蔵に閉じ込められたてん / わろてんか 第17話

2017年10月20日(金)第3週「一生笑わせたる」

あらすじ

てんを励まそう。そう考えた藤吉は藤岡屋の蔵までやって来るものの、風太に見つかり締め上げられてしまいました。しかし、その時に風太が放ったてんをあきらめろと言ったその言葉で、藤吉は自分のてんへの気持ちに初めて気がつきます。

一方、蔵の中に閉じ込められたてんは相変わらず食事に手を出そうともせず、その顔からは笑いが完全に消え去ってしまいました。その時のてんの唯一の心の支えは、夜な夜な蔵の外にやって来て励ましてくれる藤吉の存在でした。

そんなてんを見るに見かねて、風太は伊能のもとを訪問。てんとの縁談をもう一度考えてもらいたいと懇願するものの、伊能はその頼みを一蹴。一方、大阪から駆けつけて来た北村屋の番頭が、藤吉の前に姿を現しました。

番頭から大阪の実家の母が倒れたとの知らせを受けた藤吉は、実家に戻る前にてんの笑顔を取り戻そうと心に決めました。藤岡屋の蔵に再びやって来た藤吉はてんを笑顔にすることができました。しかし、その現場を儀兵衛に抑えられてしまうのでした。

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予習レビュー

過去8年間にわたっててんちゃんに手紙を書き続けてきた藤吉くんが、はじめて自分の中にあるてんちゃんへの気持ちに気がつくようです。

藤吉くんがこれまでこまめに手紙を書き続けてきたのは、手紙の中に書いた嘘、自分は人気芸人という嘘によって自分を鼓舞するためでした。

しかし繰り返し手紙を書き続けるうちに、いつの間にかてんちゃんに思いを募らせていた自分の気持ちに気づく。

そんな心の変化があるようです。

一方、藤吉くんが蔵の外にやってきた時だけ笑いを思い出したかに見えたてんちゃんは、その藤吉くんが追い払われたことで再び笑いを忘れてしまいました。

同じ頃、風太くんが伊能さまに縁談考え直しを懇願するものの答えはNO。

そんな中でお母上が倒れた藤吉くんはてんちゃんが住んでいる京都を離れて大阪へ。お母上が倒れたという状況では、芸人を続けてゆくのも困難になるかもしれません。

芸人をやめればてんちゃんに会える機会も失われてしまうか、よくてわずかな機会があるのみです。

いよいよ煮詰まってきましたね。

第3週は明日で終わり。そろそろ物語が大きく動き始めるのでしょうか。

感想

藤吉くんの実在モデル

今回の冒頭で、風太くんが藤吉くんに言い放ちました。

「甲斐性もない、根性もない、カス芸人のお前にてんを守れると思ってるのか」

このセリフを聞いて思い出したこと。それは『わろてんか』の物語のモチーフとなっている史実です。藤吉くんの実在モデルのことです。

史実の中の藤吉くんに該当する人物の名は吉本吉兵衛。

史実ではてんちゃんの実在モデルの吉本せいさんは、恋愛の末の結婚ではありませんでした。結婚までの経緯はドラマの中とはまるで異なります。

しかし、結婚したばかりの頃の吉本吉兵衛氏は「甲斐性もない、根性もない」という風太くんのセリフに限りなく近い人だったようです。

荒物問屋「箸吉」

吉本せいの嫁いだ家は「箸吉」という屋号の荒物問屋。今で言う生活雑貨全般を小売の商店に卸すことを生業とする老舗問屋でした。

吉本せいさんが嫁いだ頃、吉本吉兵衛さんは間もなく家の当主を継ごうかという頃。

にも関わらず、家業はすべて番頭さん任せ。大好きな芸事に熱中し商売などそっちのけで寄席などに通い詰める中でついに「箸吉」は差し押さえをくらい家業は廃業。

吉本せいさんと結婚した二年後のことでした。

しかし、吉本吉兵衛さんは家業の廃業くらいでは改心するに至らなかったようです。なかなかの心臓の持ち主です。

風太くんの言葉を借りるなら「甲斐性もない」はそのまま当てはまりそうですが、ある意味で「根性」だけはありますね。

根性がなければここまで振り切れません(笑)

婚家を支えたてんちゃんの実在モデル

さて、吉本吉兵衛さんは家業が廃業してもなお、芸事三昧の日々。

家業が廃業しているので家に収入はありません。婚家の家計を支えていたのは吉本せいさんの内職からの稼ぎだけでした。

おまけにかつての取引先からは支払いの督促がひっきりなしにやって来ます。

『わろてんか』の中でもてんちゃんの実家の倉庫が全焼した直後、藤岡屋の取引先が支払いを求めて殺到した場面が描かれましたが、その時に似た状況だったのかも知れません。

ドラマの中では病気がちの新一くんが三日三晩、取引先の対応をしていましたが、実在の「箸吉」に支払いを求めて詰め掛けた取引先の対応をしたのも吉本せいさんでした。

夫の吉本吉兵衛さんは、取引先の対応まですべて妻に任せっきりだったとか。

今のところ『わろてんか』の中で藤吉くんは残念なキャラとして描かれていますが、実在モデルの残念なレベルは藤吉くんとは比べものにならないほどだったようです。

取引先への支払いにもこと欠く始末でありながら、どうやって遊び暮していたのかは謎ですが、ツケにツケを重ねてしかもそれを踏み倒していたのでしょうか。

立場は人を変える?

「立場が人を育てる」だったか「立場が人を変える」だったか、どちらか忘れてしまいましたがあの真田丸の有名な言葉です。大河ドラマ『真田丸』にも出て来たはずです。

残念ながら真田丸のこの名言は吉本吉兵衛さんには通用しませんでした。

家業もすでにない状態で吉本吉兵衛さんは「箸吉」の当主を襲名。当主という立場になったにも関わらず吉本吉兵衛さんは変わりませんでした。

当主の立場が吉本吉兵衛さんを育てはしなかったようです。

そして、夫の行状に愛想を尽かした上での精一杯の皮肉だったのか。それとも心からの本気の一言だったのか。

吉本せいさんが夫に言い放ちます。

そんなに芸事がお好きなら、いっそのことそれを商売にしてらどうですか?と。

この一言からお笑い王国のすべてが始まったようです。

笑い王国のはじまり、『わろてんか』の中ではどのように描かれるんでしょうね。

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コメント

  1. GATTO より:

    おはようございます。

    今日まで「ひよっこ」を思い出さない日はなかったのですが、一番よく頭に浮かんだのが、島谷さんのお父さんなんですね。どうも、ギョロ目の鬼はんと比べてしまいます。
    島谷父、高圧的なところは全然ありませんでしたが、こういう人が一番逆らえません。
    逆に、ギョロ目の鬼はん、あんまり人を追い詰め過ぎるので、「窮鼠、年々を噛む」なんてことになるのですね。子どもに自※されたり、金属バットで※られたり・・・まぁ、私が子どもの頃も、自分の父親も含め、こんな父親の方が圧倒的に多かったように思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      かつては子供に向けられていた高圧的な態度の一部が、今では学校の先生やら小売店・飲食店の従業員に向けられているのかも知れませんね。人間の本質はそんなに変わらないようです。

  2. marmite より:

    まだ桑田さんの歌声とともにひよっこが始まりそうな気がしながら、やっと移行しつつあります。

    蔵って、お手洗いがついているんでしょうか???というのが今一番気になってます。

    これから展開して楽しくなるんでしょうね。どうしても藤吉くんが好きになれなくて。。。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      蔵の中にはお手洗いはないでしょうね。この当時のお手洗いは家の外にあることが多かったらしいですから。

  3. 磐田 より:

    史実にはヒロインに弟がいましたが、わろてんかには不在。もしかしたら風太の史実のモデルは林正之助ではないかという噂も出ていますね。ヒロインに弟扱い受けていますし、クレジットの番手も高いです。その通りならかなりの重要人物といってもいいかもしれませんね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      風太くんが「林正之助」説。これは考えられますね。弟がいなくて、興行会社の経営が軌道に乗った後はどう展開させるのだろうと思っていました。