鈴子と省吾の苦悩を知る / ひよっこ 第72話

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年6月24日(土)放送
第12週 第72話「内緒話と、春の風」

『ひよっこ』第12週 第72話 あらすじと見どころ解説

牧野家の抱える家族問題に巻き込んでしまったみね子を、省吾は赤坂の商店街にあるバー・月時計に誘いました。省吾はそこで、亡くなった妻・セツ子のことや娘の由香との関係をみね子に話し始めます。

省吾は語りました。戦争が終わるとすべてを失った。それらを取り返そうと懸命に働く中でセツ子と結婚。しかし無理に無理を重ねたセツ子は由香が10歳の時に病死。由香はセツ子に無理強いした自分と鈴子を恨むようになった。省吾はそう考えていました。

同じ頃、鈴子はすずふり亭の裏で一人、失ったもののことを振り返っていました。戦争で失ったものを取り返そうと懸命に働いてきたものの、取り返すのと引き換えに嫁のセツ子を亡くしたこと。孫娘の由香と絶縁してしまったことを。

落ち込む鈴子を一郎は励ましました。一郎はヤスハルから聞かされた由香の話を鈴子に聞かせました。由香が金の無心をするのは金がないからではない。自分のことを省吾と鈴子に忘れて欲しくないから、たまに金の無心をしに来るのだと。

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midokoro

前々回、前回と描かれた牧野家の家族問題。省吾さんと由香ちゃんの父娘の確執。鈴子さんと由香ちゃんの祖母・孫娘の確執のきっかけが初めて語られます。

牧野家の秘密が明らかにされる舞台は、ドラマの中で初登場となるバー・月時計。そして店主の竹内邦子さんも今回が初登場。

月時計の店主・邦子さんを演じるのは白石美帆さんです。

『ひよっこ』第12週 第72話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

みね子ちゃんが向島電機で初任給をもらった直後の頃のこと。

お母ちゃんが手作りしてくれたブラウスが嬉しくて嬉しくて、赤坂の商店街のショーウィンドウに映った自分の姿にみね子ちゃんが見とれる場面があったことを覚えておいででしょうか。

お母ちゃんの手作りのブラウスを着た自分の姿が映るショーウィンドウ。そのショーウィンドウの向こう側では時計屋の親父が時計修理をしていました。

もしかするとこの時の時計屋さんが、今回ドラマの中で初登場となるバー・月時計の改装前の姿だったのかも知れません。

話を今回のことに戻します。

その月時計の店主・邦子さんは、バーにやって来たお客さんたちに心地よい時間を過ごしてもらおうと日本各地の方言を勉強していると言う設定です。

ちなみに邦子さんを演じるのは女優の白石美帆さん。なんと白石美帆さんは茨城県常陸大宮市の出身です。

この常陸大宮市は茨城県でもかなり北寄りに位置します。茨城県と福島県の県境にある大子町の手前。架空の奥茨城村に限りなく近い場所です。方言を勉強中という邦子さんの口から、もしかするとリアル茨城弁を聞けるかも知れませんね。

さて、省吾さんがみね子ちゃんを連れて、バー・月時計で牧野家の家族問題のことを語って聞かせているそのとき、鈴子さんも家族が抱える問題に対する複雑な胸の内を吐露していたようです。

鈴子さんの悩みの聞き役はなんと和菓子屋の親父・一郎さん。

鈴子さんから悩みを打ち明けられるなんて、一郎さん、ただの能天気な親父ではないのかも知れませんね。

『ひよっこ』第12週 第72話 観賞後の感想

牧野家の問題

牧野家の抱えている家族問題、由香ちゃんのアプレ娘化問題のざっくりとした流れは今回で語り尽くされたのでしょうか。

しかし由香ちゃんが省吾さんと鈴子さんを恨むようになったきっかけ。とりわけ鈴子さんの言うことを聞かなくなってしまった理由についてはまだ踏み込まれてはいませんでした。

そのあたりは牧野家の確執が解消される頃までお預けでしょうか。

そこで、由香ちゃんが父親と祖母を恨むようになったきっかけについて想像してみました。

セツ子さんはある日突然倒れたと省吾さんは言いました。その「突然」という言葉に秘密が隠されているような気がします。

セツ子さんが亡くなったのは決して「突然」ではなかった。前々からセツ子さんは体調の異変を感じていたのではないかと思います。

そして母親が体調に異変を感じはじめたことを、由香ちゃんだけは気がついていたのかもしれません。弱い人、弱っている人の心の中への洞察力に由香ちゃんは秀でているということなので。

そして由香ちゃんはそのことを省吾さんや鈴子さんに訴えたのでしょう。お母さんの様子がおかしい。病院に連れて行ってあげてほしいと。

でも、省吾さんは妻・セツ子さんの異変に気が付きませんでした。由香ちゃんに言われても仕事の忙しさの中で気付こうともしませんでした。

今でも省吾さんは妻・セツ子さんの亡くなる前の異変を理解していないかもしれません。それが「突然」倒れたという言葉にあらわれているかと思います。

異変を理解しなかったからこそ「突然」という言葉も出てくるのでしょう。

鈴子さんも戦争で失ったものを取り返すことに必死で、セツ子さんの異変に気付く心のゆとりを失っていたのかも知れません。

しかも、セツ子さんの体調の異変を訴える由香ちゃんに対して、言ってはいけない何かとんでもない言葉を口に出してしまったのかも知れません。

あるいは鈴子さんは、よく働くセツ子さんのその働きぶりを当たり前のことと考えて、セツ子さんに感謝もしなければ、セツ子さんの働きぶりに関心を持つこともあまりなかったのかも知れません。

戦後の復興期。必死になって働くのは当たり前。感謝するようなことではない。そんな感覚に鈴子さんがおちいったことも考えられます。

今回、鈴子さんが一郎さんに言いました。「セツ子さんにありがとうと言いたい」と。

セツ子さんが懸命に働いている当時。鈴子さんはそのことにありがとうと言えなかった。ありがとうと言えなかったのは、セツ子さんに関心を払っていなかったということです。

そのことがセツ子さんを死に追いやってしまったと鈴子さんは悔やんでいるのではないか。そんな気がする鈴子さんと一郎さんの語らい場面でした。

追伸1:一郎さんのヤスハルくん思いに泣かされました。「ヤスハルが言うんだから間違いない、あいつは最高だよ、俺は幸せ者だよ」

親バカでいられることに心から感謝している一郎さん。素敵すぎます。そしてヤスハルくんも心優しいいい青年ですね。将来が楽しみです。

追伸2:牧野家に明るい光が差し込むことになりそうです▼▼▼
ひよっこ ネタバレ 15週,16週,17週/みね子の恋,愛子の恋

次週予告映像:実お父ちゃんの身に起こったこと

来週は謎に包まれていたままだった実さんの、失踪した当日の出来事や行動が明らかになるのでしょうか。

予告映像では実さんの映像が2カット。

その映像だけでは実さんの身の上に起こったことを断定することは出来ませんが、おそらく給料をスリに盗られたみたいですね。

そして2カットの映像のうちの1カットは、そのスリを追って走る実さんの姿。もう1カットはスリに追いつき盗られたお金を奪い返そうとする姿。

この二つの映像のその先で何が起こったのか。

そこに実さんの失踪の謎が隠されているような気がします。いよいよ来週は実さんに大きく近づく週となりそうです。

参考:父親失踪の理由と今後の展開を予想

次週の予告映像ではもう一つとっても気になるカットが登場。

それは宗男おじさんのおっかない嫁・滋子さんの姿です。待ちに待った滋子さんがついに本格的にドラマの中に登場するのでしょうか。

ところで今週の由香ちゃん騒動からドラマの流れが少しだけ早くなって来たような気がします。次週はその流れの早さに加速がつきそうですね。

では、今週も一週間ありがとうございました。良い週末をお過ごしください。次週もよろしくお願いします。

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コメント

  1. 1013 より:

    あるトマト農家の話ですが、品種改良に没頭する旦那さんを陰日向なく支えた奥さんの名前を新種のトマトに感謝の意を込めて付けたそうです。

    その名前は「妻 せつ子」

    亡くなった奥さんの名前はもしかしてこれ?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      素敵な実話をご紹介くださりありがとございます。そんな秘密が込められた「セツ子」という名前だったら素敵ですね。

  2. もふもふ より:

    この回を見て、やっと由香ちゃんの、みね子ちゃんを眺めながら「こういうのがよかったのね。いかにも働き者っていう…」と言った意味が分かった気がしました。
    由香ちゃんは、みね子ちゃんにお母さんの面影を見たんですね、きっと。
    働き者の母。そのせいで死んだ母。そして今の自分からはかけ離れた姿。みね子ちゃんの姿から、いろんな面が見えてきてしまって、それを押さえるための寂しい顔だったように思えてなりません。
    きっとお母さんが大好きで、お母さんのようになりたかった。でもいろいろあって、そうはなっていない。でも、目の前になりたかったであろう姿の別の子が現れたら、そりゃ心中複雑でしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      由香ちゃんが口にした「働き者」という言葉。その言葉を口にした由香ちゃんが、その時に思い出していたのは省吾さんでも鈴子さんさんでもなく、お母さんだった。なるほど、そうかと納得のコメントでした。ありがとうございます。

  3. しゃろー より:

    昨日の話ですみません。

    シェフが鈴子さんと呼ぶのが、とても気になってしまいました。朝蔵さんの解釈もなるほどと思いました。

    また、純一郎君がお茶を飲んでる次のシーンで、早苗さんが「おやすみ」と言って共同炊事場から出て行っていて、『一緒にお茶飲んでるじゃん!』っとツッコんでしまいました。おっおっ、っと思ってしまいました。一緒に鈴子さんと一郎さんの話を聞いていたのかなぁと思いました。

    今週は、また大きく展開していきそうで楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      早苗さん、純一郎くんが突っ込みを入れたように誰かと関わっているのが大好きな寂しがり屋なのかも知れませんね。でもそれを認めたくないばかりに・・・早苗さんが素直になる日がやって来るのでしょうか。

  4. tonko より:

    こんにちわ♪
    皆さんのコメントを読んで
    振り返りながら先週分から観てましたら
    お店の裏での場面
    みね子ちゃん達が使っていた皮剥き器
    我が家では現役なんです(〃⌒ー⌒〃)ゞ
    ちょっと嬉しかったです

    今週は、あかね荘と親子関係がメインでしたね
    こちらは各々奥が深そうです
    恋のお話は…
    2人以上の候補者がいると
    視聴者の間で派閥が出来ますよね~
    ちなみに私は、綿引くん派です(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕も綿引くん派です。いつぞや綿引くんがみね子ちゃんに「俺たち似てるよね」って言いましたが、その似たところが綿引くん推しのポイントです。

  5. GATTO より:

    おはようございます。

    毎週土曜日は、リラックスした楽しい雰囲気のお話になるのですが、今回は、金曜日までの延長のようで、それでいて、柏木堂のごしゅが良い味を出してくれました。やっぱり、優しいだけのお父さんではなかったですね。

    せっかくなので、今度は、中華料理屋
    ご夫婦のお話も聞きたいな。あのご夫婦は、群馬県出身かな?かかあ天下だし、福田性も後の首相と同じだし(笑)。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 中華料理屋

      いつも夫婦喧嘩が絶えない福田夫婦が、ドラマの中の登場人物たちの家庭の中で(今のところ)最も円満。皮肉な話ですね。

  6. ひるたま より:

    「形の悪い小豆も、ちゃんと炊いてやれば(煮方次第で?)美味しくなる」
    以前、柏木堂の一郎さんがヤスハルくんに言い聞かせていた場面を思い出しました。
    一郎さんは血の繋がりの有無関係無く、ヤスハルくんを「ちゃんと炊いた≒愛情もって育てた」のでしょうね、きっと。
    夜の中庭で例によって(?^^;)「♪アンコ椿は~」を歌っていましたが、今日に関しては早苗さんからの「うるさい!下手くそ!」はありませんでしたね。
    もしかしたら…過去に何度も言われていたけれども、そんなのお構いなく歌い続けて、終いには早苗さんも諦めたのかも?…などと妄想しちゃいました。(^m^;)

    ところで、今週は柏木家の家庭内事情について一歩踏み込んだ描写がされましたが…『福翠楼』に関しては、現時点では未だ殆ど触れられていませんね。五郎さん&安江さん夫妻の話もいずれは出て来るのかな?(?_?)

    • ひるたま より:

      続きです。
      バー『月時計』にて、省吾さんが話の中で複数回母親の事を「鈴子さん」と呼んでいました。
      親子ならば「母(親)」「おふくろ」「母さん」etc.…の呼称の方がむしろ自然なのでは?と思ったのですが?…考え過ぎでしょうか。

      また一郎さんの「アンコ椿」と早苗さんですが…歌が聞こえるならば当然、鈴子さんの話も聞こえた筈。
      早苗さん、鈴子さんの話の内容を聞いているうちに、今日の所は怒鳴り込むのは止めておこう、という気持ちになったのかもしれませんね。(^^)

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        省吾さんはお店の従業員の手前、お母さんでなく鈴子さんと呼ぶことを習慣化するうちにいつでも鈴子さんと呼ぶようになったのかも知れない。そんな風に解釈することにしました。

        • ひるたま より:

          こんばんは。ありがとうございます。
          ところで…「時子さん」→「鈴子さん」が正しいかな?と思われるのですが…?^^;

          ところで…「節子」さんという名前を聞いた時、個人的には原節子さんが最初に浮かびました。もしかしたら、原節子さんへのオマージュも込めて付けられたのかな?などと思ったりもしました。(^^)

          • 朝蔵(あさぞう) より:

            ありがとうございます。再登場する時子ちゃんのことで頭がいっぱいでした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      一郎さんの小豆の炊き方の言葉。職人としての技術の話だけでなく、深遠な人生の知恵でもあったんですね。ヤスハルくんとの関係がわかって、改めて一郎さんの言葉や行動を思い返すと実はとっても立派な人だったようです。

  7. よるは去った より:

    一郎「見せてやりたいなあ・・・・この街。ウチの奴にも・・・・・節子さんにも・・・・・・。」 繁栄の裏にはですなあ・・・・・。鈴子「節子は私が殺したようなもんだ・・・・・。」ずっとこんな想いを抱えているのをわかってやれなんて由香ちゃんに言うのは今は無理な話なんですかねえ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      由香ちゃんとしても、振り上げた拳を下ろすタイミングを見計らっているといったところでしょうか。見計らうためにお金をせびって相手の出方を探っているような気がします。