秘めた決意告げるみね子 / ひよっこ 第18話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年4月22日(土)放送
第3週 第18話「明日に向かって走れ!」

『ひよっこ』第3週 第18話 あらすじと見どころ解説

美代子が仏壇に供えた綿引からの手紙を読んだちよ子が、実が失踪したことを知ってしまいました。ショックを受けたちよ子は、姿をくらましてしまい夕方になっても家に帰ってきません。そのちよ子をバスの車掌・次郎が谷田部家に連れてきました。

ちよ子は美代子には無断でたった一人で東京に向かおうとしていたのです。次郎は機転を利かせてちよ子をバスに乗車させ、バスの車内で泣き疲れて居眠りをはじめたちよ子をおぶって連れて帰って来たのです。

実が行方不明になったことをちよ子に知られてしまい美代子は動揺しました。そんな美代子や寂しがるちよ子の姿を見て、みね子は胸に秘めたある決意をはじめて美代子と茂に告げることにしました。

実は正月に帰ってくると約束してくれた。しかし、もし実が正月に帰らなければ自分が東京で働いて実家に仕送りをしながら、いなくなった実を東京で探すつもりだと。月日は流れて季節は冬。みね子は年の瀬を迎えるのでした。

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midokoro
心に秘めていたある決意を、ついにみね子ちゃんが口に出します。

お父ちゃんが正月までに戻って来なければ自分が東京に行って就職する。東京でお金を稼いで実家に仕送りしつつ、東京のどこかにいるかも知れないお父ちゃんを探す。

季節は東京オリンピックが終わった直後なので10月下旬でしょうか。正月までのタイムリミットは二ヶ月あまりしかありません。

『ひよっこ』第3週 第18話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

今の谷田部家はかなりの窮地に立たされているはずです。実お父ちゃんの行方が分からない。この一事だけでも大変なことですが、ピンチの要素はそれだけではありません。

そもそも実お父ちゃんが東京に出稼ぎに行ったのは、家計が苦しいからです。不作の年に借金を抱えてしまい、普段の生活費や農業にかかる経費に加えて借金の返済まである。借金返済の分だけ出費が例年よりも多いはずです。

でも生活費や農業にかかる経費は切り詰めることは出来ても完全になくすことは出来ません。だからその分だけ借金の返済が滞り、利息によって借金が増えかねない。

そんな中で頼みの綱だった実お父ちゃんからの仕送りが途絶えてしまう。さらに谷田部家の本業である農業は、年老いた茂さんがたった一人でそのほとんどを背負いこむことになる。

ここまで追い詰められた状況下で、たった一つ残された道はみね子ちゃんに働いてもらうこと。それも東京に出て働いてもらうこと。

参考までに、この当時の仕事の日当は地方と東京とで3倍から5倍の開きがあったのだそうです。みね子ちゃんが茨城県内で就職するという選択肢はこの当時にはあり得なかったようです。

話を戻します。

窮地を脱するたった一つ残された道はみね子ちゃんの就職です。でも、それを美代子さんは母親として言うことは出来ない。茂さんも祖父として口が裂けても言えない。

それをみね子ちゃんが自ら言ってしまった。この時の美代子さんと茂さんの心の中、察するにあまりあります。

『ひよっこ』第3週 第18話 観賞後の感想

「次郎さん株急上昇だっぺ」

みね子ちゃんの中で次郎さん株が急上昇したかどうかは定かではありませんが、僕の中では確実に次郎さん株が急上昇しました。

自分の職業に誇りと愛情を持ちながら働く人はやっぱりかっこいい。

谷田部家で次郎さんが言った「車掌なんていなくてもな」という言葉は会話を円滑にするための方便で決して本心ではないでしょう。茂じいちゃん、うっかり「んだな」と同意してしまいましたが(笑)

「いろんな人を乗せたよ」と次郎さんは言いました。

悲しい気持ちを胸に抱えながら村を出るバスに乗った人の一人は美代子さんだったんでしょうか。一方で、嬉しそうに村に戻るバスに乗った人の一人は間違いなく実さん。

何かの資料で、この当時の地方のバスの車掌さんたちは、自分が勤務するバスに乗ってくる人たちの暮らしぶりからはじまり喜びごとや悩みなどもよ〜く理解していたと言います。

だからそんな車掌さんが添乗している地方のバスの車中はアットホームな穏やかな空気が流れていたとか。

次郎さんは続けて言いました。「どこにも行かないで村の人の出入りを見てきた」と。

次郎さんが見ていたのは村の人の出入りの姿だけでなく、出入りする村の人たちの喜怒哀楽までしっかりと見つめていたのかも知れません。

そんな経験が次郎さんの心の優しさに磨きをかけたような気がします。

また素敵だなと思うのは、村から出て行けない自分の立場を次郎さんは嘆いたり不満に思ったりせず、村から出て行かないことをむしろ誇りにすら感じているらしい職業愛。

使命感を持って働く次郎さん株が急上昇する回でした。

追伸:そんなカッコいい姿を披露した直後に「幸せならケツたたこう」って・・・

「決めたんだ、決めたんだ、決めたんだ、私」

みね子ちゃんがついに胸に秘めていた決意を家族に口にしました。

「もしお正月にお父ちゃん帰ってこなかったら、東京に働きに行こうと思う」

みね子ちゃんが時子ちゃんと三男くんに語っていた通り、この決意はお父ちゃんが帰ってこないことを前提にした決意です。お父ちゃんは帰ってくると信じて・・・信じようとつとめて待っているお母ちゃんの心を逆なでかねない決意です。

だからお母ちゃんへのフォローの言葉もみね子ちゃんは忘れませんでした。

「じいちゃん、母ちゃん。帰ってくるよお父ちゃん。次のお正月には帰ってくると約束してた。だから帰ってくるよ」

そんなお母ちゃんの気持ちも巧みにフォローしながら本題に入ってゆくみね子ちゃんのお母ちゃんへの心づかいが涙を誘います。

でも、そんな心づかいができるその一方で、まだまだ心は揺れに揺れているはず。

「決めたんだ、決めたんだ、決めたんだ、私」と「決めたんだ」を三度も繰り返したのはまだ心が揺れる自分自身に対して決意を言い聞かせていたのでしょう。

そして「決めたんだ」を三度も繰り返した後に続けてみね子ちゃんが言いました。

「でもさ、でもさ、お父ちゃん帰ってくるよね」

今度は「でもさ」が二回です。この時の「お父ちゃん帰ってくるよね」は、お母ちゃんへのフォローというよりも、むしろ自分へのフォローだったような気がします。

決意を口にしたみね子ちゃんは、決意を口に出したことで急に怖くなったのでしょう。そんな決意を口に出してしまった自分はお父ちゃんが帰ってくることをすでに諦めてるのではないかって。

そんな、諦めの気持ちを必死で打ち消そうと焦る気持ちが「でもさ、でもさ」という言葉になってあらわれたのかなと思います。

ようやく家族に自分の決意を打ち明けることができたものの、実はまだまだ決意が固まりきってはいなかった。そんなみね子ちゃんの気持ちの揺らぎが伝わってきて、あまりにも切なすぎる週の終わりとなりました。

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17 Responses to “秘めた決意告げるみね子 / ひよっこ 第18話”

  1. よるは去った より:

    今回のドラマの終盤近くで、数ヶ月前に刈り入れを終わり、冬を迎えようとしている田に張っている霜、それに穏やかに反射している晩秋の日射し、霜をザクザクと踏んだ感触を長靴で感じるのを楽しむように遊ぶ綿入れ姿の子供たち。私の育った所でも見かけた光景だなと不思議な郷愁感を覚えました。といっても私は農家の育ちではなく、田や沼地がどんどん埋め立てられて出来た住宅街で育ちましたが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      藁(?)から四方八方に霜柱が出ている映像には驚かされました。

  2. 1013 より:

    みね子ちゃんが巻いていた水色のマフラー、あれもしかして常子ちゃんのじゃ・・・?

    • 1013 より:

      画像検索してみたらデザインが微妙に違ってました(泣)

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        ちなみにオープニング映像の「コッペパンの新幹線」の背後にあるトースターは「あなたの暮し出版」が商品テストを行ったトースターなんだそうですよ。

  3. tonko より:

    今週は、三男くんに泣かされました((T_T))
    村を出たくて出るんじゃないのに
    東京に行くから浮かれてる、と言われる
    その切なさと、
    1回でいいから兄に認めて貰いたいという思い
    その2つが、私には見えました

    辛辣なテレビナレーション…
    よく懐メロ番組などで
    歌手のデビュー時代が紹介される時も
    同じように失礼な!?言葉が並んでいたように思います
    当時は電話も貴重な時代ですから
    苦情などは無かったのでしょうね
    今だったら、大変な事になりますね(゜_゜;)

    長くなりましたが、最後に…
    挿入曲の1曲が、ちりとてちんにソックリで
    多分、2小節位いっしょなんじゃないかと
    思う程です…気になって気になって仕方ないです…

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      三男くんの描写が本当に丁寧で泣かされましたね。一見、能天気そうですが実は様々な思いを胸に秘めながら口に出さずにいたことがよくわかりました。

  4. ア※ラッキー より:

    もう今日は主題歌のイントロが流れてきた時点で、泣き始めました。そして、みね子ちゃんのあの長いセリフ(まあ、橋田〇〇子先生の台本よりは短いけど)そしてセリフの行間と間の取り方もう涙が止まりませんでした。旦那さんが目の前にいなかったら号泣するところでした。今でも書いていても涙が止まりません。もしかすると、来週は大号泣する日があるんですね?朝蔵さん。まだ、あらすじは見てません(涙目)あとでゆっくり見ます。仕事できるだろうか・・・?あっすみませんでした。大丈夫です。だんだん落ち着いてきました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      みね子ちゃんが決意を家族に告げる場面は忘れられない名場面でしたね。次週はもっと胸にせまる場面が次々に登場すると思います。

  5. もんすけ より:

    「車掌なんていなくてもな」
    自虐的な言葉でありながら、いずれ本当にバスから車掌さんはいなくなり、ワンマンバスの時代になっていく。
    そのことが頭の隅によぎり、少しずつ日本の原風景がなくなっていくことにしんみり。また、「幸せならけつ叩こう」の歌とともに、次郎さんの姿が暗闇に吸い込まれていくシーンは笑いどころのはずなのに、村の関所が時代とともになくなっていくようで、しんみりとさせられました。
    「次郎」という、一村人の存在や心意気が丁寧に描かれることで、一層「奥茨城村」の存在が見ている側の心に息づいていくようで。次週の旅立ちでは、またまたティッシュ手放せなくなるかも…。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『ひよっこ』が結末を迎える頃の時代には間違いなくバスの車掌さんという職業は無くなってますね。次郎さんの優しさが活かされる職業がその時にあることを祈るばかりです。

  6. タンク より:

    次郎さんの帰りの交通手段は? 巡回バスを待ったのでしょうか? 

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      巡回バスがひとまわりして戻ってくるタイミングに谷田部家を出たのだと思いますよ。

  7. ひるたま より:

    美代子さんが次郎さんをさん付けでなく「次郎」と呼び捨てにしていた点が目(耳?)を引きました。
    この2人もおそらく、幼馴染の関係なのかな?
    部屋を移る時にも「自分で」湯呑みを持って移動していた位ですし。

    かつて、次郎さんは美代子さんに恋心を抱いた事もあったのかな?とふと感じたのですが…考え過ぎでしょうか。
    (美代子さんは青年団団長も務めていた実さんと結婚した訳ですが)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      次郎さんも美代子さんも、年齢がそれほど離れているわけではないので青年団つながりの友達みたいなものなんでしょうね。実さんが帰省する直前にも、次郎さんがみね子ちゃんに伝言を頼んでいたと記憶しています。一緒に飲みに行こうと伝えておいてくれって。小さな村なのでみんな友達なんでしょうね。

  8. えびすこ より:

    番組開始以来気になっていたんですが、車掌の次郎さんは美代子と古い知人と言う設定でしょうか?「谷田部さん」とは呼んでいませんね。
    谷田部家の場所は知っていますが、身内・親類ではないとは思います。

    気になる実の消息なんですが、まさか「工事中の事故で死んだ」という事にはなっていない事を願いたいです。会社側が何らかの理由で事故を公にできない(家族に告げられない)との展開にはならないと願いたいです。
    アパートの管理人もある日突然いなくなったと言っていたので無事を祈りたいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      小さな村なので同年代はみんな友達みたいなものなんでしょうね。しかも、お互いの家族構成や家庭内の事情まで知り尽くしていたらなかば身内みたいなものかと思います。確か次郎さんは実さんも呼び捨てで読んでたはずですよ。

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