みね子たちの新しい仕事 / ひよっこ 第50話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月30日(火)放送
第9週 第50話「小さな星の、小さな光」

『ひよっこ』第9週 第50話 あらすじと見どころ解説

向島電機の倒産を工場主任の松下が告げてから約10日が経過した昭和40年(1965年)12月11日。給料が下がった頃から向島電機に対して危機感を抱いていた工員たちは、一人また一人と去って行きました。

日に日に工場や乙女寮が寂しくなる中でも愛子は決して笑顔を絶やしませんでした。乙女たちをいたずらに落ち込ませたくない。それが愛子の願いでした。愛子のそんな願いに応えようと、みね子たちは最後の日まで笑って過ごそうと心に決めました。

そんな中で、みね子たちも次々と新たな働き口が決まってゆきました。みね子は澄子とともに石鹸工場に。時子は喫茶店で働きながら演劇の勉強。豊子は食品会社の事務員の仕事が決まり、幸子は雄大と同じ工場で働けることになりました。

一方、身体が弱く仕事を休むことが多かった優子は再就職先が見つからず故郷に帰ることになりました。最後の日まで笑って過ごすと決めたみね子たちでしたが、仲間たちとの別れを惜しむ優子の涙を見て、別れの悲しさを隠すことは出来ないのでした。

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midokoro

みね子ちゃんたち新人四名はそれぞれ次の就職先が決まりましたが、新たな働き口が確保できたからと言ってそれで安泰というわけには行きません。

わずか半年とちょっとの短い期間とは言え心から信頼し合うことが出来るようになった仲間たちは、お互いになくてはならない大事な存在になっていたからです。

しかしそんな仲間たちの別れの日が近づいてきます。

『ひよっこ』第9週 第50話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

前週で給料を減らされてしまったみね子ちゃんたち。そのせいで自分たちが使えるお金は減ってしまいましたが、それでも故郷の実家に仕送りは続けられていました。

他の子はわかりませんが、みね子ちゃんにとっては実家に仕送りができて家族が安泰であればそれで安心だったのでしょう。

今のみね子ちゃんにとって一番気がかりなのは自分のことよりも家族のことなので。

そんな大事な家族にも仕送りができなくなるかも知れない。わずか18歳か19歳で社会経験もわずかな身でありながら一家の大黒柱として家計の責任を背負ったみね子ちゃんの不安。

想像するにあまりあります。

しかしその不安は解消されました。すぐに次の仕事が決定。ひとまずこれで家族は安泰です。そして家族の安泰が確かなものになって意識が向くのは仲間たちのこと。

ずっと一緒に向島電機で働き続けたい。ずっと一緒に乙女寮で暮らし続けたい。繰り返し繰り返しそう思い続けてきた仲間たちとの別れ。

このあたりまでのストーリー展開は『ひよっこ』制作発表時にすでに紹介されていました。ブログ主もその頃から承知していたことではありますが、みね子ちゃんたちの心の交流を繰り返し見せられてからの別れの場面はつらいものがありそうです。

『ひよっこ』第9週 第50話 観賞後の感想

「愛子さんはすごいです」

みね子ちゃんの言うとおり愛子さんはすごいです。

前回、向島電機の中庭でたったひとり、目に涙を浮かべていた愛子さんの姿が目に焼き付いて離れません。あの姿こそが今の愛子さんの本当の気持ちのはずです。

おそらく豊子ちゃんや澄子ちゃんたちと同じくらいの年齢から働き続けてきた向島電機への思い入れは他の誰よりも強いはず。

妹や弟が学校に通うことができたのも向島電機で働けたおかげです。その恩義も誰よりも強く感じているはず。

その向島電機がもうすぐなくなってしまう。人生の大半の時間を過ごした、そして人生を支えてくれた思い出のつまった向島電機が失われてしまう。

この点だけでも十分につらい、つら過ぎます。

それに加えて乙女ちゃんたちの将来への責任感。仕事と住む場所とを一時に失い路頭に迷うことになるかもしれないという不安。

再就職が一番むずかしいのは愛子さんであることはほぼ間違いないでしょう。そして、そのことを愛子さんが一番よく理解しているかと思います。

だから、本当なら他の誰よりも必死になって再就職先を探しはじめなければならない。でも乙女ちゃんたちの再就職先がすべて決まらないことには自分は動くわけには行かない。

自分のことも心配だけれど乙女ちゃんたちのことがもっと心配だから、仮に就職活動をはじめろと言われたとしても今の愛子さんにはそれは無理。

そんな二重苦とも三重苦ともいえるような状況にありながら、人前では決して笑顔を絶やさない。笑顔を絶やさないどころか天然キャラまで炸裂させるその気丈さ。

いつぞや愛子さんは言いました。

どんなに苦しいときでもがんばる人を神様は応援してくれるはずだと。今の愛子さんがまさにそれです。神様が応援しないわけがない。

愛子さんはこうも言いました。

どんなに苦しくても頑張っているから、私はそのうちすごいことになると。間違いありません。愛子さん、きっとすごいことになるでしょう。

余談ですが、私はそのうちすごいことになると愛子さんが言った場面をご覧になった脚本家が、すごいことになった愛子さんを描くことを決めたとか。

愛子さんには視聴者が心から納得できるすごいご褒美をあげてほしいものです。

「愛子さんはすごいです」と言ったみね子ちゃんもすごいです

本当は誰よりも泣きたい気持ちにもかかわらず、その気持ちを今は胸の奥の深いところに封印し笑顔を絶やさぬ愛子さんは、みね子ちゃんの言うとおりすごいです。

でも、みね子ちゃんにしても心に余裕などないにもかかわらず「愛子さんはすごいです」と言って、愛子さんのすごさを理解しているところがまたすごい。

愛子さんが自分のことよりも周囲に気を配っているのと同様、ともすれば自分のことで精一杯になりかねない状況にあるはずのみね子ちゃんも、愛子さんの立場に立ってものを考えるその心配りが泣かせます。

しかも、みね子ちゃんも愛子さんも、こんな状況下でもしっかりと笑いを取ってくれる。その点でも「すごいです」。

「私は東京のお・・・、東京の何だろう?」

こんな状況でも、みね子ちゃんをダシに使って笑いをとる愛子さんもすごいですが、そんな愛子さんの期待にしっかりと応えるみね子ちゃんもまたけなげ、それとも愛子さんと同様の天然なのでしょうか?

しかも、ちゃっかり「キレイな」の一言を付け加える愛子さん。その愛子さんに対して「キレイな」までは言ってないと、みね子ちゃんもツッコミを入れることを忘れない。

悲痛な場面が続く中、今日も明るく笑える『ひよっこ』でした。

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コメント

  1. モカミル より:

    食堂のシーンは泣けました 本当に愛子さんは強いです
    和男さんも明るく振る舞ってましたが次の仕事はあるのでしょうか

    豊子はどこへ行ってもやっていけそうですが澄子はとっても心配です
    二人ともずっと見守ってあげたいですが今後も出演あるのでしょうか
    6月10日の土曜スタジオパークで何を語ってくれるのでしょう(^-^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      和夫さんのような仕事は昔も今も着実に需要があるみたいですが、澄子ちゃんは本当に心配ですね。彼女は良き仲間たちの支えがあったからこそ今日でやってこれたのだと思います。

  2. GATTO より:

    こんばんは。

    これまでも悲しい別れの場面はいくつもありましたが、今日の優子さんのお話が一番悲しかったです。と申しますのは、当時の交通事情や彼女たちの経済力を考えると、これまでのどの別れよりも再会のチャンスが少ないと思えるからです。

    優子さん、可愛いかったけれど、6人の中では一番地味で、目立ちませんでしたね。それだけに、また再会があったらいいなあ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      優子さんが地味で目立たなかったのは作劇上のある狙いがあってのことかなと思っています。その「狙い」がそろそろ涙とともに回収されそうです。

  3. よるは去った より:

    雄大「食べ物はどんなのがあったっけ?雑煮はどんな?」そんな彼を受け入れる幸子ちゃん。「母性」とは彼女みたいな女性のためにある言葉なんでしょうか?原田「バウムクーヘン・・・・・・400円もした。」 「すずふり亭」で一番高いメニューの「ビーフシチュー」が500円、実家に仕送りを続けるみね子ちゃんの一ケ月の生活費が1000円。まあ現代でも我々庶民の度肝を抜く値段の菓子は銀座や青山とかにもありますけど・・・・・丸ごとのバウムクーヘンも現代でも決してお安くはないでしょうけど。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      昨今、銀座や丸の内で人気の某高級バウムクーヘンが定食2食から3食分です。そう考えるとドラマの中のバウムクーヘンはかなり高価なものだと思います。

  4. ゆうのしん より:

    こんにちは どうなることかと心配していた倒産後の進路も 順調に決まってゆき ちょっと安心しました この様子なら 実さんの再登場は まだまだ先になりそうですね

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      みね子ちゃんの恋バナもしばらくすると始まりそうなので、実さんの登場は忘れた頃になりそうですね。

  5. まるこ より:

    本当に申し訳ないんですけど石鹸工場の社長さんを演じている役者さんが、セクハラおやじみたいな役が多い印象があって信用できない。。。役者さんごめんなさい。

  6. ひるたま より:

    「閉鎖してもらって助かったよ…アッハッハ~!」
    予告のセリフは、今日の場面だったのですね。
    まっくす様も仰る通り、あの石鹸工場社長の原田氏…何だかな~って私も感じちゃいました。手土産品の値段を言っちゃったり等々…無神経を絵に描いたような人物ですね。
    私も澄子ちゃんが心配になって来ました。

    「ほら、みね子さん!」
    ここに来てまた、「面倒臭い愛子さん」登場か?と笑っちゃいましたが…暗く沈んだ雰囲気を作らないように、という愛子さんの愛情そのものですね。

    「あなたよりも優秀だと思います」
    普通ならば、不採用にされてもおかしくない豊子ちゃんの受け答えですが…おそらく、冒頭の原田氏と対照的な懐の広い社長さんなのでしょう。(^^)
    豊子ちゃん、採用になって良かったよかった。

    重苦しい流れで終わった昨日の放送分とバランスを取ったのか?途中までは笑いながら見た場面も多かったですが…最後はやはり……でしたね。
    いやはや笑ったりしんみりしたり、忙しい15分です。

    追伸:
    「あら?ババ抜き?」愛子さんのリアクションに吹きました。(^0^;)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      悲痛な場面が多いほどに、愛子さんの天然が炸裂しますね。本当に「愛子さんはすごいです」。原田社長が訪ねて来たことを知らせる、ただそれだけの場面にかかわらず「あら?ババ抜き?」と愛子さんらしいコメントを忘れないところがまたさすが。しかも「ババ抜きはいや!」が愛子さんのポジションをよく現していました。

  7. まっくす より:

    いやー あの石鹸工場の社長はあやしいね^^
    普通 とんでもない会社かもね^^
    澄子が心配ですね^^

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      原田社長、本作では極めてめずらしいあやしさいっぱいの人物ですね。