

美代子さんが上野駅で夜を明かすことを察し、差し入れまで持って話し相手になる。

その気づかいだけでも十分すぎるほどなのに、さらに美代子さんの気持ちを大事にするこの思いやり。朝からいいものを見せてもらいました。

実お父ちゃんが戻り、谷田部家が一家揃ってすずふり亭で食事をし、預けたお重を引き取るその場面。号泣回となること間違いなしですね。

『いばらぎじゃなくていばらき』

「同じいばらきじゃないですか、いばらぎでなくて」

おまわりさんの綿引くんが、前回に引き続いて念を押すかのように「いばらぎでなくいばらき」と正しい発音をドラマの中で披露。

前回、赤坂警察署で美代子さんが涙ながらに訴えた「いばらぎでなくいばらきです」がかなりの話題となったそうですね。

特に一週間の中で一番インパクトの強かった場面で、滂沱の涙を流しながらの茨城弁講座になってしまいその説得力も倍増。

実は僕も「いばらぎ」と思い込んでいた人ですが、そう思い込まれていた茨城県の方々がそれにどれほど悔しい思いを募らせていたのかまでには思いが至りませんでした。

朝ドラの視聴者の数から考えて数千万単位の人が真実を知ることになった『いばらぎじゃなくていばらき』問題ですが、『いばらぎじゃなくていばらき』がそのまんまタイトルになった本が出版されていると当ブログのコメントで教えていただきました。

また第1週でバスの車掌さんが口にした「ごじゃっぺ」もタイトルになった本が出版されています。その名は『ごじゃっペディア―楽しく学ぶ茨城弁』。

茨城県内の書店ではベストセラー入りしているそうですが、全国区のベストセラーも夢ではなくなりましたね。

いばらぎじゃなくていばらき

ごじゃっペディア―楽しく学ぶ茨城弁


追伸:「同じいばらきじゃないですか、いばらぎでなくて」と気の利いたフォローをしてくれるおまわりさんの綿引くん。なんていい青年!

言葉の一つひとつに真心がこもっていてその実直そうな人がらが胸に沁みてきます。単なるイケメンキャラではすまなさそうな存在ですね、綿引くん。

<<前回11話 | 次回13話>>

Sponsored Link
Sponsored Link
いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。


20 Responses to “美代子がすずふり亭訪問 / ひよっこ 第12話”

  1. えびすこ より:

    どうやら3週目時点でまだ東京五輪開幕直前であるようです。
    月日が気になっていたので12時台の第12話の再放送を見て確認したら、上野駅構内に「東海道新幹線10月1日開業予定」の看板があるのでまだ9月末ではないかと思います。
    すずふり亭は別の所に書いてある「鈴子の孫」が戻ってくると、店を手伝う見込みかな?配役が気になりますね。あまちゃんに出ていた足立さんや松岡さんあたりかな?
    奥茨城聖火リレーが行われることを受けて4年後には「奥茨城オリンピック」と言うイベントがあったりして。
    ひよっこは今の所1日2回見ております。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『ひよっこ』は時間が進むのは驚くほどに遅いですね。にもかかわらず毎回がいつも濃密。脚本家の力を実感する毎日です。

  2. mizutamari より:

    訛りそうです。
    あまりにも、役者さんの茨城弁が楽しくて真似をしてしまいます。
    もちろんネイティブなのですが(笑)
    時子ちゃんの、なまってしまったというのも可愛いですねぇ。

  3. tonko より:

    今週は、
    東京の“優しさ”と“冷たさ”が同居している週でした

    実お父さん失踪についての
    皆さんの推測が的を射ているようで…
    すごいと思いながらも
    その通りになったら辛いな~と思いました

    現在のように
    色々な事が便利になった時代でも
    失踪人が大勢いる事実を思うと
    この当時どれぐらいの人が失踪などで
    行方不明になっていたんだろうと
    想像するだけでも
    怖いし、哀しいです…

    なんか、とりとめ無くてすいません…

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      昭和40年代前半、当時はまだ子供ながらも「蒸発人間」という流行語を大人たちが口にしていたことを覚えています。それほど多かったということなんでしょうね。

  4. ひるたま より:

    「せっかくのご縁じゃないですか」
    元はといえば…偶々実お父さんが店の前を通りかかり、その時の思いつきでふらりと入ったに過ぎなかった訳ですが、正に「袖すり合うも何かの縁」ですね。
    通りかかってショーケースを見たものの立ち去っただけだったならば決して起こり得なかった「出会い」…正に人生とは何が起こるか全く以て分からないものです。

    不案内な東京で同郷出身の人(綿引巡査)と出会えた美代子さん…きっと内心では涙が出る程ホッとしたのではないでしょうか。しかも同じ方言を話す人ですし。(^^)
    なお余談ながら「綿引」さんも茨城県内では結構普通の苗字です。(どうやら、水戸市およびその周辺に多いようです)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      綿引という姓も茨城に多いんですか。しかも「結構普通」とは。谷田部は知り合いにいますが綿引は初めて聞きました。

  5. jan より:

    今まで見てきて、有村架純さんは演技がうまいなあ、
    と思いました。
    ドラマの中にスッと溶け込んでいるんですよね。
    テレビのauのCM、かぐや姫のイメージを持っていたので、

    「あまちゃん」は私は見ていないんです、
    朝ドラをよく見るようになったのは、
    「ごちそうさん」からです、

    どんなふうだろうと関心をもって見ました。
    うまいなあ、と思いました。
    すごく自然なんですね。

    それに、お母さん役の木村佳乃さんや
    すずふり亭の宮本信子さんが登場すると、
    なんかほっとするんです。
    ほわっとして温かい雰囲気になります。

    これから話がどのように展開していくのか、
    楽しみにして見ます。
    こちらもしっかり見させていただきます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      有村架純ちゃん、この子はなかなかすごいなと思ったのは映画『ビリギャル』でした。機会がありましたら是非とも観てくださいね。

  6. ゆうのしん より:

    おはようございます。 ひよっこ だんだん面白くなってきましたね 来週の予告で 綿引さんが留置場の様なところにいて 奥にいるのが実さんみたいに見えました 勘違いでしょうかね? 早く見つかってほしいですね まだまだ先かなあ・・・・・

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      実お父ちゃんが見つかるのはまだまだ先みたいですね。前半はないかもしれません。

  7. かふう より:

    あさが来た以来、久しぶりに朝ドラ見てます。ここに書き込むのも久しぶりです。

    この2週間を見て、確かに毎回笑いあり涙ありのいい本ですね。視聴率は伸び悩んでいるものの、傑作の予感がします。

    来週も楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      お久しぶりです!

      『あさが来た』の最初の2週もそれほど良い数字とは言えませんでした。『ひよっこ』はその時と同じパターンになるような気がします。

  8. よるは去った より:

    省吾「失踪じゃないですよ。」私も同調したいですね。朝蔵さんが記された推測が正しいかも。実父ちゃんの仕事仲間の「スリに注意」は気になりますね。以前のドラマの「まんてん」でもヒロイン(宮地真緒)の漁師の父親(赤井英和)がある晩、突然舟で沖に出たまま消息を断ち、死んだものと思いきや旅芝居の役者として生きていた。実は天文マニアだった父親がしし座流星群を海の沖で見ようと舟を出して遭難し意識不明で浜辺に打ち上げられてところを旅芝居一座の座長(由美かおる)に助けられてそのまま・・・・ていう意表をつく事実がドラマの後半で明確になりましたからね。実父ちゃんの失踪も朝蔵の推測以上の意外な事実があるかも知れませんね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      記憶喪失ネタは昭和時代によくあったと記憶していますが、物語の舞台も昭和なら物語のネタも昭和。昭和テイストづくめですね、本作は。

  9. えびすこ より:

    2週目12回を消化しました。いまのところ第1回(昭和39年9月)からだと数週間しか月日が経過していないようですね。
    これを考えると前作・べっぴんさんは最初の2週間で10何年も年月が流れたとあって異例の展開でしたね。
    みね子らの制服が夏服から冬服に衣替えしていますが10月に入っていますか?まだ「オリンピックが始まった」というセリフがないので開幕直前の頃かな?来週は村の聖火リレー。
    昭和39年は東海道新幹線開業が10月1日で東京五輪開幕が10月10日。

    「いばらぎ」ではなく「いばらき」。これは今でも地元の人がこだわっているみたいです。
    もしかするとNHKのニュースでも、「いばらき」とちゃんと言っていない人もいるのでは?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      「奥茨城」エリア出身の友人がいるのですが彼はいつも「いばらぎ」と発音してました。でも今回やっと理解しました。彼の「いばらぎ」は茨城弁だと。

  10. 安ママ より:

    まだ2週目なんですよね。
    でも、心に熱く深くしみこんでます。
    ここ数日木村さんの美代子さんにやられまくりです。
    ちょっと天然で、明るいだけの女性かと思っていたら、すごい深さも幅もある女性でしたね。
    美代子さんに同調して辛い思いをしていたら、鈴ふり亭親子の優しさにノックアウト。
    朝からウルウルです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      そうです。まだ2週目なんです。にもかかわらず僕もノックアウトされっぱなしです。早くも秋の「ひよロス」を心配してます。

コメントを残す

サブコンテンツ

ページトップへ