藤吉、寄席小屋探し開始 / わろてんか 第31話

2017年11月6日(月)第6週「ふたりの夢の寄席」

あらすじ

北村屋の土地と家屋敷を売り払うことになった藤吉はてんと啄子とともに、売れない芸人仲間たちが暮らしている長屋に引っ越しました。芸人長屋の賑やかな雰囲気にてんは喜ぶものの、啄子だけは馴染めそうもありません。

寄席を開業して一刻も早く北村屋を再興したいと心から願う藤吉でしたが、そんな藤吉に啄子は厳しい条件を突きつけました。一ヶ月経って開業することが出来なければ寄席はキッパリと諦めろと。

てんと藤吉は寄席小屋探しを開始。寄席を買い取る資金のないてんと藤吉は日々の売上から少しづつ小屋のお金を払い、元手なしで寄席をはじめるつもりでいました。しかし、大阪の街中を探し回るものの都合の良い物件を見つけることができません。

師走から寄席小屋探しをはじめたてんと藤吉でしたが、年が明けてもめぼしい小屋を見つけることは出来ません。そんな中、人がにぎわう正月にも関わらず、人の気配もなく営業していない寄席小屋をてんと藤吉は見つけるのでした。

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予習レビュー

啄子さんから一度は猛反対された寄席経営に、てんちゃんと藤吉くんが挑むことになりました。しかし、一ヶ月以内に寄席を開業できなければ断念するという期限付きです。

ところで史実では「北村屋」は「てん」と「藤吉」が結婚早々に廃業。

それでもなお「藤吉」は芸事遊びをやめることができず「北村家」の家計を「てん」が内職仕事などをしながら支えていました。

しかしそんな暮らしが長く続くわけがありません。

堪忍袋の尾が切れた「てん」は「藤吉」に対して、そんなに芸事が好きならいっそそれを商売にしたらどうかという皮肉みたいな提案が、本当に実現した・・・というのが史実です。

史実の中で「てん」が「藤吉」に対して、どういう気持ちで寄席経営を提案したのかは定かではないようです。

しかし、寄席経営を提案したことそのものは事実のようで、そこから今回のドラマの中でも描かれるような寄席小屋探しがはじまります。

寄席を一から作ったのではまとまった資金が必要です。そこで廃業した寄席小屋、つぶれかかった寄席小屋を買い取って、そこで寄席経営を始めようと考えたようです。

話を『わろてんか』に戻します。

ちょっとネタバレになりますが、今週中のかなり早い段階でてんちゃんと藤吉くんはめぼしい寄席小屋を見つけることになるようです。

『わろてんか』ヒロインのライフワークの物語は間も無くはじまります。

感想

啄子さんが今週も楽しい

前週、北村屋が傾きつつある中でもプライドを失わない啄子さんの生き様に魅了されましたが、今回もまた啄子さんに心を奪われる場面の数々からのスタートです。

売れない芸人ばかりが集まる貧乏長屋ではじまった新しい暮らし。質素を極めた粗末すぎる食事。

『あさが来た』で、没落した山王寺屋さん一家が貧乏長屋で暮らし始めた時のそのさまはただただ重く苦しいものでした。

あの時のどんよりとした空気を今も忘れることができません。

しかし、同じように没落しながらも毅然とした態度を決して崩さない啄子さんの姿が心に沁みました。

芸人長屋での初めての食事の席での、啄子さんの凛々しい姿に目が覚めるおもいでした。

貧乏暮らしの経験がなかった山王寺屋一家に対して、啄子さんはこの長屋みたいなところからの叩き上げの人物です。

だから啄子さんからすれば没落というよりは元に戻ったくらいの感覚なのかもしれません。だからあんなに毅然としていられるのでしょう。

しかも、「ケチでは一枚も二枚も上手」とキースに言わしめるほどの始末の極意を披露する心の余裕がまたすごい。

話が前後しますが、芸人長屋に足を踏み入れた直後の、芸人たちの芸をしらけた目つきでながめるあの冷めきった表情も絶妙でした。

しかも船場のごりょうさんらしく、相手を立てる言葉の選び方だけは間違いがない。

顔は仏だけれど心は鬼。こんなキャラを生み出せるのは大阪ならでは。東京ではこんなキャラはちょっと考えられません。(特に純朴な人ばかりの昭和40年代の茨城では)

今週も啄子さんの一挙手一投足が楽しみです。

リリコちゃんらしくないリリコちゃん

今週はリリコちゃんのちょっとディープなエピソードが描かれる予定なので、それを楽しみにしていました。

しかし、まさか月曜日からリリコちゃんにお目にかかれるとは思いも寄りませんでした。

芸人たちが北村屋一家をお茶けで歓迎する席を、未練と諦めが混ざったような表情を浮かべながらチラ見して、無言で去ってゆくリリコちゃん。

その後、路上で挨拶したときのリリコちゃんらしからぬ態度。

てんちゃんから藤吉くんを奪い返そうとしていた頃の、執着心バリバリのリリコちゃんは一体どこに行ってしまったのか。

今週のリリコちゃんエピソードのフラグが立ちました。

鶴亀亭

人通りが少なくて立地の良くない寄席小屋を「端席(はせき)」と言う。これは藤吉くんの説明ですが、そんなへんぴな場所の小屋に藤吉くんは不思議と心を動かされる。

そんな藤吉くんの「直感」を、てんちゃんは信じると言い切る。

この藤吉くんの寄席小屋への反応とてんちゃんの応え方は、前週のどこかのタイミングで啄子さんが語った昔の思い出話が回収されるフラグでしょうか。

そして、心に何か感じた寄席小屋の前にはワケありオーラがいっぱいの怪しいおじさん。

『わろてんか』前編に通じる巨大なフラグが、月曜日から立ちました。

いよいよ物語が動き始める予感がしてきました。

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コメント

  1. よるは去った より:

    てん「寄席を売る話しは・・・・・・。」 五代目・三遊亭圓楽師や現・桂歌丸師が落語のマクラ噺で時々振る話なんですが「寄席」はそもそも、江戸時代に初代・三笑亭可楽師が「座敷」に木戸銭をとってお客を集めて噺の会を始めたのが最初だそうですからね。藤吉郎君もてんちゃんももっと気楽に考えれば良いのにと視ていて思いました。「ちりとてちん」でも亡くなった師匠・徒然亭草若師(渡瀬恒彦)の自宅で「落語の会」を開催して大盛況という場面がありましたからね。二人とも「寄席小屋経営」というやり方にとらわれすぎてないかなとすら思いました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『ちりとてちん』では青空寄席なんてありましたね。草原師匠の住まいの向かいの居酒屋のステージを高座にするなど臨機応援に寄席を開いていたことを思い出しました。