両親に別れを告げるてん / わろてんか 第18話

2017年10月21日(土)第3週「一生笑わせたる」

あらすじ

蔵の中に閉じ込められ笑顔を失っていたてんが、蔵の外にやってきた藤吉の励ましによりようやく笑いを取り戻すことができました。しかし、てんと藤吉が会話を交わしている現場を儀兵衛が目撃。

藤吉は儀兵衛に取り押さえられてしまうものの、藤吉は儀兵衛に懇願しました。てんとの結婚を許して欲しいと。藤吉は芸を捨て家を継ぐことを儀兵衛に告げると、最後の芸を披露。そしててんにも求婚しました。

てんも藤吉との結婚が望みでした。しかし儀兵衛が二人の結婚を許すはずもなく、てんを勘当にすると儀兵衛は宣言。てんは藤岡家から勘当される覚悟を固め、儀兵衛としずにこれまでのことを感謝すると、涙ながらに別れを告げました。

てんは、藤吉に連れられ大阪船場にやって来ました。藤吉の実家・北村屋では倒れたはずの藤吉の母・啄子が何故か元気でした。てんを紹介しようとする藤吉の言葉に耳を貸そうともせず、啄子は楓を藤吉に紹介。啄子は言いました。楓は藤吉の許嫁だと。

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予習レビュー

第1週から「運命の人」とアナウンスされていた藤吉くんと、てんちゃんの二人三脚の人生が第3週にして早くもスタートします。

家を守るために一時は藤吉くんのことを忘れると心を決めたてんちゃんでしたが、自分の人生には藤吉くんと笑いが必要であると思い直したようです。

この、思い直すまでの心のうつり変わりの描写が今週の最大の見どころとなるかも知れませんね。

その心のうつり変わりのプロセスはまた、物語の後半で二人の人生が回収されるに及んで涙腺を刺激する小道具として効いてくるはずです。

その時の感動を最大化するためにも、今週のてんちゃんの気持ちの変化と、てんちゃんの気持ちの変化をうながした藤吉くんの行動を丁寧に観てゆきたいと思います。

そんな気持ちの変化を経ての駆け落ちです。

そして駆け落ちの先、すなわち次週には『ごちそうさん』の和枝姉さんを思い出さずにはいられないようなイケズが用意されています。

ただし『ごちそうさん』のヒロインは両親から結婚を祝福された上での「和枝姉さん」だったのでそこに少しだけ救いがありました。

しかし今度は両親と永遠の別れを覚悟した上での「和枝姉さん」レベルのイケズです。

視聴者にとっても試練の一週間になるかもしれません。(ちなみに『ごちそうさん』の時は「和枝姉さんの活躍」で脱落者が続出しました)

感想

ハツさんの別れの言葉

てんちゃんと家族との別れの場面。てんちゃんとの別れを惜しむハツさんの振る舞いに泣かされました。

愛する孫娘との別れを察したハツさんが、てんちゃんが家を出て行くことについては一言も触れず、遠回しに別れを惜しむ言葉をかけ、決して涙の別れにしないその気遣いが心に沁みます。

「年とるとな、人と別れるときはその一時いっときを大切にせなと思う」

愛するてんちゃんが幸せをつかむための門出。だからハツさんはそれを涙の別れにしたくはなかったのでしょう。

決して涙を見せなかったハツさんの別れの姿、美しすぎました。

「てん、達者でな」

この別れの言葉としては当たり前すぎるハツさんがてんちゃんにかけた一言が、耳について離れそうもありません。

ただ一人涙を見せた儀兵衛お父はん

しずさんも本当はてんちゃんにしっかりと別れを告げたかったはずです。別れを告げたくないわけがありません。

家であんなに寂しく別れを告げるのではなく『ごちそうさん』みたいに、旅立つてんちゃんを家族揃って駅で見送りたかったに違いありません。

でもそんな別れも叶わず、家を静かに出てゆくてんちゃんを見送ることも、声をかけることすら出来ないしずさんが不憫でなりません。

しずさんがてんちゃんに別れを告げられなかったのは、もちろん儀兵衛さんの手前それが出来なかったからです。

では、当の儀兵衛さんはどうしていたかというと・・・

ハツさん、しずさん、そして儀兵衛さん。愛する孫娘・娘が家から出すことになった三人の中でただ一人だけ涙を流したのが、まさかの儀兵衛さんでした。

このギャップに泣かされました。

追伸:『あさが来た』の中でも、娘の嫁入りを一番嘆いていたのは他でもない「こらっ!あさっ!」を連発していた、ギョロ目の鬼さんよりもおっかなかった忠興お父はんでしたね。

第3週「一生笑わせたる」の感想

てんちゃんと藤吉くんとの8年ぶりの再会場面からはじまった第3週は、最後はてんちゃんが藤吉くんと駆け落ちするというまさかの急展開で終わりました。

再会から駆け落ちまでのプロセスを描くのに費やした時間はわずか一週間。ドラマの中で進行した期間もどれくらいなのかは定かではありませんがかなり短いことは確かです。

てんちゃんと藤吉くんのお互いの恋心がはっきりと見えないままストーリーが進んでしまった。そんな気もする一週間でしたが、二人の恋心はこれから明らかにされるのかなと、予想というか期待しています。

『わろてんか』の脚本家として吉田智子さんの名前が発表されて後、吉田さんが脚本を手がけられた映画を2本観ました。

その2本に共通すること。とりわけそのうちの1本の『君の膵臓を食べたい』は、ヒロインと相手役のそれぞれがお互いに抱いている気持ちが観客によく見えないまま物語が進行。

物語の三分の二か四分の三が過ぎたあたりから二人の気持ちが徐々に明らかになり、後半まで大事なところを伏せて伏せて伏せ続けるそのストーリーテリングが観客を泣かせることに成功していました。

もう一本の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』も、後半に大事なところを引っ張る手法に通じるものがあり、後半号泣作戦はここでも見事に成功。

『わろてんか』の今後の展開を予想・期待というのはこの点です。

登場人物たちの心の中がよく見えないまま物語を引っ張って、あるところでまさかの出し方をする。そんな展開を僕は期待しています。

ただしこの手法は約2時間という限られた時間枠の中に収まる映画だから出来る芸当であることも確かです。

半年にわたる朝ドラで、この手法が果たして通用するのかどうか。そもそもこの手法を使っているのかどうか。楽しみながら観てゆきたいと思います。

さて、今週末は台風が日本列島に襲来します。

どうぞお気をつけて週末をお過ごしください。

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コメント

  1. よるは去った より:

    実母役が鈴木保奈美ちゃんで、姑役が鈴木京香ちゃんか。ダブル鈴木ってやつでんな。ダブル鈴木が顔合わせる場面はあるのかな?しかし、鈴木京香ちゃんが「君の名は」で出てきてからかれこれ二十年近くになるんですな。鈴木保奈美ちゃんも「ノンちゃんの夢」でヒロイン(藤田朋子)の従姉妹役で出てきて・・・・・・ああ年月の話はもうやめにするか・・・・・(T-T)

  2. かぐや姫 より:

    わろてんか、今日のてんちゃんの両親との別れに涙しました。
    ヒロインよりどうしても両親の方に感情移入してしまって、てんちゃんが両親の影に挨拶する演出で寂しくて泣いてしまいました。

    来週の嫁いびりがちょっと怖いですが、予告だと笑っててんちゃんが乗り切ってくれそうなので、楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      襖越しに別れを告げるお別れの演出。本当に泣かされましたね。てんちゃんもしずさんも、そして儀兵衛さんも、襖など取っ払ってしまいたい気持ちが伝わってきました。

  3. GATTO より:

    こんばんは。

    しかし、時代がそうだといっても、長男・長女というだけで、そんなに無理だろうか・・・次男とはいえ、伊能さまに婿に来ていただく方が現実離れしているように思えますが。
    私個人の希望を言えば、もう政略結婚の必要もないのですから、風太君の望みをかなえてあげても・・・

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      当時の結婚は家族だけでなく一族が注目するイベントだったので、その根回しが困難を極めてたのでしょうね。