オーディション挑む時子 / ひよっこ 第39話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月17日(水)放送
第7週 第39話「椰子の実たちの夢」

『ひよっこ』第7週 第39話 あらすじと見どころ解説

時子がテレビドラマのオーディションを受けることになりました。そのオーディションが近づいてきたある日、みね子たちは練習にはげむ時子のために模擬オーディションを行いました。豊子が読書から得た知識でオーディションの再現をこころみたのです。

模擬オーディションで時子は『桜の園』『婦系図』『ロミオとジュリエット』それぞれの作品のヒロインを見事に演じきりました。模擬オーディションでは堂々とした芝居を見せた時子でしたが、本番には弱いことが時子の悩みでした。

そして迎えたオーディション当日。本番が不安な時子のため、みね子はオーディション会場まで同行することになりました。乙女寮の仲間たちの盛大な応援で送り出されるものの、時子は緊張していました。

NHKのテレビドラマ『昭和ガール』のオーディション会場。緊張のあまり硬くなる時子を、みね子は高校の文化祭の演劇の思い出話をしながら精一杯はげましました。そしてついに時子の番がまわってきました。みね子は控え室で時子の成功を祈るのでした。

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midokoro

見知らぬ国の岸辺にたたずみながら遠く離れた故郷の岸辺を思い出す椰子の実・澄子ちゃんの一連の騒動が回収されました。

次の椰子の実は時子ちゃん。今週のサブタイトルにもなっている椰子の実の夢と、夢の小さな挫折の物語のはじまりです。

常に超然としている時子ちゃんが見せる意外にも弱い一面。時子ちゃんの夢の翼が折れないことを祈るばかりです。

『ひよっこ』第7週 第39話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

みね子ちゃんとは異なり時子ちゃんの東京での就職は自分で選んだ道でした。しかし、時子ちゃんはその道を歩んで行くことに少しだけ心にゆらぎが生じます。

みね子ちゃんたちが高校卒業を間近に控えた昭和40年1月。

就職するつもりなどなかったみね子ちゃんが、お父ちゃんを探すために上京することになり、就職先が時子ちゃんと同じ会社に決まった時、時子ちゃんは大泣きして喜びました。

実は時子ちゃんはたった一人で東京に行くことが不安でした。だから、みね子ちゃんの就職先が自分と同じ職場に決まったことがどれほど心強いかと時子ちゃんは涙ながらに喜んだのです。

あの時、時子ちゃんがはじめて見せた自分の弱いところが、今週、再び露わになります。

時子ちゃんは憧れの女優になるためのオーディションを受けるチャンスをつかみます。

時子ちゃんがチャンスを手にいれたことを喜ぶ乙女寮の仲間たちによる模擬オーディションでも堂々と受け答えが出来ました。

しかし、時子ちゃんは本番に弱い。そしてそのことを時子ちゃんは自分でもよくわかっている。だからたった一人でオーディション会場に行くのが怖い。たった一人では不安に押しつぶされかねない。そこでみね子ちゃんについてきてもらう。

さて、みね子ちゃんに頼って挑んだオーディションは、やっぱり本番に弱いという弱点のために結果は残念なことに。

ちょっとネタバレになりますが、近々、みね子ちゃんと時子ちゃんは離ればなれになってしまいます。その時、時子ちゃんはたった一人で自分の弱さを克服できるのでしょうか。

時子ちゃんの将来がちょっと心配になってきました。『ちりとてちん』のA子ちゃんや『あまちゃん』のユイちゃんのように挫折してブラック時子ちゃんになりませんように。

『ひよっこ』第7週 第39話 観賞後の感想

サナギはどんな蝶になるのか?:みね子ちゃんのこれから

「いざという時になるとダメになる」という自分の弱点をよ〜く理解している時子ちゃんがみね子ちゃんにオーディションへの同行を求める姿を見ていて思い出しました。

みね子ちゃんの就職先が時子ちゃんと同じ向島電機と決まったことを時子ちゃんが知らされたときの、時子ちゃんの実家の牛小屋の場面での出来事を。

みね子ちゃんを祝福するのも忘れて、本当は東京に一人で行くのが怖かったと泣き崩れる時子ちゃんの姿は、それまでのいつも超然としていた時子ちゃんからは想像もできないものでした。時子ちゃん、意外にも弱いんだとわかった瞬間です。

今回、そして奥茨城の牛小屋の場面。時子ちゃんの弱さを支えたみね子ちゃんでしたが、みね子ちゃんも時子ちゃんに支えられる場面が記憶するかぎり二度ほどあったはずです。

一度は高校の卒業式。自分は卒業式で泣かないと宣言していたはずのみね子ちゃんが誰よりも泣き、そんなみね子ちゃんを自分は泣かずにあやしてあげたのが時子ちゃん。

その次が向島電機での最初の一週間の頃。ミスを連発し追い詰められるみね子ちゃんの気持ちを少しでも楽にしてあげようと、自分もわざとミスをする。こちらは不発で終わったばかりか後になって騒動を引き起こしてしまいましたが・・・

時には支え時には支えられいつも支え合うみね子ちゃんと時子ちゃんの二人ですが、二人が支えが必要となる場面がしっかりと色分けされているところがさすがです。キャラクターが丁寧に作り込まれています。

時子ちゃんがみね子ちゃんの支えを必要とした過去の二つの場面はいずれも時子ちゃんが大きなチャレンジをする時です。人生の激変の瞬間の直前と言ってもいいのかも知れません。

いつぞや時子ちゃんが豊子ちゃんに「東京に出て新しい自分になれる」という意味の言葉を言ったことがありましたが、「新しい自分」に挑む時が時子ちゃんが支えが必要となるときだと言い換えることができます。大きな飛躍にチャレンジするときです。

一方でみね子ちゃんが支えとするときは大きな飛躍へのチャレンジとは無縁です。

というかそもそもみね子ちゃんは将来への夢を持っているわけでもない。だから、大きな飛躍へのチャレンジはこれまでのところありませんでした。東京に出て来たのも自分が飛躍するためではなく家計を支えるために東京での就職を余儀なくされたからです。

みね子ちゃんと時子ちゃん。仲の良い二人ですが目指している方向はまるで違う。(というかそもそもみね子ちゃんには目指している方向がない?)

支え合う場面を通してこの二人の違いがとてもよくわかります。

しかし長い人生の中で歩む方向がガラリと変わってしまうのはよくあることです。青春時代に夢を追っていたはずの子が会社勤めになったり、就職して結婚して・・・と、自分の未来を漠然と思い描いていた子がまさかの人生を送ったりと。

みね子ちゃんと時子ちゃん、将来はそのポジションが逆転するかも知れませんね。というかそもそもみね子ちゃんは自分の意志に反して上京し就職したわけです。東京で働くことを思い描いていたわけではありません。

思い描いていたのは奥茨城の農業でした。それも熱心に望んでいたわけではなくとっても漠然とした思いで。

だから今後も自分が想像もしていなかった方向に引っ張られるように歩むことは十分に考えられます。みね子ちゃん、これからどこに行くことになるのでしょうか。

以上、支え合うみね子ちゃんと時子ちゃんを観察しているうちに、みね子ちゃんがこれからどこに行ってしまうのか。サナギはどんな蝶になるのでしょうか。

そんなことが気になりはじめました。

追記

追記1:久しぶりに愛子さんが愛子さんらしさを見せてくれて感激です。「また来ました」とつぶやくみね子ちゃんには気の毒でしたが(笑)

追記2:あいかわずみね子ちゃんに対する評価が低い豊子ちゃんの手厳しい論評が楽しい。アヒルの行列がよっぽど衝撃的だったんでしょうか。豊子ちゃんみたいな秀才には想像もできない世界ですからね、アヒルが行列するなんて。

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コメント

  1. まっくす より:

    めんどうな愛子さんに対応できるのは、みね子ちゃんしかいないんでしょうかね^^

  2. ぷち より:

    愛子さんの「裕次郎に~」から始まって、和夫さんの山田五十鈴まで、それぞれの好きな芸能人にも個性が表れていて面白かったです。
    そして、あれだけ女子がいれば1人ぐらい「女優だなんて何あの子」と言い出す人がいても不思議じゃないのに、みんなで横断幕や応援グッズを持って送り出してくれるなんて、乙女達がいい子たちなのはもちろん、愛子さんが舎監さんをやっているというのが大きいんだろうなと思いました。

    それにしても、バレリーナやひばりさん風のタップダンサー?から妖怪人間ベラ様のような人までいて、一体何のオーディションなのかと思ってしまいました(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      愛子さんが乙女たちに心をくだいているんでしょうね。時には乙女と乙女の間で、また時には乙女と松下ライン長の間に立って、上手に人間関係の交通整理をしているんでしょう。

  3. えびすこ より:

    「模擬オーディション」での発言に少し驚いた点が1つ。
    みね子の同僚らが10代後半である自分らよりかなり年長の俳優のサインをねだるのですが、比較的年齢の近い人物の名前が出なかったですね。
    そもそも昭和40年あたりの20代前半の若手俳優はあまり世に出ていないかも?

    一般的に日本人は「自分と同年齢・同世代の人」に高い関心を抱くと思うのですが、この発想は間違っていますか?
    いまでも年配者は自分と同世代の俳優(故人も含む)に関心を抱くとは思う(実はこれが大河ドラマの不振の遠因ではないかとも思います。長寿番組だから歳月の経過ゆえ高齢者がよく知る俳優が少なくなってしまっているので)のですが…。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      昭和40年代前半に活躍した男優の多くは昭和10年前後生まれなので、当時は20歳前後でデビューするケースが少なかったのかも知れません。

      ちなみに「谷田部家のじいちゃん」は昭和40年の時に19歳ですがブレイクしたのはだいぶ後になってからです。

  4. よるは去った より:

    みね子「何か・・・・・凄いね・・・・・。」時子「うん・・・・・・。」 妙なリアリティーを感じたんですがね。有村架純ちゃんも佐久間由衣ちゃんも潜ってきた修羅場(?)だからなのかなあなんて思ってしまいました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      潜ってきた修羅場に、愛子さんみたいな色紙を持っている人はいたんでしょうか?(笑)