連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月24日(水)放送
第8週 第45話「夏の思い出はメロン色」
『ひよっこ』第8週 第45話 あらすじと見どころ解説
みね子たちが楽しみにしていた海水浴当日。前の晩のみね子たちの真剣の祈りもむなしくその日は朝から土砂降りの雨でした。そんな中でも、雄大が思いがけず連れて来た綿引の姿が乙女たちを笑顔にします。
落胆する面々は海水浴の代わりに、優子と時子の提案で映画『ウエストサイド物語』を観て休みの日を過ごすことにしました。映画を楽しんだみね子たちは乙女寮に戻り、映画の中に登場したダンスを交えながら感想を語り合います。
映画の話が尽きた頃、雄大が綿引に尋ねました。何故、警察官になったのかと。綿引は答えます。父親と同じ警察官になるつもりはなかったこと。しかし小学生時代、初恋の女の子が警察官がいるから安心だと言ったその言葉に背中を押された思い出を。
数時間が経過した頃、いつの間にか雨はやんでいました。乙女たちは雄大の運転するに乗って海岸に行くことになりました。海水浴はできなかったものの、昭和40年の夏の日の思い出をみね子は胸に刻み付けるのでした。

向島電機の金の卵たちが新生活を始めてからというもの、仲間の間での小さなトラブル、ホームシック、自身喪失。
様々な困難と、それらを乗り越えようと努力する新人たちの姿が描かれてきました。
そんな日々を積み重ねて迎えた今回は、海水浴当日がドシャ降りの雨だったことをのぞけば金の卵たちがすべての悩みから解放された、心の空に雲一つないような一日です。
しかし・・・
『ひよっこ』第8週 第45話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー
人生は悪いことの後には良いことがあり、良いことの後には悪いことがある。これはドラマも一緒です。というかドラマが人生の定番パターンを再現しているだけですが。
『ひよっこ』というドラマの中でも、特にみね子ちゃんたちが向島電機で働きはじめ乙女寮で新生活をスタートしてからというものいろんなことがありました。
しかも、良いことよりも悪いこと、つらいこと悲しいことの方が多かったかも知れません。いつも誰かしらが大小問わずなんらかの悩みを抱えていました。
ところが今回は、一人残らずそれぞれが抱える小さな悩み大きな悩みをすっかり忘れて、心から楽しい時間を一番大事な仲間たちと共有することが出来ました。
いわば乙女寮の金の卵たちの幸福の絶頂期といっても差し支えない回かと思います。
でも、絶頂期とは言い換えれば頂上に着いたということ。頂上に着いたら、その次にくるのは下りの道です。
悪いことの後には良いことがあり、良いことの後には悪いことがある。下りの道とは良いことの後には悪いことがあるという後者のパターンです。
そろそろ胸が痛むような展開が始まってしまいます(涙)
みね子ちゃんたちにとって「思い出の夏」の一日。一視聴者としても心に刻みつけておきたいと思います。
『ひよっこ』第8週 第45話 観賞後の感想
楽しみにしていた海水浴当日の昭和40年8月14日。その日は朝から雨でした。
乙女ちゃんたちも海水浴を心から楽しみにしていましたが、視聴者の多くも楽しみにしていたはずです。僕も楽しみでした(笑)。残念。
海水浴当日の雨:澄子ちゃんの反応
それはともかく、海水浴に行けたとしても海水浴がダメで映画になっても、美味しいお弁当を食べることは出来る。
みんなでお弁当をつくっている時も、雄大くんと綿引くんを乙女寮の玄関先で迎えた時も。そして映画を観終わってダンスしながら映画の感想を語り合っている時も、いつも手に食べ物を持って離さない澄子ちゃん。
食べるものさえあれば、あとは何でもいい。海水浴でも映画でも何でもいい。どんな状況も楽しむことができる。
そんな、ある意味前向きな姿勢をみて、乙女寮の生活を澄子ちゃんが一番楽しんでいるという、いつぞやのみね子ちゃんの語りに今日やっと納得できました。
海水浴当日の雨:みね子ちゃんの反応
澄子ちゃんと異なり、やっとの思いで海水浴を楽しもうと決心がついたみね子ちゃんの落胆が深いことは言うまでもありません。
しかし海水浴当日が雨になり、みね子ちゃんは思いがけない話を綿引くんから聞くことになりました。綿引くんがおまわりさんになったその動機です。
みね子ちゃんにとって綿引くんは、お父ちゃん探しを手伝ってくれる親切なおまわりさん。それ以上でもそれ以下でもなかったはずです、多分。
しかし綿引くんがおまわりさんになった動機や、綿引くんの父親の話を食い入るように見つめるみね子ちゃん。心を動かされる何かが綿引くんの話の中にあったのでしょうか。
みね子ちゃんのこんな熱い視線、はじめて見るような気がします。
ところで今週のサブタイトルは「夏の思い出はメロン色」ですが、ドラマ放送開始前から公表されていたサブタイトルは「クリームソーダと恋?」でした。
そのことが心の片すみにあった上で『ひよっこ』を観たせいなのか、綿引くんを見つめるみね子ちゃんの視線がいつになく熱いような気がしたのは気のせいでしょうか。
少なくとも綿引くんがおまわりさんになった理由の話に感銘を受けた様子の豊子ちゃんの視線は、明らかにいつもより熱いものがありましたが・・・(豊子ちゃんも恋?)
もし海水浴に行っていたら綿引くんのこんな話をみね子ちゃんは聞けなかったはずです。そして綿引くんのことを詳しく知らなければ、綿引くんはいつまで経ってもみね子ちゃんにとって親切なおまわりさんであり続けたはず。
そういった点で、海水浴が雨で流れたのはみね子ちゃんにとって意味があった。海水浴当日の大雨が「恋?」のきっかけとなったのかも知れません。
今回の最後のみね子ちゃんの語り。
「昭和40年、1965年の夏の海を、みね子は一生忘れないと思います」
みね子ちゃんの記憶に深く刻まれた夏の海の情景には、綿引くんのことをこれまで以上に詳しく知った新鮮な感動も含まれているのでしょうか。
追記:「史実」では、昭和40年(1965年)8月14日の東京都と神奈川県の天気は終日曇りでした。雨は降っていません。時代考証が甘いとか史実を捻じ曲げているといった類のクレームが今頃殺到しているかもしれませんね(笑)
乙女ちゃんたちが行った海岸は?
ドラマの中で乙女ちゃんたちが遊びに行ったあの海岸は湘南海岸。綿引くんの背後にチラッと見えた江ノ島の角度から、おそらく藤沢市のあたりかなと思います。
乙女ちゃんたちが夏の日の思い出を作った◯十年後、僕もあのあたりまでよく出かけましたので、すぐにわかりました。
ところで何かで読んだのですが、この場面の撮影は3月だったとか。
ドラマの中では真夏の設定ですが実際にはまだまだ寒い3月。そんな中、裸足のまま冷たい海に入ったまま歌を歌ったりしてお気の毒でした。
余談ですが『ひよっこ』の主題歌を手がけた桑田佳祐さんが自ら監督した映画『稲村ジェーン』の舞台となった時代もドラマの中と同じ昭和40年8月の湘南海岸。
ただし同じ湘南海岸でも『稲村ジェーン』の物語の舞台となった場所は、綿引くんの背後にチラッと見えた江ノ島の向こう側。鎌倉市です。
一方、海に向かって画面右側に立っていた乙女ちゃんたちの背後。遠くに写っていた海岸が桑田佳祐さんの出身地、茅ヶ崎市のあたりと思われます。
コメント
手違いでこの回だけ予約できておらず‥。
土曜のBSを録画してたった今視聴しました。
物語の本筋には直接関係ないかも知れませんが、乙女ちゃんたちの束の間の息抜きが心にしみました。来週の別れを分かって観たからなおのこと、なのかも知れません。
さて、朝みんなで作っているお弁当のおにぎり。俵型でしたね。
確か、「ごちそうさん」で、東京のおにぎりは三角でめい子の作ったおにぎりが騒動を起こしたような覚えがあります。(関西の我が家は未だに俵型です)
目くじらを立てたいのではなく、朝ドラを何作か観ているといろんなことを思い出すものだと、感じたエピソードでした。
乙女ちゃんたちの束の間の息抜きにして、乙女ちゃんたちが全員揃っての最後の心からの笑顔の場面になってしまいましたね。
綿引君の話を聞いているときの みね子の視線も熱いですが
きちんとそちらに体を向け話に聞き入る豊子は
本当にまじめでいい子なんだな~と思います
みね子も言ってましたがホントにかわいいです
最初はこのクソガキ‼って皆さん思ったでしょうが
澄子との掛け合いずっと見ていたい(;_;)
豊子ちゃん、次週あたり涙を搾り取られそうで今からドキドキしています。
月に何度か近くの銭湯に行くのがささやかな贅沢の金の卵乙女たちが、名作映画を見て海岸までドライブしたんだから、そりゃ忘れられない夏の日の思い出でしょうね^^
そうでしたね。普段の楽しみとの対比で考えたら、お盆やすみの一日はそれまで想像もできなかったような贅沢な一日ということになりますね。
こんばんは。GATTO と申します。初めまして。
ドラマ自体は毎日楽しく拝見しておりますが、こちらのサイトは2〜3日前に知りました。ただでさえ素敵なドラマをますます楽しませていただけることを期待しております。これからよろしくお願いします。
さて、ドラマの中の雨を残念に思われた方も多かったと思いますが、私にとってもっと残念だったのは、「何だ、千葉の海じゃないのか」(笑)ということですね。私、外房在住です(爆)。これが九十九里浜だったら、どんなにうれしかったことか(爆死!)。
冗談はさておき、有村架純さんは丸顔が可愛いので大好きですが、この作品の中では特に可愛いです。やはり5キロ増が効いているか(笑)。いや、キャラそのものがいつもにも増して可愛いですね。
奥茨城村での、しっかり者の長女キャラ、東京に来てからの、ちょっと甘えたキャラ、どちらも可愛いです。ドラマは、やっと三分の一あたりに来たところですが、これからどんな展開をしていくのか、本当に楽しみです。
はじめまして!コメントありがとうございます。
おかげさまで当ブログには、ドラマについての心優しい応援の言葉や深い洞察のレビューをたくさんお寄せいただいています。GATTOさんも、一緒に楽しんでいただければ幸いです。今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。
「ウエストサイド物語」は映画館で見ました。
当時、この映画を何回見たかが話題でした。
私は1回しか見てませんが。
ダンスが素晴らしかったですね。もちろん、歌もよかった。
話は単純な話で、不良同士の喧嘩なんですが、
そんなことを忘れるくらい、素晴らしい映画でした。
LPレコードで映画のサウンドトラック盤というのが発売されたので、買いました。
ドラマは、今はあの頃のことなんですねえ。
若かったころを思い出します。
『ウエストサイド物語』は歌が忘れられません。ドラマには出てきませんでしたが『tonight』が大好きでした。
毎日楽しく拝見しています。今朝も懐かしく。ただウエストサイド物語の日本公開は、1961年の12月。みね子達が海に行った夏にはまだ公開されていません。そこがとても残念ではありました。
今回の海岸の場面は『ウエストサイド物語』日本公開の3年8ヶ月後のことなので問題ないかと思いますよ。ロードショー公開から3年以上も経っているので、当時は都内にたくさんあったはずの名画座でのリバイバル上映を観たのでしょう。
今朝の放送終了後もTL検索していたら…「乙女ちゃん」達の水着姿を期待した方が結構多数いらっしゃった模様。
当方はこちらで拝読(予習?)していたので無い事は知っていたのですけれどね…(^o^;)
個人的には、特に時子ちゃん(佐久間由衣さん)の水着姿はきっと映えるだろうな~と勝手に想像しています。
「喧嘩したら置いてくよ」
優子さんのセリフで、握手する澄子ちゃん&豊子ちゃん…もっとも翌日には相変わらずだったような??
「雨の降り出しは午後の予想ですが…午前中から降ったらごめんなさい」
天気予報のアナウンサーの言葉にも…何故か吹きました。
放送後に局の上層部からお叱りを受けなかったのかしら?…要らぬお節介でしょうけれども。f^o^;
「乙女ちゃん」達全員で楽しそうにお弁当作りに勤しんでいた(例によって?1名つまみ食い担当も含まれていましたが^^;)場面を見ながら、食材(お米・パン等)はどうやって調達したのかしら?…などと突っ込んじゃいました。
皆なけなしのお小遣いから出し合ったのかな?それとも愛子さんが「お小遣い」として少し渡してあげたのかも??
澄子ちゃんが投げたおにぎりを綿引君が「ナイスキャッチ!」…うーん、この2人の間には特に今後何も無いのかな??
(前作『べっぴんさん』で栄輔くんがすみれちゃんに「赤い糸」を渡そうとして投げたのを、横から明美ちゃんが受け取ったシーンがつい頭をよぎったものでして…)
『ウェストサイド物語』…確か、『ロミオとジュリエット』(モンタギュー家とキャピュレット家)をモチーフにして作られたように記憶しているのですが?
(先週放送された時子ちゃんの模擬オーディション場面を思い出した次第です)
おっしゃる通り『ウェストサイド物語』は『ロミオとジュリエット』がモチーフです。『ウェストサイド物語』、僕は踊りはしませんがこの映画に深くハマった一人です。何回も観ました(ただしリバイバル上映で)何回も観たのでよく覚えてます。豊子ちゃんが一人芝居を演じたあの場面、実は映画そっくりに再現されてます。照明までそっくり。大好きな作品でもあるので密かなこだわりにワクワクさせられました。
ホントにあの時代の若者の青春って感じで、見ていても胸キュンキュンでした。
携帯電話や、娯楽も多くない時代、でも、心は豊かだったような気がしますね。
禍福糾える縄の如しはストーリー上、常ですが、この後悲しい別れが待っていると思うと次の展開を迎えるのが辛いです。
携帯電話や娯楽ばかりか、乙女ちゃんたちはお金もないのに本当に楽しそう。毎回、ドラマの終わりに披露される昭和のあの頃の子供達の弾ける笑顔もまぶしいばかり。素敵な時代だったんですね。『ひよっこ』でそんな気持ちが取り戻せたらと思います。
オープニングのテロップに「ダンス指導」とあったから、「?」と思っていたら。乙女寮の面々の「ウエストサイド物語」とは・・・・・・。しかし、トイレに行くフリの綿引君といい、澄子「パチッパチッパチッ・・・・・。」豊子「マリア・・・・・君を愛している。」ん~あそこまでかぶれるか~。
澄子ちゃんの「「パチッパチッ」。盆踊りというより阿波踊りに近いものがありましたね。手つきだけ見たらよさこいにも近いような(笑)