みね子はじめて皿を割る / ひよっこ 第65話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年6月16日(金)放送
第11週 第65話「あかね荘にようこそ!」

『ひよっこ』第11週 第65話 あらすじと見どころ解説

みね子がすずふり亭で働きはじめてから数日が経過。その頃のみね子は夜が遅くなった分だけ、朝の早起きが苦手でした。またみね子は、開店前の準備の仕事にはすっかり慣れたものの、ホールの仕事はまだまだそのスピードに追いつくことが出来ずいました。

そんな中、みね子はホールの仕事中に皿を割ってしまいました。省吾たちに急かされ動揺してしまったのです。それまで皿を一枚も割ったことがないことをひそかに自慢に思っていたみね子は、はじめての失態に深く落ち込んでしまいます。

落胆するみね子を省吾は気づかいました。忙しいとき、みね子に対してつい大きな声を出してしまうことを省吾は気にしていたのです。省吾は言いました。自分の父親は店員が失敗しても常に笑顔を絶やさず怒らない人だった。自分もそうなりたいと。

省吾は続けました。省吾が他店で修行した時。また軍隊に入隊した時。上の者が下の者に威張りちらす姿が悲しくてならなかった。だから自分はそれだけは避けたいのだと。省吾の願いを聞かされ、みね子は心優しき人々と巡り合った幸福を心から実感するのでした。

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midokoro

乙女寮の愛子さんは向島電機で働き始めた頃、仕事ができなくて工場の先輩たちから怒鳴られる蹴られる、そんな日々を送っていました。

にもかかわらずと言うべきか、だからこそと言うべきか、愛子さんは不器用なみね子ちゃんや澄子ちゃんに決してつらく当たらず励まし続けていました。

どうやらすずふり亭の省吾さんも、そんな心優しき人物のようです。

『ひよっこ』第11週 第65話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

省吾さんの話によれば、省吾さんのお父上。すなわち鈴子さんのご主人はとても温厚な性格で店員が何か失敗をしでかしても笑顔を絶やさぬ人だったようです。

そして省吾さんは、亡き父親のそんな生き様が自分の目標でした。

ところが父親のような生き様を目指した省吾さんが修行のためにと入った食堂の厨房は、上に立つ者が若手に威張りちらす社会。殴る蹴るは当たり前。省吾さんのお父上のすずふり亭とは正反対の環境でした。

その後、入隊した軍隊でも省吾さんは似たような経験をします。

しかも軍隊では、それまで先輩からいじめられまくっていた若い兵隊の一人が、新兵が入隊し自分が先輩のポジションに立つと早々に後輩いじめをはじめる。

そんな経験の積み重ねが省吾さんの心根の優しさを確たるものにしているようです。

そんな省吾さんですが娘との間に確執があるようです。娘との間に何があったのか。娘に問題があったのか、省吾さん自身にも何か問題があったのか。

すずふり亭・牧野家の暗黒史は今後の見どころの一つになりそうですね。

『ひよっこ』第11週 第65話 観賞後の感想

鈴子さんのご主人、省吾さんの父親

数回前のこと。鈴子さんが言いました。私は威張っているやつが大嫌い。それが赤坂っ子の特徴の一つだと。

どうやら省吾さん、鈴子さんの気質を濃厚に受け継いだ赤坂っ子みたいです。

そして鈴子さんのご主人。省吾さんの父親。きっと赤坂っ子のシンボルみたいな性格の男性だったんでしょう。

そんな男性だったからこそ鈴子さんは惚れた。結婚した。そして、そんな両親に育てられたからこそ、省吾さんみたいな性格、考え方が出来上がったに違いありません。

ここまで書くと絵に描いたような理想的な家庭ですが、そんな環境の中で間も無く登場するらしいアプレ娘が育ったのも事実。

鈴子さん、省吾さん、そして今は亡き鈴子さんのご主人にして省吾さんの父親。この三人が立派なだけに、何故その理想的な家庭にアプレ娘が出現するのかと謎は深まるばかりです。

アプレ娘になってしまう理由など見つからなそうな家庭環境にもかかわらず、実際にアプレ娘をつくってしまった理由とは何か。かなり深いワケがありそうです。

その深い深い確執を抱えた父と娘の和解の物語。これはすごいことになりそうです。

元治さんがますます好きになりました

今朝もまた元治さんに心をうばわれてしまいました。

省吾さんが過去の忘れてしまいたいような思い出の数々を語りはじめたときのこと。

省吾さんが修行で働きに出たレストランで体験した、厨房の中での料理人たちの厳しい上下関係の話の時は元治さんはいたって冷静に聞いていました。元治さんの横で省吾さんの話を聞いていた秀俊くんも同様です。

ところが省吾さんが、これまで封印していたらしい軍隊の時の語りはじめたそのとき。秀俊くんは料理人の上下関係の話を聞いていた時から表情を変えずに軍隊の話も聞き続けていたのに対して、元治さんは一転、今にも泣き出しそうな顔になりました。

秀俊くんの年齢は20歳前後。仮に戦時中に生まれて物心がつくかつかない頃に空襲などを経験したかもしれません。しかし少なくとも軍隊に入った経験はないはずです。

一方で元治さんの年齢は推定40前後。この年齢であればかなりの高確率で入隊した経験があるはずです。しかも入隊時の年齢の若さから考えて軍隊の中では一番下っ端だったはず。

しかも見るからに意地悪な上の者からいじめられそうなタイプです。

省吾さんは下っ端が乱暴に扱われるのを目撃した立場でしたが、元治さんは乱暴に扱われた当事者だったような気がします。相当つらい経験をしたんでしょう。

元治さんのつらそうな顔、見ていて本当に悲しかった。

しかし、その元治さんの今にも泣き出しそうな顔を見て、元治さんの隠された優しさの秘密を垣間見たような気がします。

人間関係、特に厳しい上下関係の中でいやな思いをしたことがある人には二種類あると僕は考えています。

省吾さんが言ったように、やられっぱなしでは生きてゆけずに同じことを誰か他の人に対してする人。親子関係でもよくあるタイプです。

そして省吾さんのように、自分が経験したいやな思いは自分で打ち止めにしようと歯を食いしばって踏ん張る人。

省吾さんは強い心を持った上に、どんな時でも常にニコニコしていた父親という理想の姿がありました。だから「自分で打ち止め」にすることが出来ました。

その点、元治さんは少しだけ弱そうな面もある。その弱い面がジャガイモの皮むきの時の秀俊くんイビリにちょっとだけ漏れて出てしまうのかな。

でも、その一方でこんなことは「自分で打ち止め」にしたいという強い願いがある。だからこそ省吾さんみたいな人にずっとついて来たのだろうし、その気持ちがあるから店の中で一番弱い立場にあるみね子ちゃんを誰よりも応援するのかなと思います。

実際に今回も、元治さんだけがみね子ちゃんに声援を送ったのを僕は見逃しませんでした。

お皿を一度も割ったことがないというみね子ちゃんの密かな自慢を鈴子さんが暴露した時のこと。元治さんは即座に「みね子、すげ〜な!」と絶賛。

元治さん、地味ながらもその人柄を知れば知るほど深いキャラですね。元治さん、ますます目が離せなくなりました。

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コメント

  1. GATTO より:

    こんばんは〜

    いやぁ、元治さんと高ちゃんのことは先を越されちゃいましたねぇ(笑)。それじゃあ、今回は一番目立たなかった秀さんのことを書こうかな。

    実は、結構みね子さんに気があったりして。時々そっけない言い方をするのは、気持ちの裏返しかもしれません。別の理由をつけて、好意を否定していますが、やはりみね子さんを見ている時は、うれしそう、楽しそうな顔していますよね。

    どちらにしても、内気な人のようです。ほら、行動起こしましょう。他の人に取られちゃったら後悔しますよ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ホール担当として入店してくれるなら誰でもよかった=秀俊くんの照れ隠し。あるあるですね。

  2. ひるたま より:

    鈴子さん&省吾さん親子を見ていて…距離がやや近い母と息子だな~と個人的には感じました。(物理的な距離のみならず、心理的な距離も近いような?)
    親子の距離感…殊に母と息子の距離があまりにも近過ぎると、いわゆる「マザコン」とも見做されてしまうようにも思えます。
    当人達に意識が無くても、そのように見做す人もいるかも?

    同じ職場で仕事している訳なのでどうしても母と息子の距離が近くならざるを得ない…亡くなった省吾さんの奥さん(即ち、間もなく登場する由香さんの母親ですね)はそのような姑と夫をどのように感じていたのか?。
    旦那さんとその母親(姑)があまり近過ぎると、嫁としてはなかなか入り込みにくくなってしまうものです。そのような祖母・父・母を見ながら子供の由香さんはどう感じながら育ったのか?
    「お祖母ちゃんとお父さんは、お母さんを蔑ろにしている」と感じてしまったのかな?

    …考え過ぎかもしれませんが、一部実体験も含めて個人的に感じた事を書いてみました。

    ところで。
    今日の放送分で、昼休憩の時に出されていたお茶菓子はおそらく『〇ーンライト』でしょうね。調べてみたら1960年発売開始との事です。(^^)

    • ひるたま より:

      続きです。
      「やられっ放しじゃ生きていられないんだよ…無理もないところもあるんだ」

      ドラマ開始時期間もなくの頃、実お父ちゃんが同室のおじさんに言われたセリフ「あんたも給料もらって郵便局行く時気をつけた方がいいぞ」を思い出しました。
      もしかしたらスリの被害に遭ってしまった実さんが、現在では誰かに「やり返している」立場になってしまっているのか?…そうで無い事を願うばかりですが。

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        「やられたらやり返す、十倍返しだ!」こんな言葉が一時期流行しましたね。実さんの痛快活劇のスタートでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『とと姉ちゃん』の森田家の母と息子もある意味で距離が近かったですね。その近さの表現がケンカだったのは、あの笑顔が怖い奥様にとっての救いでした(笑)

  3. しゃろー より:

    元治先輩良いですね。

    みね子さんが、初めて食べたビーフコロッケを揚げたのも元治さん。
    月末コロッケ娘と言って茶化していましたが、実はコロッケを注文されて嬉しく思っていたのかもしれない、と思いました。

    高子さんとの掛け合いも、フライヤーの話が多かった様な気がしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      元治さんは揚げ物を担当。だから「月末コロッケ娘」は喜びの表現。ちょうだいしたコメントでこの大事なポイントに初めて気がつきました。ありがとうございます!

  4. 安ママ より:

    ここんとこ株急上昇の元治さん、今日もまた見せてくれましたね。省吾さんの話を聞く時の悲しそうな顔はたまりませんでした。
    ファミリーのようなすずふり亭のスタッフ、ホントにいい職場に巡り会えました。
    一番遅くに決まったけど、きっと一番幸せな職場ですね。
    省吾さんの辛い話を払拭するような高子さんと元治さんのやり取り。
    みね子が肩を震わせて笑ってるのは、あれはきっと演技だけじゃなくマジだったんじゃないでしょうか(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      高ちゃんの芝居はアドリブかと思います。だとしたら、あれを目の前で見せられたら本気で笑わずにはいられませんよね。

  5. よるは去った より:

    みね子「お皿を一枚も割ったことがない・・・・・・んです。」まじめな人間ほどこういう時落ち込むんですな。しかし、仕事中に無意識のうちに大声になっていることでみね子ちゃんのような若い娘を畏縮させてるんじゃないかと気遣う省吾さんもやはり優しい人でしたね。軍隊で側で見ていて庇ってやりたくなるくらい殴られ蹴られしていた同年の兵士が後輩に同じような事をしているのを見るのか一番辛かったというぐらいてすからね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      高ちゃんが入店した頃には皿をよく割っていたという話を聞いて、高ちゃんへのささやかな対抗意識も手伝って皿を割っていないのが自慢だったのかも知れません。その唯一の自慢が皿とともに砕け散ってしまったのでしょう。