倒産の危機に陥る藤岡屋 / わろてんか 第9話

2017年10月11日(水)第2週「父の笑い」

あらすじ

在庫していた薬品を保管していた倉庫が火事で焼け落ち、ドイツから輸入した薬のすべてを失った藤岡屋は、銀行からも融資を断られ倒産の危機に陥っていました。この危機を乗り越えようと儀兵衛は焦っていました。

かねてから進んでいたてんと伊能製薬の次男・栞との縁談を、なかば強引にでも決めてしまおうと儀兵衛は動き出します。困惑するてんは祖母のハツを頼ろうとするものの、ハツも儀兵衛の考えに異論はありませんでした。

家が危機にあることを理解したてんは、藤吉への気持ちに踏ん切りをつけようと、藤吉にもう一度会うため大阪に向かいました。藤吉の手紙に記されている寄席「南北亭」に足を運びました。しかしてんは、藤吉を見つけることができませんでした。

てんがどこにもいない。藤岡屋で騒動が起こっているその頃、藤吉を見つけられないてんは怪しい男たちに裏路地に引き摺り込まれてしまいます。窮地のてん。しかしその時、ある人物がてんを救います。その人物とはてんの縁談相手の伊能栞でした。

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予習レビュー

『ひよっこ』の島谷製薬も倒産の危機を乗り越えるために、盤石な製薬会社の創業家との政略結婚の道を選びました。

その時と、とてもよく似た状況になりました。もっとも窮地を乗り越えたい家が嫁を出すという点が、島谷製薬の場合と異なりますが。

また時代と人々の価値観も、この時代と昭和とでは異なります。

島谷製薬の御曹司は家族との絶縁を覚悟しましたが、てんちゃんは家の窮地を救うことを真剣に考えるようです。そう考えて当然という時代だったのでしょう。

さて、そんなてんちゃんが窮地に陥り、その窮地を救うべくどこからともなく姿をあらわしたその人物とは・・・

ちょっとネタバレになりますが、儀兵衛お父はんが縁談を決めようと焦っている伊能家の次男。彼が姿をあらわした人物です。

伊能家の次男・伊能栞。『あさが来た』の五代さまみたいなポジションの役どころのこの青年実業家の今後について、ブログ主はとても気になっていることが一つだけあります。

てんちゃんの実在モデル・吉本せいさんの生涯を『わろてんか』とは異なる形で脚色した創作小説『花のれん』の中では、ヒロインの夫が早逝。(夫の早逝は史実通り)

夫亡きあと、ヒロインが実業家に恋心を抱くエピソードが描かれるのですが、この小説の中の実業家に着想を得たのが「伊能栞」というキャラかも知れない。

だとしたら伊能さまはこの先で・・・そんな展開が待っているのかなと気になっています。

感想

風太くんが男前

前回は風太くんの気の毒な生い立ちが描かれましたが、今回は一転して風太くんが男前すぎてまぶしい!

風太くんの身の上は『ひよっこ』のヤスハルくんみたいだと前回の感想欄に書きましたが、今回あらためてそう思いました。

幼い頃に家族と離ればなれにさせられたヤスハルくんは、一時は我が身の不幸を嘆いたようですが一郎さんの努力もあって、失ったものよりも得たものに気持ちをフォーカスすることで優しい心を育みました。

風太くんもきっと一緒なのでしょう。

風太くんの言葉を借りれば「口減らし」同然で家を追い出されたことを、はじめは恨んでいました。

儀兵衛さんにたびたびゲンコツを食らっていたのは、恨みと怒りでいっぱいになった心が彼の行動を良からぬ方向に導いていたからでしょう。

でも儀兵衛さんのゲンコツは「父親の愛情」だったのかも知れません。

一郎さんとは愛情表現のスタイルが真逆ですが、儀兵衛さんなりの愛情表現が風太くんの心を失くしたものから得たものに向かわせ、男前のハートが育まれたのだと思います。

ところで、前回まではトキちゃんにバカにされすぎと気の毒に思っていましたが、オセロの黒が一瞬にして白に反転するような、風太くんとトキちゃんの立場の逆転。見事でした。

そして、トキちゃんがてんちゃんの行き先を知っていることを察し、トキちゃんを問い詰めててんちゃんの行方を聞き出した時の風太くんの表情の頼もしいこと。

てんちゃんを守り抜く覚悟を決めたその顔。『ひよっこ』で時子ちゃんのために捨て身の片思いを決意した三男くんの覚悟の決まった顔に通じるものがありました。

今回の風太くんの描写で、僕は風太くんファン確定です。

残念ながら風太くんのてんちゃんへの想いは実ることがないかもしれません。でも、いつまでも今回のような男前な姿でてんちゃんを守り抜いてほしいものです。

もう一つ希望を言うと、トキちゃんにはこの一件をきっかけにして風太くんへの評価をあらためてくれると嬉しいです。

追伸:てんちゃんの危機を救ったのは偶然そこに居合わせた伊能さまでした。

しかし、てんちゃんを助け出そうという強い意思を持って駆けつけた風太くんにも花を持たせてあげてほしいものです。

儀兵衛さんの焦り

話が前後しますが、今回の冒頭で描かれた儀兵衛さんの焦り。

銀行から融資を断られる場面が描かれ、その中のセリフで藤岡屋の状況がちょっとだけ語られましたが、意外に説明が少ないので知っている限りの情報を捕捉します。

銀行員の男性が何故それほどまで急に西洋の薬にしてしまったんだと儀兵衛さんに尋ねていましたが、儀兵衛さんはそれまで商っていた東洋の薬品をすべて売り払いその金で西洋の薬を仕入れたのだそうです。

その性急すぎる決断が藤岡屋の商売に少なからぬマイナスの影響を与え、そんな中で発生した倉庫の全焼です。

すでに東洋の薬品は売り払い、あらたに仕入れた西洋の薬品は全焼。売れるものは店先に並んでいる薬品なので、それが売り尽くされたら売るものがなくなりお金が入らなくなる。

それが今の藤岡屋の状況です。島谷製薬よりも厳しい状況かも知れません。

伊能さま

そんな藤岡屋の危機の中、てんちゃんを危機から救う場面で伊能さまが登場しました。

藤吉くんへの恋。その恋の障害となりかねない藤岡屋の危機。そして伊能さま。ドラマの要素があっという間に揃ってきました。

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コメント

  1. GATTO より:

    こんばんは〜

    「都合が良過ぎる?」
    コクリ
    なかなか笑えました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      都合が良過ぎると視聴者から突っ込まれる前に自爆しておく間の取り方、絶妙でしたね。

  2. ひるたま より:

    追記です。
    「ガマの油売り」ですが…実は第3話(10/4放送分)でも最後の方でほんの数秒だけながら映っていました!(先程NHKオンデマンドで見直して確認しました)
    放送の時には見落としていましたが…f^^;

  3. ひるたま より:

    大阪の街中の場面で「筑波山(名物) ガマの油売り」が登場!
    筑波山が直接舞台になった訳ではありませんが、同じ茨城県繋がりという事で前作『ひよっこ』へのオマージュ演出だったように思われます。(^^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      「筑波山」はやっぱり茨城県の筑波山だったんですか!近畿にもそんな地名があるのかなくらいの気持ちで聞いてました。(ダイゴ山の○○○・・・は、さすがに出ないですね)

  4. ※※弥生 より:

    母は戦前の大阪、薬種問屋街の道修町の近く、懐徳堂のそばで育ちました。華やかな模様の衣装や小物が好きだった母の育った下地が伝わって来るようで楽しく拝見しております。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      大阪の商店街には東京にはない色彩の豊かさがありますが、その原点はここにあると教えてくれるような大阪の街並みのセットだったと思います。