実の失踪をちよ子が知る / ひよっこ 第17話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年4月21日(金)放送
第3週 第17話「明日に向かって走れ!」

『ひよっこ』第3週 第17話 あらすじと見どころ解説

奥茨城の聖火リレー、東京オリンピック。すべてが終わり、時子と三男は燃え尽きてしまったかのような日々を送っていました。時子と三男は、それぞれの家族から日常生活に容赦なく連れ戻され気力を失っていたのです。

一方でみね子にも悩んでいることがありました。みね子はある決意を固めていたものの、その決意を美代子に言い出せずにいたのです。その決意を告げることで、実の帰りを信じて待つ美代子の気持ちを傷つけてしまうことをみね子は案じていました。

そんな中、東京の綿引から美代子に宛てた手紙が届きました。警察官の綿引はその後も非番を使って実の捜索を続けているものの手がかりすらつかむことが出来ず、そのことを美代子に詫びてきたのです。美代子は感謝しながらその手紙を仏壇に供えました。

美代子が不用意に仏壇に供えた綿引からの手紙を読んでしまった者がいました。ちよ子です。実がいなくなったことを手紙で初めて知ってしまったちよ子は、夕方になっても家に帰らず姿を消してしまうのでした。

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midokoro

三男くんの熱い想いがこもった聖火リレーのアンカー走者として奥茨城村を走り抜いたみね子ちゃんは何か思うことがあったのでしょうか。

東京で就職する決心を固めつつあるようです。

もともと東京になど行く気はさらさらなかったみね子ちゃんの心境の変化がどのような描写によって描かれるのか。注目ポイントですね。

『ひよっこ』第3週 第17話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

みね子ちゃんの心の中で生じはじめた心境の変化。

点じられた小さな炎をあおるかのように、二つの出来事が重なります。一つは、実お父ちゃんの手がかりがまったくつかめないという綿引くんからのお詫びの手紙。

もう一つは、うっかりその手紙を読んでしまったがために幼いながらにすべてを知ってしまったちよ子ちゃんの、お父ちゃんを探しに行こうとする涙ぐましい行動。

これらの出来事がみね子ちゃんにどんなインパクトを与え、どんな反応を示すのか。

みね子ちゃんが人生の舵を大きく切る今週。特に今週の後半に描かれる人生の路線変更を決意するまでの描写は一つ一つていねいに観てゆきたいところ。

ここをしっかりと観察することで、後々の感動も増幅されることと思います。

追記:東京オリンピックの閉会式

東京オリンピックの閉会式が行われたのは昭和39年(1964年)10月24日。祭典の最後を飾る閉会式の入場行進は、開会式で行われた入場行進と同様に各国選手団が公式ユニフォームに身を包み整然と会場に入場する・・・はずでした。

ところがいざ閉会式が始まると、各国の選手団は係員の指示を無視し、ある選手は肩を組みあい、ある選手は肩車され、またある選手は他国の選手とユニフォームの交換をしたり記念撮影をはじめたりする。

あっという間に無秩序状態に陥ったものの、この和気あいあいとした雰囲気が世界の人々の感動を呼び、その後のオリンピックの閉会式はこの時の「東京スタイル」による演出に切り替わったと言われています。

『ひよっこ』第3週 第17話 観賞後の感想

楽しかった祭りが終わり、三男くん、時子ちゃん、そしてみね子ちゃんが非日常から日常に連れ戻されてきました。

三男くんの日常

涙を流しながら大きな声で「孫の三男くんを応援するおばあちゃん」の非日常から日常へのみごとなまでのリセットの速さがすごい。

聖火リレーは「忘れた」と言い切るお父ちゃんのタヌキ親父ぶりもおみごと。

そして何より太郎あんちゃんはさすが現実を直視している青年団長です。祭りにも全力投球し、祭りが終わったらただちに気持ちを切り替えて目の前に山積みされている現実にも全力で取り掛かる。

三男くんの聖火リレーのプレゼンに対して、太郎あんちゃんは「甘い」とか「無責任」とか厳しい言葉を投げつけましたが、そんな手厳しい態度を取る資格が太郎あんちゃんには十分あるなと思いました。

そんな日常と非日常の切り替えの達人の家族に囲まれ、しかも高校卒業と上京の日を待つばかりの日々。奥茨城村で暮らす最後の日々が消化試合のようになってしまった三男くんの虚脱感、理解できないでもない。ちょっと気の毒です。

時子ちゃんの日常

前回のドラマの中で、奥茨城村の面々や「ばーちゃん」にまで「薄い!」と言われてしまった君子さんのご主人・正二さん。

たしかに見るかに存在感が薄くて気の毒になるほどですが、それでも僕は大した男だなと思っていた点が一つだけあります。

それは村一番の美人と言われていた(らしい)君子さんを嫁にもらったことです。

実さんと美代子さんの結婚は誰もが納得のゆくものです。爽やかな青年団長と村で一二をあらそう美人と評判の美代子さんの結婚はその馴れ初めまでもが容易に想像できるほど。

しかし、君子さんと正二さんの夫婦は結婚の理由がまったく見えませんでした。

助川家の庭先にはいつも「人里離れた小さな村」には似つかわしくない立派な黒塗りの車が置かれていたりして、さりげなく助川家が裕福な家庭であることが表現されています。

だから助川家の経済力という「大人の政治」が働いた中での君子さんと正二さんの結婚ではなかろうかと推測していたのですが、祭りが終わった今回、ようやく全てが明らかに。

君子さんと正二さんの結婚は祭りの熱狂の中での間違った選択だった!

さて、今回の場面は日常に連れ戻された時子ちゃんの描写のはずでしたが、君子さんと正二さんの間違いだらけの馴れ初めに激しく反応してしまいました。

そして正二さんがますます薄く見えてきてしまいました(笑)

みね子ちゃんの日常

三男くん、時子ちゃん、そしてみね子ちゃんの奥茨城村幼馴染み三人組の中で、祭りが終わって日常に連れ戻されたことを一番つらく感じているのはみね子ちゃんのはずです。

聖火リレーの日までは、自分の走る姿を実お父ちゃんに届けたい。見てほしいというはっきりとした目標と、その目標に向かってやるべきことがいっぱいありました。

でもその目標もなくなり、こちらからは連絡をとることも出来ない実お父ちゃんの帰りを、みね子ちゃんは待つことしか出来ません。

受け身で待つばかり。自分では何も出来ない。向かってゆくとこが何もない。この状況はかなりこたえるのではないかと思います。みね子ちゃんかわいそう(涙)

一方、美代子さんも心配です。特に今回の美代子さんの失意の表情が忘れられません。

農協に支払いの期日延長をお願いしに行った美代子さんが、家までの道のりを肩を落として力なく歩く姿が痛々しすぎて胸が締め付けられるようでした。

家に到着してみね子ちゃんと茂じいちゃんの顔を見るなり、美代子さんは明るく振る舞いはじめましたが、たった一人で歩いている時の失意に満ちた表情と家族の前での明るい表情の大きなギャップが美代子さんの気持ちを泣けてくるほどよく表していました。

美代子さん、家族の前ではやっぱり無理に無理を重ねていたんですね。

聖火リレーの祭りの熱狂の中、実さんが失踪したという現実はしばし忘れることが出来ていたかも知れません。でもその熱狂の日々も終わり、熱が一気に冷めたことで目の前の現実の厳しさが聖火リレー以前よりも際立って見えているような気がします。

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コメント

  1. ア※ラッキー より:

    横スレすみません。確か、郵便番号書いてなかったような・・・気がします。たぶん、架空の村だから当時の番号わからなかったのかもしれませんね(笑)
    それとは違うんですけど、ちよ子ちゃんのこと聞くとき、「ちよ子は・・・」とかみね子ちゃん進くんに言っていたけど、「ちよ子お姉ちゃんは・・・」って言ったほうが・・・。あっすみませんでした。だって、あのままだったら、進君そのまま「ちよ子」って言いそうに思えたんです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      郵便番号。ちょっと気になって調べたところが驚きの事実を発見。日本に郵便番号が導入されたのは昭和43年(1968年)。ドラマの中の時代の四年後です。意外に最近なんですね。明治の頃からあるものとばかり思ってました。

  2. よるは去った より:

    綿引「もしもし・・・・・・。」ここで希望を持った人っていますかね。直後に場面が変わってトボトボと家路を行く美代子母ちゃんの後ろ姿が妙に印象に残りましたけど。しかし、とうとうちよ子ちゃんにも・・・・・・。あんな場所に置いておいたらいつかは幼い子供たちにも読まれてしまうなんて、美代子母ちゃんには計算外だったのかな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      聖火リレーのチラシの色彩感覚からして美代子さんも君子さんと同じく天然キャラみたいなので、仏壇に置きっ放しみたいなうっかりミスをするのかもしれませんね。

  3. えびすこ より:

    三男と時子の家族にはレガシーが残らないイベントでしたね。
    時子は女優志望との設定ですが、時子役がもし橋本愛さんだったらまた違った印象かもしれないですね。
    ところで昨日の回で一瞬だけみね子らの祖母と思われる人の遺影が映る場面がありましたね。祖母に触れる場面が今後あるのでしょうか?

    次作のわろてんかの第1次主要キャストが昨日発表されました。
    高橋一生さんはいま出ているおんな城主直虎の小野政次とは正反対のスタンスの人物を演じますね。
    おんな城主直虎の場面の時期で見るともう出番を終えて現場から離れたか、もうじき自身の分の撮影が終わる見込みですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      祖母は気がつきませんでした。でも、実さんと美代子さんの若い頃やみね子ちゃんの幼少期などの回想場面がもしあったら「祖母」が出て来るかも知れませんね。

  4. 葡萄座のおやじ より:

    生まれが同世代のせいでしょうか、毎回楽しみに見ています。
    細かいところで申し訳ありませんが・・・どうしても気になってしまって。

    東京の綿引巡査からの手紙です。
    最初美代子が封を切った時は切手まで一緒にちぎれてしまっていたのに、仏壇に供える時には切手が半分残っていました。
    更にはちよ子が仏壇で手紙を見つけた時には何と、切手がほとんど残っていました。

    スタッフの小道具さんだと思いますが、それに誰も気づかないというのはどうなんでしょう、ガッカリしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      封筒の切手の位置。撮影の順番が脚本通りではないので混乱するんでしょうね。撮影した後に気づいたとしてスケジュールの予算の関係で致命的なミスでない限りは撮り直しは困難なのかも知れません。

      • しんと より:

        切手の件、全く気づきませんでした。
        録画を見ると確かにその通りですね。
        私はむしろ、ソメイヨシノの10円切手が懐かしかった。
        調べたら昭和26年から昭和41年(オリンピックの2年後)まで、20グラムまでの封書の郵便料金は10円だったのですね。