乙女たちの最後の夜遊び / ひよっこ 第51話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年5月31日(水)放送
第9週 第51話「小さな星の、小さな光」

『ひよっこ』第9週 第51話 あらすじと見どころ解説

みね子たちが東京で新しい働き口を見つける中、体の弱い優子だけは東京で働き口が見つからず、故郷の秋田県に戻って働くことになりました。そして、工場が閉鎖される日を待たずして、優子は仲間たちより一足早く乙女寮を去ることになりました。

東京を去る優子には心残りが一つだけありました。これまでずっと一緒に働き続けた幸子が雄大と結婚し、二人の結婚式に出ることが優子の長年の願いだったのです。一方の幸子も雄大との結婚を望むものの、その気がなさそうな雄大を見て半ば結婚を諦めていました。

寂しそうな表情を浮かべる優子を案じて幸子は皆で夜遊びしようと提案。乙女たちは夜の浅草で、最後の楽しいひと時を過ごしました。その夜遊びの数日後、意を決した表情を浮かべた優子が雄大の勤めている工場に姿をあらわしある行動をとりました。

工場が閉鎖される前日、優子の母・清子が娘を迎えに来ました。乙女たちは乙女寮での楽しかった日々を思い出しながら万感の思いを込めて『見上げてごらん夜の星を』を歌い、優子との別れを惜しむのでした。

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midokoro

前週のドラマの中で描かれた海岸の場面が思い出の夏なら、今回の浅草の場面は思い出の夜(?)。いつも一緒だった乙女たちが全員揃って行動する最後の場面です。

そして、みね子ちゃんたち新人を先輩として迎えた優子ちゃんと幸子ちゃんの友情が涙を誘う回になるかもしれません。

『ひよっこ』第9週 第51話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

乙女寮の一室で枕投げをしたり、銭湯帰りにラムネを割り勘で飲んで女子トークに盛り上がったり、みんなで海岸に遊びに行ったり。

またある時は行方をくらました澄子ちゃん探しで上野駅に行き怖い思いをしたり。

楽しいときも、切ないときも、そしてちょっと怖いときもいつも一緒だった乙女たち。みんなが顔を揃えて行動し、みんなの笑顔を見ることが出来るのはおそらく今回が最後です。

みね子ちゃんの寒いダジャレを引用すると、寮長ならぬ不良長の幸子ちゃんがその不良ぶりを発揮してみんなで夜の浅草に繰り出そうと誘います。

みんな門限を破る気満々。でもこれが最後。愛子さんも門限を守れと口では言いながら大目に見てくれます。愛子さん、大人です。大人ですが、海水浴のときみたいに私も行きたいなと言い出したりはしないのでしょうか。

夜の浅草の場面は、前週の海岸の場面に次ぐ忘れられない思い出の場面となりそうです。

一方、乙女寮の新人たちの個性豊かなキャラたちのかげに隠れてこれまで描かれることはありませんでしたが、幸子ちゃんと優子ちゃんの友情が今回と次回のテーマです。

いつも一緒だった乙女たちの中でも、この二人の関係は特別です。長年苦楽を共にして来た間柄です。固い友情で結ばれているはずです。

最後の最後にそんな二人の友情が、たっぷりと愛情を込めて描かれます。

幸子ちゃんと優子ちゃんの友情が別れの切なさを際立たせてくれることでしょう。涙腺決壊の準備が必要かと思います。

『ひよっこ』第9週 第51話 観賞後の感想

乙女ちゃんたちが歌い上げる『見上げてごらん夜の星を』の美しい歌声とともに思い出すのは、乙女寮でみんなが輝いていた日々の思い出。

工場の始業時間に「ご安全に!」と挨拶していたあの頃。こんな涙の別れの日がやって来ることなど想像もできませんでした。

「私の夢は幸子の結婚式に出ることだった」

優子ちゃんと幸子ちゃんの二人の絆がドラマの中で描かれることはこれまでありませんでしたが、よくよく考えてみれば二人の結びつきはとても強いはずです。

もちろん、幼馴染どうしのみね子ちゃんと時子ちゃんの二人の親友にはかなわないかもしれません。一緒に過ごして来た時間の長さが比べものになりません。

しかし、少なくとも豊子ちゃんと澄子ちゃんのおもしろ過ぎる二人組みよりは、優子ちゃんと幸子ちゃんの心の結びつきの方が強いのではないかと思います。

ところが、今日まで何故か優子ちゃんと幸子ちゃんの関係がしっかりと描かれたことがありませんでした。そして正直言うと僕にはそれがちょっとばかり物足りなかった。

みね子ちゃんと時子ちゃんの二人組み、豊子ちゃんと澄子ちゃんの二人組みと比べて、優子ちゃんと幸子ちゃんの二人組みの描き方が薄いなって。

でも、その薄さにはしっかりとした理由があったようです。今回、納得しました。

最後に、別れの悲しさを際立たせるためにこの二人の描写は今回まで大事にとってあった。描写の薄さの理由はきっとここにあるのでしょう。

さて、優子ちゃんは工場の最終日まで皆と過ごすことが出来ません。工場の閉鎖前日には住み慣れた乙女寮を発ち故郷に向かいます。

優子ちゃんはそのことが心残りにちがいない。

しかし優子ちゃんにとってもっと心残りだったのは幸子ちゃんの結婚式に出られなかったこと。優子ちゃんは幸子ちゃんの結婚式に出ることを「夢」とまで言いました。

「夢」などという強い言葉を使うところに優子ちゃんと幸子ちゃんの友情がとてもよくあらわれていました。二人の心の絆がどれほどのものだったのかがよくわかりました。

そして「夢」の一言で、僕がこれまで感じていた物足りなさは雲散霧消しました。

その優子ちゃんが怒ったような表情を浮かべて雄大くんのもとに足を運びました。怒ったような表情でなく、実際に怒っていたのでしょう。本人も雄大くんに認めていましたから。

思えば優子ちゃんは、乙女寮の仲間たちと出かけるとき以外はいつも寮の一室にいました。

幸子ちゃんがデートから帰って来たときも、時子ちゃんがオーディションから帰って来たときも、そしてみね子ちゃんがお父ちゃん探しや赤坂から帰って来たときも、優子ちゃんは寮の一室にいました。

優子ちゃんが寮の一室にいるとき、横になっていることが多かったと記憶しています。優子ちゃんは外出が嫌いだったのではなく、身体がだるくて外出できなかったのでしょう。

そんな優子ちゃんが、はじめて一人で外出しました。しかも年の瀬の寒そうな日に、冷え込みの厳しそうな屋外で雄大くんと立ち話し。

優子ちゃんが今回とったこの謎の行動の種明かしは次回されることと思いますが、ここに来てこれまで口にしたことがない言葉、とったことがない行動を次々に見せる優子ちゃん。

この優子ちゃんの意外な言葉や行動が明日あたり幸子ちゃんとの絆の深さを強調し、別れの悲しさを増幅させることになるのでしょうか。

優子ちゃんと幸子ちゃんの二人組みの描き方がこれまで薄かっただけに、明日あたり描かれるまさかの濃さが涙腺を直撃するかもしれません。

覚悟しておきましょう。

「今日までありがとう、えらがったね」

お母ちゃんに迎えに来てもらった優子ちゃん。いつもはみね子ちゃんたちよりちょっとだけお姉ちゃんに見えた優子ちゃんが、今回ばかりはお母ちゃんの前で子供に見えました。

子供にもどって安心しきった優子ちゃんの顔。

そんな優子ちゃんが、みね子ちゃんはちょっぴりうらやましいのかな。優子ちゃんとお母ちゃんの二人並ぶ姿を見つめるみね子ちゃんのちょっと複雑な思いが見え隠れする表情が強く印象に残りました。

友達がお母ちゃんと一緒にいる姿を見せられたら、あの年頃の乙女ちゃんたちなら自分の母親を思い出さずにはいられないはずです。

そんな乙女ちゃんたちの反応まで丁寧に描きこまれていて、本当に優しさに満ちあふれた脚本だなと思ったことでした。

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コメント

  1. とまと より:

    こんにちは!ひよっこ大好きです。初めてコメントさせていただきます。

    私は、向島電機の前の道路の「30」が気になって、、、あれは平成になってからの標示で、昭和なら「30高中」じゃないかと、、そこまで徹底して拘ってくれたら感動します。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      「30」とは「30高中」というは速度制限の標識のことでしょうか。昭和と平成で相違があるとは初めて知りました。

  2. こひた より:

    乙女たちの最後のコーラス!

    本当に感動するシーンだったのですが、残念ながら途中からあることが気になって気になって。

    一生懸命涙を堪えて歌う優子ちゃんの姿を、お母さんは見えていたのかなぁと。
    もしかしたらカメラアングルのせいで実際は見えていたのかもしれませんが・・・。

    そう願いたいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      見えていたと思います。見えていたので感激して思わずコーラスに参加したのかなと思いました。

      • こひた より:

        やっぱりそうですよね!

        くだらない想像などせずに、もっとストーリーを楽しみます!!

  3. GATTO より:

    こんばんは。

    ああ、これが昨日のお返事でいただいた「作劇上のある狙いがあってのこと・・・」だったのですね。
    確かにこれは、優子さん以外の誰がやっても似合わないでしょう、特に、みね子さんと澄子さんは(爆)。

    それにしても、雄大君は、鈍感なのではなくてずるいのかな?幸子さんのことは好きだけど、結婚すれば責任も生じ、好きな音楽にお金もかけられなくなるから、まだ結婚したくない。だからといって、こんな良い人とは別れたくない、というところでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      雄大くんの答えも明日あたり出ると思うのですが、彼はいわゆる空気が読めない、または女心がまったくわからないタイプのような気がします。

  4. もんすけ より:

    「ささやかな幸せを 祈ってる」

    冗長な台詞には足元にも及ばない、名曲のワンフレーズ。
    素朴な歌詞なのに、これほどまでにドラマに生きてくるなんて。
    朝から泣けて、泣けて、泣けて…。
    中学や高校を卒業して就職はしたけれど、乙女寮も一つの「学園」のような場所だったのでしょう。悲しいけれど、そこからも強制的に卒業させられてしまうんですね。

    体弱くも、大都会で一所懸命に働いてきた優子ちゃんへの母からの労いの言葉。きっと他の子の親御さん達も同じ思いを抱き、みね子ちゃん達も自分の親に言われているように感じていたのではないかと、心にじんわり。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      いつまでも一緒にいられると信じていた仲間たちとの別れ。会者定離と言う言葉がありますが、出会いを別れを繰り返して乙女ちゃん一人一人が幸せな大人になりますように。

  5. よるは去った より:

    「見上げてごらん空の星を」は私の小学生の時はフォーリーブスが歌ってヒットしてましたが、最初は故・坂本九さんの歌だったと知ったのはだいぶ後になってからでしたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      坂本九さんの歌だったと、僕は今日はじめて知りました。教えてくださりありがとうございます!

      • くまさん より:

        朝蔵さん、サバ読んでません?(笑)
        九ちゃんの『見上げてごらん夜の星を』が出た昭和38年は私は小学生でしたが、よく覚えていますヨ。当時の流行りは年単位だったので、もう1年位後だったかも知れませんが。

  6. まいもん より:

    おはようございます。
    NHKの出している週間テレビ番組雑誌「ステラ」をご存知ですか?
    今日発売の号で愛子さんのインタビューが掲載されているとの事。
    ご興味がありましたら是非ご覧ください。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      情報提供ありがとうございます!愛子さんのインタビューなんて読まないわけには行きません。本屋に行ってきます。