北村屋が家屋敷を手放す / わろてんか 第30話

2017年11月4日(土)第5週「笑いを商売に」

あらすじ

北村屋の再建のめどが立たなくなる中、てんは藤吉にあることを提案しました。それは藤吉の大好きな笑いを商売にする、寄席経営を始めるということでした。藤吉はてんの考えに関心を示すものの啄子はその提案を一蹴します。

ほどなくして啄子は北村屋の土地と家屋敷を売り払いました。啄子はその金で、借金のすべてを返済したのです。そして迎えた北村屋を出て行く最後の日の朝。北村屋の暖簾を下ろすことになったことを、啄子は家訓の扁額の前で涙ながらに詫びました。

一方、てんは啄子に頭を下げました。「北村家のごりょうさん」としてふさわしい女性になれるよう、自分を厳しく導いてほしいと。啄子はてんの願いを受け入れました。しかし啄子は、てんを嫁と認めたわけではありません。

住み慣れた北村家を去り、てんと藤吉そして啄子が引っ越した新しい家は、これまでの家とは比べ物にならないくらい小さくて粗末な家でした。しかも、そこは売れない芸人が身を寄せ合って暮らす芸人長屋の一角だったのです。

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予習レビュー

前回は、北村屋を差し押さえるためにやってきた借金取りを、啄子さんと藤吉くんが親子でひと芝居打つことで追い返すことに成功しました。

しかしその場はしのげても、啄子さんのボンクラがつくった多額の借金。それに加えて藤吉くんまでが背負ってしまった借金がなくなるわけではありません。

啄子さんはついに北村屋を売り払う覚悟を固めるようです。

そして迎えた、今回描かれる北村屋の最後の日。啄子さんは、これまで船場のごりょさんとして過ごした思い出の詰まった家屋敷を隅々まで掃き清めます。

一家を風雨からしのぎ商売する場を与えてくれた家屋敷を感謝を込めて磨き上げる、けじめをつける行動はいかにも啄子さんらしい。

北村屋の最後の日のエピソードで思い出すのは『あさが来た』の白蛇はんの生家です。

借金を返しきれずに夜逃げをし、その後も居所が人に知れると家財道具を台車に乗せて、借金取りから逃げ回っていた・天王寺屋(眉山家)の末路は悲惨でした。

それに比べると北村屋が家屋敷を手放すことになったのは残念ですが、借金を返し掛け値を清算して最後の日を迎えることができたのは救いでした。

さて、北村屋が米屋として復興する道は完全に絶たれました。

そんなどん底の中でついに『わろてんか』の物語のメインテーマである「寄席経営」という言葉がてんちゃんの口から出てきました。

今回の啄子さんはその提案を拒絶したものの、そろそろこの物語が本題に突入するそのフラグが立ったような気がします。

感想

「始末 才覚 算用」

北村家の家訓が大書された扁額の前でひざまずき、百年続いた暖簾を下ろすことになった非を詫びる啄子さんの姿に泣かされました。

そして、啄子さんが泣いて詫びる姿に、啄子さんが歩んできた半生、真剣な生き様が見えたような気がします。

世の中の不景気。夫のつくった借金。息子のつくった借金。

啄子さんのコントロールの及ばぬところで、啄子さんの足を引っ張るようなことが次から次へと起こり悲しい結末を迎えてしまいましたが、啄子さんは最後まで立派でした。

そんな啄子さんに、てんちゃんが頼みこました。

北村屋のごりょうさんになれるよう自分を鍛えて欲しいと。

まだまだ啄子さんには遠く及ばぬてんちゃんですが、啄子さんに鍛え上げられて啄子さんみたいな、あるいはそれ以上のごりょうさんに成長することはできるのでしょうか。

芸人長屋

売れない貧乏芸人たちが肩を寄せ合って暮らす芸人長屋。

早く出てこないかとずっと楽しみにしていたあやしい芸人さんたちが、今回のところはまだ数名ではありましたがようやく登場しはじめました(嬉)

今回、ちょっとだけ姿を見せた白塗りのミッキーマウス頭。

『ひょうきん族』を楽しんだ世代の一人として、あんな変な芸人さんたちがこれからドラマの中でウヨウヨと出てきて欲しいものです。

そしてそんな芸人さんに思う存分暴走してもらいたいと切に願っています。

第5週「笑いを商売に」の感想

北村屋が多額の借金を抱えていることが発覚したところが始まった第5週。

その借金を一攫千金の儲け話ですべて返済してしまおうという藤吉くんの目論見は大きく外れ、藤吉くんの大失敗は危機的状況に陥っていた北村屋の致命傷となってしまいました。

そして北村屋が窮地にいることがわかったところから始まった第5週は、北村屋が約百年続いた暖簾を下ろすところでエンディングを迎えました。

多額の借金発覚から廃業までわずか一週間。実にスピーディーな展開でした。

そんな苦しい日々が描かれる中、今週も啄子さんが素晴らしかった。

番頭に去られ、手代に去られ、そして女中に去られても、落胆する暇もなく率先して働く啄子さんの姿が忘れられそうにありません。

啄子さんの幼い頃。お父ちゃんに連れられ方々を行商でまわる中、船場という土地に憧れ船場のごりょうさんになるという夢を持ち、その夢を叶える。

そして叶えた夢を守り続けてきた啄子さんをヒロインに据えたドラマを観てみたい。

そう思うほどに啄子さんに心を奪われた一週間でした。

今週のサブタイトルは「笑いを商売に」です。てんちゃんと藤吉くんの未来を暗示するサブタイトルです。

でも今週は啄子さんの半生を深く理解する、啄子さん週だったと思います。

啄子さんの登場場面はまだしばらくありそうですが、啄子さんがいなくなったとき、深刻な啄子さんロスに陥りそうです。

というわけで、サイドストーリーながらも啄子さんの物語に熱中した第5週「笑いを商売に」の一週間が終わりました。

次週予告映像では、寄席経営に異を唱える啄子さんの姿。久しぶりに登場する儀兵衛お父はんの姿。ややこしい人が次週も満載です(笑)

というわけでこの一週間、ありがとうございました。

どうぞ良い週末をお迎えください。

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コメント

  1. AK より:

    土曜の衛星のまとめ放送を見たが、この鈴木京香のキャラクターの半生のほうが、昔テレビで見た淡島千景主演山崎豊子原作映画「花のれん」に近い気がします。有名邦画ということで見たが、なんだこりゃハナトコバコが文芸調に進出か?と思うほど「そういう調子」でした。これを今の時代そのまま朝ドラにしても「ネットで不評」やも。

    数年前、船場ではないが、「なにわの老舗」の商人氏が子供時代の大阪商人の家の思い出を話しておられ、なんでも日頃は質素倹約、始末の日々だが、元日のみ贅沢し、「めでたいめでたいよきかなよきかな」と過ごす…と。皆、大阪人も含め、なんだかものすごい大昔の人の話を拝聴という気分で聞き入りました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『花のれん』は小説で読んだだけですが、確かに啄子さんが語った幼少期の思い出話は『花のれん』に重なるところがあります。何年も苦難に耐えながら商売の才覚に磨きをかけたところなどそっくりです。

  2. こひた より:

    朝蔵さん、お久しぶりです!
    仕事が一段落したのでまたこれからちょくちょく寄せていただきます。

    ドラマの方は、土曜日にまとめて観たりしてなんとかしのいできました。

    最初のうちこそ“ひよっこ”ロスに苦しめられましたが、前作ではなかったハラハラドキドキを味わいながら、決してしんどくはならない絶妙なストーリーに回を重ねるごとにどんどん引き込まれております。

    いよいよここからが本当の苦難の始まりでしょうが、藤吉くんはもちろんのこと、キースや万丈目夫妻といった仲間たちとともに笑顔で乗り越えていってもらいたいです。

    てんちゃんの笑顔、最高でーすっ!o(^▽^)o

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      お久しぶりです!
      寄席の物語がようやくはじまりましたのでいよいよこれからですね。これから来年の春までよろしくお願いします!

  3. GATTO より:

    こんにちは〜

    「ひよっこ」でいえば、向島電機が倒産して、あかね荘に住み始めた頃でしょうか。展開が早いにゃあ。

    お笑い芸人と一般の人の違いはありますが、初対面の「変な人」度、あかね荘を軽く越えていますね。これはますます楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      第1週から9年近く経過していますので、すでに『ひよっこ』の半年間に経過した時間を軽く超えてますね(笑)

  4. ひるたま より:

    「あんたがいると、食いぶちが増えて迷惑や。これ」
    涙を流すトキちゃんに対して、てんちゃんのこのセリフ…しかも笑顔であっけらかんと(少なくとも私にはそのように映りました)…「???」率直に申し上げて違和感を感じてしまいました。同じセリフでも、せめて涙をこらえる仕草があったならばもう少しスッと入ったかもしれませんが。
    てんちゃんにとってのトキちゃんは、京都時代からずっと傍にいてくれて、何でも話せる心強い存在…単なるお嬢様と女中の関係では無いように私は思っていました。(おそらくしずさんがトキちゃんを送り込んでくれていなければ、あのてんちゃんといえども心折れて京都に戻っていた事でしょう)
    そのような存在であろうトキちゃんに対して、あのような態度に出られるものなのでしょうか?…てんちゃんは。

    個人的にはモヤモヤが残っています。(ごめんなさいね)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      藤吉くんに商売の才覚がないと言い切った時も明るい笑顔だったので、てんちゃんは天然キャラなのかもしれませんね(笑)

  5. よるは去った より:

    「芸人長屋ヘようこそ~。」 てんちゃんたちが秋田実先生や、横山エンタツ師、花菱アチャコ師、ミスワカナ師、玉松一郎師なんて人たちに出逢っていくのは何年先の話なのかな~?なんて想いで視てました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕もこれから登場してくる芸人さんたちとの出会いを想像してワクワクしながら観ていました。