故郷の祖母が恋しい澄子 / ひよっこ 第37話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月15日(月)放送
第7週 第37話「椰子の実たちの夢」

『ひよっこ』第7週 第37話 あらすじと見どころ解説

昭和40年(1965年)5月。綿引はみね子を連れて実の目撃情報があった場所に足を運び、道ゆく人々に実のことを尋ねるものの手がかりは何もつかめませんでした。その日、たくさんの人を見て疲れきったみね子に、綿引は自分が東京に慣れた秘訣を語って聞かせます。

一方、向島電機の新人たちが仕事や寮生活に慣れてきた頃、愛子には気がかりなことがひとつありました。それは新人たちのホームシックです。新しい生活に慣れ緊張感がなくなってくる時期になると必ずと言っていいほどホームシックに悩む新人が出てくるのです。

そんな中、コーラス部の指導に当たる雄大が新たに選んだ歌は、望郷の念を歌い上げる『椰子の実』でした。コーラスのレッスンの後は、いつもは元気な寮生たちが『椰子の実』を歌ったことでしんみりとしてしまいます。

その日の夜。澄子は大好きだった故郷の祖母の話を同室の仲間たちに披露しました。乙女寮が大好きだから寂しくはないと皆の前では明るく振る舞う澄子でしたが、皆が寝静まっったころ、祖母を思い出した澄子は布団の中で涙を流すのでした。

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midokoro

今週のサブタイトルの「椰子の実」とは、乙女寮の合唱隊が今週のドラマの中で歌う歌のタイトル。島崎藤村の詩に曲をつけてリリースされた戦前のヒット曲です。

遠く離れた故郷の岸から、見知らぬ国の岸辺に流れ着いた孤独な椰子の実に見立てられた乙女寮の新人たちのホームシック。見知らぬ国の岸辺で見る夢。

ちょっと切なくて、でも笑いもいっぱいある。今週はそんな一週になりそうです。

『ひよっこ』第7週 第37話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

仕事にもやっと慣れ、新しい生活環境にも馴染んで緊張感が少しだけゆるむ時期。そんな時期には決まってホームシックにかかる子が出ると愛子さんは案じていました。

その愛子さんの不安はみごとに的中しました。新人の一人、澄子ちゃんがホームシックにかかったのです。

彼女のプロフィールは第4週のドラマの中で説明されるとは思いますが、念のために本欄にもまとめておきます。

澄子ちゃんは福島県の中学校を卒業と同時に向島電機に集団就職。苦しい家計を助けるための就職でしたが、故郷の実家への思いは複雑でした。

澄子ちゃんは実母を亡くし、父親は再婚。そのため実家では半ば邪魔者扱いにされ肩身の狭い思いをしていたものの、自分を可愛がってくれたばあちゃんにだけは会いたい。

実家の中での切ないポジションが涙を誘います。

そして今回、澄子ちゃんがかかるホームシックは、故郷のばあちゃんのことを思い出したことがきっかけです。

この澄子ちゃんのばあちゃんの思い出話は、今回の笑いをとるネタとしてドラマの中で使われる見通しですが、どんなネタなのかは見てのお楽しみとします。

今週も、泣いたり笑ったり大忙しの毎日のはじまりです。

『ひよっこ』第7週 第37話 観賞後の感想

愛子さんの優しさが今日も心に沁みる

乙女たちのホームシックを案じる愛子さんが言いました。故郷の実家から何か送られてくる子もいればそうでない子もいる。良かれと思って送られてきた故郷の品々が、何も送られて来ない子にとっては残酷になることもあると。

ドラマを観ながら「残酷」という言葉に思わず反応してしまいました。その言葉、ちょっとばかり強すぎるのではないかと。

でも本当に残酷でした。澄子ちゃんの立場を想像すると。

澄子ちゃんにとっては大金を実家に仕送りしているにもかかわらず、故郷の家族はハガキ一枚よこして来ない。

澄子ちゃんはそれが想定内のことだと考えている様子ですが、想定内のこととは言えそのことが悲しくないはずがありません。

でも、ハガキが来ない寂しさは自分の胸の中にそっとしまっておけることでもあります。寮の仲間たちも、他の子に家族からの手紙が来てるかどうかなどということは、さほどは気にしないだろうから。

でも故郷から食べ物などが送られてくるのは事情が違います。

実家から何も送られて来ないことが仲間たちの前でさらけ出されてしまう。おまけに心の秘めていたハガキ一枚来ない胸の痛みまで思い出さずにはいられない。

ハガキが来ないという心の傷に塩を塗り込まれるようなもの。愛子さんの言うとおり、確かにこれはあまりにも残酷です。残酷すぎます。

でも、心の傷の痛みに落ち込む澄子ちゃんをフォローするのが、豊子ちゃんだったのが無性に嬉しい!

プライドがとても高くて、故郷では「孤高の存在」だったはずの豊子ちゃんを、これまで澄子ちゃんは何食わぬ顔で残念な自分のポジションまで引きずり下ろした上にいじりまくっていました。

その度に豊子ちゃんは澄子ちゃんに対して一言二言言い返してはいましたが、「孤高の存在」だったがゆえに誰からも関心を示してもらえず孤独だったはずの豊子ちゃんは、澄子ちゃんの「いじくり」が案外嬉しいに違いない。そう読んでました。

豊子ちゃんが真っ先に澄子ちゃんをフォローしたのは、その嬉しさのあらわれかなと思いました。(いつも通り、ただ単に正論を言ったに過ぎないと受け取ることも出来ますが・・)

さて、そんな乙女たちの心の中を敏感に察することができる愛子さんが、ますます好きになりました。

今、『ひよっこ』を観ていて一番の心配事は愛子さんは一体いつまで出番があるだろうかと言うことです。

願わくば最後まで出番があってほしい。本当に素敵なキャラです。そして『ちりとてちん』に次ぐ和久井映見さんの名演だと思います。

再び奥茨城編?

東京に住む人の多くは東京の外から来た人。

綿引くんの先輩が言ったらしいこの言葉、視点が新鮮でなかなか説得力がありますね。不慣れな土地で緊張が解けないみね子ちゃんに安心感を与えたのではないでしょうか。

僕自身は東京で「不慣れ」を感じたことがありません。もともとがこのあたりで、親戚縁者も大勢住んでいますのです。

でも学生時代に「不慣れ」を感じたことが一度だけあります。

様々な県から集まって来た子たちを見て、それまで東京人しか知らなかった僕にとってそれは衝撃的な出来事でした。東京ってこんなにマイナーな存在だったのかって。

綿引くんの先輩の言葉の裏返しということです。

それはさておき、みね子ちゃんはすっかり東京人になってしまうのか。それともドラマの中盤で茨城に戻り、再び奥茨城編がはじまるのか。

東京でどこか根無し草に見えないこともないみね子ちゃんの姿を見ていて、そんなことが気になり始めて来ました。

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コメント

  1. えびすこ より:

    15日での綿引巡査の発言で思い出した「格言」があります。
    「大阪は住み始めた本人、東京は3代目、京都は10代目で土地の人になる」です。
    土地に染まるのにどれだけ歳月を要するかを意味する格言ですが、現実社会が3年後に東京五輪を控えているというのもありますが、「東京らしさ」とは何かを最近考えます。

    都民1300万人のうち明治以前から東京、かつての江戸に居住している世帯は今どれだけあるか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      日本全国どこに行っても標準語がよく耳に入るようになりました。そんな中で東京人を際立たせる特徴といえば歩く速さでしょうか。

  2. 京子 より:

    「椰子の実」はいい歌ですね。
    向島電機のコーラス、とてもお上手です。聞きほれます。

  3. まーちゃん より:

    まだ実お父ちゃんのことで頭を悩ませている私はお父ちゃんが目撃されたという場所を見て心配が増えました。てっきりどこかの工事現場での目撃情報だと思っていたのに何と飲み屋さんとかスナックとかが並んでいるような通りではありませんか!うーん、記憶喪失だったとしても今現在のお父ちゃんがどのような状況にあるのか心配です;;

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      お父ちゃんが目撃されたという商店街。健全そうなお店もあったので、ダークサイドに転落していないことを祈るばかりです。

  4. まっくす より:

    あのー ちょっと気になることがあるのですが、
    澄子ちゃんが送金するときおそらくお札全部現金書留にいれて
    それを注意されてお札を一枚抜き取る場面がありました。
    その抜き取ったお札は100円札でしたか?
    それとも1000円札でしたでしょうか?
    録画してて何度でも見れる方教えてください。
    ちなみに当時のお札ここでわかります。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E5%86%86%E7%B4%99%E5%B9%A3
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E5%86%86%E7%B4%99%E5%B9%A3

  5. もんすけ より:

    澄子ちゃんのおばあちゃん、『あまちゃん』で「鈴木のばっぱ」をされていた方でしょうかねぃ。
    見た目を書くのは大変失礼なのですが、澄子ちゃんとあばあちゃん、お鼻立ちなどもよく似ていて「本当の祖母ちゃんと孫みたい!」とは我が家の評。一本橋でのシーンでは、本当にじんわりと心温かく。

    もしかしたら、おばあちゃんは澄子ちゃんに手紙を書きたくても、目が悪かったりであまりよく字を書くことができなかったり、切手代にも難儀していたのかなぁ。また、歩くのが難儀で郵便を出しに行くことができず、さりとて、新しいお母さんに遠慮して家族にも頼むこともできず…などと想像してしまいました。
    また、そんな姿のおばあちゃんを、澄子ちゃんも布団の中で想像していたのではと思うと、しんみりしてしまいます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      橋の上のばあちゃんとの抱擁シーン、あれは良かったですね。このばあちゃんに可愛がられてきたのかと思うとそれに続く澄子ちゃんの涙が胸に迫ります。

      このばあちゃん「鈴木のばっぱ」でしたか!ずっとわからずにいました。

  6. えびすこ より:

    「椰子の実」は戦争前の歌でしたか。あの当時でも懐メロですね。
    どうりで聞き覚えのない歌だと思いました。
    そうなると前作・べっぴんさんの主人公らの青春の歌ですね。

    ところで実が失踪した理由ですが何らかの詐欺に騙されたという可能性もあるのでは?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      詐欺師の儲け話に乗って大損して家族に顔向けできない。そんな展開はあるかも知れませんね。

  7. ひるたま より:

    『椰子の実』が流れ始めた瞬間…
    「雄大‘先生’、よりによってこのタイミングでこの曲を選ぶとは…何故に!?」
    と感じながら見ていました。練習終了後の愛子さんのセリフが私の気持ちをちゃんと代弁してくれていました。(^^;)
    物語(ドラマ)の進行の都合上で選曲されたのでしょうね。
    ドラマ等でなく実際の出来事だったならば…選曲のセンスを疑うかも??(タイミング悪過ぎ、という意味で(;^_^A)

    確か、皆さん初見で歌っている筈(設定)かと思われるのですが…乙女寮のコーラス隊侮るなかれ!ですね。(^^)

    『あさイチ』で井ノ原さんも仰っていましたが…先週流れた予告編に登場したお婆ちゃん一体誰なのかな~?と、私も疑問に思っていました。澄子ちゃんの婆ちゃんだったのですね!
    とにかく、澄子ちゃんの事を思うと切ない…。

    • ひるたま より:

      続きです。
      「澄子のおばあちゃん」を演じた大方斐紗子さん…福島県出身のベテラン女優さんなのですね!(恥ずかしながら…初めて知りました。調べたら『あまちゃん』にも出演されていたとか)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      どこか憎めない無神経さがある雄大くんらしい選曲なのかも知れません(笑)

  8. よるは去った より:

    澄子「いい歌っこでしたね・・・・。」「椰子の実」は「にほんごであそぼ」で流れていたのを何気に聞き流していたけど(←ええ年齢こえて何でそんな番組見てるか聞かないで・・・・汗)、故郷を想う歌だったとはねえ。作詞は島崎藤村先生ですか。今度聴くときはじっくり詞を堪能してみましょう。