啓輔の相棒・祐二の帰還 / ひよっこ 第69話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年6月21日(水)放送
第12週 第69話「内緒話と、春の風」

『ひよっこ』第12週 第69話 あらすじと見どころ解説

啓輔の部屋でみね子やあかね荘の住人たちが食べ物を持ち寄って一緒に食事を楽しんでいるところに思いがけない人物がやってきました。やって来たのは啓輔と一緒に漫画を目指し富山から上京した相棒・坪内祐二でした。

祐二は前の年の暮れに富山の実家に帰ったまま一向に戻って来なかったのです。二ヶ月以上も東京に戻らなかったのにはそれなりの事情があったのだろうと、あかね荘の面々は案じるものの、祐二の戻れなかった理由はあまりにもバカバカしいものでした。

祐二の実家は運送屋です。従業員の一人が怪我をしたため祐二は家業を手伝っていました。手伝う中、取引先の娘に恋をしたから帰れなくなったものの、最後はフラれたために東京に戻ったと語る祐二に、みね子は唖然とします。

祐二はみね子に漫画の感想を求めました。その漫画は驚くほどつまらないものでした。みね子は愛想笑いでその場をしのごうとするものの、二人して駄作を懸命に描いた姿を想像して涙ぐんでしまい、そのみね子の涙を祐二と啓輔は感動と勘違いするのでした。

<<前回68話 | 次回70話>>

midokoro

あかね荘のもう一人の住人が登場します。啓輔くんの相棒で、啓輔くんと一緒に漫画家を夢見て富山からやって来た坪内祐二くんです。

藤子不二雄さんが二人合作で名作漫画を発表し続けたように、啓輔くんと祐二くんも二人合作の名作漫画を世に出すことが夢のようです。

『ひよっこ』第12週 第69話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

坪内祐二くんを演じるのは浅香航大さん。

朝ドラ『マッサン』では、父・鴨居の大将との確執を克服し主人公のマッサンの生き様に心酔するものの、夭折した悲劇のイケメンキャラを熱演しました。

そんなイケメンキャラを演じたキャリアを持つ上に、あかね荘の住人たちの中でわざわざ一人だけ遅れて登場させることでその存在感を際立たせる演出。

みね子ちゃんを迷わすイケメンキャラとして登場するのかなと思っていました。ちょうど、『まれ』のヒロインが心を迷わせた大輔くん(演、柳楽優弥さん)のように。

ところが初登場場面での情報を見る限り、祐二くんは啓輔くんと残念な点で同格。富さんから有名になれそうもない無名と毒舌をはかれそうな残念キャラとなるみたいです。

祐二くんは啓輔くんとの「力作」の漫画をみね子ちゃんに読ませて感想を求める。

しかし二人の描いた漫画は絶望的にまでつまらない。感想の言葉が出ないほどにつまらない。しかし、みね子ちゃんはそんなことは言えない。(早苗さんなら情け容赦なく駄作!と決めつけるところでしょうが)

言葉に詰まるみね子ちゃん。

ところが言葉に詰まったみね子ちゃんの姿を見た、祐二・啓輔コンビは大きな勘違い。

感動のあまり言葉に詰まったのだろう。僕たちの作品に感動してくれている!みね子さまは僕たちの初の理解者だ。

このお二人。とりわけ祐二くん。どうやら愛子さんを軽々と上回る天然キャラみたいです。

でも、繰り返しになりますが祐二くんは一人だけわざわざタイミングをずらして登場させることで存在感を際立たせる演出を施されました。

そこに何か狙いがあるかどうかは不明ですが、目を離せないキャラがまた一人増えました。

『ひよっこ』第12週 第69話 観賞後の感想

実は深く理解し合っている純一郎くんと早苗さん?

今週のどこかのタイミングで純一郎くんが早苗さんに対してツッコミを入れる場面が用意されているという情報は事前につかんでいました。

冷酷に見せているのは照れ隠しで、本当は優しい人なのだというツッコミを。

僕が何より楽しみにしていたのは純一郎くんのツッコミに対する早苗さんの反応です。よくありがちなドラマなんかだとそんなツッコミに遭った場合、言葉に詰まるとかその場を逃げ出すなどといった反応が定番です。

でも早苗さんにはそんなありきたりな反応ではなくまさかの反応を示してほしいなと願っていたところが、想像と期待をはるかに超える反応でした。

「あんた私に惚れてるんじゃない?」

そう来ましたか!(笑)

ただしこのまさかの反応によって一つだけ気がかりなことが生じてきました。気がかりなこととは今後の登場人物たちの恋愛模様に関するものです。

事前のアナウンスによればみね子ちゃんと純一郎くんの恋が始まるということですが、一方で今回の純一郎くんと早苗さんの会話もまた恋の始まりの典型パターンの一つです。

しかも純一郎くんは早苗さんの本質、実は心優しい一面を誰よりも理解し、早苗さんもまた持ち前の観察眼によって純一郎くんの上から目線のその奥にある別の一面を見抜いているに違いありません。

下々の庶民を見下すようなその視線が嫌いだという毒舌は早苗さんのいつもの照れ隠し。その純一郎くんの視線が持っている美点を知り抜いているからこそ照れ隠しで「下々の庶民を見下す」みたいな毒舌が出て来るような気がします。

あかね荘の住人たちの中で、実はもっとも相互理解が深い純一郎くんと早苗さん。本当はすでに分かり合えているような気もしますが、真に分かり合える日は近い?

そして仮に二人が分かり合えてしまったその時、みね子ちゃんはどうなるのかな?

みね子ちゃんの本物の涙

本当に全然つまらないけれど啓輔くんと祐二くんが二人で懸命にギャグを考えている姿を思い浮かべたら涙ぐんでしまうみね子ちゃん。

きっと二人の漫画が面白かったらここで涙ぐまなかったはず。

同病相憐むという言葉がありますが、下手なりに一所懸命な啓輔くんと祐二くんの姿に、みね子ちゃんはかつての自分の姿を重ね合わせたのかもしれません。

かつての自分の姿とは向島電機に入社早々の頃の自分の姿です。

みね子ちゃんは向島電機の作業を決して怠けているわけではありませんでした。手を抜いているわけでもありませんでした。

故郷の家族を守るためにも仕事を失うまいと誰よりも一所懸命でした。

でも手先が不器用すぎました。その不器用さが原因でミスの連発。一所懸命にやっても作業がまわりのみんなのようにうまくゆかない。はかどらない。

さて、啓輔くんと祐二くんの話に戻ります。

「機械だけに機械体操」

この寒すぎるギャグに吹き出したのは、みね子ちゃんが自分で認める通り嘘です。愛想笑いです。でも最後の涙は本物です。

そして本物の涙だけに、啓輔くんと祐二くんの大きな勘違いがどこまで行ってしまうのか。今後の二人の暴走が心配です。

・・・でもそれほど心配しなくても二人なら明るくたくましく生きて行けそうですが(笑)

追伸:啓輔くんと祐二くんのギャグは絶望的につまらないみたいですが、二人が描く【絵】そのものの描写力は確かなものですね。

あの時代に活躍した藤子不二雄さんや手塚治虫みたいに線がやわらかくてブレがない。いつ頃からのことなのか定かではありませんが、失われて久しい丁寧な絵づくりには匠の技を感じました。

話のネタやギャグさえ面白ければ成功するかもしれませんね、啓輔くんと祐二くん。

<<前回68話 | 次回70話>>

Sponsored Link
Sponsored Link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. ひるたま より:

    5月5日放送分(乙女寮での時子ちゃん&豊子ちゃんの喧嘩シーン)も殆どワンセットものでしたが、それでも最後2分程度は工場シーンが挿入されていた筈です。
    今日の放送分は、正に15分間まるまるワンセット=啓輔くんの部屋で展開されていましたね。しかも登場人物も5人だけ。
    (オープニングクレジットに他のスタッフさん達まで全員クレジット出来たかも?^^;)

    「気をつけろ、男っていうのはこういうくだらないところでは妙に理解し合うところがあるからな」
    早苗さんのセリフに吹きました。(脚本を書いていらっしゃる岡田さんが男性である事をしばし忘れました^^;)

    「可愛い子ながいぜ…内藤洋子にそっくりな」「内藤洋子ですか…」「島谷さん、好きなんですか」「うん」
    今日は内藤洋子さんが採り上げられていましたが…内藤洋子さんが茨城県神栖市(当時は神栖村かな?)のお生まれていらっしゃる事を今日初めて知りました。(育ちは神奈川県鎌倉市でいらっしゃるようですが)
    昭和44年生まれの当方は内藤洋子さんの全盛期(?)を当然知らず、むしろ元女優の喜多嶋舞さん(大昔の朝ドラ『凛凛と』に出演されていたように記憶しています)のお母様というイメージが強いです。
    昭和41年当時の内藤洋子さんは人気絶頂の頃だったのでしょうね…きっと。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ドラマの前年の昭和40年(1965年)に公開された黒澤明監督の『赤ひげ』で内藤洋子さんはデビュー。僕はこの『赤ひげ』が大好きで何度も繰り返し見たのですが、内藤洋子さんが本当に綺麗です。当時、この作品で一世を風靡したのでしょうか。ちなみに同作品での相手役は加山雄三さんです。

  2. もふもふ より:

    初めて投稿します。ごちそうさんからお世話になっています。
    今日はたっぷり富山弁で語ってもらい、笑わせてもらいました。私は生粋の富山県人なので、高岡市出身と言いながら、しゃべりが富山市なまりだったのが、ちょっこしだけ残念でした。
    私の父の最近の楽しみは、みね子ちゃんの語り始めの”おとうさん”を聞くことなんだそうです。自分に語りかけてくれている気分になるんだとか。そして、嫁に行った娘(私)を思い出すそうです。
    確かに、これだけお父さんに語りかけるドラマもなかったように思います。
    「おとうさん」をきいてにんまりしている父を想像すると、なんだかかわいいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『ごちそうさん』の時からですか!ありがとうございます。

      みね子ちゃんの語りにそんな効果効能があったとは、とっても新鮮です。同じ気持ちで語りを聞いている娘を持つお父さんたちが他にもたくさんいるんでしょうね。

      > なんだかかわいいです

      コメント最後のこの部分、みね子ちゃんっぽいですね。

  3. GATTO より:

    こんばんは〜

    前回は、アパートの中だけのドラマでしたが、今回は更に狭く、アパートの一室だけでしたか(笑)。それに俳優さんたちも若手ばかり、5人だけ(爆)。出演者の紹介も、普通最後は大物の名前が出るはずですが、そこがスカスカ(爆死!)。

    にもかかわらず、本当に面白かった!やはり早苗さんのツッコミが効いていましたね(最後の方は、純一郎さんのツッコミも!)。また、祐二さんの恋のところで懐かしい音楽が!もう聴けないと思っていただけにうれしかったです。

    ところで、この二人のマンガが面白くない理由はわかる気がします。マンガ以外のこと・世界に縁がなさ過ぎるのですね。アルバイトくらいしていれば、お金だけでなく、マンガのネタも得られるのに、と思えてなりません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > マンガ以外

      あかね荘の部屋から出る時間をもう少し増やし周りの顔ぶれにもっと関心を持つだけでも、富さんや早苗さんなど爆笑ネタなどいくらでも転がっているのに惜しいですね。

  4. ゆうのしん より:

    こんにちは 次の次の朝ドラ 半分、青い。ヒロイン 永野芽郁さんに決まりましたね この子は朝ドラの主役にピッタリでは?と個人的に思っていたので 今から楽しみです ひよっこ からそれてすいません では!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ヒロイン起用のニュースなどでも彼女の朝ドラヒロインに期待するものが少なくありませんね。動画も見てみましたが確かに朝ドラ向きだなって思いました。

  5. nori より:

    今日の展開を見ていて、みね子ちゃんの恋バナというよりも片思いや失恋の可能性が高いのかな?と思いました。これからどう変化していくのかな?

    ひよっこ公式HPのあかね荘の見取り図を見てきましたよ!富さんはあかね荘に住んでいるものと思っていたのですが違っていたのですね!富さんの生活、なぞです…

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      現実的に考えて、純一郎くんのご両親は息子の結婚相手の家柄にもこだわりそうだし、「ただの田舎娘(笑)」だと何かと支障があるかも知れませんね。一方で元おまわりさんの綿引くんはもしかするとみね子ちゃんのことが好きなのかなと思うことがあります。でも、みね子ちゃんは綿引くんの気持ちに気づかない。そんな展開もありかもです。

  6. もんすけ より:

    祐二・啓輔コンビへの、容赦ないみね子ちゃんの突っ込み。
    なんだか、「あまちゃん」でのヤング春子ちゃんを彷彿してしまいました。
    純一郎君へはちょっとドキドキしていること、早苗さんは○っとお見通しのようですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ヤング春子ちゃん、不機嫌で怒っていることの方が多くて『ひよっこ』の早苗さんみたいでしたね。

  7. よるは去った より:

    みね子「頑張ってください・・・・・。」の啜り泣きは啓輔君、祐二君ヘの憐れみか同情と解釈して良いのでしょうか?しかし、彼等の実体験(帰郷中での出来事、あかね荘での出来事)の方が漫画ネタとして面白いような気がするんですがね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      これは次回作『わろてんか』の話ですが、全然面白くない芸人が芸よりも夫婦喧嘩の方が面白いと言われ、夫婦漫才を始めるエピソードがあるそうです。