みね子が再就職先を失う / ひよっこ 第55話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年6月5日(月)放送
第10週 第55話「谷田部みね子ワン、入ります」

『ひよっこ』第10週 第55話 あらすじと見どころ解説

昭和40年(1965年)12月27日の夜。みね子、澄子、そして愛子の三人だけが残った乙女寮に、みね子と澄子の転職先として決まっていた石鹸工場の社長・原田がやってきました。その原田の言葉がみね子と澄子を動揺させます。

不況の影響で取引先を失ってしい、原田はみね子か澄子のどちらか一人しか雇えなくなったと言うのです。みね子と澄子、どちらが働くかは自分たちで決めてほしいと言い捨てて、原田はその場を立ち去ってしまいました。

みね子と比べて仕事がきない澄子は深く落ち込んでしまいました。そんな澄子を見かねたみね子が言いました。澄子が石鹸工場で働けと。みね子は石鹸工場での働き口を澄子に譲ることに決めたものの、みね子が再就職出来そうなところはまったくありません。

澄子も乙女寮を去って行きました。一人残され弱音を吐くみね子に、愛子は気晴らしをするようすすめます。愛子に背中を押され赤坂のすずふり亭に足を運んだみね子は、店の前の路上で財布の中の小銭をばらまいてしまうのでした。

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midokoro

一難去ってまた一難。一度は決まったみね子ちゃんの再就職先の会社が不況のあおりを受けて業績が悪化。一人しか雇えなくなってしまいました。

お姉ちゃんとして、ちょっととろいところがある澄子ちゃんにその就職先を譲ったみね子ちゃんではありましたが、新たなつとめ先の当てがあるわけではありません。

『ひよっこ』第10週 第55話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

みね子ちゃんが再び失業です。

しかもよりによって年の瀬の失業。年末の慌ただしい中、どこの会社も年末の挨拶まわりで忙しいはず。こんなタイミングで新たな就職口が出てくるとも思えません。

仮に向島電機の人事部が動いてくれたとしても、ただでさえ忙しい師走にどこも取り合ってはくれないでしょう。

失業というだけでも痛いのに、失業のタイミングがまた悪かった。再就職先を探すにはあまりにも悪いタイミングです。

しかし悪いことの後にはきっと良いことがあるというのが人生とドラマのおきまりのパターンです。

石鹸工場での働き口を失ってしまったものの、そのことがみね子ちゃんに新しい一つの出会い(もしかすると二つの出会いかも)をもたらします。

一つはすずふり亭と赤坂の商店街の人々との出会い。

すずふり亭や赤坂の人々とはみね子ちゃんはすでに出会っていますが、みね子ちゃんがすずふり亭で働くことになり、その出会いはよりディープなものになります。

なお、実お父ちゃんの出稼ぎ先での失踪>> みね子ちゃんが東京で就職>> 就職先の会社が倒産>> そしてすずふり亭で勤務。

ここまでの展開は『ひよっこ』制作発表の際にすでに公にされています。そこから先の展開はこの記事を投稿した時点ではまだ詳細はわかりません。

ところで「二つの出会いかも」と上に述べましたが、もう一つの出会いとなるかも知れない新展開は次回のこの欄に記しています。

ちなみにそのもう一つの出会いは恋バナの可能性ありです。

『ひよっこ』第10週 第55話 観賞後の感想

原田社長は小心者だった

石鹸工場の原田社長。初登場時はあやしさ、うさん臭さが炸裂していました。

手土産に持ってきたバームクーヘンの値段まで言って高い買い物をしたことを自慢してみたり(実際、確かに高かったですが)、向島電機の倒産を喜んでみたり。

愛子さんも原田社長について「調子のいいところがある」と警戒感をあらわにしていたと記憶しています。

あの天然の愛子さんがここまで言うのかとあの時は驚いたものです。

原田社長、空気も読めないし気づかいに欠けるところもあるしで、こんなところで乙女ちゃんが働いてゆけるのかなと不安でした。

でも、少なくとも原田社長は悪いことはしなさそうだな、と言うのが今回の原田社長の言語行動を観察しての感想です。

原田社長、一言で言ってしまうと「小心者」。それ以上でもそれ以下でもありません。

二人のうち一人しか雇えなくなったと言い出すのがやっと。では、どちらを雇うのか決めるのは原田社長の責任のはずです。

しかしその責任を逃れて逃げるように去って行く原田社長の小心なこと(苦笑)

残念なキャラですが、小心者ゆえに悪いこともできないかと。一人だけつとめることになってしまった澄子ちゃんのためにも信じていたい。悪さはできない小心者と。

「ちょっと優秀だしよ」「ちょっとってなに?」

今日になってはじめて気が付きました。みね子ちゃんと時子ちゃん、奥茨城から出てきた親友どうしのこの二人の評価の差に。

時子ちゃんは、豊子ちゃんから自分の考え方を変えてくれたと涙ながらに感謝され、澄子ちゃんからはファン第一号と言われ声援を送られてました。

では、みね子ちゃんは?

みね子ちゃん自身が「不当な評価」と豊子ちゃんに抗議したとおり、豊子ちゃんによるみね子ちゃんへの評価は低かった。あの澄子ちゃんですらみね子ちゃんと自分の間には「ちょっと」の差しかないと認識している。

特に澄子ちゃんの「ちょっと」という評価。豊子ちゃんによる「不当な評価」よりも、ある意味で厳しいかも。あの澄子ちゃんとほぼほぼ一緒のレベルなんて(笑)

さて、同期入社の豊子ちゃんと澄子ちゃんの二人から、みね子ちゃんはとても低く評価されてました。ドラマの主人公なのに親友役より圧倒的に評価が低い。まるで『ちりとてちん』のパターンの再現です。

そんな中で、今回のみね子ちゃんの行動は初得点。

「こんな可愛い妹を押しのけてお姉ちゃんがゆくわけないでしょ」

この一言で、澄子ちゃんからの評価も「ちょっと」からずいぶんと上昇したのではないでしょうか。

今回のドラマの背景は年の瀬、一年の節目。みね子ちゃんはそれまでの職も再就職先をも失い、こちらも一つの節目。

みね子ちゃんを取り巻く環境は節目を迎えましたが、澄子ちゃんからの評価の変化で、みね子ちゃんも大人としての節目を迎えたのかも知れませんね。

追記:大人としての節目の直後。澄子ちゃんが立ち去ってから、またいつものごとく弱音を吐くみね子ちゃんの落ち込む姿が妙にリアル。

優等生ぶったり変に気丈に振る舞ったりせずに、素直に落ち込むところがまた可愛い。肩肘張らずに素のまま、心のままに振る舞うヒロイン像。この点も『ちりとてちん』に通じるものがあるなと思い、『ちりとてちん』好きの僕はちょっと嬉しくなりました。

そして仮面ライダーが登場

さりげなく地味に描かれた、みね子ちゃんの人生の大きな節目。その節目の直後についにやって来ました。仮面ライダー出身者が。

かつて、実お父ちゃんが赤坂の街に初めて踏み入れた時に手を合わせていたすずふり亭の奥に鎮座する小さな祠。

今回、その祠にお参りする人がいる姿を見るのは久しぶりだなと思って観ていたら仮面ライダーでした。

実お父ちゃんと同じところから仮面ライダーを登場させるこの演出。何か狙いがあるのでしょうか。将来への何かのフラグなのでしょうか。

初登場の場所がすずふり亭の奥に鎮座する小さな祠というところが妙に引っかかりました。

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コメント

  1. ひるたま より:

    みね子ちゃんと澄子ちゃんのやり取りを見ながら思った事。
    演じている有村架純さんと松本穂香さん、実際に同じ事務所の先輩後輩の関係でいらっしゃるのですよね。
    「ちょっと(だけ)優秀」
    2人は同期入社ですが…何故か後輩が先輩に言ったように映りました。
    リアルの関係ではまず言えないでしょうから…「お芝居」ならではだな~と感じながら見ていました。(^m^;)

    ところで、某サイトで澄子役の松本穂香さんのロングインタビューが掲載されていました。「澄子」のイメージとかなり異なるな~さすが女優さん!と感じ入りました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      二人は同じ事務所だったんですか!?はじめて知りました。あの一言、お芝居を離れたら口が裂けても言えませんね(笑)

  2. GATTO より:

    こんばんは〜 こんな時間に書いても、書きたいことは、やっぱり他の人に書かれていますね(笑)。

    原田社長、小心者は小心者ですが、前回登場した時より、善良そうな顔をしていましたね。このドラマは、悪人の登場と、人の死ぬ場面を徹底的に避けていますね。そんなところが安心して見ていられます。

    ところで、今回の日付、12月27日は、私たちの結婚記念日でした。ちょっと嬉しかったです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      年の瀬のタイミングでのご結婚ですか!インパクトが強い日に設定しましたね。

      • GATTO より:

        はい、教会には、クリスマス・ツリーも飾られていて、とても良い雰囲気でした。

  3. やっさん より:

    初めて投稿します。
    みねこちゃんと同じ昭和40年に高校を卒業し調理師になるためにホテルに就職し50年調理師とし勤め上げました。
    石鹸工場はその当時ホテル、料理店等でる廃油を集め粉洗剤に加工しホテル等に販売していました。
    ゴコーという名で調理器具、食器洗いに使用されていました。
    かなり粗悪で手荒れにこまされたことを思い出しました(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      初コメントありがとうございます。

      昭和40年代当時の石鹸の流通事情、興味深く拝読しました。石鹸工場から見たらホテル等は得意先というだけでなく仕入先。持ちつ持たれつの関係でもあったんですね。

  4. まるこ より:

    みね子が小銭をバラまいた時、ぶつかった通行人が「邪魔だバカヤロー!」と罵声を浴びせるのが普通のドラマですが、「大丈夫?」と一緒に拾ってくれたのを見て確信しました。このドラマは徹底的に悪い人を出さない覚悟をしてる。石鹸社長も誠実な人だったし。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      怒鳴るだけの人とかって描写が簡単ですが、そんな安易な道を拒んだ脚本家の先生の覚悟は素晴らしいですね。

  5. もんすけ より:

    [どちらか一人を採用…]
    この展開に、「とと姉ちゃん」のワンシーンを思い出された方も多いかと思います。
    ただ、戦争へと向かう、心殺伐とした時代と、好景気の反動による不況とは、市井の人々の精神状態もずいぶん違うのでしょうから、簡単に比較することは難しいのでしょうね。
    それでも、家族へ、幼い兄弟のための仕送りをしなければならない状態は同じ。どことなく楽天的なみね子ちゃんだったからこその展開。一所懸命頑張っている姿を、神様は見逃さない…。そうあって欲しい!と願う週明けとなりました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『とと姉ちゃん』の時の、同僚を裏切ってまで仕事を確保しようとするあの展開はかなりつらいものがありましたね。

      みね子ちゃんと仮面ライダーのすれ違い。みね子ちゃんに新しい風が吹く予感がしてそれが救いとなりました。

  6. よるは去った より:

    原田「取引先は大きな旅館が三軒あってね・・・・・そこでなんとかやっているわけなんだが・・・・・。」ん~デパート、販売店等は大手化粧品会社が占めてるんですかね?「石鹸」というものを行きつけのスーパーで何気に最安値の品を選んで買ってくる私にとっては無知な領域ですな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      最近だと「無添加」を売りにした石鹸が個人商店クラスの小さな工場で作られたりしていますが、当時はそんな事業者に製造された普通の石鹸も流通していたんでしょうかね。

  7. まっくす より:

    原田社長、今日はあまり変な人に見えなかったね^^
    それにしても、主な顧客が3件でそのうち1件失った。ってどんな会社なんだ?従業員何人いるんだろう?あまり長持ちしそうにないな^^

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      原田社長の会社、安倍米店と同規模なんでしょう。あのあたりには今も同規模の小さな会社が少なくありません。

  8. 名無の親父 より:

    もう六人ぐみ「特に豊子さん」の姿が見れなくなると思うと少し淋しい気がします 会うは別れの始め何ですね。