向島電機の倒産が決まる / ひよっこ 第49話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月29日(月)放送
第9週 第49話「小さな星の、小さな光」

『ひよっこ』第9週 第49話 あらすじと見どころ解説

冬が近づいてきた昭和40年(1965年)11月28日。その二日前には給料を一割減らされ大きなショックを受けた乙女たちでしたが、間もなくやってくる正月には奥茨城に帰省するつもりでした。みね子も実家に帰ることを故郷の家族に知らせる手紙を書いていました。

その翌日。乙女たちは相変わらず元気に作業をこなしていましたが、愛子と松下だけは沈痛な表情を浮かべていました。意気消沈する松下は愛子に背中を押され、意を決して工場の中に入っていきました。乙女たちに本社からの連絡事項を告げるためです。

松下から衝撃の事実が告げられました。向島電機が倒産することになったのです。それは東京オリンピック後に日本を覆った不況のあおりを受けたものでした。工場は12月20日に閉鎖されることが決まったものの、乙女たちは年末まで寮に住むことが許されました。

不安を抱えながら乙女寮の食堂に集まった乙女たちを愛子は精一杯はげましました。皆、しっかりと働いてきたのだからそのことを誇りに思ってほしいと。しかし、仕事を失うことになったみね子や仲間たちは不安を募らせるのでした。

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midokoro

前週に描かれた楽しかった夏の一日。

その思い出の夏の一日は、東京編がはじまって以来の幸福の絶頂期とも言っても差し支えないほどに豊かで満ち足りた時間でした。

そして、そんな楽しすぎるひと時が描かれたのにはワケがありました。今回から始まる悲劇のつらさを際立たせるためでした。

『ひよっこ』第9週 第49話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

楽しかった夏が終わり秋が深まった頃。

夏休みには故郷の奥茨城に帰省できなかったけれど、お正月休みには今度こそお母ちゃん、じいちゃん、そしてちよ子ちゃんと進くんに再会できると、みね子ちゃんは心から楽しみにしていました。

手先が不器用なために誰よりも苦労した工場の仕事にも慣れた。乙女寮の仲間たちとも心が通い合い一緒に働き一緒に遊ぶ日々がたまらなく愛おしい。

みんなで海岸に遊びに行ったあの日は至福のひとときだった。

みね子ちゃん、そんな楽しい毎日を奥茨城の家族に知らせようと手紙に書いていたのでしょうか。そんな楽しさが一瞬にして消え去ってしまう瞬間が来ることも知らずに。

向島電機が倒産します。

前週の最後におまわりさんの綿引くんが故郷に帰りました。みんなで海岸に遊びに行った思い出の夏を経て描かれた別れの秋。

ちょっと切ないあの別れはこれから始まるつら過ぎる別れのフラグだったのでしょうか。給料が下げられてしまった時から嫌な予感はしていました。

重く苦しい一週のはじまりです。

『ひよっこ』第9週 第49話 観賞後の感想

「みなさんに大変辛いお話をしなければなりません。昨今の不況により向島電機は倒産することになりました」

先週末に放映された予告映像にも含まれていた松下ライン長の衝撃の一言。これがまさか週明け早々の月曜日に登場することになるとは!

波乱の一週間が幕を開けました。

「そんな顔をするな松下明!」

乙女ちゃんたちの給料の減額から今回の倒産の報告までを日付入りで整理すると次のとおりになるかと思います。

11月26日 給料の減額を松下ライン長が乙女ちゃんたちに告げる
同月同日 向島電機は過去にも危機を乗り越えたと愛子さんが力説
11月28日 みね子ちゃんが実家に宛てた手紙を書く(これ以降が今回)
同月同日 愛子さんの様子がいつもと違うことを察する和夫さん
11月29日 松下ライン長が朝から本社へ
同月同日 愛子さんに背中を押され松下ライン長が倒産を報告

そして以下は僕の憶測です。

乙女ちゃんたちに給料の減額を告げたその時すでに、松下ライン長は本社から知らされていたかと思います。給料減額だけでは済まない、向島電機が倒産する場合もあると。

そしてそれほどのまでの事態であることを、愛子さんだけは松下ライン長から伝えられていた。本社の誰かが愛子さんにだけは伝えておくようにと松下ライン長に言ったのでしょう。

おそらくドラマの中では空白の11月27日あたりに。

そんな気がしました。

今回。本社から戻った松下ライン長と愛子さんが会話を交わす中庭の場面。二人の間には、やっぱりそういうことになってしまったかという諦めのような空気が漂っていました。

しかし、そんな重苦しい空気の中で意気消沈する松下ライン長を叱咤激励する愛子さんの頼もしいこと。

「そんな顔をするな松下明!そのことを告げるのも君の仕事。男でしょ!しっかりする!」

このタイミングで、ここまで力強い言葉が口から出てくるのは、最悪の事態になることも予想した愛子さんがあらかじめ覚悟を決めていたとしか思えません。

あらかじめ覚悟を決めていたということは、とりもなおさず事前に最悪の事態を迎えるかもしれないことをほのめかされていたのでしょう。

給料の減額が知らされた直後、愛子さんはまだ向島電機は危機を乗り越えることが出来ると信じていましたので。

そして、本社の何者かが松下ライン長を通して愛子さんにだけは会社が危機的な事態にあることを伝えたのは、乙女ちゃんたちの動揺はもちろんのこと松下ライン長の動揺をも抑えるために愛子さんに頼ったのだと思います。

実際、今回の愛子さんは乙女ちゃんたちだけでなく松下ライン長をも励まし、しかも愛子さんに一番はげまされたのは他ならぬ松下ライン長でした。

乙女ちゃん、松下ライン長、そして本社の何者かからも頼られる愛子さんですが、逆に頼れる人がいないんですね。

愛子さんに背中を押されて松下ライン長が工場の中に入り、中庭で一人になった時に見せた愛子さんの涙は、朝から見るにはあまりにも切なすぎました。

そして、そんな愛子さんに言葉はかけないまでも厨房から見守る料理人・和夫さんの優しい眼差しが心に沁みました。

話変わって、ちょっとだけ前向きな気持ちになれるネタバレです。

いつぞや愛子さんはみね子ちゃんに言いました。つらい時でも頑張っている人を神様は応援してくれるはず。だから、どんな時にも明るく頑張ってきた自分はこれから先でとんでもない幸福をつかむことが出来るのだと。

愛子さんがこの時に言った「とんでもない幸福」を、愛子さんがしっかりと手に入れる展開がこの先で準備されているそうですよ。愛子さんの予言は当たります(祝)

脚本家の先生が愛子さんの「予言」の場面を観たその時に、愛子さんのために素晴らしい未来を用意しようと決めたのだとか。

その愛子さんは今回こうも言いました。「あなたたちはね、みんなしっかり働ける子だよ。ちゃんと頑張った。それを誇りに思おう!」

予言を的中させた(笑)愛子さんが口にした言葉。それを信じて、乙女ちゃんと愛子さんの受難の一週間を乗り切ってゆきたいと思います。

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コメント

  1. まっくす より:

    今夜の放送を見たところです。この時期僕は9歳です。なまじ知ってる時代だけにいろいろ 面白いですね^^
    愛子さんが日報に書いたように日曜日でも乙女ちゃんたちあまり外出できなかったようですね^^
    月曜日の朝の洗面シーン。この時代歯磨き剤はアルミチューブなんでしょう。現在でも塗り薬とかには使われているようですが、あれ最後まですっきり絞り出せないんですよね^^絞り出す時には後ろのほうからくるくると巻いて絞り出さなきゃならないんです。
    豊子はそれをやってました。やっと絞り出したところで澄子にどつかれて下に落としちゃった^^あーあ あの残念そうな顔。
    それにしても 豊子と澄子のコンビには笑わせられます^^

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      アルミチューブ、冬になると割れやすくなってよく中身が漏れだしたのを思い出します。最近、最後まで絞り出すツールを100円均一で売ってますがあれがアルミチューブの頃にあればどれだけ助かったと思います。

  2. GATTO より:

    こんばんは〜

    ストーリーとはあまり関係はないのですが、今回印象に残っているのは、歯磨き粉を落とされてしまった時の豊子さんの顔です。この女優さんは本当に表情が豊かですね。驚いた顔、あきれた顔、がっかりした顔・・・まあ、だいたい原因は、みね子さんか澄子さんのようですが(笑)。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      この豊かな表情が間もなく視聴者の涙をこれでもかと言うくらいにしぼり取ってくれるみたいです。

  3. ア※ラッキー より:

    最初のシーンで、幸子ちゃんが本を広げていたとき、写真が大きく使用されていたのでムムムもしかしたら「あなたの暮らし」って思いました。年代的にも、でも、金額が・・・。幸子ちゃんだったら、買えるか。みんなに焼き芋おごってあげたし・・・。

    松下さんを演じている奥田洋平さんって調べてみたら、「とと姉ちゃん」に出ていてあの青柳商店の職人さんの一人としていたんですって。たくさん職人さんいたので、思い出せないです(泣)朝と昼を観ましたが、みね子ちゃんと同様に頭が真っ白になってしまい、もしかすると理解不能な文章になっていたら、ごめんなさいね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      幸子ちゃんの雑誌、本当に『あなたの暮らし』だったのかも知れません。いかにも花山さんが好みそうなレイアウトでした。

  4. 1013 より:

    前から気になってたのですが、「松下明」という名前は二股ソケットを作った神様から頂いたのでしょうかね?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 松下

      僕も同じことを考えてました。そして、盛田や井深よりは一般的な苗字なので松下に決まったのかなって。

  5. ひるたま より:

    カタカタと上昇していたジェットコースターが、いきなり「ギューン!」と急降下したような感覚の展開になって来ましたね。
    ヒロイン含む「乙女ちゃん」達、そして愛子さん・和夫さん・松下さんも…人生の岐路に立たされる事になりました。

    松下さんは愛子さんと同期若しくは後輩に当たるのかな?
    和夫さんは愛子さんよりも年上かな?とお見受けしました。
    そして…愛子さん自身のこの先の人生も大いに気になる所です。(年齢的に「乙女ちゃん」達以上に次のお仕事が見つかる可能性は……でしょうし)
    愛子さんには、愛子さんを必要とする場所に必ず辿り着いて欲しいです。

    ところで。
    松下さん役の奥田洋平さん…ざっくり調べてみたら、舞台での活動が圧倒的に多い俳優さんでいらっしゃるのですね。
    TVドラマに関しては、日本テレビ系の作品が1度ある以外は専らNHKでのお仕事が多くていらっしゃる様子。(前々作の『とと姉ちゃん』にも出演されていたようですね…私は途中から見始めたので存じ上げなかったのですが)

    美代子お母ちゃん宛のみね子ちゃんの手紙…「それから」の先、書かれる時が来るのでしょうか??

    • ひるたま より:

      続きです。
      宗男叔父ちゃん宛の「ビートルズ情報」…みね子ちゃんはてっきりコロッと忘れているものだとばかり思っていましたが、ちゃんと覚えていたのですね!(^o^)

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        ビートルズについては、いずれみね子ちゃんが宗男おじちゃんのためにちょっとした働きを見せてくれるみたいですよ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      奥田洋平さんが『とと姉ちゃん』にっ?(驚)ということで調べてみました。前半、戦前の古き良き時代の青柳商店の職人さん役での登場でした。全然気がつきませんでした。

  6. カッチ より:

    とうとう倒産になりましたね。しかし、愛子さん頼もしいですね。みんなが寮を出ていったら愛子さんはどうなるのでしょか?見れなくなるとさみしいですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      愛子さん、結末近くまで出番が用意されているみたいです。みね子ちゃんにとってなくてはならない存在となるのだと思います。

  7. まっくす より:

    あーあ「私たちは、行き場のない迷子なんかじゃない!!」はず
    だったのに、、、、、、行き場を探すハメになっちゃった^^
    就職して1年に満たないんだから退職金とかもちろんないよね?
    月天引き1000円積み立てて来たおかねもらえるのかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      積み立てたお金は戻ってきても、給料の一ヶ月分とちょっとだけ。よりによってお金がかかる年末につらいところです。

  8. よるは去った より:

    みね子(手紙)「それから、」 後はなかなか書けないでしょうね。みね子ちゃんだけじゃなくて、みんなどこ行っちゃうのかなあ?って想いで観てました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      「それから、」の後、倒産のことを告げるつもりだったのか。それとも別のことを書くつもりで書きかけだったのか。含みの多い「それから、」でした。