寄席小屋を譲られるてん / わろてんか 第35話

2017年11月10日(金)第6週「ふたりの夢の寄席」

あらすじ

念願の寄席小屋を手に入れることができたてんと藤吉に残された課題は、寄席経営に猛反対する啄子の説得でした。啄子の説得は藤吉の芸人仲間のキースとアサリが引き受けてくれました。しかし、二人の言葉に啄子は耳を貸そうともせず説得は失敗。

そんな中、啄子が家を出たまま帰って来なくなってしまいました。啄子を探しまわったてんと藤吉は、思いがけない場所で啄子の姿を見つけました。啄子がいたのは、てんと藤吉が譲ってもらうことが決まった寄席小屋の中でした。

その寄席は、幼い藤吉を啄子が連れてきた寄席だと啄子は藤吉に告げました。藤吉は苦悩する啄子を笑わせたくて寄席に入ることを望んだとその時の本心を語ります。幼かった頃の藤吉の本心を初めて知った啄子は、ついにてんと藤吉の寄席経営をみとめました。

しかし、亀井の気持ちは、寺ギンという名の男に寄席を譲る方向に傾いていました。500円で寄席を買い取るという寺ギンの提案に亀井が飛びついたのです。藤吉が寄席を諦めたあくる日、てんは早朝に家を出発し、ある決意を秘めて京都の実家に足を運ぶのでした。

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予習レビュー

てんちゃんと藤吉くんが悲願だった寄席小屋を譲ってもらうことになりました。前回のてんちゃんの説得が、寄席小屋に未練たっぷりの亀井さんの心を動かしたようです。

亀井さんの攻略は成功しました。残るはラスボス・啄子さんです。

しかし、キースとアサリによる啄子さんの説得は失敗。説得に自信満々のキースが啄子さんにまったく歯が立たないの図。この場面は笑えるカモです。

さて、最後にして最難関の啄子さんが姿を消してしまいました。朝早くに家を出たままいつまで経っても戻ってきません。

戻らぬ啄子さんを心配したてんちゃんと藤吉くんが探しまわり、ようやく啄子さんの姿を発見したのは、てんちゃんと藤吉くんが譲られることが決まった寄席の中でした。

啄子さんがどうしてこの寄席に?

以下、ネタバレが含まれます。

前の週で心労から寝込んでしまった啄子さんが、自分を介抱してくれるてんちゃんに言いました。

その昔、家に帰らぬ夫を探しに大阪中を探しまわり、絶望の末に川に身を投げようかと思い始めたその矢先に、藤吉くんが寄席の中に入りたいと言い出したという話を。

これが最後の親子水入らずと思いながら落語を聞き、どうやらその時の笑いで身投げを思いとどまったらしい啄子さん。

その時に、啄子さんと藤吉くんを救ったのが、亀井さんの寄席小屋だったのだそうです。

ところでキースとアサリによる啄子さんの説得は失敗に終わりました。

しかし、てんちゃんと藤吉くんが譲ってもらうことになった寄席小屋が、自分を救ってくれた寄席小屋だと啄子さんが知ることになれば、もう啄子さんを説得する必要はなさそうですね。

感想

「あきまへん」

啄子さんの笑いが今日も朝から炸裂しました。

寄席が手に入ることが決まり、てんちゃんを抱き上げて喜ぶ藤吉くん。二人が、ついに自分のものになった寄席の舞台で大喜びしたその直後に啄子さんキッパリ・・・

「あきまへん」

啄子さんおみごと!(笑)

ただし、腰痛が仮病だということをいとも簡単に藤吉くんに見抜かれてしまったのは残念でしたが。

もっとも、スキがないように見えてどこか脇の甘さがあるところも啄子さんをお茶目に見せている要因には違いありません。

もしこの脇の甘さがなければ啄子さんは『ごちそうさん』の和枝姉さんと同レベル。怖くて見ていられません。

さて、そんな啄子さんが、幼い藤吉くんに助けられていたことを初めて知るに及んで、ついに今回のしょっぱなに口にした「あきまへん」を撤回しました。

今週に入って、リリコちゃんの過去、亀井さんの過去。そして二人の過去と、その延長線上にある今が語られてきました。

そして、今回は啄子さんの人生を諦めた過去が啄子さんの口から明かされ、啄子さんの悲しい過去は、てんちゃんと藤吉くんの明るい未来が繋がりました。

悩んだことも苦しんだことも一所懸命に生きていれば綺麗な模様になって出てくる。『ちりとてちん』正太郎おじいちゃんの「塗り箸の教え」のような瞬間だったと思います。

追記:「塗り箸の教え」

卵の殻や松葉など捨てられるようなものを漆とともに箸の生地に塗り重ね、それを研ぎ出すと綺麗な模様になって出てくるのが若狭塗り箸。

卵の殻や松葉など捨てられるようなものとは、悩んだことや苦しんだこと。そして研ぎ出すことが、一所懸命に生きること。

これが正太郎おじいちゃんの「塗り箸の教え」です。

亀井さんがいい人過ぎる

寺ギンのおっちゃんに即金500円を積まれ、その誘惑に屈した亀井さん。多額の借金を背負っているらしいので誘惑に負けた亀井さんを責めることはできません。

責めるどころか、僕の目には亀井さんがとってもいい人に映りました。

初登場時はあれだけ偏屈オヤジだった亀井さん。いざとなったらあの偏屈さを復活させて、金のない者に寄席を譲るわけがないと開き直ることだってできたはず。

しかし亀井さんはそうはしなかった。

そうはしなかったばかりか、てんちゃんと藤吉くんに対して終始申し訳なさそうな表情を浮かべ、最後は言い訳に限りなく近い説明までする亀井さんの姿がいい人過ぎました。

「あきまへん」に次ぐ「あきまへん」

啄子さんは「あきまへん」を撤回しました。

ついに寄席経営を始められる!と、てんちゃんと藤吉くんが喜んだ次の瞬間には、新たな「あきまへん」が立ちふさがる。

しかも新たな「あきまへん」は啄子さんの「あきまへん」よりもハードルが高い。

ところで、今週に入ってから登場人物たちの過去が繰り返し描かれてきました。

そして過去が明らかになることで、登場人物があたかも別の人物に見えはじめ、ドラマの風景も一変してしまうような巧みなストーリー展開。

そして今回の畳み掛けるような「あきまへん」に次ぐ「あきまへん」(笑)

『わろてんか』の脚本家・吉田智子さんが得意とするストーリー・テリングの筆が冴えわたってきました。

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コメント

  1. よるは去った より:

    小野N 「 500円は現在のお金で500万円・・・・・。」「マッサン」で主人公が「サ〇トリー」にスカウトされた時の金が10万円→私の記憶に間違いなければ現在のお金で4000万円と言ってたような気がしますが。時代とともにどう変動してるのか一度説明してくれるものが書物かネットでないしらと思うんですが。以前、ネットで1円=現在の2万円としてあったのを見たことはあるんですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『マッサン』の時の状況を確認したところ、マッサンが独立し開業するために必要なお金が工場建設資金も含めて50万円。ただし出資者の条件はそのうちの10万円はマッサンが自分で出資して20%は自分でリスクを取れというものでした。その10万円の調達に難儀するマッサンに対して、鴨居の大将が退職金として10万円を出してくれました。この50万円が4000万円相当だったかも知れません。