手紙を受け取った美代子 / ひよっこ 第105話

2017年8月2日(水)放送『ひよっこ』第18週

あらすじと見どころ解説

みね子からの手紙を受け取った美代子はその日の深夜、ちよ子と進むが寝静まってから茂に手紙を見せると、ある決意を茂に告げました。東京の世津子のもとに身を寄せている実のもとに足を運ぶことを美代子は決めたのです。

美代子はすずふり亭に電話をし、東京まで出向いて実に会いに行くことをみね子に伝えました。美代子からの電話を受けたみね子は早速、世津子に連絡。世津子も、実と美代子を会わせることを受け入れます。

そして迎えた美代子上京の日。美代子は実の失踪直後に東京に行った時のことを思い出していました。一方、美代子を迎えに行くみね子に愛子が告げます。みね子はすべての人の気持ちを察することができるのが長所だが、今日だけは美代子の立場だけを考えよと。

上野駅でみね子と待ち合わせした美代子は、世津子が暮らすマンションに向かう間、緊張のあまりずっと無言をつらぬいていました。そしてみね子と美代子は世津子の住まいに到着。美代子は複雑な思いで実との再会をはたそうとするのでした。

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『ひよっこ』第18週 第105話 今回の時代背景解説と事前発表あらすじレビュー

連続テレビ小説(朝ドラ)『ひよっこ』
2017年8月2日(水)放送
第18週 第105話「大丈夫、きっと」
みね子ちゃんがやっとの思いで実さんの新事実を知らせる手紙を美代子さんに書き、美代子さんはその手紙を受け取りました。

当然のことながら美代子さんは、手紙の内容を茂じいちゃんに知らせることでしょう。

でもちよ子ちゃんと進くんにはどうするつもりなのか。また、いつも通り宗男おじさんにも知らせることになるのでしょうか。

このあたりについては詳細は今のところわかっていません。

ところで進くんはまだ小学生。実さんの新事実を伝えたところで、そのことを理解できるかどうかは定かではありません。

しかし、ちよ子ちゃんはどうでしょうか。

思えば、ちよ子ちゃんは小学生の時すでに、実さんの異変を察してたった一人で東京へ向かおうとしたほどです。

そのちよ子ちゃんも中学生。

もはや隠し通せる年齢ではありません。実さんの新事実を伝えれば、それを理解することもできるでしょう。

理解はできるかもしれませんが、その重たい現実を受け入れられるかどうかはまた別の話です。ちよ子ちゃんが心配です。

というわけで、美代子さんが東京に来ます。

みね子ちゃんと美代子さんが東京で二人揃うことになるのはこれが初めてですが、あまりにもつらい場面で二人揃うことになってしまいました。

『ひよっこ』第18週 第105話 観賞後の感想

「奥茨城村で生まれ育った谷田部実」

「奥茨城村で生まれ育った谷田部実を探してください。ちゃんと名前があります」

このセリフを美代子さんが口にしたのは第2週のことだったでしょうか。

実さんが失踪したと連絡があった直後に、みね子ちゃんにも内緒で美代子さんは実さんの行方を探しに東京に行きました。

その時、美代子さんが足を運んだ赤坂警察署で、実さんのことを星の数ほどもいる出稼ぎ蒸発者の一人としかみなさない警官に対して美代子さんが放った言葉です。

あの頃はまだ『ひよっこ』は始まったばかり。

ドラマの中の登場人物たちに今ほどは感情移入できていない第2週の頃、視聴者の立場は美代子さんよりも赤坂警察署の警官に近いものがあったかと思います。

僕も美代子さんの言葉の意味するところはよくわかりました。でも正直言うとあの時、美代子さんが激昂するほどの気持ちまでは十分に理解できていませんでした。

しかし、谷田部家の物語を4ヶ月にわたって見続けてきた今。再び回想場面として登場した赤坂警察署での美代子さんの言葉の重いこと!

「ちゃんと名前があります」

今回まで繰り返し書いてきましたが、このドラマは特別な能力もなければ秀でた仕事を残したわけでもない普通の人々を描いたドラマです。

夢を追っているわけでもない。世の中に大きな変革をもたらすわけでもない。

これまでの普通のドラマであれば集団に埋没した画一的な人物として描かれかねない人々。そんな普通の人々の人生にどれほど価値があるかを描いた稀有な作品だと思います。

乙女寮時代のみね子ちゃんのモノローグにそのことはよく表れていました。

集団就職してきた乙女寮の乙女たち一人ひとりに人生があり物語がある。そんな意味の言葉をみね子ちゃんがモノローグで語ったと記憶しています。

そして『ひよっこ』を観すすめるうちに、自分の中にもそんな視点、そんな価値観がいつのまにか養われてきたみたいです。

集団に埋没した画一的で個性のない人なんていないと。誰にも名前があり、それぞれ歩んできた人生があり、物語があるのだと。

普通の人の人生をありのままにきちんと見ることができるようになった今、美代子さんの言葉の重みがズシリと心にのしかかります。

出稼ぎ労働者という集団に埋没しているとみなされかねない実さんには、奥茨城村で生まれ育ったという過去があり、谷田部実という名前がある。

でも皮肉なものですね。

次回、ようやく美代子さんが再会することになる実さんには、奥茨城村で生まれ育ったという過去も、谷田部実という名前もなくなっているのですから。

「食べるため」の女優というキャラクター設定

普通の人・・・と書いて思い出したことがあります。

普通の人ばかりが登場する『ひよっこ』にあって、世津子さんだけは普通の人ではありません。雲の上の人です。

でも、昨今の芸能人の少なくない人が雲の上の人になることが女優という職業の目的であるのに対して、世津子さんにとっての女優という職業の目的はズバリ「食べるため」。

そして「食べるため」が目的で、雲の上の人が目的でない世津子さんもまた、その本質は普通の人なのかもしれません。

ご自分でもそのような意味のことをすずふり亭で食事した際に発言していました。

ところで「食べるため」の女優というキャラクター設定。あの時代のスターの回顧録などを参考にして設定したのだそうです。

この「食べるため」の女優というキャラクター設定、違和感を感じる人もおられるのではないでしょうか。

早苗さんの言葉を借りれば、雲の上の人が下々の庶民の暮らしを観察するために雲の下に降りてきて普通の人を気取っているだけではないかと。

普通の人・・・と書いて思い出した、と冒頭に書きましたが、僕が子供の頃に住んでいた庶民ばかりの街の一角に『ひよっこ』にもその名が出た当時の大スターが住んでいました。

その大スターの家。とてつもない大邸宅を想像するかも知れませんが、平屋でとっても小さい家でした。よく犬を連れて散歩する姿も見かけました。

最寄駅の切符売り場(自動券売機がまだない頃です)で並んでいたら、目の前にその人がいたなんてこともありました。

その大スターに限って言えば、今どきのスターよりもずっと普通の人でした。きっと大スターになった目的は「食べるため」だったのかも知れませんね。

愛子さんのフォロー

前回、みね子ちゃんがすずふり亭に戻ったとき、みね子ちゃんに言ってあげるべきことのすべてを鈴子さんが言ってくれたため、愛子さんは終始無言でした。

しかし今回は愛子さんの出番です。

「あなたはよく言うといろんな人の気持ちを察することができる。悪く言うとどっちつかずになる。今日はお母さんだけを見てなさい」

愛子さん、いいこと言いますね。みね子ちゃんのことをよく理解してます。さすが東京の姉です。

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コメント

  1. 常磐本線 より:

    録画見直したんですが、切なすぎて涙腺崩壊です。
    最寄り水郡線の駅に向かうバス中で、「見つかったのげ? 半分だけ・・・・・・」
    の台詞で、(銀河伝説 岩崎宏美)の歌詞が脳内再生です。

    畳み込むように、全県民が涙した上野署での回想シーンは、涙が止まりませんでした。

  2. ふくだ たかし より:

    何時も 見させてもらっています。初めての投稿です。今回のドラマの回想場面は何か所もあったのですが、どうしても分からなかったので質問です。家族写真を美代子さんが見ているのは理解できました。ところが同じ写真を黙って見つめる綺麗な女性(女優さんの名は分かりませんが)2
    カット程ありました。何回も見直しましたが誰なのか理解できませんでした。どなたかご教示願いませんでしょうか
    よろしくお願いします。

  3. こひた より:

    お母ちゃんが指輪という最高のアイテムを装着し、準備万端!
    敵の陣地に乗り込んで、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされた!!
    いざ、決戦の木曜日!!!

    頑張れお母ちゃん・・・と言いたいところだが、やっぱり誰かが傷つくのは見たくないよなぁ。
    この2週間ほど続くモヤモヤを早く誰か解消してほしいもんだ(;_;)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      乙女ちゃんたちの二度目の同窓会で笑う日までモヤモヤは続くかもしれませんね。

  4. GATTO より:

    こんばんは。

    今日は、本当に回想シーンが多かったですね。他のドラマなら「安くあげたなあ」と思ったところでしょう(笑)。
    しかし、このドラマは「ひよっこ」。手抜きや無駄は一切感じられません。この信頼感、この説得力、本当に素晴らしいものです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      良くできた映画やドラマは、回想場面のリサイクルが上手ですが『ひよっこ』がまさにそれですね。

  5. ぱぽりん より:

    「着物にすればいがったかな」

    女性にとって、着物って、<戦闘服>なんですね。

    綺麗とか、かっこがいい とか 物がいい とかそういうことではない。
    それを身に纏うことで心が引き締まる。
    気持ちが昂ぶり、でも冷静に事態を見極め行動する、そんなアイテム。

    思い返せば、実の消息が不明になり上京する時、美代子は着物で出かけた。
    美代子にとってどういう結果が待つのか、自分が何に向き合うことになるのか、何もわからない。
    そういう状況に対しての美代子の決断、なにがあっても負けない、家族を守る、そういうことだったのではないか、あらためて心にしみてきます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      かつて美代子さんが東京に行った時は頼る者もなくたった一人でした。今回の東京行きはみね子ちゃんが待っています。戦闘服を着ないで出発できた分だけみね子ちゃんが大人になったということかもしれませんね。

  6. 実穂 より:

    ここ数日の回は、内容的に自分のこととも葛藤しながらも、時間のある時には視聴しています。
    実さんが居なくなった当初に東京に探しに出た美代子さんの怒りにうちふるえたシーンが
    今回家の最寄りから乗るバスの車中で重なりましたね。
    バスの車掌さんも、実さんが見つかったと聞いたけれど、ただ見つかったのではなさそうだ、
    そう感じて静かに引き、また前回と同じように少し急ぐようにお願いする思いやりが良かったですね。

    普段すずふり亭やあかね荘を見慣れている、昭和の40年代という時代設定は私の生まれる前ということもあって
    高級住宅がどんな感じなのかよく想像できなかったのですが、川本さん宅の外観はほとんど現代に近かったですね。

    今回ではありませんが「私はどういう人間だったんでしょうか」と雨の中、実さんがみねこに尋ねたシーンがありましたが、
    あれは私も以前、忘れてしまった知人に対して言ったことがありまして、丁寧にその後いろいろ教えてもらいました。そう言ったことはあっても、そう言われた側のことは、その当時は知ることもできず自分としては尋ねたいことを尋ねたに過ぎなかったので、相手側の気持ちがあらためて分かったような気がしました。

    強盗に殴られた外傷性で全生活史を忘れたとなるとおそらくいろいろもっと日常生活に(言葉など)支障があると思うのですが、
    そこは二年間の空白にどんなことがあったかも未だわからないし、川本さんに立ち居振る舞いを習って
    あんなふうなどこか品のある男性のようになったのか、ドラマと言うこともあるでしょうが、
    おそらくですが外傷もあったとしてもあのときのお金を奪われたショックのほうが大きかったのではないか。
    それで大事だった家族のこと、お金を奪われた自分自身のことを自分の内に閉じ込めている状態なのだとすれば
    もしかすると本作中で自分を取り戻すタイミングはあるかもしれませんね。

    美代子さんこと木村さんが別なインタビューで
    「おそらく実と美代子は恋愛で結婚したんだと思う、見合いだったとしてもお互い好きあってでしょうね」
    と応えています。確かにそうだな、って今回の15分だけでもわかりました。
    稲刈りをして写真を撮った時の少しはにかんだような美代子さん、
    家族写真を見つめるときの美代子さん、
    そして結婚指輪を取りだし、それを身につけて東京へと向かう美代子さん。
    その一つ一つが実を思い、自分のことを忘れていても早く会いたい、
    ずっと待ち続けていた実に会いたい、そういう気持ちが丁寧に感じられて
    また中身の濃い回でしたね。

    結構ここを拝読していると島谷との復縁を願う方が多いことにびっくりしました。
    とと姉ちゃんの時のように、再会はあるかもしれないですけど、
    おまけの個人的な希望ですが、個人的にはヒデくんと上手くいって欲しいと思ってます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      実さんに関しての実体験にもとづいたレビュー、興味深く拝読しました。「私はどんな人間だったのか」と尋ねられた人の気持ち、想像すらできませんが、大好きなお父ちゃんからそんな質問をされたショックはかなり大きなものだったのではないかと思います。

  7. hajime72 より:

    美代子さんが初めて東京に行ったのは失踪した実さんを探しに。今日は、見つかった事を手放しで喜べないでの東京行き。回想と今とが交互に出てくるシーンは切なかったです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      美代子さんが笑顔で東京に向かうことができる日が待ち遠しいですね。

  8. 太郎次郎 より:

    そうですね。ここで鈴子さんの言葉が深いフォローをしてくれていると思います。「おとうさんが生きていたということ、元気だったということ、また会えるということ。そのことに感謝をしないとね。」この言葉がなかったら、みね子はとてもおかあちゃんと世津子さんに会いには行けなかったと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      鈴子さんのフォローは大きいですね。みね子ちゃんの気持ちを整理し手紙を書かせたフォローがなければ、今頃はもう泥沼です。

  9. しし より:

    考えたら世津子さんはめっちゃいい人です。実さんの真実知ってもみね子達に知らせないという方法もあったのに。どっちも幸せになって欲しいと思うけどそれは出来るのか。流れとしては世津子さんは実さんを送りだしそうだけど、その後彼女を支えるのは。食べるために女優になった、これを紐解く何かがそこを埋めるピースになる気がしてます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      世津子さんもこれではいけないと悩みながらズルズルと二年半も実さんを引き止めてしまったんでしょうね。

  10. 太郎次郎 より:

    2年以上にもわたって一緒に暮らしていて、男女の関係がないわけがないというのが一般的な常識。
    だからこそ、なぜ警察に届けなかったのか、という許せない思いがみね子とおかあちゃんにはあるはずです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      保護してもらったという一面と、警察に届けてくれなかったという一面。すごい葛藤を作り出したものですね。

  11. ちーぼー より:

    結婚指輪を出してきた美代子さん。全国に知られた女優さんに対抗(?)しなくてはならないのだから、大変だ。
    世津子さんが良い人なのを知っているぶん、みね子ちゃんも辛い。愛子さんは、そこで悩んでしまうみね子ちゃんのことを、ほんとによく分かってますね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      こんな大変な時に愛子さんがいてくれてよかったと思います。愛子さんがあかね荘入居時にみね子ちゃんに対して「私がいるからもう大丈夫!」とあの時は意味不明の発言をしましたが、本当のことになってしまいましたね。

  12. よるは去った より:

    愛子「行くの・・・・・・・?」 この人のキャラが今週のドラマの重さが過ぎないようにしている気がしますね。茂「・・・・・・何てこった・・・・・・・。」みね子N 「お母ちゃんは上野駅で会ってから・・・・・ずっと口を利きませんでした。」だしね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      愛子さんをあかね荘に転居させた作劇上の理由は、重さをやわらげるためになのかも知れませんね。愛子さんがもし引っ越して来ていなかったら、きっともっと重たくなってます。

  13. ゆうのしん より:

    おはようございます みね子ちゃんの恋の行方が気になります ヒデ君とは今のちょうど良い距離感を保っていくような気がします 綿引さんも再度登場されるようですが 恋に落ちる事は無さそうですね と言うことは やはり 島谷君と復縁でしょうか?朝蔵さんも確かそう予測されていたような? 政略結婚がうまくいかず そうなれば嬉しいですが・・・どちらにせよ島谷君の登場はまだあるでしょうね

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      島谷くんの退場の仕方があまりにあっけなかったですが、あのあっけなさが再登場を暗示しているような気がします。

  14. よるは去った より:

    みね子手紙「そのお客さま名は・・・・・・川本世津子さんです・・・・・・。」 やはり妻としては心中穏やかなわけないですよね。記憶と共に「雨男さん」から「実父ちゃん」に戻る日は来るのかな?ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      女性に保護されていたという点、みね子ちゃんはさほどの反応を示していませんでしたが、美代子さんの心は穏やかではないはずです。