奥茨城での最後の日の夜 / ひよっこ 第23話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年4月28日(金)放送
第4週 第23話「旅立ちのとき」

『ひよっこ』第4週 第23話 あらすじと見どころ解説

みね子が東京に旅立つ前の日の夜。みね子はちよ子と進に告げました。自分がこれから東京に行くこと。旅行に行くわけではないから簡単に奥茨城には帰って来れないこと。だから、なんでも自分でやらなければならないと。

一方、美代子は手作りの真っ赤なコートをみね子に贈りました。そしてお守りにと美代子がみね子に手渡したもの。それは実が帰省した時に持ち帰ったすずふり亭のマッチ箱でした。その夜、みね子は美代子の布団の中に入り、母に甘えらえれる最後の夜を過ごします。

そして、みね子が東京に旅立つ朝を迎えました。その頃、三男は実家での最後の朝食を何杯もおかわりしていました。一方、出発の直前まで時子の旅立ちを受け入れられなかった君子も、ようやく娘を応援しようと腹をくくります。

そして出発の時。奥茨城村のバス停にはみね子、時子、三男の親たち兄弟たちが見送りに集まりました。家族や故郷との別れを惜しみながらも東京に旅立つ三人を乗せたバスは、駅に向かって走り始めるのでした。

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midokoro

家族との別れの日がやって来ました。

別れとは言っても奥茨城と東京とでは二度と会えない距離ではありません。今ほど交通の便が良くなかったとは言っても同じ関東です。

でも家族と過ごした時間は今日でおしまいです。みね子ちゃんも、時子ちゃんも、三男くんも、もはや誰かの子ではなく一人の大人です。駅に向かうバスに乗ったその瞬間から。

『ひよっこ』第4週 第23話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

我が国の戦後史をテーマとして取り上げたテレビのドキュメンタリー番組などで、ブログ主はこれまで数多くの集団就職の記録映像を見て来ました。

その頃の記録映像はYoutubeにもたくさん投稿されています。ためしにYoutubeで「集団就職」と検索してみてください。今回のお話の中で描かれるような場面を記録した映像を数多く見ることができますよ。

でも、ドラマの中で描かれたみね子ちゃんたちの集団就職までの日々の喜怒哀楽を知ってから集団就職の記録映像の見え方が変わりました。

記録映像のほとんどは、集団就職列車に乗り込む当時の若者たちなどを集団でとらえているだけで、画面に映っている一人一人のそれまで歩んで来た短い人生。彼ら彼女らを可愛がって育ててきた親たちの気持ちにまではフォーカスしていません。

でも、間違いなく集団就職列車に乗っている男の子・女の子の心の中には、故郷で過ごした大事な日々の思い出。お父ちゃんお母ちゃんから時に優しく時に厳しく育てられた記憶の数々が詰まっているはずです。

繰り返しになりますが、ブログ主はこれまでテレビのドキュメンタリー番組などで数多くの集団就職の記録映像を見て来ました。でもそこに映っている一人一人の人生にまで想像力が及んでいませんでした。

今は違います。だからリアルの集団就職の映像が泣けること、泣けること。過去に見て来た記録映像と同じような内容にもかかわらず、見え方が全く変わりました。

『ひよっこ』第4週 第23話 観賞後の感想

親との別れ、子供との別れ、そして兄弟姉妹との別れを通してたくさんの名演がかがやく忘れられない回となりました。

みね子ちゃんの旅立ち

みね子ちゃんが奥茨城村の実家で過ごす最後の夜。お姉ちゃんと別れを告げる進くんの目に涙をいっぱいためた泣き顔。あれは演技だったんでしょうか。とても演技とは思えない。本当に泣いているとしか思えない。

のっけから進くんに一本取られました。

そしてお母ちゃんの布団の中に潜り込むみね子ちゃんが可愛くて。東京に働きにでると宣言したその瞬間、みね子ちゃんは大人になりました。でも半分はまだ子供。そして今回が最後の子供の姿でした。

そしてみね子ちゃんの最後の子供の時間を愛おしむかのように、お母ちゃんが娘を抱きしめる仕草に二本目を取られました。

そんなしっとりした場面から一転。またオネショをやらかす進くん。今日はまだお姉ちゃんがいるからオネショOKと開き直るその姿は将来大物になることの暗示でしょうか。

オネショの地図も茨城県から関東地方にスケールアップし、次は日本全土か世界地図か。お姉ちゃんから偉くなったと言われて「うんだっぺ?」進くん、いい味出してました。別れが残念です。

そしてさりげなくせん別を渡してくれる茂じいちゃんの優しさがたまりません。ちなみに当時の一万円はかなりの大金のはずです。

この先でみね子ちゃんが奥茨城村の実家に仕送りする金額が毎月5千円。一家の一ヶ月の家計を支えられる金額の二倍です。こんな時のためにコツコツと貯めていたのでしょうか。

そして、実家を発つみね子ちゃんに手を振る茂じいちゃんの姿が切ない。特にその手の振り方。『とと姉ちゃん』の花山伊佐次が常子ちゃんに永遠の別れを告げた時の手の振り方と似ているなと思ったのは僕だけでしょうか。それがちょっと怖い。

三男くんの旅立ち

三男くんのお母ちゃんが僕にとっては本日の助演女優賞です。

異常なペースでおかわりしまくる三男くん。お母ちゃんのご飯を食べらるのは今日が最後。だから食べられるだけ食べておこうというんでしょう。大好きなお母ちゃんのご飯の味を忘れられないように。

そんな息子の気持ちがきよさんはわかったのかな?口では「バカだね、バカだね」と繰り返しながらも、息子を見つめる瞳は別のことを物語っていました。

そして自分は三男くんに嫌われていると嘆いていたきよさん。実は三男くんがどれほどお母ちゃんが好きだったのかを理解できたかと思います。

息子との別れはつらいけれど、自分は嫌われてはいない。とても愛されていたのだと知って救われた思いかと。三男くんGJ!お母ちゃんに対するこれ以上望めないほどの心のこもった別れのメッセージでした。

時子ちゃんの旅立ち

『ひよっこ』の中での君子さんの役割は笑いをとること?別れの場面、他の二人のお母ちゃんよりも滂沱の涙を流して号泣しながらも、視聴者を泣かせるのではなく笑わせてくれる君子お母ちゃんは奥茨城村の最強キャラ確定です。

「あんたが出て行ったらうちにはつまんないのが二人にしかいない」って・・・

君子お母ちゃん、今後も明るい笑いを期待しています。

そういえば正二お父ちゃん、奥茨城村聖火リレー大会のときにつくった「時子ちゃんがんばれ!」の横断幕を今日も娘の見送りに来たバス停まで持ってきてましたね。薄いから見落としそうですが(笑)

バスの後を追うちよ子ちゃんと進くん

みね子ちゃんを乗せたバスの後を追って走る妹と弟の姿が切ない。

ところで、バスの車中から撮影した二人が走る姿。あの場面でちよ子ちゃんと進くんにマイクを付けていたのでしょうか。

「お姉ちゃん!」と叫ぶちよ子ちゃん。そして言葉が出てこないで嗚咽する進くん。この二人の悲しい声に号泣です(涙)

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コメント

  1. くまさん より:

    今から録画視聴します。視聴率うんぬんいろんなところで言われてますが、過去何回かの朝ドラでは、毎日見たいと思えたのははじめての気がします。今後の東京編にも大いに期待してます

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      朝ドラは『ごちそうさん』以来毎回観てますが、『ひよっこ』はそれに加えて朝晩観てます。何度観ても飽きることがありません。間違いなく傑作ですね。

  2. ひるたま より:

    「あんたが出でったら、うちにはこのつまんねぇの2人しかいねぇんだよ」
    君子さんらしいセリフでもあり、そして同時に笑いも取ってメインのエピソード(子供達の出発)が完全にしんみりとしないようにバランスを取ったのかな?と、見ながら感じました。
    私自身も大学進学を機に首都圏で一人暮らしを始めた経験を持ちますが、当日駅の改札口で母親がずっと動かずに私達が乗った列車を見ていた事を思い出しました。
    送り出す親の側の気持ち、当時は分かる由もありませんでしたが…。
    その一方で、明日以降のエピソードも早く見たいです。

    ここからは余談ですが。
    羽田美智子さんと和久井映見さんは、大昔の映画『就職戦線異状なし』(1991年公開)で共演されていましたね。
    (役的には、羽田さんよりも和久井さんの方が主演(織田裕二さん)との絡みも多かったように記憶しています)
    ちょうど就職が決まった(=就職活動が終わった)時期にのんびりとした気持ちで、劇場で見た事を覚えています。
    思えばあの頃は、まだバブルの余韻が残っていた事もあって今とは比べ物にならない位「お気楽な」就職活動だったな~と、今つくづく感じています。(^^;)

    羽田さんと和久井さん、おそらく今作では同一場面での共演が無さそうですが…。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『就職戦線異状なし』懐かしいですね。和久井映見さんがこの映画に次いで出演した『息子』ですっかり僕はすっかり彼女のファンになりました。その時の薄幸の少女のイメージが強かったので『ちりとてちん』では卒倒しそうになりました(笑)

  3. ア※ラッキー より:

    朝ドラ史上こんなにも感動できる場面があっただろうかと思えるバス停でのお別れシーンでしたね(泣)普通だったら、主人公と家族のみなのにあと二組も・・・。まして、きよさんこと柴田理恵さんがいたから、もう涙腺崩壊。

    そういえば、あさイチに美代子母ちゃんこと木村佳乃さんが出ていましたが、前の晩のあのみね子ちゃんのおでこにキス・・・というシーンは、木村さんのアドリブだそうですね。なんとなくわかるような気がします。たぶん母性本能かなぁって。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ヒロインだけでなく、時子ちゃんと三男くんの家族との別れも丁寧に描いたことで、バス停の別れの切なさが増幅しましたね。本当にいい場面でした。

  4. 安ママ より:

    今日は号泣必至だと思ってティッシュ用意して見ましたよ。
    あちこちの場面で泣かされましたが、私の1番は、じいちゃんとの別れでした。
    みね子の生まれ育った家や畑や田んぼ、そしてじいちゃん。手を振り別れを告げるみね子。これから東京編。時間の流れが早くなる都会のお話になりますね。
    私自身、このドラマで懐かしく思い出した昭和の風景。今は時が経ち昔の面影もなくなった故郷ですが、そんな古き良き昭和の時代への別れを告げる自分と重なって胸が痛くなるようでした。
    でも、そんな昭和な時代に生きられて、心にしっかり思い出を刻めたこと、喜ばなくちゃですね(歳がバレますねw)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      別れを告げる登場人物たちの中でじいちゃんだけが涙を見せずいつも通りの穏やかな表情。それがかえって心に沁みましたね。

  5. キヨコ より:

    朝蔵さん、お久しぶりです。
    ひよっこでもお世話になります。

    三男くん、ごはんを無言でモリモリ頰張って
    お母ちゃんの味を胸いっぱい詰め込んで
    もうこれだけで私は「柴田理恵さん」になってしまいました(涙腺大決壊)

    その三男くんの背景に
    「9月30日 プロレス大会」のポスターが

    最初は何気なく目に止まっただけでしたが
    向島電機の愛子さんがプロレスファンとの情報、
    何か意図があるのでは? と気になりました。

    もうひとつ気になっているのが、
    谷田部家にある背負子、
    どこかで見かけた気がするんです。

    すみません、つまんない事つぶやきました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      キヨコさん、お久しぶりです!

      おかわりの場面、セリフに頼らずあれだけ豊かな親子の情愛を表現するなんて本当にすごい場面でしたね。プロレス、僕も気がつきました。何かのフラグかもです。

  6. よるは去った より:

    今日はやむ無く休暇をとったこともありドラマの後の「あさいち」も視ました。木村佳乃ちゃんは中々の良妻賢母ですね。美代子母ちゃんはそういう意味で地じゃないかなとすら思いました。9歳上の御主人とは良き夫婦というより、仕事上の良きライバルでもあるのかな。ご主人も貴公子のようなフェイスに似合わず、かなり体当たりの演技をドラマなどで見せてくれますからね。ご主人が有村架純ちゃんと舞台「ジャンヌ・ダルク」で共演していることも初めて知りました。(「ジャンヌ・ダルク」は外国映画で観たけど東山紀之君はどんな役だったのかな?) 木村佳乃ちゃんも私が民放ドラマで観た限りでは「相棒」「名前をなくした女神」等、「嫌な女」の役のイメージが強かったですけど今回は「癒し系」の中の「癒し系」といっても過言ではありませんな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      木村佳乃さんのご主人といえば随分前の映画ですが藤沢周平原作の『山桜』での凛々しい武士の姿が強く印象に残っています。木村佳乃さんご本人は最近では『あさが来た』の元炭鉱オーナーが妙に好きでした。

  7. まいまい より:

    今朝も泣かされました(ToT)

    特に、三男くんの朝食シーンは、号泣・・・

    どうしても母親目線で見てしまうため
    おかわりをよそうお母ちゃんの演技が・・・
    思い出しただけで泣けてきます。

    最初はガツガツ食べていた三男くんですが
    最後の一膳になったとき、少しだけ口に含み
    納得しながら食べていたしぐさが、ほほえましかったです。

    大好きなお母ちゃんのご飯の味を忘れないように。
    噛み締めていたように見えました。

    自分の息子が遠方に旅立つ日の朝食を
    想像したら・・・やっぱり号泣するんだと思います。
    泣き笑いかな???

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      おかわりの場面。最後の一杯になった時のきよさんの悲しそうな表情が忘れられません。