赤坂のアパートあかね荘 / ひよっこ 第58話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年6月8日(木)放送
第10週 第58話「谷田部みね子ワン、入ります」

『ひよっこ』第10週 第58話 あらすじと見どころ解説

みね子がすずふり亭で採用されることが決まり、そのことをみね子は愛子に報告。向島電機の女子工員すべての再就職が決まったことで、ようやく愛子も自分の職探しを始めます。そんな愛子にみね子は提案しました。正月を一緒に過ごそうと。

愛子が女子工員たちだけのことを思って今日まで行動していたことをみね子は察しました。そんな愛子に胸を打たれたみね子は、愛子と少しでも長く一緒にいようと、正月休みに奥茨城の実家に帰ることを断念したのです。

みね子がすずふり亭で働くことが決まったその翌日、鈴子に挨拶したいという愛子を連れてみね子は再びすずふり亭に足を運びました。その日の目的はこれから暮らすことになるアパートを鈴子に紹介してもらうためでした。

そのアパートはあかね荘という名で、すずふり亭の裏手にありました。鈴子はみね子をあかね荘の管理人・富に紹介。富はその昔、赤坂界隈で人気の芸者だったという女性です。みね子はあかね荘に四畳半の部屋を借り、年明けからの住まいも決まりるのでした。

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midokoro

奥茨城編で登場した人々はみなさん一人残らず純朴で心優しい人ばかりでした。第一印象は変なおじさんだった宗男さんすらもが尊敬せずにはいられないナイスガイでした。

しかし物語の舞台が東京に移ってから事情が変わってきたみたいです。豊子ちゃんなど、初登場の頃はヒロインの天敵になるのかと思わず身構えたものです。

『ひよっこ』第10週 第58話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

ヒロインの天敵になりそうな気配をただよわせていた豊子ちゃんは、意外にもすぐに素直になり、最後の別れはただただつらいばかりでした。

最初のうちだけ豊子ちゃんが気難しいキャラとして描かれていたのは、奥茨城と東京のギャップを小さくするための緩衝材の役割が求められていたのかも知れません。

そんな緩衝材を経て、ついに本格的にややこしそうな人物が登場します。

その第一弾はみね子ちゃんがこれから暮らすことになるアパート「あかね荘」の管理人・富さんの存在です。

昔は赤坂界隈で一番人気の芸者さんだった富さん。そんな経歴を一つとっただけでも奥茨城ではありえないタイプの人物です。

一番人気と言うからにはそれなりに様々な人間模様を観察し、人の裏も表も酸いも甘いも知り尽くしているはず。

しかも場所は赤坂。普通の街以上に、様々な分野の海千山千が集まる街です。

そんな街で一番になった富さん。どれだけしたたかな生き方をしてきたのか。そのしたたかさが初登場の場面から見え隠れしはじめるようですが、それは見てのお楽しみとします。

ブログ主は一癖も二癖もあるキャラが大好物なので富さんの登場にワクワクしています。ただし実生活においては、特に富さんみたいな一癖も二癖もある=煮ても焼いても食えなさそうな人との付き合いは遠慮させてもらっています(笑)。

『ひよっこ』第10週 第58話 観賞後の感想

寂しいけれど暖かい、乙女寮の食堂の夜

愛子さんがドラマの結末近くまで登場する。ずっとみね子ちゃんを支えるお姉さん(笑)みたいな存在であり続ける。

そのことがわかった時、愛子さんファンの僕は嬉しいながらも実を言うと一つだけ気がかりなことがありました。

みね子ちゃんと愛子さんの付き合いは昭和40年4月から12月までのわずか9ヶ月です。

過去、何年間にもわたって向島電機と乙女寮で時間を共有してきた幸子ちゃん、優子ちゃんをはじめとした他の乙女ちゃんたち。

彼女たちと比べたら、みね子ちゃんと愛子さんが共有した時間はあまりにも短い。だから他の乙女ちゃんたちが気の毒だと思っていました

しかし、今回の夜の食堂の場面で納得がゆきました。

しゃべるとエコーが効いてしまうほど人の気配がなくなってしまった乙女寮。そこでたった二人で過ごす時間は、愛子さんにとって過去の何年分の時間よりも濃密な時間なのかも知れません。

長年住み慣れた環境のはずなのに、そこで過ごす時間はもはや日常ではない。非日常の時間がいつもの場所で流れてゆく。これはかなりインパクトの強い時間かと。

そんな中、みね子ちゃんが正月を一緒に迎えようと提案しました。

愛子さんを一人だけ乙女寮に残して実家に帰るのは忍びない。だから、ちょっと寂しいけれど正月休みに実家に帰るのはあきらめよう。

でも、大人の愛子さんに自分のような子供がそんな恩着せがましいことを言うべきでない。では、何て言ったいいのだろう。

みね子ちゃんなりに考えに考え抜いた口実が「新しいアパートで一人正月を迎えるのは寂しい」でした。

さて、新しいアパートで一人で正月を迎えるのは寂しいとみね子ちゃんは言うけれど、みね子ちゃんのその言葉は単なる口実でしかないことをきっと愛子さんは察しているはず。

何故なら、みね子ちゃんは実家に帰りさえすればアパートでたった一人のお正月という寂しい事態は避けてとおることができるはずだからです。

こんな心のやりとりも、共有する時間の短さを補うには十分。

愛子さんがこの先々も、みね子ちゃんを応援するポジションに立ち続けることに深く納得できる、寂しいけれど暖かい乙女寮の食堂の夜でした。

大昔は美人だった富さん

前回までの『ひよっこ』の登場人物たちは、いずれも皆さん純朴な方ばかりで多少のクセがある方にしてもわかりやすい人しかいませんでした。

そんな中、ついに煮ても焼いても食えないタイプのキャラが登場しました。富さんです。大昔は美人だった富さんです(笑)

最近、耳が遠くなってきたというけれど実は地獄耳。本当は耳が遠くなったわけではなく聞くのが面倒臭い話だけ耳に入らなくなった。そんな気もします。

みね子ちゃんとの初の対面時。田舎はどこって言った?田舎のご家族によろしくね!と挨拶する富さんの下心、みね子ちゃんには理解できたでしょうか。何かをねだるその物言い、愛子さんより遠回しなので空気が読めない人だと気づかないレベル。

でも、富さんみたいな海千山千だと相手の顔を見ただけで察しの良し悪しがわかるのかも知れません。

みね子ちゃんは察しが良いと判断したので遠回しな物言い。でも、これが察しの悪い子が相手なら、田舎の名産品を送れとはっきり言っていた?

あの「最強」だったはずの愛子さんも富さんの前では歯が立ちません。

鈴子さんに挨拶したとき、まさかの「安い」発言でその最強ぶりを発揮した愛子さんが先手を取られてしまったのには驚きでした。

先手とは富さんのこの発言です。

「200円ってとこかしら」

でも、値段を言い当てられ「あたりです!」と反応する愛子さんがまた愛子さんらしい。

100%天然の愛子さんと100%確信犯の富さん、この二人揃ったらいい漫才コンビになるかもです。二人がまたドラマの中で顔を揃える場面がありますように。

そんな、ちょっと怖そうな富さんですが、意外にも自分のことをよく理解されておられるようです。

とても腹が立ったその理由を鈴子さんに尋ねられた富さんは言いました。

それを話し始めたら明後日までかかる。自分の悪いクセを誰よりも良く理解していることがわかり、少しだけ安心しました。

富さんの暴走で周囲が大いに迷惑するということはなさそうだなと。

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コメント

  1. GATTO より:

    こんばんは〜

    富さん、こんな人を待っておりました!宗男おじさん、愛子さんに続く名言キャラではないかと思っております。
    見た目は派手過ぎですが、脚本家・岡田さんの代弁をしてくれる、優しい人であることを期待しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      富さんは、ここぞと言う時に普段は見せない優しさを発揮してくれそうな気がします。さらに芸者として酸いも甘いも嚙み分けているはずなのでその言葉もきっと深いことでしょう。

  2. もんすけ より:

    ふと思ったのですが、奥茨木村では自宅のすぐ近くに田畑が、向島電機では工場のすぐ横に乙女寮。そして、今度は鈴ふり亭の裏手にあかね荘と、みね子ちゃんにとっての仕事場は、いつも住んでいる場所から半径100mエリアにあるってことですね。

    まさしく生活と働くことが一緒ということでしょうか。
    難しく考え過ぎず、目の前にあることを仕事にし、こつこつ働いて生活する。素朴で素敵な生き方ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 生活と働くことが一緒

      豊子ちゃんは初めのうちそれを拒んでましたが、最後はその価値に気がついたんですね。

  3. カッチ より:

    朝見損ねて昼にやっと見ました。
    みね子が仕事が決まったと言った時の愛子さんの喜びようは良かったです。
    いつもみね子にきっかけを求めたりしていましたが、やっぱり愛子さんはみね子が一番好きだったんですね。
    富さんは何とも柳の木のような人ですね。
    何でも柔らかく受け流してしまうようで。
    これからが楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      思えば愛子さんにとってみね子ちゃんは「お姉さん」願望を満たしてくれるただ一人の心の友でしたね。可愛いはずです。

  4. 裏庭のにゃんこ より:

    朝蔵さん、はじめまして。朝ドラにはまったのは初めてです。愛子さん、可愛い(笑)。東京オリンピックは殆ど記憶にない年齢なのですが、向島電機の工場が何故か物凄く懐かしいです。ラインで働いたこともないのに‥‥
    ところで、愛子さんの部屋の外ではいつもワンコが鳴いていましたが、すずふり亭とアパートの間の広場?が出てくると、毎回猫の鳴き声が聞こえますね? ノラにゃんの憩いの場でもあるのかなーなんて(笑)。
    2日程愛子さんが出て来なかっただけで、寂しかったです。来週からも出てくれるといいな。松下ライン長さんも、ちゃんと再就職できますように。真面目に一生懸命働いている人が、報われるドラマであって欲しいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      はじめまして!

      おっしゃる通り『ひよっこ』は普通の人々の働くことへの誇りと仕事への愛情を見ているとすがすがしい気持ちでいっぱいになります。そしてそんな人たちが一人残らず幸せになって欲しいと心から応援したくなる作品ですね。

  5. キヨコ より:

    戦後20年を経てもなお、戦時中の話題が日常にある・・・
    あの時代はまだ戦争が身近だったのですね。
    あの頃の事が「昔話の物語」になってしまわないよう、忘れてはいけないですね。

    鈴子さん、富さんのようなお姉さまたちとお茶をする機会があるんですが、まさしくあんな感じで、話があちこちいろんな方向に発展したかと思ったら元に戻ったり、返答に困ったり(汗)
    いつの時代もあの年代の方たちは、歳を重ねた分パワーがありますね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      最低でも愛子さんくらいの年齢になれば20年前なんて昨日みたいなものですからね。当時はまだ僕も子供だったので気がつきませんでしたが、大人たちはこんな会話をしていたのかと初めて知りました。そして驚きました。

  6. かふう より:

    ついに真打ち登場、という感じで、白石加代子が宮本信子も和久井映見も蹴散らしましたね!
    今日は、すごくぜいたくな画面でした。
    宮本信子が和久井映見を労ったり、有村架純が和久井映見の苦労を察したり、いつになく、和久井映見が報われた回でもありましたね。
    いよいよ新展開。どうなるやら、、。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      富さん、さすがのインパクトでしたね。あの愛子さんが子供にしか見えなくなりました。

  7. ひるたま より:

    今日の放送分で、「あかね荘」の大家=富さん初登場。
    演じる白石加代子さんに圧倒されっ放しでした…!(鈴子さん=宮本信子さんも霞んで見えてしまった位でしたね…^^;)

    朝蔵さんの仰った事がよ~く分かります。(^o^;)

    • ひるたま より:

      続きです。
      アパートの部屋ですが…何故だか「乙女寮」の部屋と全体的に雰囲気が似ているな~と感じちゃいました(入口ドアの設置場所・窓の場所等々)。これはセットの都合?

      窓を開けるとキャバレーやスナックの看板が目に入る立地…人によっては微妙に感じられるかもしれませんね。(^m^;)
      もっとも、それらの店の営業時間帯に部屋にいなければさほど気にならないかな?職住接近で通勤には至極便利そうですし。(^^)

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        アパートの廊下は内部廊下。しかも各部屋に玄関があり靴箱も設置されている。なかなか贅沢なつくりだなと思いました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      愛子さんの「最強」のポジションはいとも簡単に奪われてしまいましたね。富さんの前では愛子さんも乙女ちゃんです(笑)

  8. よるは去った より:

    富「大昔はね・・・・・。」 白石加代子さんは相変わらず豪快キャラ役ですな。何といっても「亭主元気で・・・・・・。」の人でしたからね。富「二百円ってとこかしら?」愛子「当たりです・・・・・。」 海に千年山に千年とはこういう人を言うのでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      赤坂みたいな土地で芸者さんをやっていたら、それはそれは厄介な人物を相手にしてきたことかと。海に千年山に千年の修行の地だったのでしょう、赤坂は。