病院に担ぎ込まれる澄子 / ひよっこ 第38話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月16日(火)放送
第7週 第38話「椰子の実たちの夢」

『ひよっこ』第7週 第38話 あらすじと見どころ解説

故郷の祖母のことを思い出して以来、心ここにあらずの澄子は仕事中にミスを連発しました。その日の夕方、工場の仕事が終わってから澄子が姿を消してしまいました。その日は澄子が大好きなカレーライスの日にもかかわらず澄子がどこにも見当たりません。

祖母に会いたがっていた澄子は故郷に帰ろうとしているに違いない。そう考えたみね子たちは上野駅まで澄子を探しに行くことにしました。しかし澄子の姿は見つからず、その上、見ず知らずの男に声をかけられ怖い思いをしたみね子たちは乙女寮に戻ります。

寮に戻ったみね子たちは我が耳を疑いました。澄子が病院に担ぎ込まれたというのです。みね子たちが血相を変えて向島中央病院に駆けつけると澄子はバナナを食べているところでした。澄子は銭湯でのぼせただけだったのです。

乙女寮の仲間たちが自分を心配して方々を探しまわってくれていたことを知り、澄子は面々に礼を述べました。まだふらつくという澄子は時子に背負われ、仲間たちに囲まれながら乙女寮に帰るのでした。

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midokoro
なつかしい故郷のばあちゃんのことを思い出して涙を流していた澄子ちゃんが、仕事が終わった後に姿を消してしまいました。

その直前には元気がなく、仕事でミスを連発していた澄子ちゃんのことが心配です。

『ひよっこ』第7週 第38話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

澄子ちゃんのことが心配ではありますが、『ひよっこ』のお約束通り、澄子ちゃん行方不明騒動は行方をくらました理由ともども笑いとともに回収されます。ご安心ください。

澄子ちゃん行方不明騒動の最大の見どころは、澄子ちゃんがどこに消えてしまったのかと言う謎解きの楽しさもありますが、それよりも澄子ちゃんが姿を消した理由。澄子ちゃんが発見された状況。そしてその後の仲間たちとのやりとり。このあたりにあるかと思います。

乙女寮の仲間たちの間で勃発する小さなトラブルの数々。それが笑いと涙とともに実に手際よく回収され、その騒動を通して仲間たちの絆は日に日に確かなものとなってゆく。

みね子ちゃんはじめ乙女寮の女の子たちが、小さなトラブルと楽しい女子トークを積み重ねる中で、素敵な仲間たちに恵まれて良かった、この仲間たちといつまでも働いていたいと心から思う。

しかし・・・以下はネタバレが含まれます。

時子ちゃんは幼馴染みなので別格ですが、その他の女の子たちは近いうちにみね子ちゃんと別れを告げる日がやってきます。

この仲間たちといつまでも働いていたい。乙女寮の女の子たちが心からそう願った仲間たちは間も無くバラバラになってしまいます。

会者定離という言葉がありますが、出会いに別れはつきものです。出会いが素敵であるほど別れが悲しくなりますが、別れが悲しいからこそ出会いの価値もまた大きくなる。

そんな人生の真理を学べそうな『ひよっこ』第38回です。

『ひよっこ』第7週 第38話 観賞後の感想

澄子ちゃんの孤独

前回と今回は澄子ちゃん回。

のんびりしている性格や食い意地が張っているところばかりがこれまでクローズアップされて描かれてきましたが、実は本人も気がつかないくらいの孤独を抱えていました。

実の母親を早くに亡くして父親が再婚。自分は継母と(実の父親からも?)邪魔者扱いにされたものの、そんな孫娘を気の毒に思ったばあちゃんはそれまで以上に可愛がってくれたんでしょう、澄子ちゃんのことを。

前回描かれた橋の上の場面。ばあちゃんが澄子ちゃんをぎゅっと抱擁する姿がそれを物語っていました。曲がった腰がその時だけとはいえ伸びてしまうなんて、孫娘をどれだけ心配していたのか。

両親からノケモノにされて深い寂しさを感じていたものの、ばあちゃんが自分を大事にしてくれているので寂しさを忘れることができていたでしょうか。

でも、両親からノケモノにされたという心の傷は浅くない。

そしてその心の傷から目をそらそう、見て見ぬフリをしようとしているうちに心が麻痺してしまったのか、それともノケモノの立場にあまりにも慣れてしまったのか。

自分は誰からも心配されない人間だと思い込んでいたような気がします。そして、そのことを感じたのは今回の澄子ちゃんのセリフです。

「上野駅に探しに行った?オレのために?オレのこと心配してくれて?」

自分のことを誰かが心配していることが意外だと言わんばかりの驚きの表情。驚きの言葉。驚いたけれど嬉しい。久しぶりに感じるこの嬉しさは何?

誰の言葉か忘れましたが、人は自分に関心を持たれないことに一番深い孤独を感じるのだとか。澄子ちゃんがまさにそれ。そして孤独な状態に慣れ過ぎていたような気がします。

澄子ちゃん、前回と今回の「銭湯&カレーライス」騒動を経て孤独の淵から救われたのでしょうか。

そうあってほしいものです。

豊子ちゃんの孤独

ところで、澄子ちゃんの心の中に抱える孤独がはじめてあぶり出されたのは前回の、優子ちゃんの実家から送られてきた「ハタハタ」をみんなで頬張る場面でした。

同室のみんながそれぞれの実家から送られてきた食べ物を分け合う中、自分だけは何も送られてこない。そんな自分が恥ずかしい。

恥じる澄子ちゃんを誰よりも先にフォローしたのはまさかの豊子ちゃんでした。

豊子ちゃんは、仕事も勉強もできる幸子ちゃんだけは一目置いていましたが、同年齢でしかも仕事も勉強も見るからに残念そうな澄子ちゃんなどプライドの高い豊子ちゃんの眼中にもない。

唯一の同学年ということで、澄子ちゃんは豊子ちゃんにいちいちチョッカイを出すものの、豊子ちゃん決してその挑発には乗らない。挑発に乗らないのは澄子ちゃんのことなど眼中にないから。

そう思ってました。豊子ちゃんが澄子ちゃんをフォローするまでは。

前回のレビューでも書きましたが豊子ちゃんは「孤高の存在」、平たく言えば故郷では意図してお高くとまっていたのでしょうが、実は寂しかったはずです。

そして寂しさを認めたくないばかりに自分は特別な存在だと思い込む。しかしそのことがますます寂しさを増幅させる。

そんな中で出会ったのが澄子ちゃんでした。

自分を特別視しない澄子ちゃんを、豊子ちゃんは初めのうちは煙たく思っていたような気がします。この子になど自分の価値を理解できるわけがないって。

でも特別視されないことの心地よさを豊子ちゃんは知ったのでしょう。特別視されるよりも誰かに関心を持たれていた方が、たとえそれがチョッカイを出されているだけでもずっと心地よいと。

自分の心を癒してくれた澄子ちゃんに対して、言葉には出さないまでも豊子ちゃんは心の中で感謝していたはず。

そんな澄子ちゃんが「恥ずかしい」と言ったので思わず真っ先にフォローしました。澄子ちゃんも自分とは異なるけれど孤独を抱えて込んでいることを知って、豊子ちゃんとしては放ってはおけなかったのでしょう。

そして今回。

澄子ちゃんのことを一番真剣に心配していたのは豊子ちゃんだったような気がします。

病院で再会した澄子ちゃんに怒ったような口ぶりで心配させるなと責め立てる豊子ちゃん。その姿に豊子ちゃんの澄子ちゃんへの深い友情を感じました。

豊子ちゃんと澄子ちゃん。お互いに良い友達を見つけることができましたね。いつまでも一緒にいさせてあげたいところです。

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8 Responses to “病院に担ぎ込まれる澄子 / ひよっこ 第38話”

  1. モカミル より:

    はじめまして
    ドラマもブログも楽しく拝見しております

    最後のラーメン屋の屋台をのぞき込む6人娘+愛子さんの
    表情がホントに素晴らしいっ(^-^)
    叶わぬ夢ですが最後まで一緒にいて欲しい

    そしてみんなが幸せになって欲しい
    と、思わずにはいられません

    澄子は大盛食べたかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      はじめまして!

      『ひよっこ』は幸せを願わずにはいられないキャラばかりですね。

  2. よるは去った より:

    増田N 「 この頃バナナはとっても高級で病気の時ぐらいしか食べられなかったんですよね。」終盤でみんなで食べようとしていたラーメンが73円でしたっけ?バナナはいくらしたのでしょう?先日故人になった渡部昇一先生が学生の時に、後輩と二人「ビタミンCをとらなくてはいかんな。」と大根をかじった。リンゴなんて贅沢で滅多に買えなかったなんて体験談をベストセラーになった「知的生活の方法」の中で記してましたが、渡部先生の学生の頃は昭和二十年代だったでしょうから、ある意味果物を店で買って食べること自体が贅沢だったでしょうけど。しかし、みね子ちゃんと時子ちゃんもは茨城県、澄子ちゃんは福島県と果物の産地の出身だから、そっちには不自由の無い生活をしていたんじゃないの?なんて単純に考えてしまうのですが、買って食べるとなるとまた別なんですかね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      バナナの値段はなんと昭和40年が一番高かったのだそうです。1kgが264円。ラーメンの四倍弱。たしかに高級品です。ちなみに現代のバナナ1kgの相場は200円。◯風堂のラーメンの四分の一といったところでしょうか。

  3. まっくす より:

    向島って上野駅に意外と近いですね^^
    歩いて行ける距離ですね^^
    よかった^^ 電車で行く場所だと当時の電車代を調べるハメになるところだった^^

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      上野は浅草と同じ台東区で、向島は浅草からすぐ近くですからね。こうして地名を並べてみると近さが実感できます。

  4. 若葉 より:

    (先の話なので不適切でしたら載せなくても結構です)あらすじの10週の週タイトルの「みね子ワン」とはどういう意味なのか、ずっと気になって仕方ありません。週タイトルが変更になることもあるので、今のうちに聞いておきたくて。
    ワンとは?何かの言い回しなのでしょうか。流行の言葉なのですか?うとくてすみません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      すずふり亭のホール担当の言葉だと思いますよ。みね子ちゃんがビーフコロッケを注文した時に高子さんが「ビーコロワン!」と厨房に注文を伝えましたが、この「ワン」かと思います。みね子ちゃんがすずふり亭で働き始めることをあらわしているのでしょう。

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