すずふり亭の出前に出る / ひよっこ 第67話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年6月19日(月)放送
第12週 第67話「内緒話と、春の風」

『ひよっこ』第12週 第67話 あらすじと見どころ解説

昭和41年(1966年)3月。すずふり亭で小さな失敗を繰り返したみね子でしたが、ようやく仕事にも慣れてきたある日のこと。すずふり亭の得意先である料亭まで出前に出たみね子は、客に商品を届け店に戻る道すがらある場所へと足を運びました。

そこは実の目撃情報があった商店街です。みね子は商店街の片隅に立って道ゆく人たちの中に実の姿を探し求めました。そんなみね子の姿に気づく者がいました。あかね荘の住人で慶應ボーイの純一郎です。純一郎はみね子の行動を不思議に思い足を止めます。

店に戻ったみね子は秀俊がコックを目指した理由を尋ね、秀俊は質問に答えました。子供の頃から姉や妹よりも得意だった料理が大好きになった。いつか自分の店を持ち女手一つで自分を育ててくれた母親を楽にすることが夢であると。

そんな秀俊は純一郎のことを深く理解していました。あと一年で大学を卒業する純一郎は、自分の将来が親に決められてしまっていることに寂しさを感じていると秀俊はみね子に告げました。そしてその寂しさをヤスハルも理解を示すのでした。

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midokoro
前々週、前週で描かれたのはみね子ちゃんの非日常でした。年末年始の乙女寮での最後の日々。赤坂の商店街の人々との出会い。そして久しぶりの奥茨城。

正月が終わり世間は日常に戻りましたが、みね子ちゃんにとってはしばらく非日常の日々が続いていました。

不慣れなすずふり亭の仕事。あかね荘で暮らす愛すべき変人たちとの出会いの数々。しかしそんなみね子ちゃんにもようやく日常が戻ってきたようです。

『ひよっこ』第12週 第67話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

日常に戻ったみね子ちゃんがまず足を運んだのは、かつて実お父ちゃんの目撃情報があったあの商店街。

おまわりさんの綿引くんが非番の日の聞き込み調査のために繰り返し足を運び、みね子ちゃんも綿引くんに連れられ聞き込み調査をしたことがある場所。

すっかり別人のようになって白いジャケットを着こなす「都会の男」実お父ちゃんが歩いていたあの場所です。

参考までに、この商店街のロケ地は東京都大田区の一角なのだそうです。

さて、あの商店街の片隅に立ち道ゆく人たちをじっと見つめ続けるみね子ちゃん。雑踏の中に実お父ちゃんの姿を探し求めているのでしょう。

一方、みね子ちゃんの家庭の事情など知る由もない純一郎くんが、そんなみね子ちゃんを目撃するものの彼にみね子ちゃんの行動の理由などわかるはずもありません。

みね子ちゃんの行動を不思議に思う純一郎くん。

ところでみね子ちゃんが出会ったあかね荘の住人の住人・第一号は純一郎くんでした。しかもとっても印象に残るインパクトの強い出会いでした。

そんなちょっと特別なポジションにいるらしい純一郎くんが、再びあかね荘の住人たちの中でみね子ちゃんの家庭の事情に一歩だけ近づきます。

みね子ちゃんと出会うのも、みね子ちゃんの心に秘めた悩みに近づくのも、あかね荘の住人たちの中ではいつも純一郎くんが最初です。

これって、何か狙いがあってのことなのでしょうか。

一方、みね子ちゃんは見習いコック・秀俊くんが黙々と働く姿に好感を持つようです。

みね子ちゃんの身のまわりにイケメンキャラが一挙に増えた今週。綿引くんも、今週には再登場する場面が用意されています。

ヒロインのまわりがにわかに騒がしくなってきました。

『ひよっこ』第12週 第67話 観賞後の感想

静かに始まった第12週。月曜日放送回だけにまだまだ静かですが、その静けさの中にさりげない深さがあり、印象に残る回でした。

みね子ちゃんと純一郎くん、恋バナのフラグ?

実お父ちゃんの目撃情報があった商店街。その片隅で立ちすくみ往来を眺めるみね子ちゃんのちょっと寂しそうな後ろ姿。

そのみね子ちゃんの、あかね荘にいるときには見ることができない憂いをおびた様子を目撃した純一郎くん。みね子ちゃんのことが気になりはじめたのでしょうか。

一方でみね子ちゃんもまた、将来が決められている寂しさというみね子ちゃんがこれまで聞いたこともないような悩みがあることを知り、そんな悩みを持っているらしい純一郎くんのことが気になりはじめた模様。

そして、すずふり亭の店の裏手でみね子ちゃんたちが仕込みをしていた時のこと。

わずかの間だけ立ち止まって仕込み作業をするみね子ちゃんたちの様子を眺めてから、みんなのところに近づいて来た純一郎くん。

あの時の純一郎くんの視線は誰に注がれていたんでしょうか?やっぱりみね子ちゃん?

一方、秀俊くんと二言三言会話を交わした純一郎くんがあかね荘の自室に戻ってゆく。その後ろ姿を追い続けるみね子ちゃん。

みね子ちゃんと純一郎くん。それぞれの心の中でお互いの存在がちょっとだけ大きくなりはじめてきたような気がします。

それはまだ恋と呼ぶほどの感情ではないでしょう。

しかし、今のみね子ちゃんには想像もできないような悩みを抱える純一郎くん。純一郎くんの生い立ちからは想像するのが難しい問題を抱えているみね子ちゃん。

お互いの想像を超えた謎が、お互いへのより強い関心となり、その強い関心はやがて別の感情へと育ってゆくのでしょうか。

今回、恋バナのフラグを見たような気がします。

赤坂の人々が抱える願いや悩み

みね子ちゃんの想像を超えた純一郎くんの悩み。純一郎くんが想像できないみね子ちゃんの悩み。この二人以外にも、すずふり亭の愉快な面々のその笑顔の裏側には様々な思いが秘められていました。

これまで一切語られては来なかった秀俊くんの過去。

お父さんが早くになくなり、お母さんが女手一つで秀俊くんと彼の姉と妹を育てあげてくれたとか。苦労を重ねたに違いないお母さんに楽をさせてあげるのが秀俊くんの願い。

秀俊くんの仕事に一途な理由がようやく納得できました。お母さんの存在が仕事の原動力になっているのは大きい。

そして秀俊くんの働く動機は、家族を支えるためにみね子ちゃんのそれに通じるものがありますね。みね子ちゃんにとっても理解しやすいものかと思います。

そしていつも不機嫌極まりないといった表情を浮かべるヤスハルくんの悩みも前回と今回で浮かび上がって来たような気がします。

早苗さんに「うるさい!下手くそ!」と怒鳴られてションボリしてしまったのは気の毒でしたが、その直前までのヤスハルくんの明るい表情は印象的でした。

今のところヤスハルくんのあれほどの笑顔は後にも先にもあの時だけです。

ヤスハルくんの将来の夢はどうやら歌手になること。しかしお父さんの一郎さんは最愛の息子が柏木堂を継いでくれることが何よりの願いです。

そんな父親に反発しながらも、父親が自分のことをとても可愛がっていることをよく理解しているヤスハルくんは、父親に対してとことん反発しきれない。そんな自分が悔しい。

純一郎くんの悩み。将来が決められていることへの悩みにヤスハルくんが共感を示したことで、ヤスハルくんがいつもいつも不機嫌な表情を浮かべているその理由がようやくわかったような気がしました。

そして元治さん。

秀俊くんの願いやコックを目指した動機をかたいなどとからかってましたが、元治さんがこの職業を目指した動機は、秀俊くんの動機すらも軽くやわらく見えてしまうようなものであるような気がしてきました。

滅多やたらに口にできないような動機。その重さをごまかすために、秀俊くんの動機をからかっているのではないかというのが僕の予想です。

いつぞや省吾さんが戦場でのつらすぎる体験を話した時のこと。元治さんは今にも泣きそうな表情を浮かべながら省吾さんの話に聞き入っていましたが、あのあたりに元治さんがコックになった動機が隠されているのではないでしょうか。

元治さん、見ての通りの何も動機がない人とは違うような気がします。実は深い何かを持っている。というか、そうあってほしいと願うばかりです。

追記

みね子ちゃんが今回、富さんについて言った言葉。

「予想のはるか上をいかれたある種のすがすがしさ」

わかるような気がします。みね子ちゃんが暮らしたこの十年後くらいの赤坂の人間模様は少しだけ想像がつくのですが、たしかに「ある種のすがすがしさ」を持った、富さんみたいにぶっ飛んだ人が赤坂には住んでいました。

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22 Responses to “すずふり亭の出前に出る / ひよっこ 第67話”

  1. よるは去った より:

    省吾「ハヤシ上がったよ。」高子「逃げるなみね子・・・・・。」(笑) しかし、ああいうハヤシやカレーの器は食べる人自身が好みでライスに混ぜて食べるためのものだとばかり思っていたけど・・・・・・「鈴ふり亭」の方針か・・・・・・?併し並んで腰掛けて仕込みをしているみね子ちゃんと秀俊君をじっと見てから近づいて行く純一郎君の表情から何となく「恋の鞘当」という言葉が浮かんだけど勘ぐりすぎかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      恋の鞘当、あるあるです。近々、ここに綿引くんもからんでくるのかもしれません。

  2. GATTO より:

    改めましてこんばんは。

    今日は、秀さんに親しみを感じてしまいました。うちも父親が早く亡くなりましたもので。3人兄弟も同じです。もっとも、私は彼のような、ハンサムでもなければ、料理が得意なわけでもありませんが(笑)。また、そんな話を気楽にできるところに好感が持てますね。

    元治さんはどうしたのかな?島谷さんが来る前から、心ここにあらず。いつもはみね子さんに優しいのに、今日は刺々しい返事・態度だったし。きっと、何か謎があるのでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      元治さん、よっぽど過酷な体験を経てきたのかもしれませんね。それを忘れたくて、いい加減なフリをしているような気がしてきました。

  3. ひるたま より:

    「小学校もね、永田町が近いから議員やら大臣の子供も来れば、うちみたいな商店街の子供もいる。芸者さんの子もお妾さんの子も来れば…親が偉いとか、金持ちだとか関係ない」

    私は地方都市の生まれ育ちなので東京都内(赤坂)の事情は存じ上げないのですが…ドラマの舞台となっている昭和40年代当時ならば、鈴子さんのセリフの通りだったのもしれないな~などと、ふと感じました。

    現在ならば「議員やら大臣の子供」達は、地域内の公立学校でなく、いわゆる‘名門’と目されている私立校(若しくは国立大学の附属学校)に進む(親がその手の学校を選択して子供を入学させる)ようなイメージが強いように思われるのですが…実態はどうなのでしょう??(^^;)
    (東京都内では公立学校でも「越境入学」が可能と、何かで聞いた事があるのですが…?)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      最近の赤坂はよくわからないのですが、みね子ちゃんが暮らした十年後くらいの赤坂は鈴子さんが言う通りカオスだったようです(笑)鈴子さんが口にした職業以外にも、ドラマの中では紹介できない分野の方も多数いたとよく聞かされました。

  4. あみ より:

    すずふり亭が準備中のときのボードが「CLOSE」という間違った英語になっていたので残念に思っていたのですが、なんと今日、正解の「CLOSED」に変わっていました!
    視聴者から苦情でも入ったのでしょうか。いやいやきっと純一郎くんから指摘を受けて変えたのだ…と思いたいです(*´ω`)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      今でも「TAKE OUT」なんていう間違った英語が堂々と使われているので、「CLOSE」はまだ可愛い方かもしれませんね。

      • GATTO より:

        横から失礼します。いやぁ、英語なんてまだ良い方です。私はイタリア語を勉強しておりますが、イタリア語やフランス語はテレビなどでも時々とんでもない間違いを見ます。他の言語は私にはわかりませんが、やはり間違いはあるのでしょうねえ。さすがに NHK の間違いは民放より少ないですが。

  5. nori より:

    一人一人の細かな描写が丁寧で、それぞれが魅力的で、良いドラマだなあと毎日思いますね。

    ところで、島谷くんは外階段から登っていましたね!みね子ちゃんも外階段を使えば、富さんの攻撃(??)を受けずに済むのになんて、細かいことを考えてしまいました(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      外階段の利用で富さんリスクヘッジ。ここにまったく気がつきませんでした。鋭い着眼点だと思います。

  6. まるこ より:

    「将来が決められている悩み」というのは、三男の兄ちゃんや青年団の人達が言っていた「ここから出ていけない者の気持ち」と共通するものがあると思います。
    このドラマは残る者と出て行く者、将来の当てがない者と決められている者の対比をいろんな形で繰り返し描いていくのかな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      奥茨城から出たくても出れない人々の悲哀。そこをすっかり忘れていました。大事な点を思い出せてくれてありがとうございます。

      『ひよっこ』は夢を追わないヒロインと夢を追えない登場人物たちの物語なのかもしれませんね。

      • GATTO より:

        またまた横から失礼します。例外といえば、時子さんかな。これまでのところ、彼女が一番幸せなキャラなんでしょうね。夢を持っているといえば、さおりさんも、その点は恵まれているかも。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          時子ちゃんみたいな例がありましたね。家もまあまあ裕福で、お兄ちゃんが後継なので自分が好きな道を選べて、本作のキャラの中ではいいことづくめですね。

  7. まーちゃん より:

    みね子ちゃん達が店の裏手で仕込み作業をしていると「みね子、手を動かせ!」と言いたくなります。前にジャガイモの皮むきをしていた時も包丁じゃなくてピーラーなのに全然はかどらなくてイラっとしましたが今日も玉ねぎの皮むきがすすまなくてまたイラっとしました。私、何だか小姑か姑のような目線になっています。秀俊君や元治さんはどう思っているんでしょう?増田さんにもナレーションで突っ込んでほしいところです。「あらあらみね子ちゃん、今日も手がお留守になっているようですね…」(爆)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      手先の不器用さの演出なのかもです。料理人のお二人に追いつくのにもう少し時間がかかるのかもしれません。

  8. りんりん より:

    元治さん?やついいちろう?
    えっ?エレキコミックの???
    そう言えば似てる、、、でもなんか違う、、、と思い、昔の画像と見比べて、やっとわかりました(๑˃̵ᴗ˂̵)
    歯並びが、きれ〜いになってました

    お笑いの人って、お芝居上手な人多いですよね。
    やついさんもステキな俳優さんになるのかな(^-^)v

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      やついいちろうさん、『ひよっこ』で俳優としてブレイクしそうな予感がします。朝ドラの味のある脇キャラの常連さんになってほしいです。

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