落胆する奥茨城の母親達 / ひよっこ 第44話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月23日(火)放送
第8週 第44話「夏の思い出はメロン色」

『ひよっこ』第8週 第44話 あらすじと見どころ解説

お盆休みは故郷の実家には帰らず、乙女寮の同室の仲間たちと海水浴に行くことにしたみね子たちは水着を買って来ました。みね子や澄子にとってそれは自分たちの人生の中で一番高い買い物の体験でした。

みね子たちが海水浴で着る水着の話題で盛り上がっている頃、奥茨城村では美代子、ちよ子と進、そして君子が深いため息をついていました。みね子と時子がお盆休みに帰省しないと手紙で知らせてきたからです。

同じ頃、綿引は休みの日を使って実の足取りを追い続けるものの、相変わらず手がかりは何もつかめないままでした。綿引は状況をみね子に知らせたいものの、自分が乙女寮に行くとみね子を驚かせてしまうため伝えることができません。

一方、みね子は海水浴に行くことに後ろめたさを感じていました。家族の中で自分だけが楽しんでいることが心苦しかったのです。しかし、ちよ子と進が送ってくれたみね子たちの海水浴の絵を見て、みね子は海水浴を楽しもうとようやく心が決まるのでした。

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midokoro
みね子ちゃんがまだ奥茨城にいた時のこと。一緒に下校する時子ちゃんにみね子ちゃんが言いました。

面白いテレビ番組を見て笑っても、東京で働いているお父ちゃんのことを思うと申し訳なくて笑えなくなると。

そんな家族に遠慮する気持ちをみね子ちゃんは今もなお持ち続けているようです。

『ひよっこ』第8週 第44話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

乙女寮の食堂で美味しいカレーライスを食べている時も、思い出すのは故郷のかわいい妹と弟。ちよ子ちゃんと進くんにこの美味しいカレーライスを食べさせてあげたい。

乙女寮の仲間たちと海水浴に行くことが決まっても、やっぱりみね子ちゃんはちよ子ちゃんと進くんのことを思い出さずにはいられない。

自分だけ遊んでいていいんだろうか。妹と弟も海に連れて行ってあげたい。

このつつましさ。この家族思い。

現代人からこのような気持ちが失われたなんて言うつもりはありません。きっとみね子ちゃんみたいな子はどこかにたくさんいるはずです。

でも、昨今の映画やドラマからはすっかり姿を消してしまいましたね。みね子ちゃんみたいな家族愛。兄弟愛は。

家族愛や兄弟愛を直球ストレートで描くことが作家の先生たちは照れ臭いんでしょうか。全然カッコ悪くないと思うんですが。

そんな直球ストレート、しかも豪速球のみね子ちゃんの家族愛、兄弟愛が干天の慈雨のごとく心に沁みます。

願わくばこんな作品がこれからもっと増えますように。

『ひよっこ』第8週 第44話 観賞後の感想

みね子ちゃんと家族、みね子ちゃんと時子ちゃん。お互いへの気づかいと優しさが心に沁みる回でした。

みね子ちゃんと家族の気づかい

自分だけが海水浴に行くことを気に病むみね子ちゃん。

仲間たちと百貨店に水着の買い物に行くまでは良かった。乙女寮でそれぞれが買って来た水着を披露し合うまでも良かった。

でも澄子ちゃんの一言「いわきの父ちゃん、許してくれな」で思い出してしまったのかもしれません。奥茨城の家族のことを。それとも、みんなで手を合わせて「ごめんなさい」と言ったあの瞬間に思い出したんでしょうか。

自分だけが楽しければいいと考える人が決して少なくない昨今、自分だけが楽しんでいること、家族にその楽しみを分けてあげられないことを後ろめたく思うみね子ちゃんの家族思いと慎ましさが実にいじらしい。

ちよ子ちゃんに宛てた手紙に、おそらく無意識のうちに書いてしまったにちがいない「ごめんね」という一言。これを書いた時のみね子ちゃんの気持ちを思うと切なすぎて胸がヒリヒリします。もっと楽しめばいいのにって。

でも、ちよ子ちゃんも進くんもお姉ちゃんがお盆休みに帰ってこないことにはがっかりしてましたが、お姉ちゃんが海水浴に行くことについてはそのことをそれほどうらやましいと思っている様子はまるでない。いいな〜とは言いましたが。

お姉ちゃんが「ごめんね」と書く理由がわからないほどに、お姉ちゃんが海水浴に行くことに対して特別な感情を抱いてはいない。自分たちは海水浴に行けないと拗ねたりする様子などみじんもない。そこが救いでした。

そして、思い詰めるお姉ちゃんの背中を押すかのように乙女寮の仲間たちで海水浴に行く絵をわざわざ描いて送るその気づかい。お姉ちゃん、自分たちのことは気にせず海水浴を楽しんで来てねって。手紙でなく絵で伝えるところがまた素敵です。

ちよ子ちゃんと進くん、今も可愛いですが成長後の姿も楽しみです。二人ともどんな素敵な大人になることか・・・

追記:海水浴の絵の中にメガネっ娘がいたりして乙女たちの特徴をしっかりつかんでいるところがすごい。みね子ちゃんが妹と弟に宛てて度々送っているらしい手紙に仲間たちのことも書かれているのでしょうか。だからあそこまで描けたのかな?と思いました。

時子ちゃんの気づかい

みね子ちゃんと時子ちゃんの奥茨城での高校時代。ある日、みね子ちゃんが時子ちゃんに言いました。面白いテレビ番組を見ていて笑っても、笑ったそのあとに出稼ぎに出ているお父ちゃんに申し訳ない気持ちでいっぱいになると。

その時、時子ちゃんはみね子ちゃんのその言葉に対して笑ってこたえたと記憶しています。悩みなど持っているようには見えないみね子ちゃんがそんなことを考えていたとはこれは意外だ、驚いたと。

みね子ちゃんの言葉を笑って受け止めた時子ちゃんでしたが、その時の親友の言葉を今もしっかりおぼえていてくれていました。さすが親友だけのことはあります。

しかも、おぼえていただけでなく、様子がいつもと違うみね子ちゃんの表情を読み取ってみね子ちゃんの心の中を敏感に察する時子ちゃん。

「ずっとそれじゃ楽しくないでしょ!このままお父ちゃん見つからなかったらずっとそうなの?心配なんだよ、それじゃ恋もできない」

みね子ちゃんが思いつめているにちがいないと察したのは、ドラマの中でも出て来たコーラスの場面。みね子ちゃんの憂いを帯びた表情を心配そうに見ていた時でしょうか。

それとも仕事中からそんな表情を浮かべていたのか。はたまた、前の晩になかなか寝付けないでいるみね子ちゃんに気がついたのか。

我が道をゆくタイプのようでいて、いつも親友のことをしっかりと観察している時子ちゃんの友達思い。朝からすがすがしいものを見せてもらいました。

余談ですが、みね子ちゃんがちよ子ちゃんに宛てた手紙に「ごめんね」と書いたその一方で
時子ちゃんも家族に宛てた手紙に「ごめんさない」。

同じ「ごめん」という言葉でも両家の反応はずいぶんと異なるものですね(笑)

『ひよっこ』初の男の友情

綿引くんに二度目のラーメンをまんまとせしめる雄大くん、なかなかの策略家。ラーメンをゴチになることに成功した一度目、真正面からおごれと言った時の雄大くんの図太さには開いた口がふさがりませんでしたが、あの図太さは作戦のうちだったのかも。

あそこまで図太い態度に出たのは相手の出方を伺うため。二度目、三度目も狙えるかどうかを探ったとしか思えない。

でもその策略家の顔をどうやら幸子ちゃん、そして乙女たちには見せていなさそうなところがなかなか好感が持てます。

一方で綿引くんも、策略に乗ることにちょっと喜びを感じているのかも。仕事上での自分の不甲斐なさを嘆く相手なんてそうそう見つからないもの。まして綿引くんみたいな職業ではなおさらのこと。

綿引くんも策略に乗ることでラーメンのお金は失いましたが、それ以上の宝物を手にいれたのかも知れません。『ひよっこ』の中で男の友情、これが初登場です。

追伸:向島の街角で雄大くんと綿引くんば出会う場面。ラーメンの屋台にそれまでいたお客さんが「ごちそうさん」と言ったのは、雄大くんへのオマージュ・・・これはいくらなんでも考え過ぎですね。

(雄大くん演じる井之脇海くんは朝ドラ『ごちそうさん』でヒロインの弟を好演)

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16 Responses to “落胆する奥茨城の母親達 / ひよっこ 第44話”

  1. カッチ より:

    こんにちは。
    今日も澄子ちゃんには笑わせられました。
    ビキニでしかも紫色とは、大胆ですね。
    本当に着る気だったんでしょうか?
    何ともおもしろいキャラクターですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      澄子ちゃん、何しでかすのかまったく読めないキャラですね。毎回、彼女のことが楽しみでなりません。

  2. ムラヤン より:

    登場人物のそれぞれの思いやりを手稲に描いている楽しい作品だと思います。
    雄大さんだけはちょっとこの後が心配です。

    初登場でも警察官を毛嫌いしていたり、平気で人に奢らせたりするあたり、本作の登場人物の中では異色です。
    いわゆるダメンズの香りをぷんぷん感じているのは穿ち過ぎでしょうか?

    この後の安保闘争などの日本が荒れる時代に入って行く中で悪い方向に行って幸子さんを不幸にしないかとヤキモキしています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      雄大くん、僕もダメンズだと思いますが人の心をつかむのが抜群にうまい愛されキャラなので上手に世渡りしてほしいと願っています。

  3. 京子 より:

    「楽しい時ほど、その楽しさを無理やり奪われた人たちのことを条件反射みたいにふっと思う人間に僕はなりたいと思うし、そういうのが普通にできるようになったら絶対に間違わない世の中ができると思う。」――これは井上ひさしさんのことば。

    楽しい時ほど、ふっと、思ってしまうよね。親しい人の悲しみを。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      素敵な言葉を紹介してくださりありがとうございます。みね子ちゃんの家族思いと合わせて肝に命じたい言葉です。

  4. まーちゃん より:

    ちよ子ちゃんは「ちゃっかりさん」「しっかりさん」なだけでなく本当に賢い子ですね。みね子の手紙の「ごめんね」の一言から思いをめぐらして素敵な絵を描いてお姉ちゃんの後ろめたい気持ちを吹き飛ばしてくれました。ぜひぜひ高校に進学して勉学に励んでほしいものです^^V

    NHKの朝ドラで若いお嬢さんたちの水着のサービスシーンは望めないでしょうから、皆さんが実際に着用したところは今日のキャツキャウフフとちよ子画伯の絵によって脳内補完するとしましょうか。皆さん予想の範囲内に収まる水着でしたが澄子ちゃんの「紫ビキニ」はちよ子画伯の創造(想像)力をも超えてしまいましたね(爆)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      澄子ちゃんの行動、言動のすべてが普通の人には想定外ですからね(笑)愛子さん同様、澄子ちゃんも最後まで出番を用意してほしいものです。澄子ちゃん、楽しすぎます。

  5. ぷち より:

    ちよ子ちゃんが描いた絵、真ん中がみね子ちゃんだと思うのですが、本人が選んだのと同じ黄色い水着を着ていて、さすがお姉ちゃんのことよくわかってるなぁと思いました。

    そして、澄子ちゃんが選んだ水着を披露したことで、無いとわかってはいるけれど、でもちょっぴり期待していた乙女ちゃん達の水着シーンは絶対に無いんだなと思い知らされました(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      話がそれますが、明日あたり登場するはずの乙女ちゃんたちが海岸に遊びに行く場面。3月の湘南海岸だそうです。水着シーンがあったら寒中水泳になっていたかもです(笑)

  6. ひるたま より:

    6人が皆で買った水着を見せ合う場面、それぞれの個性が出ていましたね。
    時子ちゃんは案の定(?)セパレートタイプ…実際に着たら映えるだろうな~と思いながらみていました。(^^)
    (モデルもされている佐久間由衣さん、スタイル抜群ですね)

    一方、何故か1人だけ背中を向けていた澄子ちゃん…振り向きざまにいきなり、パープルのビキニ!!(@_@)
    TVの前で笑っちゃいました。(^0^)!
    「生地が少ないのは安いのか?」という内容のセリフが昨日の放送分にあったように記憶しているのですが、もしかしたらビキニを買うフラグ(?)だったのかな?

    今日も何だかんだで言葉巧みに(?)しっかりと綿引くんにラーメンを奢らせていた雄大くんにも笑いました。(^^;)
    彼が「お返し」をする日は来るのか否か…?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      澄子ちゃんが生地が少ないと安いのか?と言ったその時から期待してました。この子はきっと何かしでかしてくれるなと。そして今回です。決して観る者の期待を裏切らないエンターテイナーの澄子ちゃんが大好きです(笑)

      追伸:雄大くんはまさかの手を使ってお返しするみたです。

  7. よるは去った より:

    澄子「いわきの父ちゃん、許してくれな・・・・・。」一同「ごめんなさい!」 あの時代はそうか・・・・イマドキは見たがっている父ちゃんの方が多かったりするから。雄大「二度目は僕から言いにくくて・・・・。」出た!雄大君流処世術と言ったところか。しかし、ちよ子ちゃんと進くんはみね子姉ちゃんと時子ちゃん以外に会ったことがないはずなのに何であそこまで当人たちに近いイメージで描けたのでしょう?みね子姉ちゃんの手紙から想像したのか。だとしたら子供の想像力ほどオソロシイものは無いですな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      みね子ちゃん、手紙を家族の分だけ書いているので仲間たちのことも詳しく書いているのかもですね。そうでもしなければ書くネタも尽きるかと思います(笑)。ちなみに絵の中のメガネっ娘、着ていたのは普通の水着でしたね。澄子ちゃんが買ったきわどいものではありませんでした。

      • よるは去った より:

        それにしてもあの絵の水着の色の選択はナカナカのセンス。やはり、洋裁で家計を助け、みね子姉ちゃんが泣いて喜び、周りが羨ましがる程のワンピースを作る美代子母ちゃんの血を引いているのかしらん。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          > ナカナカのセンス

          お母ちゃんは東京の人が着るものを作っているので、ちよ子ちゃんと進くんは奥茨城にいながらにして東京の流行も心得ているんですね。

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